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「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
 -そこまでやるか、EM叩き- 

第5回
・国立天文台執行部が下した決断

「「ニセ科学」というレッテルで、EM(有用微生物群)の環境活動が、膨大なデマ情報と誇張のツイッター・アビューズにさらされている。ツイッター・アビューズとは、ツイッターでの悪意のある誹謗・中傷のことを言うのだが、近年、ますますエスカレートして社会問題になっているのだ。陰湿でしかも悪意に満ちた投稿が連続すると、もう誰にも止められない。それは集団的なイジメのようなものだ。このまま放置すれば人を死に追いやる危険すらあるのではないか。朝日新聞の偏向した記事がでるタイミングを狙って直接的な妨害に及ぶ国立系の准教授がいた。
国家公務員、それに準じる公務員らがその立場を利用して善意のボランティアを断罪し、EMを排斥しようとしているのだ。ツイッターの内容を見て上司らも首をかしげた。ツイッターは、“ウソ発見器”でもある。心ある人はその奸計を見抜くものだ。 国立天文台執行部が動いた。
DND編集長、ジャーナリスト・出口俊一


◇「厳重注意した」と国立天文台の副台長から
 「国立天文台の小林です。
 先日、国立天文台にお出でになり、伺った大石の件ですが、
 Twitterに掲載されている内容を確認し、本人に厳重注意を行い
ましたので、ご連絡いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。」

 

 2013年12月19日の午後、国立天文台の副台長で教授の小林秀行氏からEM研究機構(本社・沖縄)宛てにメールが届いた。表題が「大石雅寿の件について」とあった。

 EM研究機構側は、国立天文台の姿勢を評価しつつ、大石氏の今後の言動を注視していくことを伝えた。国立天文台が、准教授の大石雅寿氏を厳重注意処分に踏み切ったのには、それなりに重い理由がある。
同執行部は当時、「(大石氏は)我々の意図をくんでその後、自分からのツイッター発信はしていない状況になっていると思います」と胸を張った。が、果たしてどうだろうか。


 

◇勢いづく自治体へのクレーム
 再び、青森に飛んで、青森県庁の担当者と面談した。担当の課長は、クレームがきた大石氏本人と電話でやり取りしたことを認めた。記事が出た3日後の7月6日の時点で、大石氏がツイートしたように青森県庁が「EMを今後は止める」と答えていたのだろうか。
別の担当者は、「そんなことはありません」と否定した。県の担当者が軽々に口にする内容ではない。役人は、責任がないから平気でウソをつく。大石氏の思い込みか、県がはぐらかしたのか。いずれにしても県庁へメールを送り、EMを「カルトに近い活動」と誹謗し、「EMから手を引け」と圧力をかけたのは大石氏自身であることがはっきりした。
 青森県庁へのクレームで味をしめたのか、大石氏の動きは、さらに勢いづくのだ。次に、福島市をターゲットにしたことをツイートした。
「先日、福島市が『うつくしまEMパラダイス』を後援している件について意見を送った。先ほど、福島市環境部長から回答が届いた。(続く)」(2013年10月18日金、午後3時31分)。
 大石氏のクレームで、福島市は後援の承認を取り消す事態となった。これと前後して、7月には福島県庁の「福島県文化振興課」にEM批判の意見書を送った。11月には「宮城県庁」に「第18回全国EM技術交流会東北大会in七ヶ浜」の後援名義取り消しの妨害に出た。その都度、日記を公開するように陽気につぶやくのだ。


   

◇問題の投稿の数々、狂騒のツイッター
 さて、職務とは別にツイートの日常は、どうなっているのか。どのくらいの頻度でどれだけ投稿されているかを分析したTwilog Stats(統計情報)によると、ざっと2011年12月9日から2015年9月25日の1387日の3年と9ケ月余りの間で、ツイート総数は2万9048件、つぶやかなかった日がわずか14日でほぼ毎日ツイッターにむかっているのだ。一日の平均ツイート数が21.1件、一日の最高ツイート数は130件に及ぶ。その中には、ネットの陰に隠れて本人の知らないところで一方的に個人攻撃を仕掛けるのだから、そのやり方に疑問の声があがるのは当然だ。
 EMや比嘉氏に浴びせられたツイートは、揶揄と中傷、それに謀略めいた投稿が連続する。年月日と時間は、ツイートした日時である。「 」がつぶやきの内容だ。

・2012年10月18日(木)19時2分
「すがる思いでEMに頼る人々を騙している。この罪は深い」

・同年11月29日(木)11時33分
「なぜ、比嘉さんがノーベル賞候補に挙がらず、批判ばかりされているのか。そこのところをよく考えてみれば分かると思うよ」

・同年12月18日(火)13時6分
「ホント、EM教の布教活動をやっているのにふさわしいですよね」

・同年12月25日(火)12時11分
「EMのようなものは、表舞台に出ないで細々と存在できるもの。表舞台に出てしまうと却って困る状況になると思われる」

・2013年3月19日(火)11時22分
・「比嘉先生、素人を騙してはいけませんよ」

・同年7月19日(金)13時7分
「南無阿弥陀仏と唱えれば極楽浄土へ導かれる」と「EMを撒けばすべての問題が解決する」とはどう違うのか。

・同年10月6日(日)13時35分
 「EMは、要するに宗教活動なんだ。教祖様の教えをEMを使うという行動により実践するわけだから」

・同年10月25日(金)20時48分
「EMは日陰の存在として生きるしかない。日の光に当たると消滅する運命。この際、国際問題になって表舞台に出る方が社会のためになるのではないか」

・同年12月12日(木)17時33分
「だから、デタラメばかり言うEM(比嘉照夫氏)は、許しがたい存在となる」

しかし、なんというものの言い方なのだろう。デタラメばかり言って許しがたいのはどっちだろうか。次に、景品表示法に問えないか、とか、国民生活センターに持ち込むといい、などと過激に煽っていくのだ。そのツイートがこれ、それにコメントしてみた。
・2012年11月28日(水)8時58分
「国民センターあたりにEMの件を持ち込むといいかもしれない」
【コメント】
悪質なツイートだ。明らかに扇動だ。
このような投稿は、ほかでもあった。香川県の小豆島で、阪大の菊池氏を招いて開くニセ科学のセミナーを宣伝する県の嘱託職員が、ツイッターでEMを批判し、こんな風に国民センターとか、消費者センターに声を届かせる、と言ったツイートを繰り返していた。調べると、小豆島はもちろん、香川県内においてすら、過去、EMへの苦情や相談は、1件もなかった。こちらも一連の”仲間たち“なのかもしれない。

・同(水)18時35分
「プラズマクラスターと同様に、EM関連商品の勧誘についても『実際のものよりも著しく優良であると示し』(不当景品類及び不当表示防止法第4条)ているのだから、措置命令(同法第6条)を出してもらえると思う」
【コメント】
さて、さて、大石さん、勧誘って、何をいっているのですか。「実際のものよりも著しく優良であることを示しているのだから」と不当景品類及び不当表示防止法第4条に触れている、と断定している。あたかも違反行為をしているかのような投稿は、悪質で、無礼千万だ。傍観している場合じゃない。

 ・2013年10月27日(日)23時8分
「再現性のない論文は大いに問題だけれど、論文にすらしないEMはまさに問題外の存在。景品表示法違反に問えるのではないの?」
【コメント】
こちらも酷い。よくまあ、そこまで言うものだ。「論文にすらしない」とはデタラメだ。国立の准教授が、こういうツイートは止めた方がいい。削除して謝罪すべきだ。子供がインターネットで調べて、これを真実と理解したら、それこそ、あなたの言う「大変不幸」というものだ。科学者なら、ほかの研究者の実績や論文に真摯に向き合うべきだ。

誹謗中傷のツイートを繰り返す一方で、
「EM研究機構からクレームが入るのかなあ」とか、
「私もだいぶEM批判をしているので、きっと私も被告団の一員に入るのだろうな。ワクワク。」と言った、ひねたつぶやきが複数確認されている。


◇「(これは)業務妨害ですね」と幹部
 国立天文台に大石氏という人物が在籍しているかどうか、まず問い合わせた。幹部の方との面談の機会があり、問題視した幹部の一人は沖縄までわざわざ事情説明にきたほどだ。勤務時間中という点については、「裁量労働」でかわしたが、どうにも歯切れが悪い。
国立天文台の小林副台長は、こちらが指摘する前に、「(これは)業務妨害」との認識を示した。その後、事実関係を調べたうえで、事情を聴いたようだ。
面談したある幹部は、「(大石氏は)研究者ですからね、第3者の情報を基にそれを信じて批判をするという行為は、科学者として、たぶん許されないことで、それについては、重々本人にはですね、私の方から個人的に伝えました」と述べた。

なぜ、ここまでやるのか?
「彼自身、少し思い込みが非常に強くてですね…ちょっと、なんというか誤った信念的なものが強いのかもしれません。彼自身が天文台の中でやることもたくさんありましてね、ぜひ、そういうことに力を注いでほしいと思います」

「厳重注意」に対して、どんな態度なのか?
「大石さんの性格からして多分ご本人が内容について反省しているということは少し考えにくいかもしれませんね。我々としては努力をしていきたいと思っております」。


 

◇ソーシャルメディアのガイドラインは虚妄?
 厳重注意を受けた大石氏は、それ以降、ツイッターの名前の欄に( )で、「個人としての発言」と表記し、「勤務先の仕事とは一切無関係です」と断りを入れた、という。しかし、大石氏のツィートは、繰り返されている。
内閣府に問い合わせると、みなし公務員を含む国家公務員のソーシャルメディアの私的利用にあたっての留意点として、国家公務員法、著作権法を遵守することを定めている、とし、「個人や団体の批判がそのように執拗に繰り返されていることは問題で、国立天文台で解決しなければ、上部団体の自然科学研究機構に問い合わせてみる必要があるでしょう」と問題視した。 この留意点、つまりガイドラインをみると、
国家公務員法に規定する、信用失墜行為の禁止や政治的行為の制限に違反する発信を行わないこと、として具体的にいくつかの事例を紹介している。

・職務の公正性又は中立性に疑義を生じさせるおそれの内容のある発信
・他人や組織を誹謗中傷する内容や他人に不快又は嫌悪の念を起こさせるような発言
・公序良俗に反する内容の発信、他人の権利権益を侵害するおそれがある内容の発信
及び社会規範に反する発信(差別的発言等) 

さて、大石氏の職制上、裁量労働とはいえ、職務専念義務が課せられていることから、出張中の移動時間や超過勤務時間を含め、勤務時間中の発信はやってはいけないことになっている。大石氏の場合、発言が悪質で、それを拡散している。しかし、誰も止められない。実際は、野放し状態なのだ。国立天文台の執行部は、「これ以上は、大石本人と(裁判などで)決着をつけてもらいたい」という。


◇5回の連載を振り返って
 ネットで不都合な署名活動をやって、文部科学省に提出するのだという。そうかと思えば、今度は、小中学校の教育現場からEMを排除する、という趣旨の意見書と補足資料を一括して揃えた雛形を、これまたネットで無差別にばらまいているのだ。やることがえげつない。
前者の仕掛け人は、山形大学准教授、天羽優子氏だ。後者は、「善玉菌太郎」という匿名の主だが、またぞろこれもその”仲間たち“に関係した人物に違いない。国家公務員かどうか、早晩、それは特定されていくことだろう。
その趣意書をのぞくと、「活性液の安全性に不安がある」とある。これも著しく事実を歪めている。「不安がある」なんて聞いたことがない。そんなデマ情報を拡散し、県や市の教育委員会や議会に働きかけて、EMの利用を止めさせようというのは卑劣な行為だ。
これに一部の地方議員が加担する気配がある。現に、共産の板橋区議がEMの排除を議会で叫んでいた。板橋区内にどんな問題が起きているというのだろうか。そういう事実にはなんにも触れない。これはデマ拡散による弾圧ではないか。ほら、戦前、共産党を弾圧した治安維持法のやり方もウソで容疑をでっち上げた。まさか、その共産党がどこかの政党と組んで政権をとったら、「ニセ科学根絶法」なんてできてしまうのだろうか。そんなことはないはずだ。
が、新聞と教授と、それに政治家が手を組んだら、EM叩きのような事態を招く懸念は否定できない。その通報に一連の”仲間たち“が暗躍しないとも限らない。ぼくは、事実を正しく捉えない政治家の関与を深刻に受け止めている。
 戦後の混乱期に、放火や窃盗などの事件の容疑を在日韓国人に押し付けた。憎い相手を貶める時は、事実を歪めるのが常套手段だ。大石氏のデマ拡散はその延長線上にあるように見える。EMを排斥する側にこそ、重大な疑義がある、というものだ。メディアは、本来その辺を注視すべきなのだが、朝日の科学部の記者らがそのEM潰しに加担しているのだから、極めて憂慮すべき事態と認識している。この連載は、社会貢献を第1に掲げる琉球大学発のベンチャーを応援する目的がある。
 EMの商品は、ごく普通の経済の一環として市場に流通している。しかも法律に違反するようなことはない。過去、EMが国内外に普及して30年余り、甚大な被害を及ぼすような問題は何も生じせしめていない。製造物責任は、その趣旨にそって対応するものだ。市場経済なのだから、「効果がない」ならとっくに淘汰されているはずだ。法治国家なのだから、人を騙して売りつけるようなことがあれば訴えられるでしょう。それにもかかわらず、定義がいい加減な「ニセ科学」というレッテル一つで、使ってもいない、現場を見てもいない者がなぜ、批判できようか。
 共産党員を弾圧したごとく、黒い噂をふりまいてデマ情報垂れ流す、という一点で、国家公務員らの“仲間たち”の怪しさが浮かび上がってくる。いくら徒党を組んでEMを潰そうとしても却って彼らの異様さが際立つばかりなのだ。この連載でぼくは取材に基づいて彼らの「怪しさ」と「異様さ」を取り上げているつもりだ。まだまだ、ある。
さて、この狂騒に乗じて根拠もなくEM排斥の意見書を出した本人が特定されれば、その真意について教育委員会や議会側が事情を聴く必要があろう。意見書の中味を精査するのは当然だ。次回は、このネットでの妨害がいかに現場の声を無視した暴挙か、それを現場から報告する。 ≪続く≫



関連:人事院 義務防止違反防止ハンドブック
http://www.jinji.go.jp/fukumu_choukai/handbook.pdf
4 信用失墜行為の禁止(国公法第99条) 職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような 行為をしてはならない。
【事例8】 ソーシャルメディア上で不適切な発言を行い、重要課題に対する政府の信頼を傷つ けた


関連:
「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第3回:EM攻撃は朝日から始まった:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第4回:浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞):
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150924.php

EM関連論文・報告:
●Effective microorganisms and their influence on vegetable production - a review
http://www.jhortscib.org/Vol88/88_4/2.htm

●微生物の代謝を利用した重金属汚染土の浄化効果
https://web.archive.org/web/20150223234658/http://www7.civil.kyushu-u.ac.jp/geotech/pp_geoenv/09-2.pdf

●Laboratory Scale Bioremediation of the Yamuna Water with Effective Microbes (EM) Technology and Nanotechnology
http://www.omicsonline.org/2155-6199/2155-6199-3-160.pdf

●長崎県 EM 菌活用による内海湾の浄化について
(幡鉾川河口の環境回復を図る)
http://www.doboku.pref.nagasaki.jp/keiji/gijutuhappyo/h16/ronbun/11.pdf

●三重県 閉鎖性水域(英虞湾)における水質浄化実験
http://www.eco.pref.mie.lg.jp/earth/100150/em/doc-report/1-3.pdf

●Functions of effective microorganisms in bioremediation of the contaminated harbor sediments.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22217081

比嘉照夫教授の連載より
●第94回 水系改善と生物多様性の回復(3)
http://dndi.jp/19-higa/higa_94.php

●第95回 水系改善と生物多様性の回復(4)
http://dndi.jp/19-higa/higa_95.php

●第96回 水系改善と生物多様性の回復(5)
http://dndi.jp/19-higa/higa_96.php

●第97回 水系改善と生物多様性の回復(6)
http://dndi.jp/19-higa/higa_97.php