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「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
 -そこまでやるか、EM叩き- 

第4回
・浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞)

「ニセ科学」というレッテルで、EM(有用微生物群)の環境活動が、膨大なデマ情報と誇張のツイッター・アビューズにさらされている。ツイッター・アビューズとは、ツイッターでの悪意のある誹謗・中傷のことを言うのだが、近年、ますますエスカレートして社会問題になっているのだ。陰湿でしかも悪意に満ちた投稿が連続すると、もう誰にも止められない。それは集団的なイジメのようなものだ。このまま放置すれば人を死に追いやる危険すらあるのではないか。朝日新聞の不適切な取材記事で、ツイッターによるEMへの攻撃が激化した。その証拠に、記事がでるタイミングを狙って直接的な妨害に及ぶ国立系の准教授がいた。どういう人物なのか。上司らも首をかしげた。このような不適切でアンフェア-な朝日記事、集団でのツイッター攻撃、それらに連動した妨害の数々、大阪大学教授、山形大の准教授、そして今度は国立天文台の准教授まで加担していることが浮かび上がった。国家公務員がその立場を利用して善意のボランティアを断罪し貶めている。そんなことが許されていいはずがない。その現実を2回に分けて報告する。
DND編集長、ジャーナリスト・出口俊一



《国立天文台、大石氏のツイッターから。酷いなあ。独裁のヒットラーがやったユダヤ人の大虐殺、障害者への迫害の惨劇を思うと、たとえ冗談でもこのような揶揄は許されるものではない。》

 

◇自治体にメールや電話で圧力
国立天文台に在籍するクレーマーは、准教授の大石雅寿氏のことだ。ツイッターの投稿回数は、天文学的ですらある。その内容は、ひねた薄笑いを浮かべながら書き込んでいるようで気味が悪い。偏屈、独断、野卑といったおおよそ国立大学機関に従事する研究者とは思えないほど著しく品位を欠いたものだ。EMや開発者の琉球大学名誉教授、比嘉照夫氏を「許しがたい存在」などと誹謗し、その矛先は政権にも向けられている。
 写真は、大石氏の投稿だ。今年7月16日(木)、ちょびヒゲを描いた安倍首相をヒットラーに見立てたコラージュのプラカードを掲載し、「安保法制にむけた安倍晋三氏の本心を表している」とやった。確かに、これは酷すぎる。7月31日(金)には、反安保法案共同デモに参加してきました-とつぶやくのである。おもしろおかしく拡散されるのだ。国家公務員の服務規程なんかあったものじゃない、やりたい放題なのだ。
 所属の国立天文台は、沿革をたどると、1888年(明治21年)創設の東京天文台を前身とする由緒正しい研究機関だ。そこに名を連ねる科学者がかつて、敵意をむき出しで他人を汚く罵ることがあっただろうか。業務とかかわりないところで、しかも勤務時間中にもツイートしたり、メールしたり、あるいは電話までして嫌がらせを繰り返していた。


◇稚拙な意見、不正確な引用
 さて、問題の朝日記事が出た7月3日の大石氏の投稿には、
「青森県のHPから、早速意見を提出した。さっさとEM菌から手を引きなさい、と」
とあった。「さっさと手を引け」とは穏やかではない。長野記者が書いた記事が青森版に出たその日のうちに関東在住の大石氏が青森県庁にメールを送っていたのだ。あらかじめ準備していたかのような素早さは計画的だ。
 青森県庁のHPをのぞくと、確かに「EM菌の利用について」と題した意見があった。それは意見というよりは、EMを「カルト」呼ばわりしている点からして中傷、誹謗の類のなにものでもなかった。ここ3年余り、掲載したままだ。信用棄損の二次被害を招いていることに気付かないのだろうか。
その全文を引用すると、
≪ニュースでEM菌のことを知った。あまりに非科学的なことをやっているので、ぜひ、意見をしたい。子供がインターネットで調べているようだが、こんな非科学的なこと(重力波と菌のこと)を調べた結果として、「真実」として理解すると大変不幸だ。
 東青地域県民局の方は、「環境に興味をもってもらえるから良い」として報道されているが、興味さえ喚起できれば何でもよいわけではない。極端に言うならば、真実とかけ離れた誤ったことを土台にしている点で、これはカルトに近い活動にも思える。「誤った事実によっても関心さえもたせればよい」との倫理が大きな間違いであることは明白であると言える≫


何度読んでもわかりにくい。何を問題にしているのか。
「真実として理解すると大変不幸だ?」
「真実とかけ離れた誤ったことを土台?」
「これはカルトに近い活動にも思える?」
「誤った事実によっても?」
「倫理が大きな間違いであることは明白?」


 いやあ、なんともあきれるほど稚拙な文章だ。なにひとつ具体的なことが指摘されていない。県の担当者が言った「環境に興味をもってもらえるから良い」というのは、正しくは「学校が水質浄化に関心を持ち、活動してくれること自体がありがたいことだから」と伝えている。ほんとうに担当者がそういったのかどうかはわからないが、一応、記事ではそうなっている。「極端に言うと」って、それも変でしょう。この手の批判は抑制を効かせるのが識者の心得だ。まして「カルトに近い活動だ」なんて、近いも遠いもない。カルトはカルトだ。中学生だってもう少しまともな文を書くだろう。ひょっとしたら別人が書いたのかもしれない。まあ、ご本人が意見を出したというのだから、それを信じた方が無難だ。
 やはりね、このように不適切な朝日記事が、世間に大いなる誤解を与え、EM批判を扇動し、悪しき集団的イジメを助長させてしまうのだ。これはその典型となろう。
 この「重力波」、その架空の「談話」であった、という点については前の連載で繰り返し言及した。取材をしていないのは致命的だ。自分で問いかけて自らがネットから答えをひねり出すというマッチポンプをやらかした「談話」でもある。


◇新聞の「 」は、会話か、引用が主だ
 新聞で使う「 」は、会話とか、文献の引用などを示すという約束事ごとが厳然とある。引用先を明示していないのだから、誰しもが「談話」と読んでしまうのだ。この「談話」で、大石氏も「非科学的」と読み、「カルトに近い活動」と非難したのだろう。
 こんな風に、長野記者が仕組んだ「重力波」が、「非科学的」というレッテル貼りの根拠とされている。
 朝日記事をみた読者が、どんな感想を述べたか、その膨大な証拠がネット上にある。この記事によって比嘉氏への中傷、誹謗のツイッター・アビューズは凄まじい攻撃にさらされた。比嘉氏が、朝日新聞を提訴したのは当然のことだろう。
 カルトとは、危険思想を持つ異端的宗教のことをいう。現在では極端に危険な、そして反社会的な思想を持った宗教または団体を意味する。千人近い集団自殺を招いたブラジルの教団や、地下鉄サリン事件にみる無差別殺人事件を起こしたオウム真理教などをカルト教団と言うのが一般的だ。
 大石氏に問いたい。EMのどこが「カルトに近い活動」なのか、反社会的な行為や事件を引き起こしたとでもいうのだろうか。そんな事実はどこにもないではないか!。大阪大学教授の菊池誠氏や、神田外語大学准教授の飯島明子氏らは、EMをオウム真理教と同列に扱って「危険だ」と言いふらしている。
善意のボランティアを潰そうとする、彼らの背景や狙いは何なのだろうか。


◇朝日の記事は、「仲間たち」の代弁か?
 これまで4回にわたった連載「朝日新聞とツイッター-そこまででやるか、EM叩き-」を見ていくと、ある点と線がつながった。それぞれが偶然に、ニセ科学批判、EM叩きをやっているのかと思いきや、どうもそうではないらしい。EM根絶やしの人脈、その構図が浮かんできたのだ。
 長野記者の記事に談話を寄せた一人、大阪大学教授の菊池氏はこの連載でEM批判の急先鋒と紹介した。もうひとり、コメントを寄せた長崎大学准教授の長島雅裕氏(現在、文教大学)は、阪大大学院時代にその菊池氏の授業を受けていた。いわば“教え子”だ。長崎大で、そして昨年4月に移籍した文教大の授業で、ニセ科学と称したテーマでEMの商品を挙げて批判している。なんら犯罪に関与したわけでもないのに特定の商品や会社を問題にするなんて、おかしな話だ。ニセ科学というデタラメな審判を勝手に市場経済に潜り込ませるという在り様は、勘違いも甚だしい。社会主義じゃないのだから。
 論文があるのに「ない」と叫ぶ。根拠が明確なのにこれまた「ない」と風評を撒き散らす。その多くの成果を確かめもしないで騒ぎ立てるのである。まず、正しく見るように努めてもらいたい。論より証拠というじゃないですか。
 さて、その長島氏は、2000年4月から2001年8月の期間、国立天文台研究員、任期付き助手など3年余り在籍し、2008年から2010年3月の2年間は天文台の客員准教授だった。つまり、今回、新たに登場した国立天文台の大石准教授とは、顔見知りだった可能性が高い。
 長野記者と菊池氏の関係は、言うまでもない。ある講演会で、長野記者と大石氏が親しげに談笑している様子がブログで捉えられていた。大阪大学と国立天文台、それに朝日新聞、ぐるっと、奇妙にも繋がってくるのだ。 
 長野記者のEM批判記事は、こういった”仲間たち“の考えを反映させたものだ。記事は、”仲間たち”の偏見を代弁しているようにみえるのだ。あるいは彼らの思惑に誘導されたとなれば、新聞記者の独立性が根本から揺らいでくる。
 「記者は自分が属する組織以外のために働いたり、報酬を得たりしてはならない」(中馬清福氏私案・新聞記者行動規範)と戒めている通りだ。
 記事が出た3日のその日のうちに、大石氏が青森県庁に「EM菌から手を引け」と抗議のメールを出したのは、あまりにタイミングが良すぎると思った。その周辺に朝日記者+仲間たちによるEM根絶やしの"策謀"が渦巻いているようだ。
大石氏らは、同級生ら青森県庁の人脈をたどってEM潰しを仕掛けたのであろう。ツイッターで、大石氏は県知事が地元の高校のひとつ先輩だとして、長野記者に直接取材するよう働きかけていた。朝日新聞をテコに”仲間たち“がどのようにEM潰しに関与したか、その構図が透けて見えてくる。
 次回は、国立天文台が下したある処分に触れる。 ≪続く≫



関連:人事院 義務防止違反防止ハンドブック
http://www.jinji.go.jp/fukumu_choukai/handbook.pdf
4 信用失墜行為の禁止(国公法第99条) 職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような 行為をしてはならない。
【事例8】 ソーシャルメディア上で不適切な発言を行い、重要課題に対する政府の信頼を傷つ けた


関連:
「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

「検証 朝日新聞とツイッター」 -そこまでやるか、EM叩き-
 第3回:EM攻撃は朝日から始まった:
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

EM関連論文・報告:
●Effective microorganisms and their influence on vegetable production - a review
http://www.jhortscib.org/Vol88/88_4/2.htm

●微生物の代謝を利用した重金属汚染土の浄化効果
https://web.archive.org/web/20150223234658/http://www7.civil.kyushu-u.ac.jp/geotech/pp_geoenv/09-2.pdf

●Laboratory Scale Bioremediation of the Yamuna Water with Effective Microbes (EM) Technology and Nanotechnology
http://www.omicsonline.org/2155-6199/2155-6199-3-160.pdf

●長崎県 EM 菌活用による内海湾の浄化について
(幡鉾川河口の環境回復を図る)
http://www.doboku.pref.nagasaki.jp/keiji/gijutuhappyo/h16/ronbun/11.pdf

●三重県 閉鎖性水域(英虞湾)における水質浄化実験
http://www.eco.pref.mie.lg.jp/earth/100150/em/doc-report/1-3.pdf

●Functions of effective microorganisms in bioremediation of the contaminated harbor sediments.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22217081

比嘉照夫教授の連載より
●第94回 水系改善と生物多様性の回復(3)
http://dndi.jp/19-higa/higa_94.php

●第95回 水系改善と生物多様性の回復(4)
http://dndi.jp/19-higa/higa_95.php

●第96回 水系改善と生物多様性の回復(5)
http://dndi.jp/19-higa/higa_96.php

●第97回 水系改善と生物多様性の回復(6)
http://dndi.jp/19-higa/higa_97.php