第95回 水系改善と生物多様性の回復(4)



 5月の連休の東京湾の潮干狩りは、いつの間にか大々的な「海浜レジャー祭」となってきた。干潟は人々で埋め尽くされ、大豊漁である。お金もかからず、身近な場所で、大自然に抱かれながら健康にとって最良でおいしい魚貝類を獲ることは、レジャーの中でも最高位のものである。


  日本橋川から毎週10トンのEM活性液を流し続けて10年目、3年目には東京港がきれいになり、5年目には東京湾がきれいで豊かになり始め、マスコミも東京湾のこの奇跡的な変化を毎々報道するようになってきた。多摩川のアユも、その例であるが多摩川に限らず東京湾に流れ込んでいる川はアユだらけである。


 5月24日、長野県の諏訪湖を浄化する目的で設立された「NPOしなとべ」の発会記念大会が催された。議会や県関係者も多数参会されたが、長野県は、このNPOに約400万円の予算をつけたのである。


 当然のことながら、県は浄化の手法の主体がEMであることを理解した上である。県には「しなとべ設立準備委員会」から、これまで諏訪湖で行ってきたEMによる浄化の成果と全国各地の事例を提供し、県はその裏付けを取って予算化したのである。


 その中でも、最も説得力のある情報が今回紹介する「安房の海を守る会」の活動である。房日新聞に寄せられた福原事務局長の記事と、このNPOが公益財団や社団に準ずる認定NPOで企業や自治体が積極的に支援していることである。「NPOしなとべ」発会の前日には福原さんはもとより、中部、関東、東北等で同じ活動をしている人々の勉強会があり、意義深い情報交換ともなったのである。


 今回紹介する記事は、昨年のものであるが、福原さんには、その後の情報も含め記念講演会でもお話を頂いたが、特に4月19日の読売の地方版で「サクラガイ館山で復活」として大きく報道されたことである。


 「認定NPO安房の海を守る会」が東京湾の外湾に投入したEM活性液は、この10余年で1000トン余、内湾には日本橋川から4000トン余、その他、湾岸の多くの地域で河川浄化を中心に使用されたEMが東京湾に流入しているのである。








読売新聞平成27年4月19日「安房の海を守り育む会」の記事



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