第8回
・EM批判は 由々しき「沖縄差別」
・朝日を問題にしたら、“毒矢”が飛んできた
・フリーライター、片瀬久美子氏の「ブログ」
EM(有用微生物群)のボランティア活動が、膨大なデマ情報と誇張のツイッター・アビューズにさらされている。微生物の力、その有用なEMの効果や可能性が国内外で数多く実証されているのにも関わらずそれらを一切否定し、ツイッターなどでデマ情報を拡散し、「効果がない」とか「害しかならない」と排斥しているのだ。
その理由のひとつに「EMが琉球大学発で沖縄の微生物だから」とした「沖縄差別」を公然と口にする輩もいる。これは由々しき事態ではないか。このネットによる”サイバーテロ“のような「集団的イジメ」の背後には、朝日記者の“仲間たち”が関係したいくつかの複数の特定グループの介在が浮かび上がってきた。「ニセ科学論」、「と学会」、「暗黒通信団」、「ジャパンスケプティクス」、「WEB論座」、「理科の探検」などだ。公的機関の類などで他にもある。「WEB論座」は、朝日新聞のウェブメディアである。
DND編集長、ジャーナリスト、出口俊一
◇エスカレートする「沖縄差別」
ツイッター・アビューズとは、ツイッターでの悪意のある誹謗・中傷のことを言うのだが、EMに関していえば、この「沖縄差別」が、ますますエスカレートしている。陰湿でしかも悪意に満ちた投稿が連続すると、もう誰にも止められる術がないのが現実だ。間違いが朝日側にあるのに、作り話や嘘っぱちで事実を歪め、白を黒とすり替える輩が複数、蠢く。朝日新聞を擁護しているつもりなのだろうけれど、それらのツイッターやブログの内容が幼稚で、例えばライターを名乗ってはいるが、嘘八百を並べるから、かえって朝日新聞を窮地に追い込む始末だ。フリーライターの件は、末尾に書いている。
◇朝日新聞と朝日系のウェブで挟み撃ち
朝日新聞青森版の不適切な記事でEM潰しの動きが激化した。朝日の東京本社は、元青森支局員、長野剛氏の取材姿勢や記事の問題点を認め、「(長野記者が比嘉照夫氏に)直接取材をしなかったことは、比嘉氏には申し訳ないことをした。また(記事掲載の5年前のネットからの)引用先を明記しなかったことは、配慮にかけていた。重ねてお詫びいたします」と口頭と文書でその都度、詫びた。
ところが、お詫びしたのだから紙面で訂正するのかと思えば、そうではなかった。読者にわかるように紙面での訂正は拒んだままで、書いた記者にも少しも反省の色がみられない。今度は、この記者の取材席に連れ添ったことがある“友達”がWEB論座で、EM批判をやった。そのEM批判の根拠にこの問題の記事を引用しているのだ。
お詫びしたはずの朝日記事を朝日新聞のウェブメディアで恥かしげもなく使いまわす、というのは非常識だと思う。
◇効果を実証した沖館川のヘドロ現地調査
もう一度、整理すると、取材しないで無断で掲載したのだから、あの比嘉氏の「談話」はでっち上げと言う以外適当な言葉が見つからない。朝日の記者行動基準に違反するものだ。長野記者がEMの効果について「改善確認されず」と否定した青森市内を流れる沖館川のヘドロ調査については、県庁の部長は「EMに効果がないとは言っていない」と語り、別の課長は、記事については「こちらが被害者、ともて迷惑している」と証言した。 長野氏の取材は、この個所も1本の電話だった。
ぼくは、当時の沖館川のヘドロ調査報告書を入手し、県庁の担当者に数度面談、調査の受託会社の専門技師からも直接確かめた。それで、朝日の記事が事実と違うことが確認できた。いまその相野橋の右岸は、ヘドロがすっかり消えて幅5m、長さ十数mにわたって砂地と化している。地元の里村誠悦市議と歩いてぼくも確認した。調査以降、引き続いて毎年、EMの投入が継続されている。
◇恥ずかしい、科学かぶれ
「科学的に検証」という宝刀をちらつかせてやり込める。科学かぶれ丸出しだ。青森県の現場から、EMに対するなんらかの批判や被害の報告が一つも見あたらない。「科学的か?」どうか、という切り口で迫り、それを説明できないからと言って「非科学的だ」と悪者扱いする。この稚拙な電話取材で、なんと「EM菌の効果『疑問』、検証せぬまま授業」(2012年7月3日付)という否定的な見出しが躍り、続報では「科学的効果疑問のEM菌」(同7月11日付)と断定していたのだ。
自分の描いたストーリーの素材を拾い集め、一部は加工しながら都合のいいものに仕上げていた。これは報道と呼べるものだろうか。
世界56か国に及ぶEMの数々の成果や論文、そして実証の結果を一切無視して、挙句の果てに比嘉氏の「談話」をでっち上げて貶めるというのは、そもそも新聞記者のやることではない。それだから、この記事はもはや記事と呼べるものではなく、いわば悪意に満ちた“作り話”と変わらないのではないか。
◇大学の講演会を妨害
しかも、この朝日の記事が、こんな風に特定グループの連中によって次々に流用され、比嘉氏の講演会やイベント等が中止に追い込まれるなど、朝日記事に連動した妨害が執拗に繰り返されている。大学への妨害は、後日、詳しくお伝えする。
気に食わないからといって故意に捻じ曲げるのはイエロー・ジャーナリズムといって忌避されている。戦前には流行ったことがあるが、いまはそんなことは週刊誌だってやらない。週刊誌の方がしっかり取材して書いている。
前にも述べたように、長野氏の記事について疑問があったので、現地に飛んでその事実関係を取材し、メルマガで取り上げた。すると、今度は、デマ、虚言、誹謗の類の夥しい“毒矢”が、ぼくの周辺に飛んできた。ツイッター・アビューズにさらされているのだ。発信元は、それも朝日記者の近くにいる”仲間たち“からだ。
◇DNDメルマガで緊急に取材、すると…。
2012年7月3日付青森版の「EM菌効果疑問」とした批判記事について、ぼくは7月18日に青森に出向いて青森支局などを訪ねた。そして7月25日、8月1日、8月6日と3回にわたり、以下のようにDNDメルマガで長野氏の取材姿勢の問題点や事実誤認の背景を浮き彫りにした。取材は、青森に3回、朝日新聞青森支局や東京本社に出向いて裏付けを取った。
A■2012年7月25日配信
朝日新聞が比嘉照夫氏の談話をWebから無断引用の疑い
・朝日新聞青森総局、長野記者のEM批判記事の虚妄
・「非科学的」との批判記事、その大半が電話取材のお粗末
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm120725.html
B■2012年8月1日配信
朝日のEM批判記事検証:青森からの現地報告
・県の水質調査報告を「改善確認されず」と誤報
・EM潰し‐の筋書きにそった記事構成の危うさ
・青森総局訪問、長野記者から80分の事情を聴く
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm120801.html
C■2012年8月6日配信EM批判記事で、朝日東京本社がEM研究機構に陳謝
・取材記者に、数々の「記者行動基準」違反の疑い
・EM潰しを画策した偏向報道が明らかに
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm120806.html
◇片瀬久美子氏という人のブログ
それから3年あまり、なぜ、再び、その朝日の記事を持ち出すかといえば、それにはもう一つ別の理由がある。朝日記事を批判したために、あらゆる方面から毒矢が飛んでくるのだ。気が付くと、その背後にいくつもの特定のグループが控えており、野犬のように集団で襲い掛かってくることを知った。科学という大義を掲げてリアリティのない錆びたナイフで切り付けてくる。
まず、自称、フリーライター、片瀬久美子氏(ペンネーム)の存在である。彼女は、長野記者のお友達で、憤然と上記のDNDメルマガにかみついてきた。
彼女は、ぼくのメルマガから1年余りたった時に突然、「事実と違うのは(長野記者の記事ではなく)出口氏の方だった」というブログを書いた。へぇーと思って読んでみると、8月1日配信のメルマガ(A) の中の一部を問題にした。
青森市立西中学校の大内義行校長(当時)氏とのやり取りが、「事実と違う」というのだ。ぼくは当初、彼女が何を勘違いしているのだろう、と思ってメールで、「ぼくに確認をすべきなのではないか」と伝えた。そして面会を求めた。ぼくが書いたメルマガの証拠をいつでも説明できるからだ。
取材するなら相手に会うのがまず基本だ。相手の顔を見て、その話しに信ぴょう性があるのか、ウソをついているのかどうか、表情をみて真実を探る。取材というものは、そういうものだ。相手がこう話したから、それが「事実」と思いこむのは幼稚すぎるのである。
彼女は、フリーライターを名乗るのだけれど、基本的な取材の訓練をうけていないせいか、詭弁を多用する癖があるようだ。ツイッターではその悪しき本領をいかんなく発揮している。
彼女は、朝日の記事が出た10ケ月後の2013年5月15日にブログを載せた。ぼくのメルマガの大内校長に関係する個所だけを取り上げて、ご丁寧に、○×式で、出口氏が書いたこの個所のこれは○、この部分は×と勝手に評定を下した。
残念なのは、その確認の仕方だ。
彼女の大内校長への確認は、電話だった。電話口で、こういったのか、ああいったのか、どうかと言われても、メルマガを見ていない大内校長は要領を得なかったに違いない。さて、どう質問したかわからない、校長の記憶の信ぴょう性もはっきりしない。電話で10分程度の取材、そんな荒っぽいやり方で、すぐさまブログに書いてしまった。
ブログを読むと、大内校長がぼくに話した内容がいくつか肝心なところで否定されていた。そのため、今度は大内校長と再び、校長室で向かい合うことになった。
◇
「電話があったのですよ、この片瀬という人から」と前置きして、そのやり取りの一部始終を語ってくれた。彼女が書いているブログの内容が、どうもおかしい。事実と違うことを知らされた。作り話っぽく、嘘っぱちのようでもある。
大内校長は、手帳を持ち出してこう語った。
5月15日の午後に、片瀬と名乗る女性から、突然かかってきた。10分程度だった、と大内校長はいう。
「あんなこと言ったのか、どうかを聞かれた。記憶がはっきりしないのですよ。それで、私さぁ、びっくりたまげたのよ、最後に、片瀬という人が、いままでのお話は全部録音させていただいています、というのさ。あれっ、ちょっと待ってください、と、言ったんだ。もし取材をするのなら、初めから録音しますからと、断りがあってのことならばいいが、何もなくて最後に言われても、えーって、何に使うつもりですかって聞いたら、ブログがどうのこうのって、しかし、まったく了承はしていません。」
彼女は、このブログは「大内校長と相談して書いた」と自慢した。また「録音をしている」とか、「大内校長の名誉のために載せた」とか言っている。が、大内校長が了承していない、の一言で、それらの前提がみな崩れた。
ぼくのメルマガを相手にみせないで、こんなふうに言ったのかどうか、というような取材方法は適切なやり方ではない、というか、やんちゃだ。記事には文脈というものがあるのだから、メルマガを見せずして一方的にこんなふうにやるのは、あまりに行儀が悪い。朝日記事の問題は、「談話」のでっち上げであり、前にも書いたようにいくつもの事実誤認があるのだ。
片瀬氏のブログの中味には、DNDメルマガで指摘した長野氏の記事の事実関係に何一つ触れていなかった。それじゃ、DNDメルマガが間違っていて朝日記事が正しい、ということにはならないのだ。それで、「事実が違うのは出口氏の方だ」というのは、たんなる言いがかりに等しい。なぜ、こういうことが起こるのか。それは、個人的な資質の問題もあるが、取材という特別な訓練を受けていないからこんなことを平気でやるのかもしれない。
◇「捏造」とツイート
ぼくの記者仲間は、「騒ぎ立てることを狙っているようなので相手にしないほうが無難だ、他人を名指しで批判をし、自分は本名も所在も明らかにしないというのは、ライターを名乗る資格はない」という意見だった。まあ、しばらく様子をみよう、ということだったのだが、放置していると、どんどんエスカレートしてくる。
片瀬氏のブログがネットやツイッター上で拡散され続けた。後述するが、DNDメルマガが捏造記事という悪質な書き込みに加え、ヤクザまがいという個人的な中傷まで表れる事態になった。よくないなあ、どこかで抑えておくべきじゃないか、という声が知人らから上がってきた。なぜか、福島県庁を訪問した時、担当の課長が薄笑いを浮かべながら、「片瀬さんに反論はしないのですか」と聞いてきた。
ああ、片瀬氏は、福島県庁でもこんなデマをふりまいているのだろう、と感じて、近いうちにちゃんと書かないといけないと思っていた。
◇大内校長の判断「出口さんの方が正しい」
ぼくから大内校長に、DNDメルマガと片瀬氏のブログのどちらが正しいのか、と聞いた。大内校長はそれを読み比べていた。ぼくは大内校長の話をメルマガにした。その一方で、電話口で片瀬氏には、ぼくの記事の一部を否定するようなことを言ったのかもしれない。
ぼくのメルマガと彼女のブログを並べて見せて、じっくり記憶をたどってもらった。大内校長は、しばし考えあぐねて、「これも録音されているのですね」と確認してこういった。
「出口さんの方が正しいと思います」と証言した。間違っていたのは、片瀬さんの方だ、というのである。
さて、この片瀬氏のブログがツイッター上に載って、ぼくはとんでもない誹謗にさらされる羽目になる。いまだに続いている。ぼくの個人的なことで恐縮だが、ツイッターでの貶められ方の典型と思うので、次回、その実際を詳細に述べる。