◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2012/08/06 http://dndi.jp/

EM批判記事で、朝日東京本社がEM研究機構に陳謝

 ・取材記者に、数々の「記者行動基準」違反の疑い
 ・EM潰しを画策した偏向報道が明らかに

DNDメディア局の出口です。朝日新聞社青森総局の記者が、EM開発者で琉球大学名誉教授、比嘉照夫氏の講演録の一部をネットから、ほんのひと言だけ取って直接取材したかのような「談話」を2回にわたって記事にしていた問題で、朝日新聞社は、「引用する際の記事の書き方は万全ではなかった。問題があった」と反省の意を表し、記事を書いた記者に「注意」したことを明らかにした。本社報道局地域報道部長、古川伝氏がEM研究機構(本社・沖縄市)の担当者らに説明し、「大変申し訳ない」と陳謝した。


また、古川部長は、比嘉教授の主張を引用するにあたって、どこから引用したかを明記すべきだったと述べ、加えて主張を一部省略した事実は認めたが、ただ、それで比嘉教授の主張が「大きく捻じ曲げられたということではない」とねつ造については見解を異にした。


EM研究機構側が7月19日、朝日新聞青森総局を訪問し総局長同席のうえ記事を書いた長野剛記者に事実と違う偏ったEM批判記事について質した。今回の陳謝は、EM研究機構のクレームをうけて社内で検証したうえでの回答で、朝日新聞社側の要請でさる2日、面談した。


古川部長は、まず、朝日新聞のルールとして、所謂、著作物、インターネット、WEBも含め、著作物からのいろんな方々の言論についての引用は禁じてはいない、と断ったうえで、長野記者が書いたEM批判記事は、「引用する際の記事の書き方、今回については万全ではなかった。平たく言えば問題があった」と指摘を認め、引用に当たってどこから引用したのかという部分を記事の中で明記すべきだったと、「ほんとに申し訳ないという風に思っています」と頭を下げた。


比嘉教授の「談話」をネット上にある講演録から無断引用し、引用の出典を明記せず、しかも本来行うべき批判の相手先である比嘉教授に取材の申し込みすらなかった。批判する相手に取材をしない、これは取材記者の常識では考えられない不手際だ。ネットから講演の一部を切り剥ぎして「談話」として都合よく扱う、そんなことはこれまで耳にしたことがない。しかも引用した「談話」は、ぶつ切りで一般的に意味が伝わらないものになっていた。


長野記者は、比嘉教授の「談話」についてデスクに聴かれてどう答えたのだろうか。少々の取材経験があれば誰もが、この「談話」を不自然に思うに違いない。古川部長は、「引用する際の書き方が万全ではなかった」と釈明するが、これは書き方の次元ではないはずだ。


この記事の問題は、矮小化したコメントとその難解さだ。「談話」として使った元の講演録は、原稿用紙にして5枚以上に及ぶ。が、引用したコメントは、わずか1行余り、文字にして16字、これで何を説明しろと言うのだろうか。


引用した個所は、EMの効果について言及しているところだが、「重力波と想定される波動によるもの」という一部分を抜き出した。そのコメントの頭には原文だと「関英雄先生が確認した重力波と…」とあり、関英雄先生が確認した、のところは削除されていた。古川部長は、比嘉教授の主張を「大きく捻じ曲げられたということではない」と釈明するが、検証したというのなら、大きくかどうかは別にして、捻じ曲げられたかどうかは、まず比嘉教授がどう思うかどうかだ。そこを確かめるべきではないのか。


この1行を都合よく引用して記者自らが「現代科学に相いれない独自理論」と断定し、それによって「非科学的だ」との結論を導いていくのであるが、どうも「非科学的だ」の結論が先にありきで、このコメントは長野記者の"ツイッター仲間"の知人から知恵を付けられた節がある。本人もツイッターで、ツイッターのやり取りからEM批判記事を思い立ったという意味のことを暴露していた。ツイッターでEM記事を書く、と宣言したのが6月18日で、沖縄のEM研究機構や青森県内の学校関係に取材を始めたのは、それ以降だったことも"ツイッター仲間"との共同戦線でEM潰しに手を貸した跡がうかがえた。


「非科学的だ」は、本文の見出しにもなっていたが、この「非科学的」という印象を際立たせるために、「重力波…」とした16文字のコメントを多用し、EM批判記事の正当性を裏付けようとした意図が透けて見える。


そもそも河川の浄化にEMを投入すると、ヘドロが減少し臭いが消えて鮎や鮭が遡上するといった現象が各地で報告されている。そのEMを投入している先生やEMを提供している県の担当者に長野記者は、EMの科学的効果を検証したのか、と迫る。自分は現場も見ずに詳しいデータの分析にも手を抜いて、「科学的なのか」、「検証したのか」と威圧し善意の方々を困らせているのである。


東京都心の日本橋川や、大阪の道頓堀川などを見てごらんなさい。全国の河川浄化で実績をあげているEMの投入運動は、毎年海の日に合わせて全国一斉に繰り広げられてきた。今年は7月16日だった。長野記者のツイッターにはEM批判グループが7月16日のEM投入は阻止しなくてはならない、との書き込みもあった。ツイッターで繰り返しEM批判を展開していたのである。


さて、この記事を冷静に分析すれば、次々と疑問がわいてくる。河川にEMを投入する環境教育を問題にしていながら、その効果を聞かれて果たして、「重力波と想定される波動によるもの」と、誰が答えるだろうか。この16文字のコメントは、大きく捻じ曲げられてはいないかもしれないが、勝手に引用され、大いに創作されているのである。


ネットから勝手に引用し、そのコメントに対して「独自理論」だの、「現代科学に相いれない」だの、その挙句に「非科学的だ」とレッテルを張るという行為は、謀略に近い手口だ。そう思いませんか。どこでしゃべったからわからない1行足らずの言葉尻を捉えて、それを「理論」というだろうか。


繰り返すが、このEM批判記事は、「書き方が万全ではなかった」という問題ではなく、記事そのものが万全ではなかったということだ。この箇所を引用すること自体が、極めて意図的で作為的なのである。長野記者は、取材を始める前からEM潰しを狙っていたのである。もう一度、記事と取材の周辺を検証して事実関係を確かめていただきたい。地域報道部の古川さんなら、その辺を真摯に対応してくれるものと思います。新聞記者をやっていれば、この記事がいかに公平を欠き稚拙な取材に基づいているかが、すぐわかるからである。EMの科学的効果を扱っているのではない。新聞記者の姿勢や取材のありようを問題にしているのである。


ボタンを掛け違うと、新たな火種になる、と前にも書いた。朝日新聞の記者の中に、この記事をやはりおかしいぞ、と感じている人は多くいるに違いない。そんな新聞社じゃないものね。


偏向報道だから、こっそり都合の良いコメントをネットからコピペしたのであろうし、批判相手へはあたかも取材したかのようにカモフラージュしてデスクの目をごまかしたのであろう、と推測する。ともかく取材の方法がおかしい。


デスクが、この談話は確認取ったのだろうね、と聞いたはずだ。その裏で、長野記者の"裏とり"とは、沖縄にあるEM研究機構の窓口に電話して31歳の係長に、比嘉教授の講演を再録したウェブページを開かせて、「これは比嘉教授が書いたものですね」と念を押したのにすぎない。それをもって比嘉教授に確認したと偽ったとしたら、きわめて卑怯な取材方法だ、と言わざるを得ない。そんなことはやらない。週刊誌の記者は当然のこと、タウン誌の若手編集者だって、やるわけがない。なぜか、それは手段が姑息だからだ。


取材はもっぱら電話取材、取材先に足を運ばないのはどういうわけだろう。EMの取材だって電話、それも要件も告げずいきなりだ。EMで清掃したプールもみていない。水質調査の報告書がある青森県にも行かないで電話ですませる。データなんか入手できないでしょう。安易と言おうか、未熟と言うか、あまりに情けない気がしてきます。


取材先では、こんなこともあった。取材と称してかけた電話先でEMの利用をやめさせるような圧力をかけていた、という。EMに批判的な論文や調査報告ばかり引用して、「EMの効果が疑わしい」という印象を誇張した。


EM研究機構側が、求めに応じて提出した数々の論文や調査報告は、査読を経ていないから、と言う理由で拒否しながら、長野記者がEM批判で記事に使った論文は、それは査読済みの論文か、とEM研究機構の担当者に質問されて、「いえ…」、「査読の論文じゃないのですね」と念を押されてタジタジだった。言っていることとやっていることが、バラバラじゃないですか。つじつまが合わないでしょう。筋書きがありきだから、記事を検証すると、哀れなくらいにボロがでる。


某大手の記者が、この一連の流れを見て、だいたい取材もしないで談話をでっち上げる記者は、そのすべてがその調子じゃないの、と指摘してくれたが、まさに図星だったようだ。


はじめに、筋書きがありその筋書きに沿った材料を集め、記者の"仲間"から都合のよい談話を作り、記事の趣旨に合わないものは排除する、という取材や記事がまかりとおったとしたら、これは世の中、穏やかじゃないでしょう。言い古された言葉だが、新聞は社会の公器、こんなことを見過ごしてはならないのである。これはひとり記者の不祥事ではない。「表現の自由」を貶める新聞の蹉跌なのである。


※参考
■取材方法や記事は、マニフェスト違反
朝日新聞は、その長い歴史の中で記事のねつ造など記者の不祥事を契機に出直しを図り、ネットからの引用ルールや、批判記事を書く場合には直接取材せよなど朝日記者のマニフェストともいえる「記者行動基準」や「行動規範」を細かく定め、正確で公正な報道を取材の基本に据えている。さすが朝日新聞と思わせるような文言がならぶ。が、申し訳ないが、この基準に長野記者の記事や取材方法をあてはめると、そのほとんどがマニフェスト違反なのである。
主なものを引用します。

「記者行動基準」から。http://www.asahi.com/shimbun/kisha.html
□取材方法
1.必要な取材を尽くし、粘り強く真実に迫る。これは、公正な報道の基本である。
2.取材相手に誠実に接し、信頼関係を高めるよう努める。
3.取材にあたっては、社会の健全な常識を踏まえ、個々の報道の社会的意義や必要性、緊急性、その他の状況を総合判断して手段や方法を選ぶ。
4.出来事の現場を踏み、当事者に直接会って取材することを基本とする。特に、記事で批判の対象とする可能性がある当事者に対しては、極力、直接会って取材する。
5.自分や家族が所属する団体や組織を自らが取材することになり、報道の公正さに疑念を持たれる恐れがある場合は、事前に上司に届ける。
【インターネットからの取材】
15.公的機関や企業などの公式ホームページに掲載されている事柄は、公式な発表事項と見なしてよい。その際、情報が古くなっていないかを確認するよう努める。ホームページから引用する場合は、記事にその旨を明記することを原則とする。
16.個人のホームページやいわゆる掲示板等に掲載されている情報を、取材の端緒として使ってもよい。当該情報を記事に引用する場合には、事実関係等を確認する。
【著作と引用】
7.記事の素材として、著作物から文章、発言、数字等を引用する場合は、出典を明記し、適切な範囲内で趣旨を曲げずに正確に引用する。盗用、盗作は絶対に許されない。
□公正な報道
1.正確さを何より優先する。捏造や歪曲、事実に基づかない記事は、報道の信頼をもっとも損なう。原稿はもちろん、取材メモなど報道にかかわる一切の記録・報告に、虚偽や捏造、誇張があってはならない。写真でも、捏造や捏造につながる恐れがある「やらせ」は、あってはならない。
2.筆者が自分であれ他の記者であれ、記事に誤りがあることに気づいたときは、速やかに是正の措置をとる。
3.客観的事実を伝える記事と主張・評論の記事との区別が、読者に分かるようにする。
4.記事が特定の個人や法人などを批判する場合、その当事者の言い分を掲載するよう努める。
□目的外使用の禁止
1.取材で得た情報は、原則として報道目的にのみ使用する。この場合の報道とは、朝日新聞と朝日新聞社に関連した媒体での報道を指す。上司の承認を得て、出版・講演等の社外活動に使う場合がある。
2.取材で得た情報を報道する前に、外部の第三者(個人・団体)に漏らしたり、第三者と共同で使用したりしない。ただし、専門家の意見を求める場合などに、情報を提示することは許される。その場合も、必要最小限にとどめ、情報源の秘匿には特に配慮する。

「朝日新聞社行動規範」から。

《具体的指針》
(ウ)特定の団体、個人等を正当な理由なく一方的に利したり、害したりする報道はしません。取材・報道に当たっては人権に常に配慮します。  以上



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■【EMとは】
http://www.emro.co.jp/em/index.html




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