◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2016/03/11 http://dndi.jp/

「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
 -そこまでやるか、EM叩き- 


第18回
被災地で「微生物(EM)の力」を実証

・仙台、鈴木英俊さんが「報道ステーション」生出演
・塩害とヘドロを克服したEM(有用微生物群)
・震災から5年、仙台再訪


 震災から5年を迎えるにあたって、仙台の宮城野区にある鈴木有機農園代表で、銀シャリ名人の鈴木英俊さんを訪ねることにした。銀シャリ名人とは、有機栽培にこだわった安全でとても旨いお米を作るし、塩釜の老舗すし店「すし哲」にお米を卸しているからだが、それは私が名付けた。
 連絡すると、「はい、大丈夫よ、それでは楽しみに、待ってま?す」と明るい声がかえってきた。忙しいはずなのに突然のアポを厭わずに受け入れてくれる。控えめで、抑揚のない朴訥な話しぶりがかえって深い情を醸し出すものらしく、話し終えてからも携帯電話の耳元に名人の声のぬくもりが、しばらく消えずに残る。
 あの津波で弟夫婦と祖父母を亡くした。が、嘆くことも恨むこともせず泥にまみれながら物陰で涙をぬぐった。いくら気丈を装っても青ざめた表情は痛々しかった。が、微生物の力を疑わずヘドロと瓦礫の田んぼからひとり立ち上がったら、全国から援軍がきた。大阪のNPO「てんつくまん」ら大勢のボランティアの方々がかけつけてくれたのだ。遠く奈良からもご夫婦が車で数回足を運んだ。
 メディアはどこも好意的で、地元の新聞やテレビ局が親身にフォローした。田植え機にまで乗り込む熱心な女性記者もいた。在京のテレビ朝日は、昨年9月中旬、凄腕のディレクターが鈴木名人を報道ステーションの生中継で取り上げた。
 今回は、そんな微生物が塩害やヘドロを克服した、という劇的なドラマに立ち会った取材者の一人としてEM(有用微生物)の驚くべき効果をもう一度、おさらいしようと思う。なぜなら残念ながら「EMは効果がない」とデマ情報をツイッターで拡散し、EM排斥の妨害を続ける輩が数名いるからだ。国立天文台の准教授や山形大学の教員らにはこの現実を正しく捉えてもらいたい。
DND編集長、ジャーナリスト   出口俊一






◇仙石線に揺られて
 3月3日午前、鈴木名人のことを思い浮かべながら、仙台駅からローカル線に揺られていた。電車はJR仙石線で仙台?石巻間を走る。津波で列車が流されるなどの影響で、やっとこさ、全線が開通したのは昨年の5月だった。ローカル線を乗り継いで鈴木名人と会うのは、大雨で被害があった昨年9月11日と、これで2回目だ。
待ち合わせた駅は「陸前高砂駅」だ。仙石線29駅のうち、「陸前」という名前が頭に付く駅が8つ確認できる。なかでも、「浜田」、「大塚」、「小野」、「赤井」、「山下」などは、駅名と言うよりポピュラーな人名のようでなじみやすい。「陸前高砂駅」は、時間にして仙台駅から16分、ドアは手動だった。ぼんやり考え事をしていたのでドアの前に立ったがドアは閉じたまま、開閉のボタンを押すのを知らなかったため、あわや乗り過ごしてしまいそうになって、慌てた。
 鈴木名人は、改札を出たところで待っていた。再会を喜んで握手した。車に乗り込んだら、さっそく5年前に見て回った現場を訪ねたい、あの当時と、今がどう変わっているのか、とくに貞山堀付近の蒲生海岸に行って見たい?と早口で告げたら、まあ、まあ、そんなに急がなくてもひとまず、お茶でもどうですか、と軽くいなされて自宅へ。運転の白いプリウスは、5?6分で鈴木名人宅に着いた。広い茶の間の掘り炬燵に足を入れふとんを前に引いて向き合った。
鈴木名人は、分厚いブログの綴りを引っ張り出して、当時を懐かしんだ。わたしが書いたメルマガも綴じられていた。二人がそろって瓦礫に埋まった田んぼに立っている写真を見て5年の歳月の速さを思った。






◇鈴木名人の挑戦
 初めてお目にかかったのは、爪痕が生々しい2011年5月14日の午前8時半頃だった。鈴木名人と一緒にヘドロと瓦礫の田んぼ一帯を見て回った。案内してくれたのはEMみやぎの世話人、小林康雄さんだった。田んぼには、いまだ折れた材木やアルミの窓枠、ガラスやプラスチックが散乱し、住宅の壁や屋根瓦、ぺしゃんこの車の残骸などで瓦礫の山と化していた。ひび割れた田んぼの表面は厚さ15センチほどの黒いヘドロが堆積して悪臭を放っていた。この状態からどうやって田植えをやるのだろうか、といぶかった。
 専門家によると、塩害でこの先、3、4年の作付けは困難だろう、という見方がもっぱらだった。新聞も「東北の穀倉地帯約2万〓の水田が瓦礫撤去や土中の塩分を取り除く、除塩作業が必要で、大半の水田は3年先まで作付けが困難になる」(朝日新聞、2011年4月27日朝刊)と農水省の見通しを伝えていた。そのためだろうか、震災直後にこの地区で田んぼに向かったのは、鈴木名人ただ一人だったかもしれない。
政府が打ち出した塩害対策は、田んぼの表面を削って土を入れ替える、というものだった。お金も時間もかかる。鈴木名人の自宅前の田んぼも、ひび割れて真っ黒いヘドロが十数〓も表面を覆っていた。さぞ、落胆しているのではないか、と思った。そんなこちらの推量は完全に裏切られた。鈴木名人は、目を輝かせながらこんなことを口にしていた。

 「田んぼの表面を削って土を入れ替えるだなんてどうかしていますよ。無駄なことです。かえって田んぼをダメにしてしまう恐れがある。それよりEMという微生物の力でヘドロを分解し海水は豊富なミネラルに変えられると思う。さて、この先どうなるか、わからないことが多い。うまくいったら奇跡でしょ。この塩害、ヘドロを分解する有用微生物群のEMの力を信じて、この記録を後世に伝えたい。近在の農家にもノウハウを教えたいさ。そして収穫期には、みんな、全員に来てもらえればうれしい。そんな夢をもってやっているんです」

 除塩作業もやらない。しかも汚れた油臭いヘドロの田んぼで、どうやるのか、収穫は無理だろう、ひとりだけ田植えをやるのは気に入らない、といった批判がささやかれていたのも事実だ。EMタンクの蛇口が不自然に損壊されたことも2度あった。そんな状況から鈴木名人の挑戦がはじまったのである。


 


◇地元新聞やテレビ局が取材に殺到
 そして、海岸付近の運河そばの揚水ポンプが破壊されて田んぼに水が引けないため、鈴木さんは自宅前の畑のわきに地下水を汲み上げる井戸掘りの掘削作業を急いでいた。
 水が引き込めないといくらなんでも田んぼは干しあがる。自家用ポンプの資金600万円は、EMの開発者で琉球大学名誉教授、比嘉照夫氏の協力を仰いだ。井戸掘りは、大詰めを迎えていた。その10日後の5月24日、田植えを敢行した。待ちに待ったその日、静かな雨が降った。田んぼにEM活性液を流し込んだ。県農業普及センターからの協力で塩害対策試験も開始した。塩分濃度を変えないで、塩害そのままの水田4ケ所で採土し、EM活性液の効果をみるのである。地元のテレビ局や新聞の取材が大勢かけつけてくれた。
 苗の育成にも海水を使った。塩害に強い苗を想定し、最初から海水と言う環境で強くなれば塩害の田んぼで田植えしても抵抗なく育つであろう、という見込みだ。抵抗力か、免疫力か、いずれにしても自然の力を最大限に引き出す新しい試みではあった。まさに「農業は科学」なのだ。山形大の准教授らが騒ぎ立てるようなニセ科学では、農業はままならないことを知るべきだ。





◇「震災のおかげだっちゃ」
 その秋、期待以上のお米が収穫できた。みんな収穫祭に集まってお祝いした。私も誘われた。先約があって失礼した。このことは「微生物の奇跡」として、地元のテレビや雑誌に多数、紹介された。取材のオファーはいまだに続いている。私のところにも、そのお米が届けられた。炊いたら、白く粘りのある銀シャリで、口にふくんだら涙がでそうになってうまく噛めなかった。  鈴木名人のまわりには、震災以降、たくさんの新しい友人が取り囲む。毎日発信しているブログをみれば、その日々の様子が手に取るようにわかる。ともかく客人の出入りがめっぽう多い。鈴木名人は、その人たちにも真心を込めてお米を送っていた。

 「いやあ、震災は二度と起きては困るけど、震災のお蔭っちゃなんだけど、お蔭で全国にたくさん友達が増えたさ。震災のお蔭だっちゃ、そう思えるのは幸せだなぁ」


◇「報道ステーション」生出演
 昨年9月14日は、鈴木名人にとって 生涯忘れられない日となったに違いない。テレビ朝日夜10時からの『報道ステーション』に生出演したのである。この日は、2ケ所からの生中継で、カメラクルーがスタンバイしていた。ひとつは収穫を間近に控えた鈴木名人の田んぼで、クレーンを使って田んぼの上から黄金色の稲穂を捉えていた。そして、シャリに鈴木名人のお米を使っている塩釜の老舗のすし店「すし哲」本店だ。鈴木名人は、「すし哲」のカウンターでスタンバイしていた。そばで親方の白幡泰三さんがすしを握っている場面が映し出されていた。

 「ヘドロは海からの贈り物、有機農家自慢の米、収穫へ」というタイトルが画面上から読み取れる。

 事前の取材がしっかりしているのだろう。キャスターの古舘伊知郎さんが読み上げるナレーションが実によかった。その一部を引用してみた。

 ≪あの日です。大津波で鈴木さんは、弟さんご夫婦を失いました。自慢の田んぼも水浸しになりました。塩害とヘドロです。汚染された表面の土をすべて削り取って新しい土と入れ替えなければ使い物にならない、というのが常識でした。海水とヘドロにすべてをのみこまれた田んぼの光景を目にした時、これはどん底かもしれない。しかし、困難の中でチャンスを見出す人がいました。鈴木さんは、ヘドロは宝だ、海からの贈り物だと考えた。ヘドロに含まれている腐敗菌を分解さえすれば元の土になかったミネラルと養分だけが残り、前より良い土になるんじゃないか、と。≫

 ≪さあ、鈴木さん、まずは思いたってから田んぼに水を入れて、土をかきならす「しろかき」で塩分濃度を下げつつ、ヘドロと土を一体化させた。そこへ乳酸菌や酵母などの微生物を加えたら、その微生物はヘドロの中の腐敗菌だけをせっせと分解してくれた≫

 ≪震災からおよそ3ケ月後の田植え、懸命に育てて夏の夜は稲が寝苦しくならないように深夜まで水をかけ続けた。そして津波からわずか半年の秋、わずかながら「ササニシキ」と「ひとめぼれ」が実ったのだ。そして、いまは独自のたい肥を使うなど自然の回復力を高めていくことをのみを考え続けて、震災前よりも深い味わいになったコメがたわわに実っている。先週の大雨で多くの被害がでました。実につらい。しかし、ここの稲は強風をもろに受けることはなかったんです≫





◇「EM効果は実証済み」と語る
 古舘さんは、「ここで鈴木さんご本人にちょっとお聞きしてみましょう」と言って鈴木さんに「今日はありがとうございます」と声をかけた。
 鈴木さんの表情が大写しになった。
 古舘さんが、「逆転の発想といいますか、ヘドロを排除しないで利用しようというのは、どこからきたのでしょうか」と話しを向けた。

 鈴木名人は「以前から微生物を使っていましたので、(微生物がヘドロを分解する)そういうのはできるんだということをわかっていた。EM菌というものを使っていますが、それが日本橋川(※1)とかそういうところで(EM効果は)実証済みというのもありました」と、きっぱりEMの効果は実証済みと訴えたのである。

 EMの関係者はどんなに心躍ったことだろうか。また心ある人はこの番組を見ていよいよ微生物の力が社会を変える時代がきたかもしれないと思ったにちがいない。

 その夜、鈴木名人は、ブログに、本日放映の報道ステーションの生中継は実は、震災4年半の9月11日を予定していたのだが、甚大な台風の影響で本日14日に放映されたことを紹介し、ディレクターの綿密な調査、取材、ブログをすべて見てくれていたことには感動した、と率直に感想を述べた。わずか5?6分余りの生中継にスタッフ数が延べ100人は超えていたのではないか、とその裏舞台にも気遣った。

 翌15日のブログには、昨日放映の報道ステーションの反響に驚いています、と前置きして、「携帯電話にメールがたくさん入っていました。電話もありました。訪ねてくる方もおりました」と綴った。
 訪ねてきたのは、50数年前、就農仕立ての頃、小学生だった勝君夫妻でした。玄関先で「判りますか?」と言ったが、見覚えがなかった。が、小5の時、将来農業をやるからと見習いに来た人で、警察官になって白バイで田んぼまで来たことがあったことをやっと思い出した。出かける矢先のことで積もる話があったが次回の再会を約束した。
 お米を買いに来てくれた方や注文の電話も入り、「テレビの視聴率の凄さにあらためて敬意を持ちました」と続け、「昨夜の録画を見て、当時の津波被害で途方にくれたこと、全国から励ましをいただいたことなど、意外によかった事のみが思い出されました」と結んだ。鈴木名人にとっては思い出深い長い1日だったようだ。





 

◇次回の予告、七海さんへのお礼
 その延期になった9月11日は、実は、台風の中、仙石線で塩釜方面に向かっていた。「すし哲」で生中継すると聞いて、その場で取材する予定だったのだ。取材は、鈴木名人の生出演の他、孫の七海さんへのお礼も兼ねていた。そのことは次回に触れる。

※1:日本橋川というのは、日本橋川の浄化運動のことで地元の協力で毎週10トンのEM活性液を流し続けて10年、東京湾が奇跡的にきれいで豊かになったという事実を鈴木さんが「実証済み」と紹介したのだ。
前回のメルマガ『鈴木せつ子さんの微笑みに花は咲く』で取り上げたのは、かつて“死の川”と悪評の神田川が「水遊びOK 神田川美しく再生のワケ」という昨年8月放映のTBSテレビの番組で、神田川再生の理由として下水道施設の整備の他、家庭から出る下水を微生物で浄化しているうえ、EM団子の投入の効果をあげた。
番組では、EM=有用微生物群と紹介し、「ヘドロの中の有害物質をエサとして食べてくれる」ので河川が浄化すると解説を加えた。汚れた河川の浄化にEM活性液やEM団子が有効だという調査報告は、青森県が実施したEM投入による沖館川のヘドロ層厚調査報告書にも見られ、EMによる浄化の可能性を否定はしていない。昨年実施した逗子市の海岸の実地試験でもEMによる悪臭抑制効果を具体的に証明してみせた。
中には、ペットボトルでの簡易実験を根拠に「汚濁源になる」とした福島民友の記事があるが、記事が指摘した「福島県が発表」とか「福島県が初の見解」について県当局は否定した。記者会見など行われていないうえ、県議会で議員の質問で「県の見解といえるものではない」と新聞記事を否定した。『河川へのEM投入は汚濁源』という新聞の見出しについて、汚濁源になるという具体的な根拠が紙面にないため問いあわせると、「県の担当者の発言を掲載したまで」という説明だった。が、この福島民友の記事がいまだに「EM効果なし」の根拠として使われ続けている。一度、この点はきちんと裏付け取材に基づいた報告しなければならない。


 ≪次回に続く≫

「検証 朝日新聞とツイッター」-そこまでやるか、EM叩き-
第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

第3回:EM攻撃は朝日から始まった
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

第4回:浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞)
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150924.php

第5回:国立天文台執行部が下した決断
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150926.php

第6回:悪臭が消えた!常総市の学校にEM散布
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151019.php

第7回:EMによるプール清掃、驚きの効果を実証
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151101.php

第8回:EM批判は 由々しき「沖縄差別」
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151111.php

第9回:片瀬久美子の記事に虚偽浮かぶ
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151118.php

第10回:「捏造」という片瀬久美子の現実
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151127.php

第11回:「捏造」という片瀬久美子の現実 続報
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151209.php

第12回:朝日大記者、疋田桂一郎氏の3つの戒め その1
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151226.php

第13回:第4の権力、恣意的に行使されたら-筑紫哲也氏の憂慮
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160220.php

第14回:なぜ、朝日新聞を問題にするのか?
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160222.php

第15回:光と風と歌と
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160226.php

第16回:美しいEM団子づくり、石岡の「光風荘」
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160308.php

第17回:鈴木せつ子さんの微笑みに「花は咲く」
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm160311.php