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【特別寄稿】中国、韓国の主張に根拠や証拠は無い
−京大、山中教授のノーベル賞受賞の朗報に思う−

・DNDメルマガ満10年を迎えました。

〜コラム&連載〜
黒川清氏 「国会事故調 -10: Harvard Club of Japanで講演」
橋本正洋氏 第7回「早稲田の杜とイノベーション」
比嘉照夫氏 第61回「EMによる放射能対策の新知見」
氏家豊氏 第21回「クラスターの集積力 - トレンドに乗る -」

〜一押しイベント〜
2012年10月20日(土):ビジネスモデル学会2012年秋季大会
−再生可能エネルギーのビジネスモデル−
注目は、北澤 宏一氏(福島原発事故独立検証委員会委員長、前JST理事長)の基調講演です。3・11以降の日本のエネルギー問題解決にむけた具体的な提言に期待します。
(講演テーマ)
「日本は再生可能エネルギー大国になりうるか」−福島原発事故の検証からー


【ご挨拶】 DNDメルマガ満10年を迎えました。
 DNDメディア局の出口です。この10月2日でDNDメルマガが満10年を迎えました。毎週1回のペースで476回、もう最初から読みかえすことすら不可能になってしまった。記憶を記録する、と宣言したもののその記録が記憶できなくなったというのはなんという皮肉だろうか。


よく続いたね、と知人から励ましをもらった。個性が強いというか、わがままな性格というか、そういうぼくの"暴走"ぶりに少しも口をはさまず、自由に書かせてくれたお蔭だと、心から感謝したい方々が経済産業省や大学関係者に少なくありません。大目に見て頂いたか、見て見ぬふりをしてそっと見逃してくれたに違いない。


創刊号は「がんばるぞ!メルマガ」と題して、2002年10月にリニュアルしたことを短く伝えた。02年といえば、まだ青さが残る49歳、読み返すとメルマガの随所にどうも気負いが感じられてしょうがない。自分の身近な出来事を数多く書いた。ご批判もありました。無我夢中とは、やんちゃだったということの裏返しかもしれません。


まあ、自由な発想は、その思考に枠をはめてしまってはかなわないことだと思う。10年やって少しわかったことは、心が病んでいては筆が止まる、ということですね。体の調子は、多少難があってもそこそこやれる。が、何かの事情で気分がふさぎ込んでしまうと、もう駄目です。スランプも経験した。それは己の能力の行き詰まり、その限界は目をつむって突破するしかない。そんな時は、内容がどうであれ、やり続ければひと筋の光明が射してくる、と知った。


が、よいしょばかりじゃやがて嫌気がさすし、滅多にないことだがお金がからむと、なんというか、ドギマギして筆が遅れがちになった。そして、読み返すのが、とても億劫になる。可能なら削除してしまいたい。夢のような心地よい記憶もあれば、気が滅入るような嫌なものもある。そのいずれもDNDメルマガなのでしょう。


49歳から59歳、年がめぐると還暦なので、ここら辺で少し褌を締め直して、面白くて役に立つメルマガを続けていこうと思いますので、どうぞ、これからもご指導並びにご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。


■さて、今週のメルマガは、iPS細胞の研究で世界をリードする京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞受賞という朗報を契機に、知人が中国、韓国とのいわば"領土権争い"についての一文を寄稿してくれました。もちろん、日本側のスタンスで書かれていることは確かだが、抑制の効いた筆致で中国の問題点を鋭く突いています。


【特別寄稿】中国、韓国の主張に根拠や証拠は無い
−京大、山中教授のノーベル賞受賞の朗報に思う−


2012年10月9日
鳥羽 一元


1.テロ国家
 中国は日本政府が尖閣列島を国有化すると知って日本企業施設を破壊するという暴挙に出た。その挙句、中国共産党は、これは中国市民の怒りであり、責任の全ては日本にあるという暴言を吐いている。もはやこれは民主国家ではない。単なるテロ国家である。中国共産党が作り上げている猿芝居でもあることは企業の施設のみ破壊し、人に危害は加えないという厳格な統制があったことも明らかである(と記事を書いているうちに、中国人がテロに巻き込まれて事故で死亡したというニュースが入ってきた)。


中国共産党は日本がいかにひどい国であるかを示すために未だに70年前の日本の占領時代の映画、ドラマを毎日のように放映している。全ては同じパターンで、日本軍が中国を占領し、暴行を働き、それを中国軍が反抗して叩きのめす、という中国万歳のドラマばかりらしい。


こうして戦後日本が70年に亘って中国を含む東南アジア諸国経済を援助してきたという事実は一切無視し、国民に伝えずに、ただただ日本が悪魔のような国であり、軍事国家である事を仕立ててきた。情報統制されている中国市民は盲目にそれを信じる。というより国営放送はそれしか放送しないから判断のしようがないのだろう。



2.中国共産党の狙い
 しかし、中国共産党の本当の狙いは日本を叩くことよりも極貧と格差に喘ぐ中国市民の怒りを共産党以外のところへシフトすることであることは火を見るよりも明らかである。中国経済は躍進しているといっても、一人当たりのGDPはまだ世界で第90位くらいに過ぎない極貧の国である(因みに米国は10位、日本は25位くらい)。成金は大都市に住む数1000万人のみで、残りの10億人はやっと生きている極貧である。


大都市に出稼ぎに行きたいものの、中国共産党は移住を阻止しているからそれもできない。というより中国共産党は莫大な大貧民に大都市市民の豊かな生活を見せたくないのである。豊かな市民といっても日本に来ては電子製品を買い漁っていくくらいだから程度は知れている。


よって大貧民達の不満は沸騰寸前でいつでも大暴動やクーデターが勃発してもおかしくない。それを阻止させるために中国共産党は彼らの不満が日本へ行くように何年も前から仕向けてきた。今のところ成功しているように見えるが、いつ中国共産党へ向くかわからず彼らは戦々恐々としているのが現実のはずだ。



3.尖閣の所有権
 そもそも尖閣や竹島は何故日本に所有権があるのか。日本の場合の論理は明解である。1890年代に日本は尖閣諸島や竹島のような孤島はどの国も領土として主張していなかった事から日本の領土と宣言した。


それに対して中国も韓国も当時反対も何もしていない。


そして日本は太平洋戦争へ突入し、敗戦した。


戦後処理として日本は中国や韓国に領土を返すべきであるというカイロ宣言があり、米国を含む連合軍はいくつかの日本の領土(満州等)をそれぞれの国へ返還したが、尖閣諸島と竹島は日本の領土であると決定してサンフランシスコ条約が締結された。当然、これは連合軍による措置であり、当然国際法上の措置でもある。


つまり、日本が勝手に領土化したわけではない。


これに対して中国はカイロ宣言に拘泥し、またサンフランシスコ条約には入っていなかったので関係なく、無効であると主張している。しかし、まずカイロ宣言は条約ではなく、どの国もサインしていないので拘束力は無い。その上、もしサンフランシスコ条約そのものが無効になるなら満州は未だに日本のものになることになる。


ともかく中国と韓国は、そもそも両島は日本が領土化する前からそれぞれの固有の領土であったので戻せ、と主張したいらしい。


「らしい」という意味は彼らの主張は単に昔から固有の領土であったというだけで、いつ頃からどのような根拠で固有の領土になったのかまるきり根拠を示さないので分からないからだ。というより、彼らはこれらの島を自国の領土と公式に認定した記録がないから単に固有としかいいようがないのだろう。


この論理が通るなら、イギリスやスペインはかつて世界各地に領土があり、今でもそれらはイギリスやスペインの固有の領土であると主張するのと同じである。とにかく明確な論理や証拠がないので国際裁判所で決着させる事を嫌っている。これは真の根拠がないことを自白しているのと同じである。



4.海底資源
 中国が尖閣諸島は国有の領土であると主張し始めたのは海底資源があると発見された1970年代からであり、それまでは日本が領土主張をしても何も異議を唱えていなかった。


その証拠として1972年に田中首相が中国を電撃訪問して周恩来首相に会った時、周首相は「今、尖閣諸島の話をするのはよくない。石油が出るからこれが問題になった、石油が出なければ台湾も米国も問題にしない」と述べており、石油資源を獲得するために領土主張し始めたことを自認しているような記録がある。


ともあれ、中国は海底資源や海洋資源を巡って多くの東南アジアの隣国達と争っている。よって、尖閣で日本にひけをとることはこれらの国々との対決に影響を与える事になるので、後にひけないのだ。


これらの全ては外国との対決だから不満が鬱積している極貧の中国市民の怒りを共産党でなく外国へむける絶好のガス抜き材料として利用しているのは明白である。



5.情報テロ国家
 中国における貧富格差、情報統制はいつでもクーデターになる可能性がある。それを日本や東シナ海の他国を仮想敵国に仕立てることによって対処してきた。その様な情報操作は中国国内にとどまっていない。中国は最近アメリカやイギリスのジャーナリズムで次々に尖閣諸島は中国の領土という記事でキャンペーンを始めつつある。このキャンペーンはどんどん他国にも広がるだろう。他国も中国の経済力を考えると掲載せざるを得ないようだ。このような国内外における情報操作はもはや情報テロといえる状況になっている。


しかし、世界の文明の多くの基礎を生み出してきた賢明なはずの中国市民が何かがおかしいと気がつかないのだろうか。


いくら中国共産党の情報統制が厳しいといっても、このインターネット時代で少しずつ外部から真の情報が入らないはずがない。現実に、中国から日本へ来た旅行者は皆日本の真の姿は中国の映画やテレビドラマとは全く違う、何故このような平和な国家と争わなければならないのだ、と思って帰る者が非常に多いという。


これが積み重なれば徐々に誤解は氷解していくはずではあるが、中国共産党の情報操作はあまりにも強大なので、期待はできない。



6.日本への嫉妬
 但し、今日の真の日本を知った中国市民は日本の豊かさに逆切れして益々日本を嫉妬する中国人も多いかもしれない。


確かに日本に来てみると、日本は中国共産党が描く70年前の醜い日本とは全く異なるが、日本がこれほど安全で豊かで暮らしているのを見て自分たちがいかに貧しいか、悲惨であるかを感じて、中国共産党に対して疑問は生じるものの、日本に対する嫉妬の方も強く増大することも一つの事実なのである。


これは韓国の李明博大統領が「天皇陛下は韓国に謝罪すべきだ」という暴言をはいた翌日に真の理由として「日本は世界の大国ではないか。中国は世界2位の経済国になったといってもまだまだ日本のほうがはるかに上だ。日本は世界の大国としてもっと責任を持つべきだ」と釈明したことからも明らかである(この遜った釈明に韓国民が反発しなかったのはやはり同じ思いを持っているからだろう)。


日本がそれほど豊かであるということを知らないのは恐らく世界の中で日本人だけではないだろうか。しかし、意識はなくてもその体感はあるようだ。


つまり、今の若い日本人は海外で働く願望というのは一部の超エリートを除くとほとんどなくなっているらしい。日本の若者は日本を出て海外で働きたいとう夢を持つ者は非常に少なくなっているようだ。日本が豊かになれば当然その必要性は少なくなるだろう。


中国人の多くは米国に来たがっているが制限があるので自由にはならない。しかし、海外旅行が自由な韓国人はがむしゃらに米国に来て、家族、民族が一丸となって勉強し、訓練するのであらゆる分野での活躍が目立っている。


逆に言うとそれだけ自分たちの国が貧しいからともいえる。


勿論、今の韓国は決してまずしいとはいえないだろうが、それでも競争の激しさ、給料の安さ(だからサムスンやLGの製品は安く競争力が高い)はまだ歴然としている。


韓国、中国人が持つ日本や日本人への最大の嫉妬の1つはノーベル賞受賞者である。


折しもiPS細胞作製の成功で京都大学の山中伸弥教授に医学生理学賞という朗報が飛び込んできた。アジア人の中でノーベル賞がとれるのは日本人(19名:山中教授受賞を含む)とインド人(4名)くらいなもので中国人と韓国人は平和賞という学問とはまるきり関係のないおまけ的ノーベル賞を一人ずつ取っただけである(台湾人は2名)。


彼らからすると世界、特に西欧諸国から評価される日本人が羨ましくてしょうがないようだ。尖閣や竹島も戦勝した西欧諸国からなる連合国が日本に味方した決定を下した故に許し難いという認識を彼らが持っている事は疑いもないことであろう。



7.クーデターはあるか
 いずれにせよ中国共産党が恐れている最大の危機感は大貧民集団によるクーデターである。これは今でも一触即発の可能性をはらめており、だからこそ中国共産党は日本をそのはけ口に利用しなければならないのだ。


しかし、世界の文明の基本の多くを生み出した中国人が立ち上がれないはずは無いと考えるのは楽観的すぎるだろうか。人間の強さは歴史が示している。オリンピックで猛威を払った東独は崩壊し、西独の一部になった。大ソ連も崩壊し、中ロシア(それでも大きいが)となった。中東で戦っているのも基本的に圧制された人民たちである。明治維新も徳川に圧制された下級侍達による無血クーデターである。今のところ中国だけが中国共産党による圧政が成功しているが歴史は必ず被害者達が立ち上がる事を示している。もしそうなると中国は分裂国家になるのかもしれない。



8.本当の中国知識人
 と書いている内にやっと1つの朗報が入った。


それは中国の女性作家崔衛平氏が「私達は日本人が平和再建のために尽くした努力を見てきた。今日の現実に基づいて日本を判断すべきだ。」とブログに書き、多くの中国人が署名した事を明らかにし、更に、「署名した人はリスクを背負う勇気ある人達。その背後には、今の空気に違和感を感じながら、声を出せないでいるもっと多数の市民がいる。」と述べている。


このように本当の日本を知っている中国人が非常に多数存在する事は当然であろうが、今の中国は声に出せない恐ろしさがあるのである。これはまるで「鬼畜米英」と叫んでいた戦前の日本と全く同じファシズムの世界ではないか。それほど中国共産党はスケープゴートが必要である事を示している証拠でもあるといえる。とにかく日本はこういう良識ある中国市民をサポートして草の根運動を展開して少しずつ中国における日本の印象を改善していかなければならないのだろう。


以上


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