◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2011/04/13 http://dndi.jp/

3.11東日本大震災 急がれる復興計画への第一歩

 ・小宮山宏氏ら『日本の地域「新生」ビジョン』提言
 ・明日が見えない被災地の今、不安、絶望、怒り!
 ・縦割りの弊害で、「分業」が「分断」に
 ・読みごたえのある『文藝春秋』5月特別号の秀逸
 ・≪私の3.11、東日本大地震facebookから:その2≫
 ・福島第1原発、事故の発生・進展の主な経緯(随時更新) 
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〜新着コラム&連載〜
 黒川清氏の『学術の風』
 ・「Sunrise 2011」 ドゥルー・カタオカさん
 ・TED -4; Google Carなど技術のすごさ、ほか
 比嘉照夫氏の『甦れ!食と健康と地球環境』
 第41回「EM技術による臭気および土壌汚染(塩害、ヘドロ、放射能)対策」

DNDメディア局の出口です。さあ、復興構想を急いで、被災者の方々の心に夢と希望を与えてください。菅さんが東日本大震災からの復興像を描く復興構想会議の設置を決め、6月をメドに第1次の提言をまとめる。どんな明るい風景を描いてみせるのか、期待が膨らんできます。私なんか、これを機に「東北」という寂しげな響きの地名を変えたらどうか、と思います。「桜花」とか、「栄光」とか、「太陽」とかね。それにしても最初の提案が梅雨の6月にずれ込むのですか、う〜む、被災現場の窮状を思うと、もっと早くやれないものか、と私の気持ちは、また塞ぎ気味で穏やかじゃない。


 しかし、復興プランは心ある識者らの熱意で着実に動き始めています。なんとなく私のこのうさを晴らしてくれそうなのが、『日本の地域「新生」ビジョン』と題した緊急提言です。前東大総長の小宮山宏・三菱総研理事長、東大名誉教授の松島克守・ビジネスモデル学会会長、坂田一郎東大教授、それに藤末健三氏、林芳正氏ら与野党気鋭の参議院議員らが賛同者に名を連ねています。菅首相へ直々、提言し菅さんも興味を示したという。その後、日本記者クラブでも会見に臨み、その時の映像はYouTubeでご覧になれます。


 会見では、小宮山さんが、復旧復興は、元に戻すというのではない、と断じつつ、以前から主張される「プラチナ構想ネットワーク」の持論を展開されています。この構想はすでに存在する地域ネットワークです。全国105の自治体が参画し、「地域から日本を活性化させていこう」という趣旨で東北は宮城県や青森、秋田、山形の知事さんが名を連ねている。省エネECOのプラチナハウスや太陽光を活用するスマートグリッドによるプラチナシティーの構築を提唱しています。小宮山さんは、中央の指令ひとつでなかなか動くものではない、として「現実にやるのは地域だろう」と軸足を地域重視におくことを強調し、ひとつ先の社会を目指すべきと訴え、環境、エネルギー、高齢化といった新しい人類の課題を克服した課題解決の日本の姿を「そこに行くと世界文明の先端が見える」という言い回しで復興の街のイメージを語っていました。


 記者会見ですから、日本記者クラブの会員から質問が相次いだ。「なぜ?プラチナ構想なのか」と。これには会場がどっと沸いた。小宮山さん、正直に、その時はこの言葉しか思い浮かばなかった、と述べたら、これを日本語でなんというか、と二の矢が飛んで返答に窮していると、お隣にいた松島さんが、「Japan 2.0」と答えた。そして、新しい動きには、つねに言葉を探しているものです。これがイノベーションの本質であり、手垢にまみれた言葉でイノベーションは語れない、という意味の説明で納得させていました。


 新しい現実は、新しい言葉を生む―とは私がよく使う経済学者、ガルブレイス氏の言葉でした。いやあ、なかなか見ごたえがあります。さて、小宮山氏らのご提言は、どう復興構想に反映されるか、ですね。皆様もどうぞ、その1時間におよぶ会見の映像をご覧になって復興計画をどう仕上げていくか、一緒に考えませんか。


 宮城県のNPO法人が将来に向けての復興計画を村井知事に提出したことを友人の事業創造大学教授の赤木弘喜さんから知らされた。動いているんです。ソニーで異彩を放つ北野宏明氏は、最近のウェブ論座で「電力にロングテール・ソリューションを」という論文を投稿して話題に。化学工学会からも原発事故で影響が大きい電力への提言が行われています。


 その一方で特許庁の橋本正洋さんら有志の呼びかけで15日夜は、関係者らが復興計画への提言について発表し、意見交換の場を持つ予定です。これを皮切りに、DNDサイトでも『動け!日本復興、地域再生への緊急提言』の新しい企画を準備しています。多くの人の思いと知恵で、次世代への希望をつないでいきたいと念じております。ご協力を切にお願いいたします。


≪ご参考≫
●『日本の地域「新生」ビジョン』:俯瞰工学研究所http://www.fukan.jp/
●『日本記者クラブでの記者会見』: http://youtu.be/NZLBtIYx3aM


 ◇              ◇           ◇


■不安から絶望、そして怒り…被災者の暮らしを守って!


 さて、M9の大地震から1ケ月が過ぎました。悲しいかな行方不明1万4千人の必死の捜索が、いまなお続きます。自衛隊の皆さんには本当に頭が下がります。が、その反面、多くの避難所からの不満や不安が日増しに大きくなっています。生活再建の兆しが、一向に見えてこないからです。


 震度6弱の余震が頻発し、緊急地震速報のシグナルが響く度に、子供が泣きじゃくりお年寄りが怯える。強い余震は、宮城から福島、茨城と南下し最近は千葉へ長野へと南西へと広がりを見せています。M8規模の地震が来る、と専門家が警告します。地殻でこれまでとは違う何かが起きているのだろうか。もう我が家の愛犬は、目がうつろで憔悴しきっています。この私も地震酔いでふらふらするし、心労で体重が5キロ減とは嘘みたいでしょう、ほんとです。


 さらに、原発事故の放射能汚染の拡散でこの機に及んで原発史上最悪の「レベル7」という発表も近隣住民に限らず多くの日本人に動揺を与えています。放射性物質の総量が最大63Kベクレル、Kは1兆の1万倍という、途方もない数値です。


 原発は、今後危ぶまれる重大局面を回避できるのだろうか。いつになったら、安全宣言が期待できるのか。1号機の燃料棒の70%が溶融し、圧力容器の底でその塊の熱2000度以上になっているのではないか、という専門家の見立てもあります。プルトニウムに続いて、福島の土壌からわずかなストロンチウムが検出された。めったに見聞きすることのない単位や元素名が、普段の新聞の見出しになっている。


 さすがにこんなに切羽詰まれば、やがて我慢の限界に近づいていくのかもしれない。気丈のはずの東北の人々が、あからさまに人前で悔し涙を見せ始めています。こちらの悲しみが、なぜか怒りに変わるのを抑えられません。


 レベル7のニュースを聞いたご婦人が、こんな状態なら土壌汚染も凄いだろうから、事態が収拾しても町にもう戻れない、とうなだれていた。


 気仙沼の人だろうか、生まれてずっと漁村で生きてきた男性が、いやあ、辛い、養殖業者の仲間が、みんなやられたぁ〜と言ってテレビカメラに背を向けていた。養殖の仕掛けや網が、そして仲間が海に流されてしまった。気が付くと孤独感に襲われる。


 やはり、あれからすっかり表情を失った高齢の親のことを考えたらどうしたらいいか、わからない、切ない、と嫁が、陸前高田の避難所で目を伏せた。


 北西方向の放射線物質の濃度が高いのがわかっていながら、あいまいな自主避難のまま戸惑いを生じさせていた飯館村では、土壌汚染で作付が禁止措置となって、今年のコメ作りはどうなるか、農家の人たちが暗い表情で右往左往していた。出荷禁止で原乳を廃棄し続ける農家だって牛がいるから、避難もできない。さて、このまま村にとどまって大丈夫か、どうか、とずっと苦悶が続いている。いつまでと、その見通しを教えてくんねぇ、と嘆いて顔がこわばっていた。えさ代がかさむ牛の飼育と世話、やりきれない毎日の原乳の廃棄処分、放射能汚染の怖れ、先が見えない生活、負担が重くのしかかる母親の介護…この状態で自主避難せよ、と。もう1ケ月、この苦しみが絶望に、そして怒りに変わるのも無理はないでしょう。


 石巻市の大川小は在籍児童108人のうち74人が犠牲になったことが判明しました。津波警報で、点呼を終え高台へ急いだ。激しい突風が吹いてその児童の列を先頭から濁流がのみ込んだ。こんな悲劇は聞いたことがない。可哀そうで痛ましい。


 親たちは、この1ケ月、子供の姿をさがし回っていた。6年生の娘は、数日後に遺体で確認した。3年生の長男は行方不明のまま、その母親は、「あの時、泣いていたか、しっかりしていたか。聞いたら悲しくても最後をちゃんと知ってあげたい」と涙を流した。


 福島県の双葉町から埼玉県加須市に避難した町の住民1400人、故郷には放射性物質の影響で避難どころかさらに帰れない。高齢のご婦人が「ここに居ても死ぬさ、帰っても死ぬ。それなら帰って死にたい」と目を剥いて怖い顔をしていた。


 もう一度、書きましょうか。不安から絶望、それが怒りになるだろうか。東北の人は怒らない、と思ったら大間違いだ。みんなが心の内ですすり泣いていた。顔が見えない薄暗い夜になると、涙を拭いている。新聞の社会面は、今だって涙の記事で溢れているでしょう。


 これが今、私たちの精いっぱいの日本の風景なのだろうか。電力の計画大臣が颯爽と誕生したが、混乱したまま計画停電はあっさり見送られた。なんだったのだろうか。今度は、原発大臣が誕生するという。それも必要です。が、いま一番、優先させなきゃならないのは、被災者、避難住民の生活と暮らしを守ることですよね。不安を高ぶらせてついに絶望の窮地に追い詰めている。今度は、本当に怒らせてしまっていいのだろうか。


 この大災害に際して、作家の高村薫さんがその義憤を晴らしてくれています。


「被災者の生活一つ満足に守れなかった政治家たちに、国民の生命財産を守る意思と力があると思う国民はいない。それでも何とかなっていた安穏な時代は、すでにない。私たちが目の当たりにしているのは、この大地震を機に衰退する瀬戸際に立っている日本の姿である。復興対策の名目で赤字国債を増発するしか能がなく、税と社会保障の一体改革すら先送りするというのであれば、そんな政権に、失われた被災地の生活と経済を中長期的に立て直すことなど出来るはずもない。粛々と停電に耐える前に、日本人は本気で怒るときである。」(週刊AERAのコラム「平成雑記帳」から)。


■縦割りの弊害で、「分業」が「分断」に。


 さて、もう一つの誤謬は、ひと言でいえば割りのシステムの弊害、これがアダムスミス以来の効率的な「分業」と思ったら単なる「分断」でしかないという体制の危うさを指摘しなければならない。事務次官会議をさっさとやればよい、なんでも潰すからおかしくなる、とは、石原慎太郎東京都知事でした。


 福島原発の仕切りは内閣府、対策や監督・指導は経済産業省で、原発の記者会見は、枝野さんが登場する官邸、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東電本社、東電福島事務所とやや乱立気味です。記者クラブもこの縦割りの仕組みに順じて疑わない。


 放射線物質が野菜に降りそそぐと農林省、河川に流れると国土交通省、空中の測定は文科省、放射性物質の拡散予測は気象庁。この4日に東電が官邸と決めた汚染水1.1万トンの海への放出で、隣国や海外の対応は外務省。北茨城市の平潟漁協はコウナゴから放射性ヨウ素が検出されて、漁を止めちゃいましたね。さて、魚や肉は食品安全の暫定基準がなく検討に入ったのが厚生労働省、漁協の所管は水産庁、汚染水の放水については原子力安全・保安院。これでうまく機能しているのだろうか。被災者や避難住民の生活や医療、それら暮らしは、どこが担当するのでしょうか。自衛隊やボランティアではないですよね。なんだか、肝心なところが後手に回り、すっぽり抜け落ちているような気がしてきました。


 ■「日本人の再出発」特集の『文藝春秋』の秀逸


 「日本人の再出発」を特集した『文藝春秋』の5月特別号は秀逸でした。巻頭コラムは立花隆さんの『日本再生・1 PTG第二世代へ』には、批判を抑えての勇気をもらった。塩野七生さんの『今こそ意地を見せるとき』で示した"禁じ手"使いは納得した。侍従長、川島裕氏の『天皇皇后両陛下の祈り』は、その時のご様子が丁寧にしかも無駄なく描かれてよかった一文です。よくぞ書いたという思いがした。石原慎太郎氏の寄稿『試練に耐えて、われらなお力あり』は、消防庁ハイパーレスキュー隊などの出来事をリアルに記したが、官邸の危機管理の危うさを浮き彫りにした。麻生幾氏の『無名戦士たちの記録』は、3号機の爆発で吹き飛んだ自衛隊員らの命がけの奮闘と、その危うい現場を告発した。月刊誌だから締め切り時間とのぎりぎりの戦いだったに違いない。が、いまなおその時間差を少しも感じさせないのは、全編ひとつひとつ事実の積み重ねの上に成り立っているからだろう、と感心した。本物の編集者の力量を見た思いがした。


 ◇           ◇           ◇


■新着コラム&連載等■
●黒川清氏の「学術の風」
・「Sunrise 2011」 ドゥルー・カタオカさん
・TED -4; Google Carなど技術のすごさ
・San Diegoで若者たちとの交流
・米国内科学会: San Diegoから
http://dndi.jp/14-kurokawa/kurokawa_Top.html

●比嘉照夫氏の「甦れ!食と健康と地球環境」
第41回「EM技術による臭気および土壌汚染(塩害、ヘドロ、放射能)対策」
http://dndi.jp/19-higa/higa_41.php


 ◇            ◆             ◇


≪私の3.11、東日本大地震その2≫


 これはfacebook(以下、fa) に書き込んだドキュメントです。その時、何を書き、どう動いたか―その2の続編です。


12日11時22: ≪今回はfaでつながっていることの有難さをしみじみと。いやあ、しかし、ですね≫


※この辺から。faの書き込みが頻繁になります。私の投稿は≪ ≫で表示、知人や第3者のそれは『 』として区別します。


12日14時10: 出口≪朝日、原発想定外の事態と。福島原発が緊急事態とニュースに緊迫感がにじみはじめてきました。燃料棒溶解か、メルトダウンの恐怖は、最初小さな事故からポツポツ起きたかと思うと、それが一気に拡散していく。爆発の危険はあるのだろうか。あちこちから風評がたつのもこの手の不気味なこと。不安を煽るわけじゃないが…。≫


12日15時10:A氏『爆発ということにはならない、と専門家は言っています。現場の緊張はものすごいでしょうね。がんばって欲しい』


12日15時49:出口≪そう願いたい。さっき、爆発音がして白い煙が上がったという通報があった。従業員が数人ケガをしたーとの情報あり、それを東電が会見しました。時々刻々、何かが動いていますね≫。


12日16時15:A氏『福島第一で小爆発、作業員が負傷らしい。ただ放射性物質が漏れ出す事態ではないだろうとのことです』。


12日16時17:出口≪爆発が起きたのは事実です。心配なのは、爆発音は起こらないーという予断と、東電が原因はわからないと会見しているのに放射能漏れはないという憶測、リスクマネージメントの肝心は、最悪の事態を想定するところから始めるべきと思います。原子炉での異変が起きているのですから事態は深刻です。避難の範囲をもっと広げる必要がありそうです。≫


12日17時15:出口≪いま原子力安全・保安院の会見。本日午後15時36分に突き上げる直下型の揺れがあり、福島第一原発内でその直後の爆発で4人が負傷したという内容について東電の幹部から具体的な数値、情報をえられていないと。恐縮、申し訳ないを繰り返えしました。≫


≪記者からは、住民はどう逃げたらいいか?との質問に、自治体と相談して落ちついて、と。(原子炉の)損壊の可能性はあるか?には、情報を集めていきたい、と明言を避けた。先立って枝野官房長官は、現在、冷却水の水を増やすなど 放射能物質の測定の数字に基づいて対応していきたいと。≫


12日17時24:出口≪いま何か起きてるか、正解で適切な情報を明らかにして欲しいことを国、原子力安全・保安院、東電に望みたい。仮に、事実を包み隠すことがあれば起こった事故より重大な批判が巻き起こることは自明です≫。


12日17時28:Sさん『出口さんの感じた違和感、イヤな感じは、当たりだったんですね。だとすれば、いよいよマズいですね』。


12日17時39:出口≪うちの家内が、爆発から2時間たっているのになぜ、ちゃんと説明しないのか、と憤慨しています。福島の住民を不安に陥れてはいけないよね。ラジオを聞きながら、いま実家に見舞い訪問です。4号線は凄い渋滞、天然ぶりとホッキ貝の刺身、牛肉のスキ煮などを持参です。地震で怖い思いをした義父母への孝行です。


12日17時50:Bさん『避難地域20キロに拡大です。マズいですね。』


12日18時31:出口≪そうなの!会見の裏を暴くのがメディアの真骨頂ですから、事実を知っていて、つまり東電から報告を受けていながら隠していたら? あの会見は、疑問をいだかせてしまいましたね。≫


12日20時01:出口≪枝野官房長官が、爆発の重大性を否定しました。始めに、菅さんが記者会見へ。福島第一原発の新たな事態、10キロから20キロ圏内の避難指示拡大をお願いした。まずは命を救うこと、避難生活の対応、復興の手だてを力説しました。続いて、枝野官房長官の報告:核納容器の構造に損傷はない。水蒸気の放射性物質が大量にでるものではない、爆発後は低いレベルにとどまっているーと"安全宣言"ともいえる内容でした。その上で念のために、避難圏域を20キロに拡大し万全をきしたーと述べ、爆発による放射性物質の大量飛散を否定≫


12日20時19:K氏『まずは、ちょっと一安心。しかし、さむいところで、皆さん、悲しい、つらい時間をすごしておられます。あまりにも無力な人間。自然の大きさに、あらためて畏怖の念』


12日21時12:出口≪現場の惨状は想像をはるかに超えているのでしょう。申し訳ないのですが、まだ実感がわきません。停電は続いているし、携帯はいまだつながらない。親類らの安否を懸念する知人は多いです。いま南三陸町の町民1万人と連絡が取れないというショッキングなニュースが流れました≫。


12日21時30:K氏『想像を絶する悲惨さです。これで、人間たちが、自然と調和しようと、もう少しは謙虚になって考え始めるといいのですが。自然を征服とか、傲慢です。人間の長い歴史で、いつも悲惨な目にあうのは、普通の人たちです。それにしても、政府の対応は、原発ではまあ結果が良かったからすんだことですが、あまりにも官僚というか、無謬性にこだわったのか、なんだかヘンですね。今日はいくつもtwitterに書きましたが、人をバカにしていますね。政治主導なら、はっきり指示し、発言すればいいのです。』


12日21時49:出口≪まあ、福島第一原発の爆発は、そこに疑う私がいるし、まだこれから何が起こるか。疑い深いこの性格はいまさらどうにもなりません。ところで、みんな疲れてませんか。くれぐれも身体を大切にしましょう。≫


12日22時30:J氏『NHKの被害予想が1000人強と云っていたので彼らは地震被害人数と本格的津波被害人数の桁違いの差がわかっていない。一万人ぐらいになってしまうぞ、と家のものに言っていたら、出口さんの言うショッキングなニュースが流れました。この調子でいけば壊滅状況の女川はじめ陸前高田、大船渡、気仙沼、大槌、山田、宮古、その他を入れれば大変なことになります。インドネシアの時も1〜2万の段階から30万ぐらいになってしまいました。1万にならないことを祈ります。それにしても釜石のニュースすごかった。製鉄所のガントリークレーンが海の真ん中向こうのほうにあるとは信じられない。携帯まだ駄目です』


13日00時10:出口≪大津波の破壊力は、古来、語られ引き継がれていながら、大津波への備えがなっていないのかもしれません。実態がつかめない。連絡ができないのですから、行方不明者を捉えることができないのでしょう。地震より、それに続く大津波の方が恐ろしい。いまだに津波警報がでています≫。


13日7時30:出口≪昨夜、義父母のお世話で栃木市入り、いつもは小一時間ほどの距離なのに渋滞で4時間かかりました。途中目にした光景は、ガソリンスタンド付近がどこも車の行列、コンビニの棚が空っぽで、スーパーも物不足が起きてました。物流が寸断されています。買いだめパニック?落ち着きましょう。≫


13日8時35:出口≪枝野官房長官の今朝の会見。爆発による対応で炉心を冷却するために海水を継続的に注入することが重要と語り、モニタリングの数値に変化はみられない。放射能汚染の被爆者については表面が汚染されている、内部が汚染されていなければ被害はない、と説明しました。記者から、被爆の影響、拡散を問われて"健康に害が及ぶ被爆の可能性は薄い"と、専門家の話しを紹介。炉心に放射能が出て温度が高い。それを冷却しなくてはならない。水を入れる。多量の水は海水がいい。海水が満たされて冷却されている。が、多量の放射性物質が外に漏れ出ないために排出される海水の中に放射能が含まれる排水管理が必要になる、とは関村直人東大教授のNHKのコメントでした。官邸の会見は、見透かされますから専門家をそばにつけるべきじゃないか。昨日の爆発は、やはり大事故でした。ここは注視、監視の目を光らせましょう。海水給水のポンプが、いまやっと命綱と聞こえました。≫


13日10時20:出口≪新聞よむ。福島原発で爆発!の大見出し。炉心溶融の恐れ、周辺被爆ーとも。大変な爆発事故でした。≫


13日11時24:出口≪海水注入は核分裂の抑制とあり、これを専門家は、『廃炉覚悟の最終手段』と分析するのはSOMAさんの指摘の通りでした。電力の供給に影響あり。また、福島第1原発の空気放出にともなう放射線の量は、1015マイクロシーベルトから70.5マイクロシーベルトに落ちた、とは昨日夜の枝野官房長官の話しでしたが、また本日800以上に上昇した。記者会見をあれこれフォローしていたら、何がどうなのか混乱してきそう≫


13日12時24:出口≪枝野官房長官の11時の4度目?の会見。問題は、新たに福島第1原発の3号機、冷却水の供給がストップした件に集中。今朝、東電が3号機の異常を届け出た。原子炉の水位が下がり、核燃料棒が露出する炉心溶融の可能性を示唆した。漏れた格納容器の冷却、微量の放射性物質を含んだ気体が漏れた、と枝野さん。この3号機でも燃料棒の金属が酸化して水素が充満する危険があるのだろうか。耳にNHKラジオ≫。


13日15時28分:M氏『原発の話は混乱していますが、最初の緊急停止はしっかりしていますので、最悪の事態は避けられています。爆発は、高圧蒸気が水素と酸素に分かれた後の、水蒸気爆発で建屋は飛びましたが、圧力容器は健全ですので、コントロールされています。(4人がけがというのは、放射能で即死でないので、状況を語っています。)炉心溶融は一部であっても、いったん緊急停止後ですからスリーマイル原発のような事態とは異なります。予断を許しませんが、最悪の事態だけは避けられています。』


13日16時02:出口≪Mさん、有難うございます。いわば原子炉はコントロールされているから、最悪の事態は避けられた、と。だから? また1号機に続いて3号機でも爆発し建屋が吹っ飛んでも心配ない、という意味でしょうか。先ほど、枝野官房長官が会見で、放射線が1000マイクロシーベルトを超えたが、胃のX線3回分、飛行機ならニューヨークまでのフライトを例に、あたかもたいしたことない、という口ぶりでした。ちょっと前は、マイクロシーベルトが800そして75まで下がったことに胸をはっていました。女川原発は28マイクロシーベルトでしたか、この数値で記者会見していました。それらを聞いていると、政府がやっきになっているのは、問題解決ではなく鎮静化なのだろうか、と。そんななかでの20万人を超える避難指示をどう、説明するのでしょう。≫


13日16時27:M氏『メディアは、スリーマイルやチェルノブイリとの単純比較で恐怖を煽っていますが、事態は異なります。まず、緊急停止はしっかり行われているということが大事です。制御棒はしっかり降りた(上がった?)ということです。これが曲がって刺さらないこともあります。そして、最初の冷却は行われています。水蒸気爆発は悩ましいところで、設計の不備とも言えますが、基本的に、放射能の閉じ込めを優先した設計ですので、水素を逃がす構造にしていなかったところが甘かったと言えるでしょう。3号機でも水蒸気爆発の可能性は否定できませんが、格納容器、圧力容器の防護が壊れなければ、内部で部分的炉心溶融が起きていても酷いことにはなりません。セシウム137や放射性ヨウ素の大規模拡散という最悪の事態だけは、既に避けられていると考えます。政府の公式見解と無関係な科学的見解です。そして、東電、東芝は精一杯努力中です。ご安心いただくまでには至りませんが、最悪ではないということだけご理解ください。』


13日16時46:出口≪さて、Mさん、私はこのようなコメントを政府関係者、原子力保安院に期待しております。それでは負担と苦痛の多い避難指示は、万が一のため、もしくは必要ないともうけとめられます。この辺の矛盾が理解しにくい。また爆発で建屋が吹っ飛んだ事態は、あれは吹っ飛んでも問題がないというが、今朝の新聞を見て腰を抜かしました。あれも新聞があおりすぎですか。外からみていると、何が正しいのか錯綜して混乱しています。原発の安全神話、日本の原発技術の信頼は、もろくも崩れはじめたことを心配します≫


13日16時59:M氏『安全神話は崩れました。しかし、神話に頼らずとも、技術はしっかり機能しています。中越地震の際に、猛スピードの新幹線が安全にとまったのは凄いことです。これは中国の似非新幹線でできるでしょうか。日本の原発も更なる改良点を見つけましたが、しっかり一次制御ができていることに、実は驚きと安心の称賛を内心送っていました。避難指示は、本当に万一、いや百万分の一に備える周到さであり、また、「被ばく」された方が、たとえ微量であっても早くシャワーして髪の毛や衣服の放射能を落としておくことはとても大事です。「直ちに健康に問題はない」といっても、できるだけ、被ばくを避けるのが科学者や技術者の良心であり、それが間違いなく現場で機能していることが伺えます』。


13日17時35:出口≪福島第1原発の爆発事故、20万人の避難指示は事実で、まあ、新聞が煽っているかどうかは差し引いて市井の多くは原発における日本の制御技術の恩恵とは思わない。恐ろしいので原発の周辺には住みたくない、新たな原発建設は反対という気運はたかまっていくのではないか。関係周辺の知事の発言は厳しいです。いままで原発擁護の旗振り役も旗を下ろさなければよいのですが。これは私のことです。国から企業への補助金、利害の天下り、そして技術に疎い政治家さん、これで原発関連の確かな情報は期待できるか、どうか。東電は、前科がありますから≫


13日16時42:出口≪毎日新聞から。東日本大震災:福島第1原発3号機「水素爆発の可能性」との見出し。枝野幸男官房長官は13日午後3時28分、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第1原発3号機について「原子炉内で大量に水素が発生し、建屋の上部にたまっている。昨日、1号機で起きた水素爆発の可能性が生じた」と発表した。枝野長官は「新たな対応をする必要はない。冷静に受け止めていただけたらと思う」と説明した。
 枝野長官によると、3号機に自動注水ができなくなったのを受け、午前9時5分に圧力弁を開いて原子炉内の圧力を下げたうえで9時8分から真水の注水を開始したが、注水ポンプにトラブルが生じたため、12日に爆発のあった1号機と同様、海水の注水に切り替えた。その間、「炉心が水没しない状況が生じ、炉心を十分に冷却できず.大量の水素が発生したことが予想される」という。枝野長官は「仮に爆発が生じた場合でも原子炉本体、圧力容器については問題が生じない」と。


14日11時14:≪福島原発は憂慮すべき状況、と菅首相。3号機の水位が2m下がり海水注入に切り替える緊急措置を指摘しているのだろうか。枝野官房長官が会見で、東電の計画停電の対応について、適切、迅速にと要請したことを明らかにしました。あいまいな情報発信は、やめていただきたいと、あいまいな発言に記者が突っ込んで、やっと意味が通じました。≫


13日14時25:出口≪確かに。官房長官のメディアリテラシーに工夫が必要です。カメラの向こうの被災者、避難指示を受けた人らにもわかるように伝えて欲しい。ベントっ専門用語使うかなあ。新しい局面になるなら、その前に話した違う内容は、その都度、修正、訂正して次に進んでくれないと、はちゃめちゃになりますね。会見に図面やイラスト、写真を使うべし。≫


13日16時24:出口≪NHKがその都度、丁寧に解説してくれています。この手の規模の災害に対して、いまの形の記者会見では無理なのかもしれませんね。枝野官房長官の資質の問題ではなく、ね。≫


13日21時22:出口≪テレビも福島原発の爆発事故を我が国初の炉心溶融事故と、扱いが大きいですね。今週からの週刊誌が、また矢継ぎ早に現実をリークしてきますよ。≫


14日7時31:Y氏『枝野官房長官は技術が分かる人ではないので説明は要領を得ない。専門家に説明してほしい。例えば水で冷却するシステムのようですがどれくらいの水量が必要でどれくらいの貯水池があるかなど素人には分からない。官房長官は理解していないし、記者も知らない。ともかくもどかしい。経済活動に影響を与えることは必定だが未だどれくらいの資金を提供するか予算を計上するか全く説明できない。この内閣の危機意識のなさ鈍感さはどうしようもない。防護服をきて格好だけ付けているように思える』。


14日8時34:出口≪Yさん、確かに、ね。しかし、私もそう感じますが、現実に適応する現場力がないのよ。新しく現実に、古い手法でやっている。この厳戒時に批判は慎むべきと心得ていますが、福島原発の爆発事故の意味は、知人のKさんのコメントで理解する始末、会見聞いてもよくわからない。計画停電も、交通機関の運休も、行き当たりばったり、困ったものです。≫


14日11時19:出口≪速報、福島原発3号機.水素爆発事故!≫


14日11時32:出口≪煙が高く上がっています。風は南から北へ流れています。やっぱ、避難指示はこういう意味だったのだ。まだ避難していない人600人いる。被爆の心配はあるのだろうか。大きな健康被害は、ないと、東大の中川准教授(放射線科のコメント)。被爆の影響は、大丈夫だと。≫


14日11時37:出口≪福島第1原発3号機、以内20キロに600人の住民に屋内退避を指示しました≫


14日11時49:出口≪福島第1原発の3号機で水素爆発がおきました。3号機の爆発を想定すれば、20キロ以内の避難指示と、計画停電との一連の因果関係がすっきりする。計画停電は、それによって爆発映像を隠す意図があったのではないか、と疑う≫


14日12時08:出口≪原子力保安院の会見で、風は西、南西と説明しました。放射線は、モニタリングで20マイクロシーベルト程度と心配なし、と。≫


14日12時46:出口≪枝野官房長官の会見、格納容器の内部圧力は安定し、放射線量は変わらない、特段変化なし。6人の負傷あり、行方不明はなし。避難状況は、先ほどのわずかというのは適切でなく500人が避難の途上にある。が、現時点で問題なしと明言した≫


14日20時14:出口≪今度は、冷却の海水ポンプにトラブルあり。2号機で燃料棒すべて露出、水位が下がり4mある燃料棒が露出し炉心が溶けたことが否定できない、と。圧力容器の損傷の危険な段階に入ったーとNHKの解説です。どうなるか。まだ安全なのだろうか。素人には、不安が増すだけです≫


14日?20時30:出口≪放射能を含んだ水蒸気を放出と、東電が発表しました。放射能は全く健康に影響なし、という解説あり。が、いまのところ、という但し書き。会見に立つ東電の技術者が早口で緊張した面持ちが、気になる。≫


14日21時12:出口≪ニューヨークタイムズ紙は、放射能漏れ‐との大きな見出しで、トップニュース扱いですね。海外メディアが注意深くウォッチしています。CNNは、事実は伏せられている‐という意味のコメントしていました。毎回、何かあるごとに、好転の兆し、好転を期待したい、と枝野官房長官がいう度に事態が悪い方向に向かっている印象を持ちます≫


14日22時40:出口≪そもそも福島原発に何が起きてるのか。1号機が爆発し、3号機も水素爆発、そして2号機の燃料棒が露出し、空焚きが二時間余りあったらしく格納容器の損傷の懸念が言われます。海水注入で懸命に冷却作業が続けられているが、もう福島原発は廃炉の末路にあるなら、いまの海水注入の作業は、何のためなのだろうか。爆発を防ぐ、原子炉を守る、核分裂を閉じ込める? 根本的な問題のように思いますが‥≫。


14日22時47:N氏『海水を入れて冷やさないとどうなるのですかね?!』


14日23時09≪何かね、原子炉は水によって核燃料が一定の温度以上に過熱するのを防ぐわけさ。そうしないと、原子炉の水位が下がり核燃料棒が露出し温度が2000度以上に上がって燃料棒を覆う金属の被膜が損壊して燃料棒が溶け出す。炉心溶融というらしい。燃料棒は4mあり今回、すっかり露わになったみたい。それで、水位が下がり水がなくなると空焚きという危険な状況に陥ります。炉心の過熱が止まらず、原子炉の最後の砦と言われる分厚いステンレス鋼製の圧力容器を溶かしたり、最悪は爆発というチェルノブイリ事故のような重大事故を招くといわれています。この悪夢は、チェルノブイリ事故を参考にしてね。≫


14日23時40:出口≪いやあ、現場は命がけなのよ。爆発のたびに病院送り。専門家らは、水素爆発で建屋が吹き飛ぶのは想定内だという。が、素人の我々は、ぶったまげるのよ。そんな水素爆発が想定内なんて聞いていないから。その格差が、疑問を生む。しかし、津波で冷却のシステムトラブルになった。が、その後の対応が、冷却や給水や、はたまたポンプのトラブルだったりとお粗末なのね。1号機が吹き飛ぶ、3号機が火を噴く、そして2号機は事前に水蒸気を抜いて爆発は避けられたけど、こちらの方が危険な事態と言われるのは、そういうわけです。明日の新聞はセンセーショナルに書くでしょう。もう少しデータを出したり、記者からの質問にちゃんと答えたりしないといっそう不信が募ります。≫


 続く:以上



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