第69回 EMを活用したトリインフルエンザA(H7N9)対策・予防について



 中国東部でヒトへの感染が相次いでいるH7N9型のトリインフルエンザウイルス感染が広範囲で確認されたほか感染者は64人、死者は14人となった(4月15日 NHK)。
 同トリインフルエンザウイルスに見つかった2カ所の遺伝子変異は、致死率が高いH5N1型ウイルスが哺乳類で飛沫感染しやすくなる遺伝子変異と共通していることが東京大医科学研究所研究者らの分析で判明しており、重症例が知られていないH7N9型で死者が出たことを考えると、哺乳類に感染しやすく、体内で増殖しやすいウイルスが生まれた可能性は否めないという状況になっている(4月5日付 共同通信)。
 世界保健機構(WHO)は、4月5日付で中国におけるH7N9型トリインフルエンザの感染について、ヒトからヒトへの持続的な感染の兆候はみられないと発表したが、未だ発生源や感染経路の特定が為されておらず、ヒトからヒトへ感染したのではないかという状況証拠が出始めている。
  一般的なトリインフルエンザA(H7N9)対策・予防についてはWHOや厚生労働省のHPに掲載されている以下の情報を確認願いたい。
WHO(英語)
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/faq_H7N9/en/
厚生労働省:(日本語)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html

 

 私は、本DNDシリーズの第4回「EMによるトリインフルエンザパンデミック対策」でも述べたように、これまでに、EMを活用した経験や実績から、一般的な対策・予防に加えて、EMを積極的に活用することにより、個人、地域社会を守るより効果的なインフルエンザウイルスの対策・予防が可能であると確信しているからである。その後、第8回で「EMによる新型インフルエンザ対策」、第27回で「EMによる口蹄疫対策」にもウイルス対策としてはEMの顕著な効果について説明したが今回の、再度トリインフルエンザに対し、その概要を紹介したい。

 まず、トリインフルエンザはもとより動物のすべてのウイルス対策にEMを日常的に活用すれば万全であるが、一般的にはその感染源となりうる養鶏や鶏舎へEMを散布するだけでも、予防措置として効果的である。その具体的な方法は、第27回で述べたように、EMによる口蹄疫対策に準じて行えば、万全な対策が可能である。過去にタイ、ベトナム、インドネシア、韓国、北朝鮮で強毒なH5N1型トリインフルエンザが発生した時に、EMを活用していたトリは、全く被害に遭わなかったという事例が多数あり、EMはウイルスの型が変わっても、ウイルスの種類が違っても動植物のすべてのウイルスに対し強い抑制効果をもっている。


養鶏施設でのEMの具体的な活用方法

  • 鶏用の飲水にEM・1または良質のEM活性液(pH3.5以下)を初日50倍、2日目から100倍希釈になるように添加する。
  • エサには、EM・1号またはEM活性液を5〜10倍に薄めたものを軽く噴霧する。
  • 鶏舎にEM活性液を10〜20倍に薄めたものを、消毒的に毎日散布する(EMはpH3.5以下なので散布された空間はpH4.5以下になる。殆どのウイルスはpH4.5以下では失活するので、一般的な消毒よりも、はるかに効果的である)。
  • 鶏舎内にEMセラミックスパウダー(EMスーパーセラ発酵C)を、1000m2当たり20kg散布(月1回)。鶏舎の外壁や天井等にもEM活性液を十分に散布する(10〜20倍希釈、週1回)。

 今回のトリインフルエンザA(H7N9)は発生源や感染経路の特定が為されておらず、食肉加工場、市場、鳩の多く集まる場所、公衆トイレ等も感染経路となっている可能性があり、これらの場所でEM活性液を散布する(10〜20倍希釈、週1回)ことは予防処置として極めて効果的である。
 すでに、上海市は、鳥の取引市場の閉鎖措置に伴い市内全域の計460店を閉鎖し、食用として売られているニワトリ、ハト、アヒルなどの殺処分を行っている。食用の鳥の殺処分が8日までに約10万羽、その後各地で多数の鳥類が殺処分されている。
 これら殺処分を行った鳥を埋め立て時に、EM活性液を散布すると、かつて宮崎や韓国の口蹄疫大量殺処分で大きな成果が得られたのと同様に、腐敗による悪臭やハエの発生を防止し、二次汚染も完全に抑制することが可能である。

 EM・1は、畜産用としても国に登録され、認可を受けている微生物資材であり、畜産へのEMの活用は、20余年の経験があり今やEM畜産はブランド品扱いである。特に養鶏農家は公的な対策を実行しつつ、EMによる自前の危機管理を徹底することで感染症の抑制はもとより、すべての衛生問題の解決と飼料の効率化、品質向上につながる余得を得ることも可能である。


トリインフルエンザパンデミック対策としての家庭でのEMの具体的な活用方法

家庭でのEM活用方法については、過去に提案した内容を引用し、紹介したい。

  • 室内でのEMの具体的な使用方法については、例えば加湿器に500〜1000分の1のEM・1またはEM活性液を添加し常用することである。EMにより空気が清浄化されるだけでなく、空気中のウイルスは完全に不活化されることが明らかとなっています。最近では、周年型の加湿器や冷房用の加湿器もあることから、その水にEMを活用すると、更に効果を高めることが可能である(DND第8回)
  • 同様に、EM・1やEM活性液を300〜500倍に希釈して手洗いの最後に消毒的に使ったり、消毒液がわりに室内や人の触れるあらゆる部分に散布する。希釈した液はその日で使い切るようにする。一般的な消毒は化学物質過敏症の人やアレルギー体質の人にとっては二次被害を起こす例も多く、免疫力低下の原因にもなっている。EMは、このような懸念は全く起こらず、シックハウス対策や化学物質過敏症の人々にも幅広く使われており、その安全性はすでに常識化してEM消臭剤等は沖縄において大々的に市場に出回っています。EMのこのような力は累積効果がありますので使い続けることによって生命、非生命体を問わず蘇生的な機能が向上し、物質の劣化防止対策にも効果的な力が現れてくる(DND第8回)
  • EM活性液(通常のEMを100〜1000倍に増やし活性化したもので誰でも簡単につくれる)を500倍に薄めて加湿器にいれて活用した学校や老人福祉施設で風をひく人がいなくなり、インフルエンザに対しても顕著な予防効果が認められている(DND第4回)


 さらに、EMを活用して栽培されたEM農産物を積極的に摂り、EM・X GOLD、EM由来の乳酸菌、EM蘇生海塩等を積極的に活用したEM生活をすることは、高い免疫力を維持することにつながり、結果としてトリインフルエンザはもとより、すべてのウイルスの感染予防に極めて有効な手段になり得ることを十分に認識しておくことが肝要である。



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