第49回 EMによる放射能除染対策
→english
前回の第48回で「福島県におけるEMによる放射能対策の成果(中間報告)」について述べたが、その後の調査でも、EMの散布量を増やすと当初の予想よりも、かなり短時間で放射線量が著しく低下することも確認された。
内部被曝対策についても、すでに述べたように、EMXゴールドは絶対的な力がある。また、EM栽培農家の農産物は、土壌が1000〜3000ベクレル(土壌1kg当り)の汚染レベルであっても、すべて検出限界以下であることも明らかとなった。したがって、農地でEM活性液を10a当り1回100L、年に400〜500Lも施用すれば、土壌の放射線量が高くても、収穫される農産物は、絶対的に安全であると断定することも可能であり、決定的な風評被害対策にもなり得るものである。
国の食品安全基準では、1kg500ベクレル以下となっているが、ベラルーシの内部被曝をした子供達が日常的に飲んでいた牛乳は1kg当り50ベクレル程度であった事を考えると500ベクレルは何が何でも無茶な数値である。茨城県の北部で1000ベクレルの水田で穫れたお米が50ベクレル強であったが、マスコミは、この数値を安全基準の10分の1なので特に問題は無いという国の談話を報じていた。しかし、毎日食べる野菜や米や牛乳等はベラルーシの例でも明らかなように、内部被曝の懸念があり、基本的には検出限界以下を基準にするべきである。
このようなことも踏まえ、福島県には、EMによる正確な放射能汚染対策が伝わっていないと判断した私は、9月の3日いわき市9月4日に郡山市と伊達市で「究極の放射能対策と東日本大震災復興への道すじ」という、そのものずばりの講演会を行なった。
広い会場がとれなかったこともあり、3会場の合計で1000人余の人々が参加した。伊達市では地元のケーブルテレビが全面的に放映することになり、マスコミ関係者の取材等もあり、また自発的にEMを除染に活用している事例の情報が多数寄せられた。
いずれも、ネガティブな例は全くなく、こんな短時間でと思う例や汚染の高い場所ほど放射能の減少率も高いという報告もあり、EMでかなり短期間に除染し得る可能性が見えてきた。
具体的な対応について
これまで述べたように、良質のEM活性液をくり返し散布することが基本となるが、農地や山林等を含め広範な地域をもれなく除染するには、大量のEM活性液を供給し得るシステムを構築する必要がある。夏であれば、学校のプールを活用することも可能であるが今後の一次産業の振興や息の長い環境対策を考えると、小型のビール工場なみの培養システムを作るべきである。
今回の講演は、すべてボランティアであり、根本的な解決策がないといわれた放射能対策はEMの活用で可能であり、安心して取り組める方法論を示したもので、公的な機関が認知したものではない。問題はホットスポットを含め、政府や東京電力から何の支援も得られないグレーゾーンにおいて、自力で除染せねばならない地域への情報提供の意味合いも含めての話である。
具体的には、地球環境・共生ネットワーク(U-ネット)がEMを大量に培養する器材を貸与し、各々の地域のボランティアの協力を得て、生活圏を中心に放射能の除染を行なうというものである。
このシステムは、すでに8ヶ所で活動を始めており、今回も3〜4ヶ所の申し込みがあり、順次、増やす計画である。それと同時にEMのインストラクター養成に力を入れるつもりである。福島県は100余の県商工会女性部のすべてに、かなりの数のEMの初級インストラクターがおり、全国でもトップクラスである。今回の講演会を機会に、より具体的に、より強固に活動を広げることも確認された。
とは言え、生活の範囲は、このようなボランティアでも可能であるが、山林となると、手も足も出ない状況である。要は自衛隊のヘリコプターで山頂にEMを投下することである。投下されたEMは傾斜に沿って広がり、放射能をエネルギー源として増殖するため、数年では正常に戻すことも可能である。この方法は数万ベクレル程度であれば十分な対応が可能と言えるが問題は更に高濃度の汚染対策である。
これまでの実験で明らかになったことは、光合成細菌の比率を高めると、明らかに除染効果が高く、数時間内にも放射線が著しく減少する事である。この事実を基に除染システムの効率を高めるためには、専用の大型の光合成細菌の培養システムを加える必要がある。すなわち10トン程度のタンクに加温機と強い集光器(ライト)を設置し、連続的に培養できるシステムである。
このような方法で大量に培養した光合成細菌とEM活性液を半々に混和し、10〜50倍にうすめ、くまなく浸透するように散布すると見通しの立たない高濃度汚染地域での除染も可能である。要は放射能の強さと散布された量次第ということになり、効果が十分でない場合は、くり返し散布を行うだけである。
信じられないと言う前に、実行すれば、すぐ分かることである。放射能は逃げも隠れもせず、測定すれば確認できるからである。
このようなシステムで福島全体の除染を行ない、同時に一次産業や環境のすべてにEMを活用すれば、極めて質の高い一次産品が生産でき、山も川も海も浄化され、水産資源も復活すると同時に環境もクリーンになる。その結果は人々が健康になり、未来への展望が開かれ復興の道すじが見えてくる。要は首長の決心次第である。
8月18〜19日、本DND第47回で報告した「津波による水田の塩害対策の成果」について現地調査を行った。結果は写真に示すように予想を上回るものとなり、EMによる除塩対策は当初の私の主張通りの成果となった。要はこの情報の今後の活用法である。
8月19日現在 例年以上の成果が期待される
記事一覧へ
|