第202回 農業の本質を実現するEM技術



競争原理を前提にした近代農業は、農薬や化学肥料の多用はもとより、大型機械による土壌構造や土壌生態系の破壊は、人間の健康や自然力に対し破滅的な構造となっている。

これまでいろいろな機会で「EMをすべての生産や生活の場で空気や水の如く使う」ことが、食と健康と地球環境の本質的な解決策であることを提案し続けてきた。

EMの普及は、1982年に、先ず日本国内の自然農法分野に広がり、1986年から世界有機農業運動連盟(IFOAM)と連動し、有機農業分野で世界に波及し、今は世界中で使われるようになってきた。

改めて述べるまでもなく、人間の病気を含め自然界における劣壊現象の大半は、有機物の腐敗や化学物質等から発生する酸化物によって発生することが明らかとなってきた。そのため、最近の農作物の品質検査は、糖度はもとより、抗酸化力ビタミンC、硝酸イオンを測定し判定する方法が一般的となってきた。


今回紹介するのは、日本有機農業普及協会が主催するオーガニック・エコフェスタ2024の結果である。アムリタファームのトマトの2年連続最優秀は群を抜いているが、カブ部門で最優秀となったEM研究機構の成果は、EMの効果の再現性を実証するものである。



※北海道新聞2024/03/09【塩トマトグランプリ受賞 ニセコ「アムリタファー ム」2年連続最優秀】、【OEF2024】身体に美味しい農産物コンテスト2024 “結果発表・表彰式”【2月10日】より)


測定された数値は、平均値から判断するとDNA(遺伝子)の能力を超えており、この突出した効果はEM が作り出したものである。

また、数年前から微生物の産生するLPS(リポポリサッカロイド; グラム陰性菌の細胞壁の分解物)が免疫を高める免疫性ビタミンとして実用化されており、光合成細菌(グラム陰性菌)はLPSの増大に顕著な効果が現われることも明らかとなっている。



すなわち、EM を徹底して活用した作物は抗酸化力が飛びぬけて良く、免疫ビタミンも群を抜いており、究極の医食同源を当たり前に出来ることを証明しているものであり、斎藤氏のトマトは一般の有機農産物とは比較にならない健康食品といえるものである。

EM研究機構の成果は、朝霞厚生病院の附属農園で作られたものであり、病院の食材として長年活用されているものである。すでに公表されているように、朝霞厚生病院では10年以上前から院内感染防止や衛生管理にEMを使い続けており、院内感染はもとより、インフルエンザの発生も皆無となることを目的としている(本連載第121 回第122 回:2017年7 月,9 月)。EM の理解を更に深めるためには、日常の生活をEM 化し続けることが重要なポイントである。

改めて述べるまでもなく、農の本質は医食同源となる食料を安全、快適、低コスト、高品質で持続可能な条件で過不足なく生産すると同時に、環境を積極的に保全し、生態系を豊かにすることである。ブラジルの数百万haのEM活用をはじめ、米国はもとより、大規模農業におけるEMの活用は着々と進められており、環境問題の解決に直結し始めている。


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