第121回 朝霞厚生病院におけるEM活用




 朝霞厚生病院は、元和光市長であった田中茂氏が難病の解決を目的に、昭和58年に設立した一般病院である。田中先生は、拙著「地球を救う大変革」が出版されると同時に、行政におけるEMの活用と医学におけるEM技術の応用に取り組んでくれた偉大なるパイオニアである。和光市や取手市を中心に行政におけるEM活用(農業と環境)を積極的に進め、広域の生ゴミリサイクル、河川浄化、ダイオキシン対策等々に具体的な成果を上げ、全国の自治体におけるEM活用の礎を構築された功労者である。
 同時に、医師という立場から、EMXやEMの医療への応用に取り組み、EM医学に関する様々な研究会をリードし、EM医学に関する著書を5-6冊も出版し、現在のEM医学の発展に多大なる貢献をされたEM医学の創設者と云える先生である。
 田中先生は、2010年、86歳で帰幽されたが、生涯現役であり、朝霞厚生病院の目的達成のため、EMによる難病の解決に対する課題を私にバトンタッチしたのである。とは言え、私は医師でもなく、病院体勢も地域の中核的な機能を果たしているために、EM医学に理解の深い院長や数名のスタッフとEM医学に詳しい院外の医師団の協力を得ながら田中先生の御意志を実現しようと考えたのである。
 その過程で生まれた病院のあり方が、『食の安全・医の安心』である。2011年の東日本大震災で、建造物にかなりの損壊が発生したため、EM建築の技術によって、大々的に修復し、建物全体をEM化したのである。
 その次に、病院内に使用する食材は、できるだけEM食材を活用し、最近では病院の農園でEM栽培している新鮮な野菜を病院食に活用を始めただけでなく、食材や水道や電気にも全面的にEM技術を応用し、敷地内に花々や緑を増やし、きれいで居心地のよい病院に変えたのである。「食の安全」はこの時点で達成されたが、次の課題が「医の安心」である。
 医療技術の進歩は、目を見張るものがあるが、その成果のブレーキとなっているのが院内感染である。この問題を解決しない限り、「医の安心」は得られないのである。改めて述べるまでもなく、院内感染は表に出ない極めて深刻な問題である。家庭内の掃除や各種の衛生対策や感染症の予防に、EMがパーフェクト的に機能することはすでに明らかとなっている。
 安全性を含め、法的にもすべてクリアーしており、病院内での活用に何ら問題もなく、3年前から「医の安心」のサポートのため院内の清掃にEMを活用し、院内感染対策を行っている。
 今回の報告は、平成29年7月現在のものであるが、平成28年の国際会議にも発表されており、今や確たる技術として、他の病院での活用も行われるようになってきた。




※論文全文は以下リンクより
Establishment of human and environmentally friendly hospital with consideration for human and environmental microbiome


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