第154回 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに関する第三の道(2)

■このコラムは非常事態における比嘉教授の学者としての立場から、EM技術の可能性について述べたものです

  前号では、EM技術による自力でできる新型コロナウイルス感染病対策について、EMの様々な蘇生作用を活用し、人体や環境の免疫力強化法の具体例を提示した。新型コロナウイルスは、高温地域でも感染力を失わず、pH3.0の強酸性でも失活しない特性がある。そのため、EMのpH3.5での効果についての懸念は無きにしも非ずであるが、前号の「まとめと考察」に明示したように、pH3.5のEM1号をpH4.3のレベルに薄めても、インフルエンザウイルスは室温で5秒で不活性化するということである(100倍に薄めても効果あり)。

 この機能的特性は、EM1号に含まれる光合成細菌の抗ウイルス作用が関与していると判断した方がよく、実際にウイルスに感染した動植物のウイルスも施用の回数と相関的関係にある。ウイルスに限らず、EMによる他の有害微生物対策も同様である。

 したがって、EMは効果が出るまで使い続けるという考えは、このような背景から生じたものであるが、この考えは、EM技術の成果をより確かにするための基本である。

 これまで繰り返し述べたように、EMの普及活動の根本は、「安全で快適」、「低コストで高品質」、「善循環的持続可能」を実現し、「幸福度の高い社会を作る」ことにある。その第一歩は、良質で機能性の高いEMを世界全体で空気や水の如くEMを使うことである。ダムをはじめ、水源や水道システムにEMを徹底して使えば、病気の大半は解決することが可能である。

 同時に、下水処理システムにEMを活用すると、河川や海の浄化はもとより、水圏の生物多様性を豊かにし、水産資源を積極的に回復させることも容易である。

 下肥や生ゴミはもとより、あらゆる有機廃棄物は、短期に超低コストで最良の有機肥料にすることも可能である。廃プラスチックも、EMセラミックス等を混和し燃焼すればダイオキシンも発生することなく、極めて良質なエネルギー源となり、マイクロプラスチックはもとより、プラスチックの問題も簡単に片付くのである。

 CO2問題については、第151回で述べた通りである。福島の放射能汚染対策の実績はもとより、EMの万能性はすべて実証済である。とは言え、何でこんな良いことが広がらないかと言うと、専門家の大半が過去の技術の延長に改良を加えれば解決できると思い込んで、第二の道に固執しているからである。

 現今の地域で起こっているあらゆる問題は、既成概念と既得権益の限界を超えた、自己矛盾的崩壊である。新型コロナウイルスは、医療の分野から始まって、旧来の経済や社会や教育のシステムを根本から破壊し始めている。その象徴的な現象である。

 残された道は、ブラジルやベラルーシのように、何の対策もせず、高齢者や病人を新型コロナウイルスで一掃し、国を再生の方向へ導くのか、トルコのように初期から効果があると思われる医薬を積極的に使うか、集団免疫になるまで、これまでの知見をもとにワクチンを開発し、戦い続けるかということになる。今回の新型コロナウイルスが提示した様々な矛盾点を逆手にとって、ITやAIシステムで対応し、教育や働き方や流通や経済の仕組みや社会の仕組みを劇的に効率化するという方向性も必然的に始まっている。

 量子力学的見地からすれば、いかなる最悪な現象でも様々な背景から必要必然的に起こることであり、従来の自己矛盾の解消を示唆するものである。その意味するところは、第三の道が本質的な解決策であるという天の声である。

 筆者は農業が根本的な本質を発揮すれば、食料や環境や人間の健康や自然資源や生物多様性を積極的に守れると確信し、本シリーズやウェブエコピュアで様々な提言を行いモデル作りに取り組んでいる。

 そのためには、農地はもとより、環境全体に対し機能性が高く、エネルギー変換力の高い微生物の活用は不可欠であるが、農業研究の大半が逆向きとなっている。このミスマッチは、研究者が本当の農業を知らず、素人が統計処理的にいじくっているためである。

 生物は本来、すべて意志的な個性を持っており、確率論的であり、扱う人の力量次第である。また、農業は同じ場所で同じ土を長年に渡って使い続けるのが常識である。土は長年に渡って使い続けると、年々悪くなっていくという考えがある。化学肥料や農薬を使用し続ければ、例外なくその罠にはまるのである。逆に、EMのような有用な微生物が増えるような土壌管理を行うと、地力は年々向上し、あらゆる有機物を循環的に極めて簡単に短期的に土壌に戻すことも容易である。すなわち、従来のような堆肥を作る必要もなく、化学肥料や農薬や深耕等々は全く不要となる。すなわち、農業に残された第三の道である。

 今回と前回の情報は、主としてEMを知っている人々のためであり、EM生活に徹しておれば我が身が守れるということである。今回の新型コロナウイルスパンデミックは、人類にとってあらゆる分野で第三の道を選択するようにという天の声、すなわち、必要必然の帰結として受け止めて、根本的な対応をする方が賢明である。

【ブラジル、バイーア州サパト川の河川浄化プロジェクト】


(ブラジル、サルバトルのサパト川での河川浄化プロジェクトのニュース掲載:lfnews.com.br:サパト川を浄化する行動は良い結果を示しています)




(バイーア州ラウロ・ジ・フレイタス市によるプロジェクトの成果紹介記事:ラウロ・ジ・フレイタス市HP:ラウロデフレイタスのリオサパトが回復の兆しを見せ始めた)











【農業や環境の善循環を目指し、EMで第三の道を推進しているオーストラリアのタウンズビル市の世界的モデル】


(※巨大な製糖工場の排水の浄化
下流の海の浄化と生物資源の回復を達成(市の下水も同様なシステムで処理))




(※EM活用による巨大なコンポスト工場)




(※EMで処理したコンポストや排水を施用したサトウキビ)




(※温度識別センサーの結果(生物活性が活発な部分は濃ゆい色度を示す)
上段:EM活用サトウキビ 下段:一般栽培)




(※自信あふれる広告)







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