EM研究機構(比嘉新社長、本社・沖縄県)は6日までに、「大沼にEMを投入したが効果がでなかった」などと虚偽の投稿をSNS等で拡散した自称・サイエンスライターで函館在住の片瀬久美子氏に対し、「貴殿の言動は極めて悪質だ」として、講演会での発言の撤回、ネットで拡散されたツイート、ブログ等の削除、および謝罪文の掲載を求める通知書を送付した。
片瀬氏は、DNDメルマガでそれら間違った言動を暴露されると、「大沼に投入したという発信はしていない。メルマガは事実に反する」などとしてDNDメルマガ編集長の出口俊一氏を名誉棄損で提訴する挙にでた。その経緯は通知書にも触れられている通りで、函館地裁は、出口氏がメルマガで指摘した「(片瀬氏が)「大沼あるいは大沼近くの試験沼にEMを投入したというありもしないことを記載した事実は、真実と認められる」と判断し、片瀬氏の損害賠償請求には理由がない、としてすべての請求を棄却する判決を下した。
(※片瀬氏の矛盾を暴いた弾劾証拠となったツイート)
通知書では、また裁判所の判断の中でとくに重要な点について言及し、「大沼あるいは大沼近くの試験沼にEMを投入したというありもしないことを記載した」という事実を強調した。EMを投入していないのにもかかわらず、平成25年10月13日に開催のジャパンスケプティクスのEM批判の公開討論会で片瀬氏は会場の客席から、大沼にEM投入の件に触れ「(EM効果の)データをきちんと取っていくと頭打ちになってよくならなかった」とEM投入の実験が行われたものの、効果はなく打ち切られたという事実無根の発言を行っていた。
函館地裁における片瀬氏の尋問では、片瀬氏は、大沼の水質改善に取り組んでいる団体に直接取材したと述べたうえ、出口氏の代理人から「在来の微生物が働けなくなっている環境に外来の微生物を追加しても効果が薄いです。それは大沼で実証済み」とツイートしたことを指摘されながら、それを否定した。そのため、実際にツイートしたことが弾劾証拠として提出され、片瀬氏の証言が事実と事なっていたことが明らかになった。
さらに片瀬氏は、EMが大沼に投入されたという事実を裏付ける証拠として、函館新聞の記事がある旨を説明していた。しかし、函館新聞を引き合いに自らの主張を裏付けようとしたのだろうが、これも虚偽の見せかけにしかすぎず、読む人に誤解を与えるようなその手口はおおよそジャーナリストとは思えないほどの悪辣さで、判決でも「函館新聞の記事には大沼にEMを投入したとは記載されていない」と全面的に否定された。
片瀬氏は、この判決を不服として札幌高裁に控訴したが、控訴棄却で片瀬氏の敗訴判決が確定し、出口氏の勝訴となっていた。
上記のような事情にもかかわらず、片瀬氏は通知書が送付されるまで、SNS等でこれまで発信した情報について削除、訂正を行わず、ほおかぶりするという極めて卑怯かつ不誠実な態度を取り続けていた。
このため、通知書では、片瀬氏による虚偽の事実に関して謝罪文の掲載、講演会でのウソの発言の撤回、ネット上の間違ったツイート、ブログ、ツイログ等のすべての削除を求めている。誠意ある対応がない場合は、法的措置を取ることを検討せざるをえないと、伝えている。
EM研究機構の話
「EMの効果は明らかで、それらを裏付ける科学的根拠も論文も多数報告されています。
ライターを名乗る者がこちらに問い合わせも取材もせずに、偏見にみちた虚偽の言動を繰り返すのは、許しがたいものがあります。片瀬氏には、ジャーナリストらしくあくまで事実に向き合って、裁判での判決の通り、間違った発言や投稿はすみやかに削除し謝罪すべきです。」
ジャーナリスト・出口俊一氏の話
「ジャーナリストの命は、あくまで取材にあります。十分な取材もせずに個人や団体を貶めるような投稿は、許されるものではない。間違ったら、迷惑をかけしたのですから、素直に謝罪すべきでしょう。それができないのならサイエンスライターを名乗る資格はない。とくに相手を批判するときは、直接面談するのがこの世界の常識、片瀬氏はその意味すら十分に理解していないふしがある。一般の読者を惑わすような函館新聞の引用など、その手口はおぞましいほどです。自分が間違っているのに、それを暴露されると、反省もなく訴えてくる、このような人物をわたしは、ジャーナリストとは認めない」。
「訂正するのならまず謝罪を」と榊会長
「大沼水質浄化研究会」の会長、榊清市さんによると、繰り返しになるが、(1)大沼でも試験沼でもEMの投入は、2008年の会の発足以来、一滴も投入していない。むろん、2008年以前にも行っていない(2)だから水質の指標が頭打ち、というのは嘘だ(3)代表者とは私のことだが、そんなことは一言も話していない。これは明らかに捏造ではないか(4)大沼のEM投入に関して片瀬から取材されていない(5)だから、別の対策に切り替えた、という判断は誰もしていない-と全面的に否定していた。
片瀬からの回答書を受けて、榊会長らは、「片瀬氏が発言しているような、大沼の水質改善のために『試験沼』や他の沼などで『予備実験』としてEM投入をした事実はいっさいありません」と前置きして、「事実を歪めたEM批判はやめてもらえませんか、また(訂正箇所は)棒線ではなく完全に削除し、謝罪してもらえませんか?と文書で伝えた。そして、老婆心ながらと断って、「サイエンスライターを名乗るのであれば、自分の言動に責任をもって対処するよう」諌め、「事実誤認で訂正するのなら謝罪すべき」と申し入れたという。
【DNDメルマガ「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
-そこまでやるか、EM叩き-第11回「捏造」という片瀬久美子の現実続報から抜粋】
「函館で開催した地元主催の講演会を片瀬氏に妨害された「チェルノブイリのかけはし」の代表、野呂美加氏の話
「函館市でのお話会が始まってすぐ、女性が立ち上がって、話をさえぎり、出口さんのメルマガで書かれた通り『つまみ出された』ことは間違いのないことです。限られた時間を削られることで焦りました。彼女が会場から出されたことでとても安堵しました。私のお話会はスライドが主体なので話が終わって質問の時間になり、電気がついたら、その女性がまた戻ってきて発言をはじめたのでギョッとしました。会場の人から、『話をしたければ自分の講演会を開け』と怒鳴られていました。その怒鳴られた主が片瀬氏だったとは思いませんでした。なぜなら、彼女自身が野呂のお話会の様子を当日出席した友人からのメールで知った、としてツイートを何本も伝聞形式で出していたからです。
自ら出席していたのに伝聞形式でツイートしたとなると、フォロワーに対しても、非礼な態度である。ジャーナリストのやることではないように思いました。彼女自身が、自分で自分はどんな人間か証明したのではないでしょうか。函館地裁、札幌高裁いずれの裁判でも、片瀬氏の請求はすべて退けられました。当然の判決ですね。
私と同じように、大沼の市民グループの方も片瀬氏にやり込められたと思うと気の毒です。ネット社会のことなど苦手な高齢者です。ネット上で自分の言ったことと別のことを垂れ流されても、口頭で取り消すことは不可能で泣き寝入りするしかない。
『否定と肯定』という映画は、今回の裁判に酷似しています。ヒトラーファンの男が、ユダヤ人虐殺はなかった、などなどのデマをふりまき、挙句の果ては、批判する学者を名誉毀損で訴える。イギリスで本当にあった裁判の話です。結局、訴えられた側はアウシュビッツ収容所の現存する建物から、当時のガスの成分を今になって検出できないことを歯噛みする思いにかられます。しかし、大切なことを葬り去りたい人たちの行動様式がとても似ていることに驚きました。
今回、出口さんが片瀬氏のウソを検証し裏付け取材でそれをブログで公開したことで名誉毀損で訴えられました。EMに対する執拗なバッシングも、時間をおかず、一つひとつ、対処していくことが大切なんだとしみじみ感じました。真実というダイヤモンドを得るためには、汚物のなかに手をつっこむ覚悟が必要なんですね。映画の脚本を手掛けたディヴィッド・ヘア氏は、その本の前書きにこんな一文を寄せていました。そこには出口さんが手がけたジャーナリストの神髄があると思うので紹介します。『言論の自由には、故意に偽りを述べる自由が含まれているかもしれないが、同時に、その偽りを暴く自由も含まれている』」
参考資料
1・函館地裁の判決文(PDF)