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私の3・11、東日本大地震ドキュメント:その1

私の3・11、東日本大地震ドキュメント:その1
私の3・11、東日本大地震ドキュメント:その2
私の3・11、東日本大地震ドキュメント:その3
私の3・11、東日本大地震ドキュメント:その4
 これはfacebookに書き込んだ私のドキュメントです。その時、何を考え、書き、どう動いたか―を綴ります。まず、その瞬間から。


3月11日14時47分:『緊急地震速報あり、』。
 DNDの秘密基地で参院の国会中継をラジオで聴いていた。すると、緊急地震速報の警報音が、不気味に響いた。その時、手元のfaに書き込んだのが、『緊急地震速報あり、』でした。サーバーのゲージを右手で抑え、左手で書棚を抑えて足を踏ん張っていた。激しい横揺れで机の上の本や置物が吹っ飛んだ。CDラジカセを支えた清志君が、もう外へでよう、危ないよ、と叫ぶ声ではっとし、清志君がラジカセの手を放した瞬間、ラジカセが床に落ちた。揺れがはんぱじゃない。ビルは最上階の7階、途中、ビルに入る会社の女性従業員が悲鳴を上げて階下を急いでいた。外に出たら、多くの人が路上で青ざめていた。電線がまだ揺れている。


 30分前後、外にいたら揺れがおさまったかのように見えたので、ビルに戻り、いつものように1階のエレベーターボタンを押したら、ドアが開いた。迷うことなく7階のボタンを押した。エレベーターは、途中、ガタガタ揺れた。6階に差し掛かったあたりで、エレベータがキューという圧力が抜けるような音の後にガーン、ガン、ガーンと鈍い金属音が響いた途端、ゴーンゴーンと左右に短く揺れながら50センチぐらい落ちた。ガン、また落ちた。ガンガン、あっ!また落ちながら5階と4階の真ん中で止まった。が、余震が襲う。


 落ち着いて手前のドアを二人で左右に引いたら開いた。が、足を入れて閉まらないように踏ん張らないといけない。その先の鉄の扉は、わずか7〜8センチしか開かない。が、5階の社員さんがオフィスに戻ってくるのが見えたので、声をかけて助けを呼んだ。


 管理人さんが飛んできた。また戻り、走ってまたドアの前にきた。手にバールを持って鉄のドアに挟んで開こうとした。が、びくともしない。非常用のボタンを押したがウンともスンともいわない。エレベーターの管理会社か、119番に電話をしてもらった。が、電話が通じないことが判った。これは長くなるぞ、と覚悟を決めた。が余震で揺れる。このまま1階までまっさかさまに落下しないだろうか、という恐怖が襲う。わずかな鉄のドアの隙間から、女性の従業員が毛布や、マフラー、ひざ掛け、それに栄養剤や水、ビスケットなどを差しいれてくれた。7階のオフィスからラジオを持ってきてもらった。携帯は通じない。ラジオは東北の被害状況を断片的に伝えていた。


 1時間半たったころ、管理人さんが119番とエレベーターの管理会社に連絡がついたと朗報を伝えてくれた。その30分後、エレベーターの管理会社の従業員2人が狭い隙間から、大丈夫ですか、と聞く。まもなく7階のドアを開けたらしく頭の上からエレベーターを手動で引き上げる雰囲気だ。井戸から水を汲みようにグイグイグイって引き上げられて7階で無事、脱出できた。5階のお嬢さんらに御礼に行ったら、個室の休憩所で10数人がテーブルを囲んでざわめいていた。お礼を述べると、同情された。


 部屋に戻って、あぜんとした。部屋は散乱していた。僕のパソコンが倒れて心配だ。まず、サーバーを止め、必要なものだけを手にもって外にでた。


浅草へ清志君と歩いて急ぐ。
 18時13分:≪帰宅難民ですね。とりあえず、歩いて帰る方向です。ビル、地下鉄はどうなっているのか、岩手、宮城、福島、青森の海岸線、大津波が甚大らしい。街に人があふれています。交通機関の情報がない。docomoや電話が脆弱です≫


11日18時28分:
≪街は花火大会みたいな人の波です。道は大渋滞、これが都会のパニック状況ですか。≫


11日18時59分:
≪臨時バスを。都営バス、京急バス、はとバスなどを臨時に出して欲しい。都心に人があふれています。バスの臨時便を。関東近県から毎日400万人近い人が通ってる。浅草から南千住車庫までバスに乗る。ぎゅうぎゅうです。JRのシャッターは閉じたままだ。≫


11日19時59分:
≪秘密基地から浅草まて歩いて30分、浅草から5分待ちのバスで南千住車庫へ。そこからJR南千住駅の前のデニーズに避難した。いま客におにぎりの無料配給、女の子らがうれしい、涙でそう、と喜んでいます≫。


11日21時14分:
≪JR南千住駅前のタクシー乗り場に200人待ち。先頭の客は、5時間も待ってます。寒さでふるえてます。聞くと、1時間に1台しかこないという。客は、どんどん増えてます。助けてください≫。


11日21時50分:
≪あったかい缶コーヒーを配るDNDの清志くんら。若いのに偉いなあ。あったかいの?おーと、ありがとうの声、声、声≫。


清志君が、外のタクシー待ちの人たちにコンビニからあったかい缶コーヒーを自腹で買って配ろうとした。すると、コンビニの若い青年が、お金を取らなかった。そして一緒にタクシー待ちの寒さで震える方々に配ってくれていた。


≪デニーズに入ったのが救い。24時間営業、お代わり自由のコーヒー、店の人は懸命です。iphoneの電源コードを持参していたのが、奏功しました≫


12日01時30分:
≪やっと家内が到着、6時間も。同じ方向の人を乗せて帰路に。ふうっと、とりあえずひと安心です。≫


12日03時30分:
≪ご心配おかけしました。無事、帰宅しました。東日本橋のDNDオフィスをでてから10時間の帰還でした。家の周辺を点検した。庭の鉢、メダカの水槽…まあ、明日にしましょう。それにしても東北地方の被害状況には、言葉を失ってしまいました。これまで数々の励ましや情報をくださり誠に感謝にたえません。facebookのネットワーク力を強く感じました。被害に遭われた方々のご無事をいのらざるを得ません。きっと今日は眠れないかもしれません≫。


12日04時02分:
≪異常事態です。緊張地震速報が頻発、服を着たまま布団に。何度も外に避難し、疲れました。地震は、南下して西に動いているみたい≫


12日10時00分:
≪M8.8の脅威、東日本大地震一夜明けて巨大地震の被害状況が明らかになってきました。観測史上、わが国最大の地震という。新聞が、遅れて届く。大波、濁流、爆発、炎上、崩壊、混乱の悲痛な活字ばかり。そして恐れていた原発の異常事態…あゝ、言葉を失う。南相馬の知人の屋敷、会社事務所が津波に流された、と。あっ、また余震が。皆様、気をつけてくださいませ。≫


12日11時22分:
≪今回はfacebookでつながっていることの有難さをしみじみと。いやあ、しかし、ですね≫


12日14時00分:
≪朝日、原発想定外の事態と。福島原発が緊急事態とニュースに緊迫感がにじみはじめてきました。燃料棒溶解か、メルトダウンの恐怖は、最初小さな事故からポツポツ起きたかと思うと、それが一気に拡散していく。爆発の危険はあるのだろうか。あちこちから風評がたつのもこの手の不気味なこと。不安を煽るわけじゃないが…。≫


続く:その2へ




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