第98回 EMのドキュメンタリー映画「蘇生」の反響
白鳥哲監督作品の劇場版映画「蘇生」が徐々に静かな反響を巻き起こし始めている。環境浄化の必然性をより深く理解している白鳥さんは、福島の東京電力第1原子力発電所の事故に絶望的な思いを抱いていた中で、飯舘村におけるEMによる放射能対策試験や地球環境共生ネットワーク(Uネット)のボランティアによる放射能対策の現実を知ったのである。
ネット上では、EMはオカルトとか、トンデモ科学とかエセ科学というサイバーテロ的な情報が飛び交っていた時である。白鳥さんは、福島でEM以外にも微生物が放射能を無害化する情報をいくつも確かめており、それらの背景を踏まえ、EMを中心とする微生物の蘇生の力を映画化する決心をしたのである。
考えてみると「放射能は究極の環境汚染物質であり、それを消滅させる技術はない」ということがこれまでの常識である。とは言っても、拙書「シントロピー(蘇生)の法則」にも述べた通り、1997年には、EMが放射能を消すという事実が確認されており、福島でのEMの放射能対策にも継っているのである。昨年のベラルーシの国立放射線生物学研究所のEMによって放射能が消滅したという実験結果は、何人も否定出来ない事実であり、これまでの当方の主張を専門的な第三者が検証した結果となっている。
白鳥さんは、映画「蘇生」の補足とその裏付けのために「地球蘇生へ」という本をヴォイスから出版しており、微生物が放射能を始め、環境浄化や人間のあらゆる分野に関わり合っていることを素人にもわかりやすくまとめており、ぜひ御一読をおすすめしたい。
映画「蘇生」は、4月から劇場公開されたが当初は、入場者が少なく、早々に打ち切りの話もあったともれ聞いている。しかしながら、この映画を見た人の口伝てで多くの人々が何回も繰り返し見るようになった事例が増え、劇場公開は大幅に延期になった例も続出したのである。
確かに、一度見ただけでは、信じられない内容である。白鳥さんの本を読んで2回目になると、確かに、微生物の凄さが理解できるようになり、その後、しばらく間をおいて3回目を観るとすべて納得し確信に変わるのである。「3回も観ましたよ」という声が増えているのも事実であると同時に、なぜこのようにコストが安く素晴らしい成果をマスコミは報道せず、政府も活用しないかという無数の疑問が湧き上がっている。
EMによる放射能対策の成果は本DNDで詳しく述べた通りであり、政府の関係者も知らない訳ではない。要は異次元のこの技術が専門家と称される人々に受け入れてもらえない社会的構造になっていることである。
こと、放射能問題になると、その対応は法的にすべて国家の責任で解決するということになっている。そのため、国が責任を負えない内容は報道してはならず、国の認めた方法以外は絶対に報道できないように規制がかかっているのである。これまで、過去3回福島で行われたEMによる放射能対策に関するフォーラムで15余社のマスコミに案内を出したり、記者会見を行っても全て無視の扱いである。それに対し、EMで環境や水質が浄化されたという記事は山程あるのである。
EMの実績を国が認めるプロセスは、先ず、放射能に関する専門家会議で認められる必要がある。この第1関門で微生物資材による放射能の消滅はあり得ないとして否定されるのが常識である。現場を検証する有力な研究者が増えない限り、この関門は永久に突破することは不可能である。ましてや、EMはオカルト、エセ科学、トンデモ科学の先端を走っているのである。
このようなことは、長い経験から思い知らされているが、解決策を知っている者が知らぬ顔をするのは罪深いことである。そのためには、捨て身のボランティアで対抗する以外に方法はないのである。幸いなことに、政府はEMによるボランティアの放射能対策を禁止する法律は持っておらず、ボランティアは自由である。当初13ヶ所で始まったEMによる放射能対策のプロジェクトは、現在では49プロジェクトに広がっている。
仮認定(次年度認定予定)NPO地球環境共生ネットワークを中心に、それらのボランティアの支援プロジェクトは推進されているが、これまで5000万円余の寄付が寄せられている。そのお陰で、必要とあらば、汚染地域全体にEMを供給する体制も出来上がっている。
福島やチェルノブイリの放射能汚染はもとより、全世界にうすく、くまなく広がった放射能の影響は計り難いものがあり、根本的な対策が不可能とされている汚染である。映画「蘇生」は政府の強烈な報道規制を突破する壮挙であり、微生物の持つ無限の可能性を教えてくれるものである。
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