第91回 EMが放射能(放射性セシウム137)を消すという不都合な真実



 前回は、福島における放射能対策の第3回環境フォーラム「うつくしまパラダイス」の成果の要約とEMによる放射能の消滅に関する国内の第3者による検証結果を紹介した。
専門家の大半は、素人の実験として、かたくなに、その事実を認めないとする一方で、原子の転換は比較的容易であるという情報も多数あり、すでに否定できない域に達している。

 この背景には、質量保存やエネルギーの保存等々を含め伝統的な物理学が根底からくつがえされるという科学教という宗教の崩壊を含んでいるからである。答えは簡単である。今までの理論を唯一ものともせず、この新しい事実を受け入れ、自然は多用な進化を遂げているという現実を認めることである。

 とは言え、それが実用レベルでないと、いかに真実であっても、一般の人々が認めるようになるには長い長い年月が必要である。特に放射能問題は時間の経過以外に解決策がないということになっているが、EMの活用はすでに実用レベルで多くの成果を上げているのである。

 昨年の11月22日、この裏付けとなる第三者による実験的証明が発表されたのである。



 放射性物質は、我々の環境の中でも最も危険な汚染物質の一つです。 空気、土壌、建築資材に含まれる放射性物質は放射線を放出し、我々の身体を外部から被ばくさせます。また、放射性物質を含んだ食事や飲み物、あるいは、ガスや気体などを体内に入れることで、これらは内部被ばくの原因となります。

チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故は歴史上もっとも大きな事故で、ヨウ素、セシウム134、137などの放射性物質に広大な面積が汚染されました。

ベラルーシ共和国国立科学アカデミーの放射線生物学研究所は、放射線の人に対する影響を軽減する研究をするために、チェルノブイリ原発事故後に設立されました。



 福島原発事故の後、EMの土壌散布が放射線量を低下したというEMユーザーたちの体験談を聞きました。私の最初の感想は、「なにかの間違いでは?放射能汚染の測定を訓練されていない人たちが計測したので、正しく測定されていないのでは」と思いました。

 しかし、その時、我々もEMを用いたCs137の農作物への移行抑制に関する研究を開始していました。そのうちの研究のひとつですが、EMを何度も散布したトウモロコシ栽培試験において、EM散布前と後に、土壌表面から20cm深さまでのCs濃度を測定したところ、高濃度のEMを散布したところほど、Csが低減していることに気が付きました。

 そこから私は考え始めました。



 私は、過去に行った実験を思い出しました。私たちは、チェルノブイリ地域における植物の外部被ばく予測モデルの作成のため、ガンマ放射線源を異なる深さの中に埋設し、地表における放射線率を測定しました。


 土壌は、ガンマ線をよく遮蔽し、放射線源が土中の深いところにあればあるほど、地上で計測される放射線率は低くなります。例えば、放射線源を4cm深さに埋めただけでも、土壌表面の線量率は3分の1に減少します。



 原発事故の最初の月から数年後まで、放射性Csは溶けやすく移動しやすい形態で存在します。このとき、放射性Csは、比較的早く土壌下方に移動します。そこで私は、仮説として、EMの散布で土壌表面の放射線量率が低下したのは、土中のCsが鉛直方向に移動するのを促進したからではないかと考えました。



 その仮説を検証するため、圃場試験と室内実験を実施しました。圃場試験では、自然環境におけるCs137の挙動について研究しました。室内実験では、更に詳細なデータが得られるようにしました。圃場試験では、水及びEMを月に2回(計7回)土壌に散布しました。1回の散布量は、1平米あたり2Lでした。このときのEM活性液の希釈倍率は、1000倍、100倍、10倍希釈で、対照区として水も散布しました。



 EMを土壌に散布したところ、対照区と比較して、地表から1cm深さと1から5cm深さの土層でCs137が減少していることが分かります。また、EMの濃度が高いほど、Csが減少しています。もっとも明瞭な変化は、地表面で起こっています。


 しかしながら、より深い土層においてセシウムの増加を確認することはできませんでした。これは、EMにより表層から深い層にCsが移動したが、より多くの土に分布したため、その濃度の増加を正確に検出できなかったと考えています。



 EMはセシウム137の鉛直方向への移動を促進するという仮説の検証のため、室内実験を実施しました。チェルノブイリ原発警戒区域から採取した土壌をよく混合し、その土壌66gをカラム内に詰めました。7-10日間隔で100mlの様々な溶液を、このカラムを通過するように施用しました。使用した溶液は、比較対象として水、酢酸(pH=2)、そして希釈濃度の異なるEMで10倍希釈、100倍希釈、1000倍希釈のものを施用しました。また、EMの低いpHがセシウムの移動促進に関係していると考え、酢酸も比較対照のため追加しました。施用後、カラムを通過した溶液中のCs137の放射能を測定しました。



 予想したように、低いpHの酢酸で土壌を洗浄することにより、Cs137の移行が有意に増加しました。酢酸は水と比較して、土壌から3倍以上のセシウムを浸出させました。EMの1000倍希釈液は、放射性Csの移動を抑制しました。他方、濃い濃度のEMでは、濾液中のCs137の放射能が増加しました。すなわち、EMの10%希釈液で土壌を洗浄したところ、Cs137の鉛直方向への移動速度は50%増加しました。



 このグラフは、土壌を様々な処理をした後に残るであろう土壌検体中のCs137の推測値です。酢酸を処理したところで、最も低くなっていると推測されます。



 しかしながら、実際に土壌に残ったCs137を測定したところ、予測しなかった結果が得られました。土壌中でもっともCsが減少していたのは、酢酸を施用した場合ではなく、EMを散布した場合でした。


 この結果をどのように説明することができるのでしょうか?
現時点で私は適切な答えを持っていません。誰かが、EMはCs137の崩壊速度を速めるというかもしれません。また、何人かの科学者は、生物学的な元素転換を信じています。しかし、これらは私の科学的な常識とは一致しません。これに対する正しい答えを得るため、我々は、さらに詳細な研究が必要です。



我々の研究から、EMは
Cs137の垂直方向への移動速度を速めます。
土壌表層からのセシウムの除去を促進します。
土壌の放射線量を低減し、外部被ばく線量を低下させます。

 また、実験の結果より、未知のメカニズムによって、Cs汚染の低減化の可能性が示唆されました。

 したがって、EM技術は、原発事故から放出された放射性Csによる外部被ばくから保護するための有効な手段であると考えます。



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