第77回 EMの抗ウイルス効果



 寒暖の急変、大荒れの天気、この冬は寒冷となるという予報となっている。このような年には、風邪の流行はもとより、インフルエンザが大流行するとマスコミは騒ぎ、厚労省も予防接種をことの外に強調し、予防接種をしない人を様々な形でいじめ、悪者扱いをする。


 不思議なことに、今年は、このトーンが鳴りをひそめている。2009年の豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)パンデミック事件は、国際的な謀略、詐欺事件であり、厚労省が推奨したタミフルは、効果がないどころか有害だと判明したからである。


 現在では、抗ウイルスのワクチンについては疑問視されるケースも大半を占めるようになり、その中でも、厚労省が予算化し、マスコミも鳴り物入りでくり返しくり返し報道し、国民を洗脳した子宮頸がんワクチンは、効果は明確でなく、重篤な副作用を引き起こす事例が多発した。その結果、政府はこれを積極的にはすすめないという方向転換を行い、接種するか、しないかは個人の判断という無責任きわまりない態度をとっている。(禁止すべきである)


 各種の薬害問題を含め、この実態は、社会的に巨大な犯罪であり、個人なら死刑か終身刑ものである。福島の原子力発電所の事故も、根は同じ巨大な社会的犯罪である。


 このような構造の背景には、利権の構造と研究開発者の名誉とプライドが重なっている。このような犯罪を防ぐには、絶対的な安全を基準にした価値判断が必要であり、副作用や汚染の放出したり根本的な解決策のないものは、不完全技術として捉え、一般化しないということを常識化すべきである。


 EMは、病気に対しても万能的な抑制機能を持っており、特にウイルスに対する効果は顕著である。インフルエンザのすべて、または、ウイルスが原因の様々な障害に対し、多くの実証例があり、宮崎や韓国で大々的に発生した口蹄疫については、本DNDシリーズでもくり返し述べた通りである。


 病気の大半は、免疫力の低下によって引き起こされることは、今や常識となっており、免疫力を高めればウイルス性のワクチンはもとより、大半のワクチンは不要ということである。風邪は万病の元とも言われるが免疫力が低下した場合に風邪をひくという現実を考えると、その根本的な対策は、免疫力を下げない生活が本質的な問題解決である。


 その具体的な答えは、これまでくり返し述べたように、EMを空気や水の如く使うEM生活に徹することである。(EMと打てばインターネット上に無限的な情報がある)


 EMによる抗ウイルス作用は、植物に始まり、家畜やエビや魚のウイルスに常識的に活用されるようになり、トリインフルエンザ、口蹄疫、一般的なインフルエンザに対してもその効果は明確である。


 この実用化してしまった技術に対し、検証もせずEM関係者の身勝手としてEMを批判する人々も残っているため、このような無責任なこじつけ的見解に対し、EMのウイルス抑制効果の一端を第61回日本ウイルス学会(2013.11月10日〜12日 神戸)で発表した。発表要旨は次の通りである。


有用微生物醗酵液EM・1による単純ヘルペスウイルスの感染抑制効果


西連寺剛、國廣真里枝、新谷正樹、比嘉照夫、田中礼子、田中勇悦
EM研究機構、琉球大学大学院医学研究科免疫学分野、公立大学法人名桜大学

【目的と意義】
EM・1は、有用微生物(乳酸菌、酵母、光合成細菌)による土壌改良剤として開発され、有機農業、畜産、養殖、河川浄化、消臭等の環境改善に広く用いられている。EM・1は、動植物の病原微生物に対して感染予防効果があると言われている。そこで、我々はEM・1の抗ウイルス効果をin vitroの系で単純ヘルペスウイルス(HSV)を用いて検討した。

【材料と方法】
EM・1は、市販品を用いた。ウイルスとしてHSV2を用い、ウイルス液は、Vero細胞で増殖させた感染細胞を凍結融解後、0.45μMメンブランフルターろ過し、-80℃で保存した。EM・1及びウイルス希釈は、MQ水(Millipore社)を用いた。ウイルスの感染値は、Vero細胞での細胞変性効果(CPE)を指標としてTCID50(tissue culture infective dose for 50%)/mlで測定した。EM・1をMQ水で希釈し、ウイルス液と混合し、一定濃度・時間反応させた後、HEPES緩衝液(pH7.2)を添加し、pHを修正し、2%牛胎児血清加DMEM培養液にて10倍段階希釈し、96穴ミクロプレートで増殖のVero細胞へ0.1ml宛て添加・培養し、CPEを倒立顕微鏡下で観察した。

【結果】
(1)EM・1は、pH3.3と酸性を示し、MQ水で10.000希釈してもpH5.3の弱酸性を示した。(2)EM・1をMQ水(又は生理食塩水)で希釈し、HSVと30℃、10分反応させると、HSV感染は、EM・1濃度依存的に抑制された。(3)EM・1をリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)、またはHEPES緩衝液(pH7.2)で希釈し、HSVと混合すると、HSV感染抑制作用は消失した。(4)ウイルスの感染抑制は、ウイルスとEM・1混合液の反応温度・時間は、0℃、室温、または30℃のいずれでも1分間で起こり、感染の抑制は、pH5.0で観察された。

【考察】
本研究でEM・1にHSVに対する明確な感染抑制効果が認められた。抑制効果は、EM・1をMQ水や生理食塩水で希釈すると起こる。しかし、その抑制は、PBS、又はHEPES緩衝液で希釈し、pHが中性になると消失すること、反応温度と無関係に、pH5.0以下で速やかに起こることから、EM・1の有するpH酸性によりウイルス粒子が不活化され感染力を失うと考えられる。




 以上の結果は、一般的なEMのスプレー法(100〜1000倍)がウイルス抑制に絶対的な力を有することを意味するものである。EMによる消臭や空気清浄用として市販されているビセーブ等は濃度的にはEM1号原液と同じレベルである。


 今回の実験結果のように、pHを基準とすれば、有機酸の類いであれば効果があり、EMによる独創的なものではないという声もある。確かに、pH4.5以下ではウイルスの失活効果も高いということも充分に承知の上でEMにpHのみの効果でない事例が無数にあることを補足したい。


 その第1は、EM1号の入った容器の上でウイルスを培養すると、EM1号が添加されたのと同様にウイルスが失活するということである。第2はEMセラミックスを1000分の1の重量比の水に入れ、酸化還元電位(ORP)が200ミリボルト以下になった水を、ウイルスにかかった植物に連日散布すると時間の経過とともにウイルス症状は消え、正常な生育を示すようになる。同様の水を家畜に使用すると病害虫が極端に抑制され、魚やエビのウイルスも消失する。これらの一連の技術は、すでに実用化されており、1件のクレームも発生しておらず、製造物責任を十分にはたしているのである。


 これからのインフルエンザの季節、安全で快適、低コスト高品質で善循環的持続可能なEMの活用をおすすめしたい。




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