第76回 EM技術による鳥獣被害対策



 過疎地域や山間部での鳥獣被害は深刻な状況となっている。20年以上も前のことである。EMの万能的な性質を説明すると「EMで鳥獣対策も可能ですか」という質問が寄せられた。会場のあちこちであきれたような笑い声が聞こえ、参加者は私がどのような返事をするのか注視し、多聞に無理だろうという顔をして私の返答を待っていた。


 「イノシシやシカやサルについては、まだ確認できていないが、カラスやヒヨドリなどの鳥類については、状況証拠がありますのでチャレンジする価値はありますよ」と答えたため、「信じられない!まさか?いくらなんでも?EMを強調するあまり頭がおかしくなったのでは?」等々の無言の軽蔑のまなざしが集中した。


 その根拠は、EMを徹底して活用しているモモやブドウ、ブルーベリー園でカラスやヒヨドリの被害が目に見えて減少した。ヒヨドリの大群が来てもEMを使った自分のブドウ畑を避けるように飛び、隣接するブドウ園は被害甚大であったのに対し、自分の畑は端々をわずかに食べられただけで、被害は殆どなかったという複数の報告を受けていたのである。


 「これはEMの持つある種の波動のせいと考えている。これまでの実験では、この波動は、すべての電磁波や磁気に対し、何らかの影響を及ぼしている。野生動物の殆どが電磁波や地磁気などを感知し、行動することが明らかになりつつあり、EMの波動を強化すれば、対策が可能」と答え、次のような提案を行った。


 すなわち、EMセラミックスのパイプ35を3〜5mに1個吊り下げる。可能であれば、一つの線に連結して結界を作る要領で果樹園を囲むようにする。というものである。



写真1:パイプ35を吊下げた状況

 結界とは、宗教界で聖なる地を守るために張りめぐらす、バリヤーのことで、神道の行事には不可欠で、地鎮祭やお宮等に張られた縄などがその役割をはたしている。


 大半の人は、そんなバカなという顔をしたが、数人の人々がそれを実行したのである。その結果は、驚くものであった。「被害が全くないか、ほんのわずか、被害にあった果実を除去すると次の果実に被害を及ぼすが、それをそのまま残すと、その後の被害は殆どない」とのことであった。


 講演で、このような話をすると、次々とチャレンジャーが現われ、その成果はシカやイノシシにも応用できるようになり、サルの被害もかなり少なくなったという報告が多数寄せられるようになったのである。「以前はイノシシやシカやサルの被害に遭うと壊滅的に食い荒らされたが、EMのセラミックスのバリヤーを張った後は、相手は、自分の必要最小限のものを食べて、意地悪く、食い荒すことがなくなった」というものであった。


 しかしながら、EMセラミックス、パイプ35は、油の劣化防止や水質の機能性向上等に使われるため、1個500円〜1000円もする代物であり、もっと安く間単に出来る方法はないかという希望が寄せられた。基本的には、EMで作られたものは、同じ機能を持っているため、次のような提案となった。


1、PH3.5以下の良質のEM活性液、または、米のとぎ汁発酵液を作る。(良質とはPH3.5以下、出来れば3.0内外、やや赤味がかってEM原液のような香りのするもので糖分を1〜2割多めに使うと誰でも作れる。)


2、その活性液を500CCのペットボトルに入れ、同時にEMセラミックスパウダー(スーパーセラC、どのタイプでも可)を小さなスプーン1杯(3〜4g)を入れ密封する。



写真2:パイプ35とEMセラミックスパウダー

3、密封されたペットボトルを3〜5m間隔に吊るして、ひもで連結し、結界を作る



写真3:EMセラミックスパウダー入りEM活性液ボトルを吊下げている様子

4、カラスやヒヨドリについては、2m以上の高い位置とし、シカやイノシシは50cm〜1mの目線を目安にセットする。この場合、地面に3分の1程度埋め込んだものと目線の高さの二重バリヤーとする。土に埋めたペットボトルもひもで連結し結界を強化する


5、間隔が広く、被害が発生した場合は、その間隔を埋めるように、ひものみを張りめぐらすとだけでさらに効果的となる。


6、モグラ対策も、ペットボトルを3分の1程度埋め、そのペットボトルを、ひもで連結して結界を作るが、EMセラミックスパウダーを0,5〜1%混和したEMダンゴ(一般的なEMダンゴ)を作り、2m間隔で10〜15cmの深さに埋め込むようにする。



写真4:モグラ対策用ペットボトルの設置と結界(ひもの張り方)の作り方

7、余談になるが、EMダンゴを1〜2m間隔で10〜15cmの深さで埋め込むとモグラは退散し、土壌の波動が蘇生的となり、病害虫の被害も著しく少なくなり、均等に育った高品質の作物を収穫することが可能となる。



写真5:EMだんご

 話を聞くだけでは、絶対に眉唾ものである。EMの本当の力を知る人にとっては、信じ難くても本当であり、これが本当だと確信できるようになればEMマイスターである。


 この技術の応用は、福島県の田村市、都路の電棚ネットにも行われており、鳥獣被害を完全に抑制し、同時に作物の生育は常識をはるかに越える結果となっている。鳥獣害で困っている関係にとっては吉報である。コストはペットボトル、EM活性液、スーパーセラC、ひも(100円ショップで180m)必要に応じて支柱をする程度なので、あって無きが如し、作物の健全な生育等々を考えると、これより安価で余得のある鳥獣被害対策は皆無である。




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