第39回 地震災害後のEMの活用


→english



 3月11日に起った東北関東大震災はマグニチュード9.0の超巨大地震であり、これまで万全と思われた対策もすべて無力化し、1000年に1回ともいわれる想定外のものとなっています。そのすさまじい破壊力は、悪夢の如くで、被災された方々には言葉もなく、ただただ念じ入るばかりであり、心からお悔やみと、お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を祈っています。 またEM研究機構やEM研究所、EM生活社はもとより、NPO法人地球環境共生ネットワークや全国EM普及協会、財団法人自然農法国際研究開発センター、その他EMに関する多数のNPO法人やボランティアの方々には、震災後の衛生対策を中心とするボランティア協力もお願いしており、窓口をEM研究機構(098-935-0202、FAX0205)と地球環境共生ネットワーク(03-5427-2348、FAX5890)とし、具体的な対応に当ることになっています。


 現時点では、生活必需品や医療品などの安定供給と水道や電気、ガスなどのライフラインの復興が急務であり、EMの出番は、その次となりますがEMボランティアの方々には以下の情報を十分に活用されることをお願いします。


1.EMによる悪臭、水質汚染、その他諸々の衛生対策
 本件について過去に阪神・淡路大震災でトイレ、下水、ゴミ集積場の悪臭対策はもとより、消毒液や化学物質の悪臭対策にEMが多方面で活用されました。以来、国内における地震や洪水等の災害にもEMは広く活用されています。また海外では台湾中部大地震やスマトラ島沖地震、四川大地震の際にも悪臭はもとより、諸々の衛生対策に活用されています。タイ国のように災害時の衛生対策としてタイ国軍や社会開発省が組織的にEMが活用できるシステムを作っている国もありますが、その具体的な指導は、EM研究機構が行ない完全に機能するようになっています。本シリーズ「第30回EM技術による自前でできる危機管理」でも述べたように、EMは宮崎県で発生した口蹄疫の感染拡大防止と殺処分された家畜の埋却処理時の悪臭や二次汚染防止対策に決定的な威力を発揮しています。この成果は口蹄疫が大流行となった韓国でもいかんなく活用されており、感染拡大防止はもとより、300万頭余の殺処分された家畜の埋却処理に関する悪臭対策や二次汚染防止対策や様々な衛生対策に広く活用されています。


 タイ国はもとより、宮崎や韓国における技術指導はすべて、EM研究機構が行っており、県や市町村レベルの要請には、いつでも応じられる体制が整っています。


 詳しくは本シリーズ「第30回EM技術による自前でできる危機管理」をお読みいただいて要請があればEM研究機構が宮崎県で行ったようなノウハウをボランティアで協力いたします。


 同時に各々の県にいるEMボランティアに協力してもらい、システム的に対応できるように関係者にボランティア出動をお願いしています。先ずは200〜500Lの小規模のタンクでEM活性液を作ります。EMの種菌についてはEM研究機構やEM研究所で提供いたします。


 災害後の悪臭は、人々のいらだちや不安を増幅させ、特にトイレ関係は最悪なものとなります。EM活性液の50〜100倍液を散布するだけで、様々な腐敗臭や消毒薬や化学物質の悪臭を著しく抑制し、再発生を防ぐ力があります。EMを散布し悪臭が消えると、多くの被災者が落ち着きを取り戻し、パニック状態を脱した例は枚挙にいとまがありません。水のない所ではEMボカシをふりかけるだけでも著しい効果があります。


2.石油等を含む、化学物質汚染対策
 EMはナホトカ号による福井県での重油汚染はもとより、5〜6年前に起ったパキスタンのカラチでのタンカー事故、オランダにおける化学物質汚染対策に着実な成果を上げ、最も分解が困難とされるダイオキシンを分解する力ももっており、実用レベルで広く活用できる状況になっています。グリストラップの油の分解には日常的にEMは活用されていますが、石油精製後のスラッジを無毒化し、肥料化する技術としても活用されています。特に石油の分解についてのEM効果は国連の工業発展機関のホームページでも紹介されたことがあります。


 先ず大量の油は回収し、その後、水面や土壌や岩や岸壁にこびりついた汚染部分にEM活性液を10〜20倍にして臭気が半減するレベルを目安に散布します。1回で効果がある場合もありますが、1週間に1回程度、2〜3回散布で予想外の効果が上がっています。


 化学物質汚染の場合も同様な方法をくり返しますと、万全を期すことも可能です。油がべっとりしている場合や化学物質の汚染量がひどい場合は、EM活性液50倍に米ヌカを容量の3%、糖蜜を重量の1%を目安に混和し散布すると著しい効果があります。米ヌカや糖蜜は、やや多めにする方が効果的です。


3.避難所および居住地でのEMの活用
 大勢の人々が、身をすり合うように生活し続ける避難所では、体臭を含め、様々な臭いや、ホコリが発生します。このような場合は、EM活性液を500〜1000倍にして、1日数回スプレーします。臭気がこもるような場所は200〜300倍にして散布します。また衣服の表面にスプレーしますとホコリや体臭を減少させ、衣類の汚れを防止することが出来ます。水が少なく、お風呂や洗濯がままならぬ状況下では、EM活性液を100倍から200倍にして体をふきますと汚れはもとより、皮膚のトラブルの防止にも役立ちます。洗髪も同様な要領で行います。


 手洗いも100倍液を手にスプレーするだけで完全な除菌効果があります。またトイレの横にEM活性液を100〜200倍にうすめたものをバケツにいれておき、用が済んだ後に、手を浸すだけで除菌効果は万全です。EMをうすめた各種の液は、1〜2日で使い切ってしまいます。3〜4日たっても効果はありますが、生活空間を快適にするためには、EM液は毎日更新がベストです。また調理に当っては100倍のEM活性液に野菜やお肉等を1〜2分ひたした後に加熱すれば食中毒はもとより、お腹のトラブル予防にも万全です。100倍のEM活性液は、ノロウイルスをはじめ、あらゆるウイルスはもとより、大腸菌の増殖を完全に抑える力をもっています。


 飲料水以外の水には、EM活性液を1000分の1を目安に添加します。可能であればスーパーセラCを1万分の1になるように加えます。2〜3時間も経過すれば雑菌が著しく減少し、水もきれいになり、野菜を洗ったり、洗濯、お風呂等々に安全な水として使用することが可能です。また、お風呂も、大勢の人が入りますので、臭いや汚れが問題となります。この場合も水の1000分の1〜2000分の1を目安にEM活性液を添加すれば数倍も効果的に活用することが出来ます。また、1万分の1のスーパーセラCを添加すると、なお効果的です。


 阪神・淡路大震災の場合も、この方法を行ない多くの人々に感謝されました。また残り湯にEM活性液を1000倍になるように添加し、布等による簡易ろ過を行えばその水を再利用することも可能です。残り湯をすてる場合も、そのまま流さず、グランドやまわりの土の部分に散布すると空気や土壌を浄化する機能を発揮してくれます。


 健康維持のため、EM活性液を飲んでいる人々が多数おられますが、この場合は、あくまでも自己責任となります。目安は排泄物の臭気が気にならないレベルまで減少する量ですが、経験的には1日10〜50ccぐらいといわれています。EMの主要菌は光合成細菌、乳酸菌、酵母等で世界中の公的機関でその安全性は確認されています。


4.汚染された家畜や土地の浄化
 個人で行う場合は、100〜500Lのタンクや容器でEM活性液を作り、その活性液を100倍〜200倍にしてジョウロ等で散布し、汚染された部分を洗浄します。可能であれば高圧洗浄機が効果的です。臭気が残っている場合は、再洗浄し、床下などにもたっぷり散布します。庭にも同じ要領で散布します。このような方法を徹底すれば、津波と同時に押し寄せた様々な汚染を根本から消去することが可能であり、健康にとっても望ましい「いやしろち」にすることができます。


 広い公共の場や、水田や畑地の浄化は、10a当たり50〜100LのEM活性液の散布が目安です。面積が大きすぎて個人の手に負えない場合は、宮崎県の例のように市町村単位で対応します。


 この場合、タンクや簡易プール等を準備し水の供給を万全にしてもらえば、EMやその他の資材は、可能な限り、EM研究機構が提供し、技術指導を行います。海水はもとより、下水、様々な化学物質の汚染に対し著しい浄化効果があるばかりでなく、公園の樹木の生育もよくなり、また、その後に栽培される作物の生育を促進し、病害虫を著しく軽減し、品質を高める効果があります。


5.放射能汚染対策
 この原稿を書いている現在、福島第1原発の状況がどうなるのか見極めがつきませんが、チェルノブイリのような最悪の状態になったことを想定して、その対策を提案します。


 EM研究機構はチェルノブイリ原発事故から今日まで、その風下で被災したベラルーシに於いて、ベラルーシ国立放射線生物学研究所と共同で、EMによる放射能対策について研究し、様々な成果をあげています。その要点は以下の通りです。


1)被爆者がEM・Xゴールドを1日30cc〜50ccを目安に飲用を続けると、30日内外で、外部被爆はもとより、内部被爆(放射物質が体内に入った状況)も正常に戻る。その後、飲用を中止しても再発は起こらない。我が国では広島の原爆症の方々でもその効果は確認されています。


 このことは、マウスの実験でも確認されており、データの大半は公開されています。いずれも、EM・Xゴールドの持つ抗酸化作用と非イオン化作用と二次元の有害な放射線エネルギーがEMの持つ三次元波動(ヘリカル構造)によって無害化されるためです。


2)光合成細菌を強化したEM活性液を10a50Lの散布で、放射能が年間15〜30%減する事が確認されています。日本のボランティアの行った実験では、月に1回程度の散布で年12回処理で測定限界以下になった例もあります。


 以上の結果は、私が勝手に主張しているのではなく、しかるべく機関と協同して行ったものですが、当時は、非常識として国際学会で発表させてもらえなかった事情があります。同様な結果は、ウクライナの放射線生物学研究所でも得られていますが、発表は受理されなかったそうです。


6.再建に当ってのEMの活用
 良質のEM活性液を使用水の5%、EMスーパーセラCを1000分1.セメントに混和すると界面活性力が著しく高まり、コンクリートの強度は10〜20%向上し、耐用年数は200〜300年以上ということが確認されています。建築現場の土壌に10a当り、1トン程度のEM活性液にEMスーパーセラCを0.1%添加し敷地内に十分浸透するように(50〜100倍で散布)すれば、建築物の劣化の原因となる土壌からの酸化を防止するだけでなく、そこに住む人々の病気が極端に減少したというデータもあります。また、経験的に耐震性が著しく強化されることも確認されています。


 地獄からの再建です。これからの人生を健康でよりよいものにするために、EM建築をおすすめします。データはすべてEM研究機構にあります。塗装等の化学物質過敏症対策にも万全を期しています。


 以上、大急ぎでEMボランティアやEMに関心のある皆様にむけての情報発信を行いましたが、上記の情報はあくまでも個人の判断で活用するものであって、公的に認められたものではありません。国の方針や公的な方針は厳守されるようにお願いします。今後の件については、その都度、本誌やWEBエコピュアを含め、新しい情報を提供することにいたします。なお詳しくはEM研究機構(098-935-0202,FAX-0205)にお問い合わせ下さい。



記事一覧へ