第27回 EMによる口蹄疫対策



 私は、10年以上も前から、EM情報誌(エコピュア)に、EMによるトリインフルエンザ対策について、何回となく説明してきました。同時に、ウイルスが原因の口蹄疫やコイヘルペスなど、動物のあらゆるウイルス疾患に、EMは、著しく効果があることも付言してきました。DNDの本シリーズでも、第4回にトリインフルエンザ、第8回に新型(豚)インフルエンザ対策について述べましたが、第4回には、次のようなことを付け加えています。


「EMが畜産や水産分野に応用されるにつれ、色々な場面で驚異的な成果が上がっています。コイヘルペスをはじめ、魚類のウイルスはもとより、世界的な問題となっているエビのホワイトスポットウイルスやエローヘッドウイルスです。エクアドルのグワヤキル地区は世界NO1のエビ養殖地ですが、ホワイトスポットウイルスのため壊滅状態となり、4万人近い人々が失業してしまいました。今から7年前の話です。


 中南米のEM普及拠点大学であるコスタリカのアース大学の卒業生が、この惨状にチャレンジし、無投薬でEMのみで、この問題を解決し、大半の人々が職場復帰できたことは、養殖業界では有名な話です。」


「動物については口蹄疫という、やっかいなウイルスがあり、法定伝染病となっています。この病気にかかると、直に死ぬわけではありませんが、口や蹄のまわりに炎症をおこし、徐々にやせ細って、最後は死んでしまいます。かつて、台湾では、500万頭余の豚がこの病気の為に処分されたり、イギリスでも、数百万頭の牛が処分されたのも、この10〜15年以内に起こったことです。」「タイのカセサート大学で研究用に隔離された口蹄疫にかかった豚と牛に、EMを飲水や飼料に混ぜ投与した結果、口蹄疫の特有な症状が消え、正常に戻ったのです。ウイルスの専門家は、このことを全く信じていませんが、農家の間では、口蹄疫対策に、広く活用されています。」


 畜産関係者は、これまでのEMによるウイルス対策について、全く、読んでないか、または全く、信じていないと思います。第4回と8回の原稿はトリインフルエンザや新型(豚)インフルエンザが人間に流行した場合の対策を示しましたが、今回は口蹄疫対策について述べたいと思います。


−EMの具体的な活用法−
1、飲水にEM1号または良質の1号活性液(PH3.5以下)を初日50倍
  2日目から100倍になるように添加する。
2、エサには、5〜10倍にうすめたものを軽く噴霧する。
3、畜舎に10〜20倍にうすめたものを消毒的に毎日散布する。(EMはPH3.5以下ですので散布された空間はPHが4.5以下になります。殆んどのウイルスはPH4.5以下では失活しますので、一般的な消毒よりも、はるかに効果的です。)
4、畜舎内にEMスーパーセラCを、1000²当り20kgを散布(月1回)
5、畜舎の外壁や内部、天井等にも十分に散布する(10〜20倍、週1回)



※牛の場合、EMXゴールドの注射は10日に1回30CCで効果的ですが、この場合は、すべて自己責任で行なってください。豚や子牛は、その3分の1〜2分の1が目安です。
※EMボカシはエサの1〜3%を目安にやや多めに与えます。
※鎮静化した時点で使用量を2分の1から3分の1に減らしてもかまいません。


 これを機会に、すべての畜産を、EM仕様に変えれば、抗生物質や消毒薬の不要な飼育が可能になり、畜産公害も解消し、その糞尿は、すばらしい有機肥料となり、有機農業を支える大きな力となります。


以上のことは、宮崎や鹿児島をはじめ、EM関係者の問い合わせに対する私の返答です。


 不幸なことに、宮崎県は、口蹄疫パンデミック(大流行)に陥ってしまいました。現在は、宮崎県内にとどまっているかも知れませんが、他県に飛び火する懸念もあり、予防に万全を期す必要があります。


 不幸中の幸い、と言えば、身勝手に聞こえますが、今のところ、非常事態発令後も宮崎県内でEMを活用している牛や豚に、口蹄疫が発生したという報告は受けていません。(5月20日現在)


 EM1号は、畜産用として、国に登録され、認可を受けている微生物質であり、訳のわからない微生物ではありません。畜産へのEMの活用は、20余年の経験があり、沖縄をはじめ、各地に「EM豚」「EM牛乳」として、トップブランドになっています。


 EMには医学的見地から、抗ウイルス作用や有害微生物の顕著な抑制効果も認められており、悪臭はもとより、衛生対策のすべてに活用され、市販の消毒剤のような二次汚染や副作用は全く無く、効果が、はるかに高いことも明らかとなっています。経費の面から見れば従来の2分の1以下、総合効果から見れば3分の1から5分の1ともいわれています。


 また、口蹄疫のように、体内に入ったウイルスを薬で殺すのは、殆んど不可能で、感染拡大防止にワクチンが使われています。この手法も、あくまで非常手段であり、ワクチンを打たれた家畜は市販することは禁止され、すべて殺生処分となってしまいます。


 EMをベースに作られたEMXゴールドは、C型やB型肝炎のウイルスを完全に消滅し得るという事例が多数、確認され、エイズはもとより、ヘルペス、インフルエンザ等々のウイルスに対しても万能的な力を発揮しています。


 この場合のメカニズムは、抗ウイルス的な作用はもとより、EMの総合的な機能が免疫力を著しく高める為であり、この件に関しても、医学的見地から、多数の実例が確認されています。


 EMXゴールドに限らず、EMは、すべての動物の免疫力を高めることが知られており、タイやベトナム等では農家レベルで、口蹄疫にかかった牛や豚がEMで治ったという話は今や常識となり始めています。


 10年程前に、台湾で起こった口蹄疫パンデミックの際も、EMを活用していた養豚場は、一頭も被害が発生していなかったにもかかわらず、地域全体が処分の対象となって、くやしい思いをしたことがあります。宮崎県でも、EM飼育の畜産農家に対し、このような無差別なことが起こらないように願っていますが、これを機会に、EMを活用している畜産農家を徹底的に検証し、今後の対策に活用されんことを念じています。



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