5月21日にペレタイザー設備を導入した岩手コンポスト株式会社の新工場(新堀工場)操業開始に合わせて、5年ぶりに訪ねたが、飛躍的進化を確認する機会ともなった。 岩手コンポストについては、本誌やエコピュアで何度も紹介したように、世界で初めてEMを活用した本格的なコンポスト工場を35年以上も前に立ち上げ、多大な成果を積み上げ今日に至っている。 原材料の汚泥や畜産廃棄物等々には重金属や放射性物質が含まれている場合があるが、岩手コンポストの堆肥は基準値をはるかに下回っている。 そのレベルは、有機農業認証資材としても品質的に問題はなく、消臭や水質浄化機能も有しており、EMの固まりのような資材である。 かつて、東日本大震災で被災した大量の冷凍魚が悪臭を発し始め、最悪な二次災害も予想されたが、岩手コンポストのコスモグリーンを被せるように散布した結果、臭気はまたたく間に消失し、排水もきれいになったのである。 一般のコンポストは、ポットに全量培地として入れ、種を蒔いたり、苗を植え付けると殆ど枯死してしまうが、コスモグリーンは、そのような弊害は全く発生せず、理想的な腐植土以上のレベルにある。 この成果は、長年にわたる様々な工夫の重ね合わせの結果であるが、5年前からEM研究機構と共同研究でEMグラビトロン炭の併用効果について検討を続けてきた。 その結果は驚嘆すべきもので、数回の施用で農地はテラ・プレタ化状となり、結界を強化すると作物は限界突破的に成長するのである。すなわち、世界中の研究関係者が短期にテラ・プレタを作ることは不可能という判断になりつつある現今から考えると、奇蹟的成果である。 写真1は、5月21日岩手日報に掲載された広告である。 農林水産省(東北農政局)の国内肥料資源活用総合支援事業として、総事業費3億4700万の内、1億5800万の補助を受けた東北地域最大規模の本格的な工場である。 生産能力は年間3,300トン、岩手コンポストの本工場で入念に作られたEMの固まりのようなコンポストに、EMグラビトロン炭を混和した超高波動機能を有するペレットである。 工場の様子は写真2~7の通りであるが、実際に当たっては、このペレットの万能性の活用である。急を要する消臭や水質浄化等、多方面での応用は、もとより、一般のボカシやEM堆肥が即席的に作れることである。すなわち、家畜のふん尿は、もとより、様々な有機物に1~2%混和するだけで、有機物の効果が著しく高まることである。 プラスチックの袋や容器に500g程度密封的に固定すれば、結界用の材料にもなり、果菜類の植付け時に植穴の底に30~50gくらい入れ、根の回りにも30~50gをマルチ的に敷くと限界突破的成長を示すようになる。 余談になるが、化学肥料に等量のペレットを混和し、5~7日後に施用すると肥効が高まり、化学肥料を半分から1/3に減らすことも可能である。この技術は米国においては既に実用化されており、化学肥料による土壌や水質汚染を著しく軽減することも可能となる。 畜舎に、このペレットを投入すると、たちまちにして臭気は消え、衛生上の問題はすべて解決が可能となる。家畜は健康になり、厩肥はすべて最高の有機肥料に大変身するのである。 生ゴミ等にEMボカシと同じように混和すれば、インスタントEMボカシに早変わりし、EMボカシを作れない人々にとって朗報である。 この発酵の力は水田の除草対策や初期生育の安定化にも応用が可能である。すなわち、田植え直前に苗パットをEMの原液に浸し、田植えをすると同時に、田植え直後に10a当たり30~50㎏のペレットを散布、EM活性液を50~100L流す方法である。 この新型ペレットは、光合成細菌の増殖にも顕著な効果があり、米の品質や多機能化に著しい効果がある。 EMと新型ペレットを組み合わせると、畜産や水産を含む一次産業分野はもとより、環境浄化にも幅広い応用が可能であり、今後が楽しみである。
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