第196回 EMできれいになったドバイにおける海水人口湖



前回は環境や食の質を重視するザ・リッツカールトン・レジデンスワイキキビーチのEMの観光分野での活用の展開を紹介した。この方法は、社会的なシステムとして機能しており、EM活用の楽しい応用である。

今回紹介するのは、観光リゾートを全面に打ち出しているドバイの海水人口湖のEMによる浄化事例である。かつては、福井県で海の浄化にEMを活用し成果が上がったにも関わらず、専門家の、「塩分の多い海水で微生物は増殖しない」、「酸素の少ない海水底部で微生物が安定的に定着することは不可能」というアドバイスに従って、その成果がうやむやになったことがある。

現実には、EM活性液を海水で作ると10年以上経過しても変質せず、肥効の顕著な増大、水質浄化、病害虫対策に万能的な機能を発するものである。

6千トン余のEMが投入された東京湾に、様々な奇蹟的現象が現われても、専門家は自然の回復力と涼しい顔である。日本橋川から東京湾へ流れはじめた平成17年頃の東京湾の環境に関する専門書のほとんどが、青潮や貧酸素現象は永久的に解決が困難と述べている。その数年後から海は次第に浄化され、東京オリンピック前には雨のない日が数日も続くと泳げるようになり、連休の潮干狩りは例年の風物詩となり、青潮も貧酸素現象も消え、江戸前の漁業も復活したのである。

ドバイの成果も、過去の様々なEMの応用を活用したもので、ヘドロは消失し、悪臭は消え、海水湖の生態系が短期間に復活した事例である。

最も効果的な浄化法は、下水の処理プロセスにEMを組み込むことである。その結果、汚染源を最も効率よく浄化源に変え、生態系を復活し、自然資源を豊かにすることも容易であり、水産資源復活の決定打となるものである。

以下、ドバイのJumeirah Lake Project の成果である。



Jumeirah lake project

アラブ首長国連邦のドバイに位置するPalm Jumeirahはパームツリーの形をした有名な人工島ですが、その近くJumeirah islandsがあります。Jumeirah islandsは50の島からなる人工島リゾート地です。島には高級ヴィラが建設され各島は巨大人造湖に囲まれています。

この巨大人造湖19個あり水面積が664,934㎡、水量は1,492,890tあります。この水は主に海水と地下水から成り立ちますが、湖の形が複雑なため水の循環が上手くいかず、水が汚れており、景観やにおいの問題が発生していました。


(※By Imre Solt - Dubai construction update Part 4 Page 14 at Post 272, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2766328)


そこでEMFA社はこの湖の浄化に名乗りを上げ、2022年3月よりEM活性液とEM団子の投入を開始しました。水の透視度やBOD,CODといった水質の改善は3ヶ月ほどで劇的に見られ、においの問題などが改善されました。2023年3月現在もEMの投入は続けられています。












Jumeirah Lake Project
Located in Dubai, United Arab Emirates, Palm Jumeirah is a famous man-made island in the shape of a palm tree, near which are the Jumeirah islands. Jumeirah islands is a man-made island resort consisting of 50 islands. Luxury villas have been built on the islands and each island is surrounded by a giant man-made lake.
The 19 giant man-made lakes have a surface area of 664,934 m2 and a water volume of 1,492,890 tonnes. The water is mainly composed of seawater and groundwater, but due to the complex shape of the lakes, the water does not circulate well and the water is polluted, causing landscape and odour problems.
EMFA therefore took the initiative to purify this lake and started applying EM activated liquid and EM dumplings in March 2022.
As of March 2023, the application of EM is still ongoing.




作業完了報告書
プロジェクト: ジュメイラ島の湖沼処理サービス



初回所見(2022年2月~治療前)
• 表面張力の低下と水の撹拌により、有機化合物の濃度が増加するため、泡立ちが発生します。
• 13 の滝すべてで泡の形成が観察され、その表面積は平均 20 ~ 50 メートル、高さ 5 cm ~ 30 cm でした。
• ジュメイラ島の湖全体のさまざまな場所で大量の藻類の発生が確認されており、湖から湖への水の流れによって広がります。 • 土手に向かって侵入する雑草が観察された。
• 黄緑色の藻類のヘドロ層が湖底と海岸線に沿って観察され、濁りの増加とその滑りやすい性質による潜在的な安全上の危険を引き起こしています。
• 水には高濃度の栄養素が含まれているため、藻類やその他の悪い微生物の生育にとって好ましい条件が達成されます。 これらの微生物が湖の底に沈む有機物を分解すると、ぬるぬるした汚泥が生成され、硫化水素や腐った卵のような臭いが発生します(P7Cで明らかです)。
• 高い濁度は、水中のヘドロ(魚によって邪魔された場合)、藻類、および/または化学物質の増加に関連しています。
• 一部の湖では海岸近くで蚊が繁殖しているのが観察された。

現在の状態(2023年8月~処置後18ヶ月)
• 昨年 2023 年 2 月の地域冷却プラントの放流事故にもかかわらず、継続的な生物学的処理により泡の状態は大幅に改善されました。現在、泡の密度は低くなり、ほとんどの滝でカバーされる範囲が小さくなりました。
• 気温の上昇と湖が受ける太陽光の増加により、汚泥のより効率的かつ迅速な分解が引き起こされたため、今月の藻類の発生量はわずかに増加しました。
• 湖岸近くの 1.5~2m にわたる雑草と草は、すべての湖でほぼすべて除去され、継続的な維持管理が継続中である。
• 水は非常に透明で、湖岸から約 3 ~ 5 m の底が見えるほどですが、夏場は底でヘドロの分解が進むため、茶色っぽく見えることがあります。
• 蚊の繁殖はすべての湖で観察されなくなりました。
• すべての湖に悪臭は存在しない
• 魚はすべての湖に存在し、P-6A 湖と P-6C 湖に非常に豊富に存在します。 しかし今月、再び魚の死が観察されましたが、先月に比べて非常に少なく、主に気温だけが原因で大きな湖で1〜3匹の魚が死んでいました。

処置前、処置後の変化











COD、BOD、溶存酸素量、TSSの変化






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