第181回 見え始めてきた下肥の肥料化(2)



有機農業における下肥の活用には、衛生上の問題もあり、肥料化するためには、法的な安全性等々を含め、様々な課題が残されている。

その殆どが、衛生に関するもので、これまで説明したようにEMの発酵合成機能を活用すれば十分に可能である。

地球トイレで重要なことは、仮設トイレの臭気防止がほぼ完全であり、衛生的な問題が発生しないことである。同時に、回収し貯留すると、EMが大量に増殖し、夏なら5~10日で生産力増強に関するDNAを大量に含む菌体肥料的となり、最良の有機液体肥料に変身することである。

これを連続的に活用する場合は、1/3から半分程度を残した時点で、次の糞尿を追加すると、24時間後には菌体が十分に増えるため、連続的に活用することが可能である。要は、この菌体液肥の使い方である。

植付け前であれば、基本的に土壌全面に浸透させ、次の日も同じ要領で施用し、3~5回も繰り返すと、どんな痩せ地でも肥沃化することが可能である。

その後は、5~10倍に薄めて潅水を兼ねて施用するが、根元に直接かからないように留意する必要がある。更に、有機物を細断し土壌表面に敷くと、乾燥防止、土の跳ね返り、病気の予防に役立つと同時に、地表面での堆肥化が進行し、不耕起栽培も可能となる。

この件については、機会を改めたいが、前号に続いて地球トイレ活動を紹介し、この成果が多くの事業現場で活用され、同時に、下肥の肥料化につながることを期待したい。




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