1993年に出版した「地球を救う大変革」で、ブラジルでEMが大々的に普及し始めた頃の状況を説明した。今では、EMは誰が使っても何の違法性はなく、自由に使えるようになっている。新しい技術が出ると、人々は必ずその可否を役所や研究機関に確認することが常となっている。
役所や研究機関にその技術を評価する能力があれば問題はないが、多数の蘇生型微生物が密封容器の中で嫌気的に存在しているEMは、当時の科学的常識では否定的な存在であった。
すなわち、微生物は、生きるために酸素が必要である。複数の微生物を同時に培養すると競合するため、5科10属81種なんてとんでもないという理由である。そのため、現場の驚異的な事実は無視され否定的な見解が続出し、ブレーキがかかったのである。
それでも多くの関係者の努力によって、EMの実力が認識されるようになったが、当初の勢いを失い、低迷状態になったのである。
今では、コスタリカのEARTH大学が中南米のEM普及の人材育成機関として機能するようになっているが、ブラジルもEARTH大学の卒業生であるCid氏を中心に、15年前に仕切り直しとなったのである。
その結果、現在では50万ha(日本の水田面積は500~600万ha)以上の農地にEMが活用され、水質浄化や様々な分野でEMが大々的に活用されるようになってきた。ブラジルの水質汚染は、解決策はないとまで言われてきたが、Cid氏は役所の協力を得て、写真1のように大々的な水質浄化に取り組んだのである。2000haで総水量1億6千8百トンのダムである。写真2の黄色い丸印(7ヶ所)がEM投入地点で、計402,800リットルのEM活性液が投入されたのである。
(写真1)
(写真2)
2020年、2月に投入され(写真3)たが、2021年5月の中間報告は以下の通りである(写真4)。
(写真3)
(写真4)
ブラジルから水処理の2ndレポートいただきました。
言語ポルトガル語なのですが、最後の結果報告以外はほとんど写真資料ですので、送りいたします。サマリー要約は以下の通りです。
具体的な結果
- 水質の維持
- 現在まで臭気抑制が進み苦情報告無し
- 水の濁度が改善され、外観を改善する
- 提示されたデータによると、P(80%)、N Total(65%)、N-NH3(80%)、BOD(75%)の減少が確認された
- また、カマサリ川の場合はクロロフィルa( 90%)他の監視対象パラメータの大幅な改善および/維持に効果が見られた
- 生物相に関しては、生物相の増殖、発達、主に大型魚の大型動植物の回復、食物連鎖の再構築の開始が見られた
以上です。