第147回 第9回東日本大震災復興支援環境フォーラム -うつくしまEMパラダイス-



 
本誌第145回でも案内の通り、表記の環境フォーラムが10月5日(10:00~17:05)に福島県郡山市中央公民館で開催される。サブタイトルは、『食と農の未来を拓く』となっている。

これまで機会あるごとに、EM技術による福島の放射能汚染対策の成果を公表し、科学的根拠も明確となってきた。この事実を踏まえ、福島の未来像を考えると、図1に表明されているインドのシッキム州の情報を活用することである。

昨年、その受賞を記念し、シッキム州関係者から招待のメッセージがあり、今年の9月9日から14日までの日程で、講演会と現地指導を行ってきた。


図1 2018年10月ニュース シッキム州、完全有機農業州を実現


コルカタ空港からバグドグラ空港へ、その後、8時間、雨期後半の悪路を車で移動し、シッキム州へ入境した。元々独立国であったせいもあり、現在も独立州的自治が行われ、入境者はパスポートに検印が必要である。

東ヒマラヤ山麓に位置し、ブータンに隣接した標高1000~2500mの地域で、避暑地としてのリゾート観光地でもある。ベジタリアンの多いインドでは、有機農業は必要必然であるが、法的、制度的に全州を有機農業化することは容易ではない。改めて述べるまでもなく、その願望を実現したのは、EMの活用である。

シッキム州のEM活用事例(現地からの経過報告)
2003年にEMは、「シッキムオーガニックミッション」プログラムの中で農業園芸委員会の元会長であるサプコタ氏(DN Sapkota)により初めて紹介されました。サプコタ氏は、EMの導入及び効果について、次のように話しています。
サプコタ氏は、EMを使用した最初の方です。また、EM技術を有機農家に教えることで恩恵を得ました。EMの利点、経験や意見を農家に伝えてきました。
EMの利点について、彼は次のように述べています。
「短期間でバイオマスを分解させるのに最適です。牛糞を良い燃料にも変えることがきます。栄養素に豊富な14種類のミネラルも含むため、植物が良く育ちます。植物の病気は減少するだけではなく、真菌や害虫対策にも使えます。EMを使うことにより、農家や環境にも有益であり、バランスのいい生態系を維持することができます。」
サプコタ氏とEMの試験をするためのチームで二つの区域を使いました。すなわち、コントロール区とEM区で試験を行いました。サプコタ氏によるとEM区は、コントロール区と比較し、200%の改善が見られました。
EM区では、土壌の病原体を抑制するだけでなく、有機物の分解を促進し、植物へミネラルや有機物を利用可能にできることが分かりました。その上、EMは、土壌に常在するいい微生物を活性化します。例えば、大気中の窒素を固定させる菌根の役割を高め、化学肥料や農薬の使用を補完します。土壌肥沃度の改善は、植物の成長、開花、実の発育と作物の成長に大きな効果をもたらします。
EMの使用は、非常に費用対効果が高いと思われます。利益は著しく大きいです。1リットルのEMを加えるだけで、20,000リットルに増やすことができます。EMの1本ボトルを20,000リットルの水に混ぜると完全にEMが増殖し、良く効きます。短期間にバイオマスを分解するのによく、牛糞にEMを加えると嫌気発酵により、発生したメタンガスで調理用ストーブの燃料にもなります。
EMを使うもう1つの利点は、動物にも効果があります。 EMボカシは、12キロの飼料と1リットルのEMを混ぜて、1週間保存します。EMボカシが完成したら、毎日少量で牛を飼育することができます。その結果、牛乳の生産量及び品質が向上します。家畜は、健康になり、寄生虫も生き残ることもできなくなります。
生物多様性を促進するEM製品は、畜産、水産、水処理の分野にも応用されています。畜産では、家畜の腸内細菌と同様に飼育環境を改善し、悪臭抑制も可能にします。
水産や水処理について、EMは水の生態系をより豊かにします。その結果、水の自浄作用が向上し、水質が改善されます。インドでは、2015年にバンガロール市のいくつかの汚染された湖にEM処理しました。

  このサプコタ氏を支えたのが、元上院議員のPDライ氏と、メイプル・オークテック社のモハンカ会長であり、この3名の協力体制が州政府を動かした原動力となっています。


写真1-1 シッキム州の田畑風景     写真1-2 シッキム州のリゾート地域


記念式典と講演は、州や地域のリーダー、大学関係者等々はもとより、隣国のブータンからはEM栽培の立派なリンゴを持って6人のリーダーも参加した。交流会では、ブータン代表が近い将来、ブータンもシッキム州なみに国全体をEMによる有機農業を実現したいという決意の表明もあり、大盛況であった。

講演の内容は、これまでの基本の再確認とサル等の野生動物の対策など、最新のEM技術を紹介し、質疑も活発に行われ、功労者に対し私の署名入りの表彰状が授与された。


写真2 左からPDライ氏、著者、モハンカ氏


現地指導では、小雨がぱらつく中、多数の農家のリーダーが参加し、様々な情報の交換があり、塩の活用等を含め、EMの生活化の重要性を説明した。大半が10~15年の経験者であり、新しい情報もすぐに消化できるレベルにあり、中核農家(指導農業士)のシステムも着実に機能している実態も理解することができた。


写真3  記念講演会


今後は、リゾート地域のごみ問題、雑排水対策、粗大有機物の炭化等々について、資源リサイクル的提案と、具体的指導を約束し、一連の行事を終了した。

10月5日の福島のフォーラムでは、シッキム州の全州有機農業化の指導者であり、功労者であるモハンカ氏の講演が楽しみである。


写真4  講演後の記念写真




写真5  ブータン代表一行
























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