第14回 中東でのEM活用の近況



 前回は農業省を中心に砂漠の生産緑地化と塩害対策にEMを活用し成功したエジプトについて述べましたが、エジプトの環境省も農業省に劣らずEMを積極的に活用しています。

エジプトの環境大臣(女性)と副大臣とアーマード局長
:エジプトの環境大臣(女性)と副大臣とアーマード局長

 環境省の局長であるDrアーマードはカイロ市の生ごみの有機肥料化やサダト市の都市廃水の浄化の実績から、環境問題全般にEMの活用を応用した10余年の成果について報告してくれました。化学物質を使わないEMは環境や健康に対する二次被害の発生の恐れが全くなく、持続的にEMを使うことが環境汚染を完全に防止し積極的に環境を浄化する力になると力説していました。そのため、日本でも行われているように各家庭のトイレ、台所、シャワー室はもとより、野菜の洗浄や洗濯や掃除等々あらゆる分野でEMを生活化するための研修会も積極的に
行っているとのことでした。


エジプトのEM工場
:エジプトのEM工場

 農業省ほどのスケールではありませんが環境省も独自のEM工場を持っており全国の都市にEM普及のためのネットワークも完成し環境と資源循環と健康問題を同時に解決する事を目的に具体的活動を積極的に進めています。


 中東・アフリカEM技術会議が終った次の日の7月1日に環境省主催の私のEM技術講演会が行われました。この講演会には大臣や副大臣はもとより、環境省の幹部や上級技術職員が参加し、活発な質疑が交わされましたが、その大半はEMのさらなる効果的な使い方と普及の効率的な方法に関するものでテレビや新聞、ラジオを今まで以上に積極的に活用すべきという意見も出されました。


 そのようなことから、エジプトを出発する7月3日に中東最大のテレビ局から、EMの特集を組むための長時間の取材を受けることになりました。その結果、担当のキャスターはすっかりEMファンになりこれからいろいろな機会にテレビでEMのスポット番組をニュース的に流したいということになりました。


環境省でのEM講演会
:環境省でのEM講演会

 アラブ語の通訳を担当したDrハーネムは日本留学中に下宿していた家族が大のEMファンで徹底したEM生活をしていたため、EMのことをよく知っていました。

 後日、今回の会議で事の重要性を認識したDrハーネムは所属するカイロ大学日本語学科に提案し、私の「地球を救う大変革」シリーズを日本語のテキストに使うことが確定した旨を伝えてきました。



 その他、EMXゴールドの医学分野への応用についても、カイロ大学医学部をはじめ多くの医療関係者から協力の申し入れがありました。北朝鮮はEM医学を国家レベルで進めており、すでに期待すべきレベルに達しており、エジプトは、その情報を自由に取れる国であることも紹介し交流を深めるようにアドバイスしました。


 アレキサンドリアに隣接するマリオット湖はカイロ市をはじめ、ナイル川の水が利用され尽し汚染した水が水源となっているため世界で最も汚染のひどい湖として有名です。 マリオット湖の浄化については、これまで様々な対策がとられていますが全く無力で、EMに期待が寄せられていました。今回の私の講演会で1週間に600トンのEMを培養するシステムを見せられた環境省の幹部はこのシステムならマリオット湖をきれいにし、砂漠の水資源化も可能ではないかという質問をしてくれました。答は「もちろんです」ということになりましたが、農業省はナイル川の源流のアスワンハイダムをEMで浄化することを具体的に検討することになりましたのでエジプトにおける両省のビッグプロジェクトはEMを世界に再認識させる大きなチャンスになるものと期待しています。



 その他EMの中東への広がり


 サウジアラビア、アラブ首長国連邦、リビア、オマーン等々EMの普及はエジプトを核に広がっていますが、イラクに対する要望が多数、寄せられています。その方々に対しEM研究機構で費用を持ちますから貴方が行ってくれますかという話をすると100%ノー(NO)なのです。EM研究機構は民間のEM普及機関であり、多額の税金を払った上に、その余力をすべて国内外のEMの普及に活用しており、政府機関ではありませんが、国際貢献という観点から考えるとJICAよりもはるかに大きいものと自負しています。


シリアのアルアナム代表(右)
:シリアのアルアナム代表(右)

 イラクに関しても汚水の浄化や衛生対策や健康保持に対する情報提供など積極的に協力していますが、政府レベルの話でない限り直接タッチすることは遠慮することにしています。


 現在、イラクにはすでにシリアを通しEMが入っています。シリアはエジプトに次いで中東のEM大国になりつつあります。シリアのEMの窓口は大統領や政府要人に極めて近い大実業家でシリアはもとより、隣接するヨルダン、イラク、レバノンを含めて砂漠の生産緑地化や塩害対策、医療、建築等々EM技術のあらゆる応用にチャレンジしており、大学をはじめ政府や多くの研究所とも着実に連携しています。


 システム的にはすでにエジプトを越えていますのでシリアの周辺国は当面はシリアに任せたいと考えています。



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