第129回 EM重力子(グラビトン)農法を支える炭化技術



 これまでも本シリーズで度々紹介したが、EMの本質的な機能は、光合成細菌の持つエネルギー伝達系が極めて超効高度のヘリカル構造に由来するものである。すなわち、そのような仕組みがスーパーコンダクターのように機能し、重力波を整流し、量子うなり(コヒーレント)を作り、そのエネルギーが量子状態を持続することによって、様々な奇跡的現象に関与しているということである。
 関先生は、嫌気的な微生物の中には、重力子を持っているものがあり、それらの微生物が重力波を発するため、原子転換はもとより、従来の科学では説明できない様々な現象が起こると説明されている。
 私も当初は、そのような理解からEMの機能を説明してきたが、よくよく考えると、重力波は、宇宙万物を支えているエネルギーである。このようなエネルギーを微生物が発するとなると、宇宙全体に微生物(重力子を持った)がくまなく存在していないと理論的に大きな矛盾を抱えることになる。
 EMの整流力の強化を進めている間に、結果論的に、EMは重力波を発しているのでなく、その重力子が超伝導的に機能し、重力波を整流し、活用しているという結論に達したのが、後述する比嘉セオリーである。
 すなわち、光は粒子であり、同時に波であるという重ね構造となっており、両者を同時に測定することは不可能な量子状態となっており、存在物はすべてその量子状態から始まっているのである。比嘉セオリーの左右の端にあるコヒーレント(量子うなり)とエンタングルメント(量子もつれ)は、量子力学の基本となるものであるが、その応用は、放射能の消滅、塩の原子転換による肥料化、省エネ、有害物質の無害化、電磁波対策、医療健康、各種の災害や鳥獣対策にも幅広く活用され、検証可能な再現性を有している。
 去った3月22ー23日、EM農法を究極的に進化させたEM重力子農法に関する第2回の生産者交流会が催されたが、これまでの総括と今後の方向性が以下のように示された。


農の本質に反している現代の農業
 農とは広い意味では農林水産すなわち、一次産業全般のことである。農の本質は太陽エネルギーを中心に、環境中に存在するエネルギーを物質化する過程に生じる様々な理を通して人間の願望を正しくかなえてくれる力ともいえるが、そのすべては自然力の応用次第である。
 先ず、その願望の第1は農業で経済的に楽々と豊かになりたいであり、第2に農業を通し生産者の健康と、その生産物を活用する消費者の健康が守られ、様々なメリットを与えたいとなり、更には、生態系を豊かにし、生物多様性を積極的に守り、人類の食糧問題やエネルギー問題はもとより、地球の温暖化や環境問題の本質的(循環的)解決を図りたいということになる。
 これが現実化すると、農業は、この世で最も尊い仕事であり、尊敬され、選ばれし職業ということになる。したがって「農は国の基なるぞ」ということになる。 が、しかし、現実の農は最も反自然的である。巨大な森林を消滅させ、大型機械でエネルギーを多用し、膨大な表土を流出させ、化学肥料で土壌を荒廃化して地球規模での砂漠化を拡大し、合法的に多量の毒薬を散布して環境の破壊や汚染を加速しており、その結果として、生態系や生物多様性を悲劇的な状況に追い込んでいる。
 そのような窮地の打解のため、様々な遺伝子組み換えの研究が進められているが、その行き着き先は、更なる農地の荒廃と遺伝子汚染である。この一連の流れは、人口増大による食料問題と悪しき資本主義の原理が合体した構造的なものとなっており、人類を滅亡させる元凶となり始めている。
 人口増大や経済活動の活発化や化学物質や電磁波まみれの現今のライフスタイルは、地球温暖化と同時に、海洋の酸性化と水圏の生態系や生物多様性の破壊と直結しており、人類の未来は、はなはだ悲観的である。いずれも構造的なものであるが、その根本的な解決は、自然の理、すなわち「善循環」にかなった技術革新以外に選択肢はありえないのである。
具体的にいえば、汚染を放出しない技術の活用や汚染源を高度な浄化源にしたり、機能性の高い良質な資源として循環的に活用する技術を徹底して実行することである。
理工分野における自然エネルギーの活用や燃料電池、パワー半導体、発光ダイオード等々の外に触媒化学や粉体工学、超電導などの技術革新は、かなりのレベルで進行しつつあり、資源エネルギーの危機的な状況に対応できる見通しにあるが、農業における「構造的悪循環」は有史以来、変わることなく、人口増加の増大に伴なって加速的となり、何らかの技術革新も行われておらず、致命的なおいてけぼりとなり始めている。


自然力の根幹は、マイクロバイオーム(微生物叢(相))である
 歴史的にみると農業への鉄の活用は革命的な技術革新であり、現今の様々な農業機械や施設や化学肥料や農薬や遺伝子組み換えなどは、一見すると技術革新的と思われるが、厳しい見方をすると単に人力や畜力が機械や施設に変わり、堆肥等が化学肥料におき変わり、病害虫対策も農薬におき変わっただけである。遺伝子組み換えにいたっては、農業の自己矛盾を加速度的に拡大する最悪のものである。
 有史以来、農業は畑を耕し、肥料をやり、雑草を取り、病害虫を防除するというパターンを固定化し、自然力に属する分野をないがしろにしてきたため、迷路に入ってしまい、自己矛盾と悪循環を増幅し続けているのである。
それに対し、田畑の自然力を強化すると、窒素固定菌やリン溶解菌等々の合成能力の高い微生物叢(相)が形成されると土は膨軟になり、表土は流出せず、ミミズ等が増え耕起は不要となる。その上、病害虫は全く発生せず、連作も可能性となり、雑草対策も容易となる。
この件については、著書「微生物の農業利用と環境保全」(農文協1991.現在電子化)で詳しく述べたが、その中の有用な微生物群とはEMのことである。
 それから20余年、メタゲノム分析法の進化によって、人間の健康はもとより、自然の健全度は、すべてマイクロバイオームの水準によって決まることが明確となってきた。
 結論的なことを言えば、善玉菌の種類が多く、その密度が高いと、すべてが健全になるということであるが、現在のところ、安全性が確認され、すべての場においてマイクロバイオームを安価で望ましい状況に誘導し維持できる実用技術は、EM以外には存在しないと言っても過言ではない。  EMは、光合成細菌を中心に乳酸菌や酵母等々の善玉菌の複合体で糖蜜や米ヌカ等々を基質とし、密閉容器(ペットボトル、プラスチック容器等)に入れ、時々ガス抜きすれば、子供でも簡単に1000ー10000倍くらいの活性液を作ることが出来、コストはあって無きが如くである。


EMの効果
  1. EM活性液を土壌に施用し続けると、もともと土壌中に存在していた有用な微生物(善玉菌)も活性化され腐敗性の微生物(悪玉菌)は極端に少なくなり、微生物の種類も数も土壌全層に著しく増大する。
  2. EM施用によって形成された発酵合成型土壌では、有機物の利用効率が著しく増大する。また、光合成を含め、土壌中での有機物合成機能も高まるため、土壌の腐植の量が年々増大し、ミミズも大量に発生する。
  3. そのため土壌は年々深くなり、透水性もよくなり、表土の流亡もなくなり肥沃となり、不耕起栽培が容易となる。同時に地下水も豊かになる。
  4. 放射性物質の著しい低減と吸収抑制効果に加え、土壌中の有害な重金属(カドミ、水銀、砒素、鉛等々)を完全に不活性化され、植物に吸収されないようになる。
    また、ダイオキシンをはじめ、残留農薬や油脂を含む有害な化学物質を完全に分解または無害化する。
  5. EMは、畜産や水産で広く応用され、抗生物質を全く必要としない飼育や養殖も大規模なスケールで実用化済みである。今や抗生物質汚染は、深刻な健康問題となり始めている。
  6. EM活性液を100ー500倍程度にうすめて散布すると空中のウイルスを5ー10秒で完全に不活化することが出来、インフルエンザ、口蹄疫、トリインフルエンザ対策に著効を呈し、実用技術として普及し始めている。
  7. 家畜の糞尿、人糞尿、食品加工廃棄物、林業廃棄物を含むあらゆる有機物を数日から、数週間で有機肥料化することが可能である。また、土壌表面にそれらの資材を敷き、EMを散布するのみで、畑地の表面で極めて短期間(1ー2週間)で堆肥化することができ、マイクロバイオームが著しく改善される。
  8. いかなる病害虫も、良質のEM活性液の原液ー20倍液の連続的な散布で完全に抑えることが可能となる。
  9. 海水で培養したEMは、除草剤的活用が可能であり、同時にとミネラル補給源となるばかりでなく、20倍くらいに希釈し葉面に散布すると更に強力な病害虫抑制効果があり、農薬は全く不要となる。また土壌に施用するとマイクロバイオームも限界突破的に増大するため、有機物の自然循環のみで肥料は殆ど不要となり、気象災害にも強くなる。
  10. EMには著しい鮮度保持効果があり、使用方法を工夫するとポストハーベストも全く不要である。
  11. 山林や水圏のマイクロバイオームをEMで改善すると光合成能力を著しく高めるばかりでなく、生態系や生物多様性が豊かになる。地球温暖化対策や世界中に広がった低線量放射能汚染や化学物質の汚染対策を考える場合、あらゆる場においてEMを空気や水の如く使うべきである。


 今やEM技術は一次産業のみならず、各種の汚染対策や福島における放射能汚染対策はもとより、土木建築、湖沼や河川、海の浄化、電磁波対策、省エネ技術(整流力の応用)医学分野、各種材料の機能性向等々に活用されるようになってきた。
 常識的に考えると、いかにいいものでも長い間使い続けると必ず問題が発生するという懸念はつきものである。EMが実用化され30余年、いかなる大量散布や長期使用においても、このような不都合な真実は発生しておらず善循環的な持続可能な状況が続いている。すなわちエントロピーが増大しないどころか逆エントロピー減少、すなわちシントロピー(蘇生力)のレベルが強化されるという現実がある。
 人間の健康被害や地球環境の破壊は、すべて汚染源の水準(エントローピーの増大)によって引き起こされていることを考えれば、医食農同源をより高め、より確かなものにするためにはEM技術の活用に徹するべきである。


EM重力子(グラビトン)農業に向けて
 福島の放射能対策をより効果的に推進するために様々な検証を行った結果、EMの機能は多様な原子転換に関与することが明らかとなってきた。これまでもEMのスーパーパワーは関先生の説を踏まえ、嫌気的な微生物が発生する重力波によるものと述べたが、既述のように、宇宙のすべてのエネルギー源である重力波を特定の微生物が発しているという矛盾が生じるのである。
 これまでEMの万能性について様々な実用例を提示し、既述の11項目のような結論に達したが、それらの結果を踏まえ理論的に整合性がとれ、矛盾のない説明が可能となったのである。この説は、2016年10月名古屋大学とMIT(マサチューセッツ工科大学)等の共催で行われたユニバーサルビレッジ国際会議ではじめて「比嘉セオリー」として紹介されたものである。このセオリーは、2017年の9月に共著「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)の51頁に比嘉セオリーの概念として一般公開され、本誌でも既に紹介されたものであるが、このセオリーの最も重要な部分は、量子力学の根幹部分であるエンタングルメント(量子もつれ)とコヒーレント(量子うなり)をすでに実用化していることである。


 すなわち、既に実用化しているEMのエネルギー整流力の応用による結界(エネルギーフィールド)の強化と炭や塩の多様な機能の活用に帰結するものである。この技術は種々の誤解を生む懸念があるため、賛同者の会員限定としてスタートし、人類の直面するすべての難問解決に向け、共著「愛と微生物のすべて」の精神と哲学に徹し、普及する所存である。


EM重力子農法の基本的資材は塩と炭である
 塩は海水を基本とする。海水がない場合は、それに準ずる塩を投入するが、EMと併用し、塩害が発生しない処置をすれば、塩の量と品質や収量は、極めて高い相関を持っている。我が国では、どこでも3ー4万円で1トンの塩を入手することが可能であり、原料的に困ることはないが、ポイントは炭ということになる。

 炭については、ウェブエコピュアの第115回と第116回でも詳しく述べたが、その情報をもとに、福井県のUネット世話人である松井明彦氏は、海岸の漂着ゴミを無限的資源に変えたのである。すなわち、写真に示すような手順で炭を作り、海岸の美化や環境保全問題の根本的解決法と、EM重力子農法の主原料である炭の確保を実現したのである。EMの整流技術を使えば、プラスチック類を燃やしても煙は出ず完全燃焼するため、ダイオキシン等々の有害物質は全く発生せず、究極の漂着ゴミの資源化法でもある。
 この炭を調べると、塩分がEM重力子農法にとって望ましいレベル含まれており、その炭は農業のみならず、河川や湖沼や海の浄化にも顕著な効果を有するものである。松井さんは、25年以上も前からEMによる河川や海の浄化活動や自然農法に取り組んでいる地域のリーダーである。
 この成果は彼の民宿でもいかんなく発揮され、幅広くEM情報を発信し続けており、漂着ゴミの解決策も彼の長年に渡る使命感と責任感と経験のたまものである。この成果は、日本全国漂着ゴミで困っている地域の根本的な解決法に直結するものであり、同時に、EM重力子(グラビトン)農法の推進に多大に貢献するものである。







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