前3回(第114回-第116回)は、福島における実用レベルの放射能の消滅に対するEMの効果を述べたが、それらの現象は、本連載やウェブエコピュア等で説明した通りEMの原子転換力によるものである。 微生物による原子転換は、1960年代には既に明らかとなっているが、この説がエセ科学の代表的な事例となっているのは、再現性や、その応用が現実的でないためである。 当初は、EMの不思議な万能性について、従来の知見を踏まえ、抗酸化作用や非イオン化作用や三次元の整流機能によるものとの説明を行っていたが、放射能の消滅や塩分が肥料に変わる現実に直面すると、原子転換が起っているという以外の選択肢はないということになったのである。 科学や技術の本質は、再現性と安全性である。一流の国際誌に載った論文でも、再現性がなければエセであり、安全性が明確でなければ一般化することは不可能である。したがって、EMの原子転換力がエセ科学でないと証明するためには、再現性と安全性の実用化を示すことにある。前3回の連載で、放射能の消滅に対するEM技術の活用は再現性と安全性は確認され、すでに実用技術になっていることを明らかにした。 それでも承服できない、検証しないエセ科学者が無数におり、当方が多勢に無勢気味のため、放射能とは別に植物を中心に生物圏で起っている原子転換の応用例を示す必要がある。すなわち、これまで何回となく言及したように、塩をEMの力で原子転換し、肥料として活用する方法である。 ユニバーサルビレッジ国際会議での第1項目の目標は、化学肥料や農薬等の化学物質に依拠しない栽培法と農業資材の開発である。本件に関しては、正木博士は、比嘉博士の微生物による方法で解決が可能であると述べている。 人間や家畜の排泄物や農業や緑地の管理で発生する残渣をEM処理し、システム的に活用するだけでも現状維持は可能であるが、要は人口が90億や100億になった場合の対応である。 当方の答えは、これまでエジプトやパキスタン、中国等で広く活用されている塩害発生地におけるEMの原子転換的活用で十分に対応することが可能であるということである。(図1) 図1:中国吉林省でのアルカリ土壌修復試験 とは言え、常識的には、現実は図2のような国連大学ウェブマガジンの通り厳しい現実がある。 [https://ourworld.unu.edu/jp/](より引用転載) 図2:国連大学ウェブマガジン記 この解決には、コストを覚悟したうえで関連産業や流通を含めた根気強い取り組みが必要とされているが、多くの自己矛盾を増幅するため、根本的な答えには、なり得ないのである。 一般的な塩害のメカニズムは、
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