第113回 EMと畜産4



 前回は牛乳アレルギーの発生しないEM牛乳について述べたが、法定内の抗生物質を使い、EM飼育を行っている畜産の糞尿には、抗生物質は全く検出されないのである。この傾向は、一般の飼育から排泄される糞尿を、ていねいにEMで発酵処理すると、抗生物質の大半が検出されないことも明らかとなってきた。このような現実を考えると、行政は全国の堆肥舎にEM処理を義務付けるべきである。
 これまで、豚と牛乳についてEMの活用事例を紹介したが、環境や健康の問題等の根本的な解決に対応するためには、何らかの形で畜産全体にシステム的にEMを使うことを考える必要がある。
 肉や牛乳アレルギーに続いて問題となっているのが、卵アレルギーである。同時に、生卵を食する日本の食文化において、卵の衛生管理に多くの薬品が使われており、その結果、卵アレルギーは増え続けている。
 今回紹介する株式会社みやぎ農園は、この問題を完全に解決したばかりでなく、家畜の排泄物を飼育のプロセスで機能性の極めて高い有機肥料にし、その肥料の販売はもとより、その肥料を使い、多くの有機農業農家を育て、大手に販売する社会的システムを完成させているデベロッパーでもある。
 このような無投薬の畜産と、有機栽培等の耕種部門との確たる連動は、TPP対応はもとより、食の基本と健康と環境を守るために必要不可欠のもので、畜産の究極の姿である。






















































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