第100回 EM(有用微生物群)は人類の抱えるすべての問題を解決する力を持っている



 DNDの本シリーズ100回をむかえるに当って、EMの蘇生力、すなわち万能性についての再確認を行いたい。 DND大学発ベンチャー支援情報2015/10/7 http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151007.phpで今年のノーベル医学生理学賞の大村氏の受賞決定に関する私のメッセージが紹介された。長年にわたる微生物の応用研究と実用化にたずさわってきた者としての本音を述べたつもりである。


 その本音とは、「微生物は自然力の根元(源)とつながっており、人類の抱えるすべての問題を解決する力を持っています。今回の受賞は、その先駆けであり、日本から、この門戸が開かれたことは、歴史の必然だと思います。これを機会に、より多くの人々が微生物の力に関心を深め、より多くの分野で微生物の究極の応用が進展することを期待しています。」


 ここでポイントとなることは、自然力とは何かということである。自然力の定義は、人によって様々であり、最終的には、自然に学び自然に帰れとなり、自然即神という哲学や宗教もある。この背景から読みとれることは、人間がいかに反自然的な存在であり、人間は、自然に反する行動規範を持っているということである。改めて述べるまでもなく、人間の行動規範は「損得と勝ち負け」であり、有史以来、いかなる社会、政治、宗教体制でも、この原則は変わっておらず、貧困や差別や戦争等々の不幸を生み出す仕組みとなっている。
 それに対し、自然の理は「すべてのものに役割を与え、慈しみ育む」ものとして要約されるが、世の中は、人間の理と自然の理の二重規範になっており、更に宗教等々も加わり三重規範となり、各々の価値観が必ず衝突し、「更なる不幸を生み出す連鎖」を増幅させるようになっている。すなわち、人間の理に基づいたあらゆる進化は、自然の理で言えば、自滅の構造となっており、下克上の歴史を繰り返すのである。


 この構造的な問題の解決には、自然の理と合致させるということになるが、残念ながら「勝ち負けや損得」が無意味になるような技術的進化や思想的進化や社会的進化の方向性が見えないままである。それどころか、既成概念や既得権益はその進化を拒否する構造となっており、行き詰まるまでは変わることはなく、時々に革命や戦争が歴史の必然となる。


「すべてのものに役割を与え、慈しみ育む」という自然の理は、蘇生的進化と創造の仕組みを持っており、人間の感覚から言えば神的であり無限である。人間界の現在のレベルは、自然が何億何十億年もかけて蘇生的に創造した地球資源を「勝ち負けと競争と損得」という人間の理で破壊し、汚染を放出している姿であり、蘇生的、創造的技術は皆無である。


 確かに、燃料電池の技術を含め、様々な先端技術はあるにはあるが、自然の理からすれば省エネのレベルであり、真のクリエイティブ(創造)には、ほど遠いものである。では自然の理とは、どのようにして成立しているのだろうか。この仕組を解明することは、科学の役割ということになるが、この役割も「勝ち負けと損得」が前提となっており、この壁を突破することは容易ではない。


 EMを散布することで放射能が消えるということは事実であり、すでに実用段階に入っているが、これまでの放射能の専門家は、その事実を絶対に認めようとしないのである。それは、人間の理に立脚し、自然の理を理解していないからである。フランスのルイ・ケルブラン以降、自然の原子転換には、主として嫌気的な微生物が関与していることも明らかとなっており、地球に存在するあらゆる鉱物資源の成立に何らかの形で微生物が関与していることが続々と明らかになっている。


 近年のマイクロバイオーム(微生物相(叢))の研究は、人間の健康や環境のあり方や生物多様性もすべて微生物によって支配されていることを明らかにしており、EMの驚異的な成果は、このマイクロバイオームの制御の応用ということにつながっている。


 その蘇生の根元(源)をつきつめていくと、ある種の微生物は超電導と半導体的機能を持っており、電磁気抵抗ゼロという万能性を持っているものもある。


 それらの微生物の大半は、嫌気的性質が強く、地球に存在する放射能や電磁波や強烈な酸化物エネルギーを半導体または超電導的に整流し、有用なエネルギーに転換する性質を持っている。


 宇宙はクォークやニュートリノ、電子等々の素粒子のエネルギーで充満しており、すべての物質は中性子をベースとした陽子と電子で出来ているエネルギー体である。半導体と超電導の機能を持つ微生物は、それらの万物のエネルギーをネガティブからポジティブに整流しているのである。冒頭で「微生物は自然力の根元(源)とつながっている」と述べたのはそのためである。一般には微生物は物質循環の分解者と位置づけられているが、地球のエネルギーの取り込みや保存にも無限なる役割を持っているのである。


 もちろん、その逆の作用も持っている微生物も多数おり、強烈な酸化機能を持つ有害菌、すなわち悪玉菌のグループも自然界の役割を演じている。すなわち自然界は図1の下部に示されるように善玉菌と悪玉菌の綱引きのバランスの上に成り立っており、現状は悪玉菌が優勢である。その状況に対し、EMは人為的に善玉菌を強化し、絶対的なレベルに引き上げる力を持っていることは、これまで再三再四述べたとおりである。



(図1)


(図2)

 一般的に整流といえば図2のような概念になり、現今は、半導体やダイオードや超伝導の研究にしのぎを削っている。カーボンマイクロコイルやフラーレン、カーボンナノチューブ等の立体またはヘリカル(螺旋)構造物による整流機能が注目されているが、図3の光合成細菌も同じ原理で整流しているものと考えている。


(図3)

 一般的な崩壊のエネルギーの例は図4に示す通りである。このエネルギーを有用な微生物群が整流すると図5のような蘇生のエネルギーに転換されるのである。図6は、有用微生物による超伝導効果であるが、かなりのレベルで実用化が進んでいる。



(図4)


(図5)


(図6)

 また、この不思議な力の存在は、エネルギーが付与されている間は、その効果が消えないという特性がある。このような現象を考えると、微生物は関英男先生が述べているように重力波を出して、蘇生的な万能性を発揮しているものといえる。


 この新知見に基づく微生物の蘇生的、創造的な活用は、人間の理を無価値にし自然の理に合致させる手法となり得るものであり、その延長線上の究極は、人類の抱えるすべての問題を解決し得るという結論となる。



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