それは、人類の平和と社会の繁栄を心から願う世界的科学者が、あるいは世界有数の大学研究者らが、それぞれ研究の立場の違いはあれど共通した認識で、琉球大学名誉教授でEM(有用微生物群)の開発者である比嘉照夫氏の科学的根拠に基づく確かな理論と、世界150か国に普及しているその実践的な成功事例に共感と期待の声を寄せている。深刻の度を増すこの現代社会の現実に立ち向かう真摯な姿勢が共鳴するのだろう、と思う
DNDメルマガ編集長、出口俊一
◇ノーベル賞の大村先生がEM技術に言及
北里大学特別栄誉教授で、ノーベル生理学・医学賞の大村智先生が、昨年、「微生物のお蔭です」との受賞のコメントを出した。大村先生について、受賞時にわたしはこんなメルマガを配信した。
「微生物の力、微生物のおかげです」-ノーベル医学・生理学賞の大村智氏-
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151007.php
メルマガから大村先生のコメントを拾うと、微生物への感謝とともに比嘉教授の取り組み姿勢と同様の「世のために役に立つ」というある種の使命感が強く感じられた。
・「私の仕事は、微生物の力を借りただけのことで、私自身、えらいことを考えて難しいことをやったわけではない。すべて微生物がやってくれた仕事を提供させていただきながら、今日まできている。そういう意味でこのような賞を私がいただいていいのかなあ」
・「日本というのは、微生物をうまく使いこなしてきたという歴史があります。食糧にしても、農業生産にしても、われわれの先輩は、微生物の性質をよく知って、そして人のため、世の中のためという姿勢で役立ててきたという伝統があると思う」
・「もうひとつ、北里柴三郎先生、尊敬する科学者のひとりですが、ともかく科学者というのは人のためにやらなければだめだ、自分のためじゃなく、人のために尽くす、そうすることがとが大事なことなんだ。それは北里柴三郎先生の建学の精神でもあります。人のために少しでも、なんか役に立つことはないか、なんか役に立つことはないか、微生物の力を借りてなんかできないか、と絶えず考えているわけです。そういうことが今回の受賞につながったのではないか、と思います」
あらためて読み返すと、大村先生の心からほとばしるような鮮烈なコメントの数々に胸を打たれたのはわたしだけではないと思う。上記の内容の一部が、「微生物の力、微生物のおかげ」という格好で新聞の見出しになったのは記憶に新しい。
一流の学者は、物事を正しく捉えるものだ。そして、人のために尽くすという気高い志を持っていることがわかる。
それに比べてネットの裏で個人を批判する大学教員が数名存在する。山形大、大阪大、国立天文台、法政大などだ。
悪戯に事実を曲げてEMを貶めるような行為は、あまりにも恥ずかしい。
比嘉教授は、大村先生のノーベル医学賞決定を受けて
「微生物は自然力の根元とつながっており人類の抱えるすべての問題を解決する力を持っています。今回の受賞は、その先駆けであり、日本から、この門戸が開かれたことは、歴史の必然だと思います。これを機会に、より多くの人々が微生物の力に関心を深め、より多くの分野で微生物の究極の応用が進展することを期待しています」
とのメッセージを寄せていた。より多くの分野で微生物の究極の応用が進展することを期待する、との確信は、自らの応用研究の中でその手ごたえを感じていらっしゃるからだろうと、思った。
◇EM技術は、人類の知恵
つい最近、この夏のことだが、大村先生が上梓したのが『自然が答えを持っている』(潮出版)で、このタイトルはストックホルムでのノーベル賞受賞記念講演の時に使われた。 書籍の帯に「2億人の命を救った男を育んだものは、小さな自然あふれる故郷と愛する芸術だった」とあり、「ご自身の原点を綴った感動のエッセー集」と紹介している。
この本の中で、大村先生は、EM技術のことに触れている。
・「先般、書店で目に留まり買っておいた『微生物が文明を救う』(比嘉照夫・渡部昇一共著/クレスト社)を子供の頃の農業と今日の農業とを比較しながら、通勤の車中で一気に読み終えた」-と前置きして、
・「化学肥料や農薬に頼る現在の一般的な農業に対して、微生物を利用するEM技術を導入するというものだ。化学肥料に頼る農業は土壌を疲弊させ、田んぼに埋められた藁は容易に土壌化しない。EM技術とは、そのような土壌をEMによって改良することで食料を増産させる技術であり、また、もともとやせている土地を改善することも可能だ」と述べ、EM技術について、「食料を増産させる技術である」と喝破しているのだ。
その原理について、大村先生は、
・「我々が子供の頃は、このEM技術の原形とも言うべき堆肥作りを手伝った。山から木の葉をかき集め、藁を集めて下肥を撒き、微生物を繁殖させ(発酵させ)て作ったものだ。これを利用すれば、土壌を絶えず生きた形で使うことができる。この原理を応用し、いわば堆肥作りを効果的に行うために役立つ微生物を混ぜたものが、EMである」と説明する。
さらに、
・「化学肥料を作るには膨大なエネルギーを必要とする。そのことは巡りめぐって環境破壊の元凶にもなる」-と警告し、比嘉教授のことを指摘しながら、
・「一農学者によって、化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の知恵が歴史から抜け出し、再び役立とうとしているのである」と結んでいる。
◇微生物研究の権威、別府輝彦教授の「未知の可能性を秘める」
微生物に関する著作として、いま最も注目されているのが東大名誉教授で微生物研究の第一人者である別府輝彦氏著の『見えない巨人 微生物』(ベレ出版)だ。
別府先生は、その「はじめに」の項で、「微生物とは何か?」との基本的な質問をされて、「小さい生き物のことである」としか言い換えるしかなかった著者自身の苦い過去の経験から、この本を書く動機となったのは、動植物に比べてあまり知られていない微生物の姿を、二つの面から紹介したいと考えたからだ、というのだ。
その一つは、わたしたちの暮らしと微生物のかかわりがますます広く深くなっているということ。微生物はバイオテクノロジーの先端を切って、人間の役立つ新しいものを作り出し続けている、と説明し、インフルエンザやエボラなどの病原菌が次々に引き起こす感染症は、世界の人たちの健康を脅かし、地球規模の環境問題と微生物の切っても切れない関係がわかり始めているのだという。
もうひとつは、
微生物という生き物のこれまで知られていなかった驚異的な姿がいま急速に明らかになり始めているということだ。
そこで別府先生は、「単細胞」と悪口のタネにされた細菌が、互いに信号を使って会話しながら時に応じて高層建築のような集合体を作って暮らしている、というのだ。別の言い方をすれば、
小さいからこそ、集まれば巨大な能力を発揮し、地球上のほとんどあらゆる環境に適した膨大な種の中に「未知の可能性を秘め」、さらに、動植物から微生物同士の間まで、「信号のネットワークを張り巡らして地球生命圏を支えている」のが微生物の実態だという。凄いことだと思う。が、比嘉教授が、EMを開発してその万能ぶりを世界150ケ国で証明しているのはいうまでもないことだ。
◇実験室とは異なる挙動
わたしが、この本を読んで、「やはり!」と思わず声をもらした個所が、
「培養できる微生物でも、自然環境の中ではこれまで実験室で見ていたのとは異なる挙動をとることが明らかになりました」の一節だ。
つまり、過去、かなり前になるが、岡山県、広島県や福島県などが実施した水質浄化に関するEMの効果を調べる、といった実験の多くがフラスコやペットボトル内で行った1週間程度の安易な培養による実験だった。このような手法ではこと微生物に関してはその効果や挙動はわからないということだから、もはやこれらの実験結果は即刻取り消すのが見識というものだ。
中には、EM1という製品を1万倍に希釈して試したが、「効果はなくほとんど水と同じだった」という風にEMの効果を否定する実験すらある。1万倍に希釈するという根拠や理由が明らかにされていない。そもそも実験の方法に問題がある。
また役所というのは、まあ無責任で、効果が確認されているのに、「顕著な効果は」とわざわざ著しく明瞭なという意味の「顕著な効果はない」というのが常套句で、EMを否定するいくつかの実験結果の文言が、「顕著な効果」と奇妙にも統一されている。
第3者の検証を拒否するのは「ニセ科学」の証明だ、と的外れな批判を繰り返すのは、これもEM批判の手口だ。比嘉教授は、第3者の実験を拒否はしていない。やるのなら相談してください、と資材の提供を含めて協力する、と伝えている。それは実験があまりに杜撰で、EM排斥の意図が明白だからだ。
◇朝日新聞の暴挙
別府先生によると、実験室では微生物の働きが正しく捉えられないという指摘でもあろう。実際に、青森県の沖館川で1年間実施した河川に毎週2トンのEM活性液を投入してヘドロの増減をしらべた調査報告では、前期は調査対象の6か所全地点でヘドロが減少した。後期の実験でも6か所中4ケ所でヘドロが減った。増えた個所でも増減を繰り返し最終の調査でわずか1から3センチの増と、「誤差の範囲」というレベルであった。
EM投入でヘドロが減ったか、悪臭が消えたか、などを調べたのだ。朝日新聞青森版では、この報告書を確認もせずに「改善確認されず」と間違った報道をしたうえ、見出しで「EM菌効果疑問」と捻じ曲げた。EMがたとえば唯一、青森県の沖館川でしか使われていないのであれば、その川での実験によってEMの効果を評価するというのもあるだろうが、この30数年、我が国ばかりか世界150か国でEMが活用されているにも関わらず、それらのすべてを無視するというのはどういうことだろうか。新聞というメディアのやることではない。
後日、記者は、EM批判の急先鋒と言われる大学教員と”お友達“だったことも判明している。あろうことか、阪大教授、菊池誠氏ら大学教員らからコメントを集めて記事に加えていた。
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php
また、取材もしないで比嘉教授のコメントを「談話」の体裁にして“捏造”していたことが大きな問題となっている。
もうひとつの事例を紹介する。長崎県の成功事例である。長崎県の内海湾でEMダンゴによる水質と底質浄化効果の確認を目的とした環境調査で、「消滅していたアマモ(水質のよい所に出る藻類)について、EMだんご投入前と比較すると、消滅する前の状態に戻り大きく生長しているのが確認されており、EM菌が確実に底質を浄化していることが示された。」と報告している。
このように大自然の中でEMの水質実験を試みると、いずれも明瞭な効果が確認されていることがわかる。
http://www.doboku.pref.nagasaki.jp/keiji/gijutuhappyo/h16/ronbun/11.pdf
◇微生物の新しい姿
つまり、微生物に限っては、自然環境の中で「驚異の挙動」をみせることが明らかになったという点に括目すべきなのは当然だろう。
100℃を超える高温などの極限環境や、海洋や深部地下など地球のじゅうぶん探査されていない領域からも、たくさんの微生物がみつかってきており、わたしたちの惑星・地球と共生する、巨大な隠れたパートナーとしての微生物の新しい姿が、いま浮かび上がり始めているーと、計り知れない微生物の新たな可能性を示唆しているのだ。
◇MIT教授の卓見
今月上旬、「将来の都市・地域」の課題解決に向けた「第3回ユニバーサルビレッジ国際会議」が名古屋大学で開催された。この会議の提唱者で、米国のマサチューセッツ工科大学の教授で、ITRC(Intelligent Transportation Research Center)センター長である正木一郎氏が、その会議のオープニングに際して発表した内容は、衝撃的だった。
「All the global ecological problems facing the world problems related to nuclear energy and pollution of the soil,air, and water can be solved through effective application of microorganisms according to the “Dr,Higa’s Theory”.It is my hope that…」
正木教授は、比嘉教授の提唱するEM技術、“比嘉博士の理論”が深刻化する人類の課題を克服する、と強調した。次回は、正木教授のスピーチを中心に報告する。