その1:「ニセ科学」糾弾の急先鋒
「ニセ科学」というレッテルで、EM(有用微生物群)の環境活動が、膨大なデマ情報と誇張のツイッター・アビューズにさらされている。ツイッター・アビューズとは、ツイッターでの悪意のある誹謗・中傷のことを言うのだが、近年、ますますエスカレートして社会問題になっているのだ。陰湿でしかも悪意に満ちた投稿が連続する。それはもう集団的なイジメのようなものだ。このまま放置すれば人を死に追いやる危険すらあるのではないか。このようなツイッターによるEMイジメの実態を3年余りにわたって取材をしてきた。その現実を報告しようと思う。
◇攻撃ツールの「ニセ科学」
「ニセ科学」を口にして正義ぶってイジメに加担する学者や新聞は、「科学かぶれ」と思って信用しないことにしている。「ニセ科学」を糾弾するグループがネットの表や裏で、ひねた薄笑いを浮かべながらEM叩きに狂奔する姿が見え隠れしているからだ。
その急先鋒が、大阪大学教授の菊池誠氏だという。長髪でロックな風貌が自慢らしい。彼によると、「ニセ科学」は、怪しさいっぱいで恐ろしく極めて危険で、無差別殺人事件を起こしたオウム真理教のようで、その例が「EM」で、開発者で琉球大名誉教授の比嘉照夫氏は、「どんどん暴走する」許しがたい存在となるらしい。
EMや比嘉氏のことは、僕はよく知っているから、そのどこが危険なのか、どうしてこれほどの攻撃をうけるのか、まったく理解ができない。なにか、問題を起こしただろうか。なんにもないのである。そんなに疑うのなら現場にきて確認すればよい。
「ニセ科学」を論じるのは結構だ。それが全うな研究というのなら、おおいにやればいい。事実を確かめる、そこから始めてもらいたい。確認もせずに現場にもいかず高みから眺めるようにして、「ニセ科学だ」などと、科学の番人のような態度で気に食わないから懲らしめてやろう、というのはいただけない。それこそ、「ニセ科学者」だ。僕からいわせれば、「科学者のようにみせかけているけれど、科学者ではないものがニセ科学者、その発言の多くには根拠がない」となる。集団でイジメに加わる「ニセ科学者」は、それこそ許しがたい存在となる。
◇菊池誠氏の言葉のトリック
菊池氏は、2013年7月5日付の東奥日報夕刊1面のインタビューで、EMについてこんな発言をしていた。新聞でも容赦なく、危険を煽るのだ。
記 者-「なぜ、ニセ科学糾弾の急先鋒に?」
菊池氏-「オウム真理教の地下鉄サリン事件に衝撃を受けたのがきっかけ。科学のように見せかけているけれど科学ではないものが、ニセ科学です」
記 者-「どんな例が?」
菊池氏-「琉球大の先生が言い出したEM菌はとても深刻なニセ科学です(略)」
う-む、菊池氏は、言葉の天才かもしれない。オウム真理教の地下鉄サリン事件のあとに深刻なニセ科学の例としてEMを取り上げれば、知らない読者は、EMはオウム真理教のように怪しげで危険なものと勘違いしてしまうではないか。それを意図しての発言としたら、卑劣すぎる。
地下鉄サリン事件、20年の節目を迎えてこの3月には日本記者クラブで、オウム真理教事件にかかわった専門家が連続のシンポジュームを開いた。僕も参加したが、教団内で新聞では語られない凄惨な事実がいくつも報告されていた。未曽有の無差別殺人事件を起こしたオウム真理教と、善意のボランティア活動を主体としたEMを同列に扱うというのは、どういう神経なのか。EMが危険な団体であるかのような悪評をふりまくためにオウム真理教事件を「ニセ科学」の枕詞として持ち出したのだろう。性質の悪いトリックだ。
地下鉄サリン事件で犠牲になった方々への冒涜にもなろう。その「ニセ科学」とやらで、どんな被害が起こったのか。菊池氏はその説明責任がある。ご自身が問題にする、ワンフレーズポリティクスにも通じるというのはこの「ニセ科学」という表現にこそあてはまるのではないか。天に唾するようなものだ。
菊池氏の参加したシンポジュームのグループが、ツイッターでそれも連日、EMを攻撃している。一見、個別にみえるツイッター上のつぶやきが、実は裏で計画的に練られた集団的なイジメの様相を呈しているのだ。
◇信ぴょう性が疑わしい「福島民友」
菊池氏が講演会でなどでEMを話題にすると、「大変危険、極めて、危険」と言って不安を煽る。繰り返すが、しかし、それでどんな被害や問題があったのか、という肝心のところには触れない。「かもしれない」と尻切れトンボなのだ。
有用微生物群のEMについては、僕自身が生活の中で使っている。自分で培養しながら庭木の手入れ、葡萄や野菜の栽培、トイレやお風呂の清掃などに役立てているが、その効果に何ら疑問を挟む余地はない。効果がないと思うなら、使わなければいいだけの話だ。商品ってそういうものではないか。おかしな商品なら淘汰されるのは時間の問題、使っていいから購入するのだ。それを騙されているとか、きれいになる根拠って? 使ってもいないのにそんなことをいう方がおかしい。安全なEMでプールがきれいになる、というのだから、塩素剤を使うよりそのほうが安心に決まってる。掃除をする児童、生徒にも安全だ。
菊池氏はEMの河川への投入に触れ、「これには全く検証がないのは驚くべきことだ。改善する理由もなければ改善が見られた例もほぼない」としてその効果を頭ごなしに否定する。
が、調べるとすぐに、EMには河川が改善したという成果報告や論文の類の根拠はたくさんある。検証した報告書も存在する。逆に、菊池氏が騒ぐような「EMで河川が汚れた」という事例は見つからないのだ。
どこの川がEM投入で汚れたのか、悪臭が増えたのか、そこまでいうのなら菊池氏はその現実を指摘しないと、菊池氏ご自身が「ニセ科学者」になってしまうのではないか。あるのなら具体的な河川の名前を挙げて問題にすべきだ。
菊池氏は、河川が改善しないという根拠に、福島県が県の初の見解として発表した、という福島民友の2008年の記事を持ち出している。この記事のどこを見たのだろうか。ネット上の風評に頼ってはいけない。
菊池氏が根拠にしている福島県が発表というのは、それは事実ではない。新聞が書くからそれを真実と鵜呑みにするような安易な科学者じゃないと思うが、よく調べるとこれは作り話のようなもの。朝日新聞の吉田調書にみる世論誘導の典型なのだ。
福島県当局が議会で、亀岡義尚議員の質問に「見解でもない」と記事を否定している。見解でもなければ発表でもない。福島民友の報道については、県会議員、県庁職員、県環境センター、講習会の参加者、それに福島民友の報道部長らに取材した。
その結果、わかったことは、「発表」の席に記者はおらず見解を示す報道資料もなかった。発表じゃないのだから記者がいるはずがない。記事は、福島民友が独自ネタとして書いたにすぎない。全国紙の他社は一行も触れていないのだ。記者クラブに確認しても発表という形跡はなかった。
問題は、『EM菌投入河川の汚濁源』という見出しにある。記事の中に、EMを投入したら汚濁源になる、という明確な論拠がみあたらないからである。福島民友の報道部長に、EMを河川に投入すると汚濁源になる、という見解を発表した、という記事の内容について、記事の中に「汚濁源になる、という見出しを裏付ける事実関係は?」と質した。
僕の取材に対応した部長は、「いや、この見出しは、県の担当者の発言です。ほら、だから見出しに二重の『 』がつけてあるじゃないですか」という。県の担当者が語ったという話で、汚濁源になるという根拠はなかった。その部長に、これは作文のような記事ですね、と指摘した。部長は、「取材には確固たる自信がある」などとお決まりの文言を並べていた。
「汚濁源」というのも、これもあくまで推測なのだ。資料というのは、講習会に参加した人向けの質問に対する答えを「QA」でまとめたもの。
Q5は、「河川などに投入した微生物資材はどうなるか?」
そのアンサーとして、まず、「微生物資材の投入で在来の微生物と競合して微生物の増殖が一時的に活発になり、その過程で水の浄化効率が高まると考えられる」と、微生物の投入が河川浄化のメカニズムによい効果をもたらすことを指摘しているのだ。川の生態はそういうものだ。EMによって悪臭が消え、アユや鮭が戻ってきた、というニュースが相次いでいるのはそのためだろう。
このQAの奇妙なところは、微生物資材で水の浄化効率が高まると言っておきながら、おしまいのところで、「河川などにとって汚濁源になってしまうと考える方が、素直な考え方です」という。素直かどうか、それは誰の考えなのかの明示もない。つまり推測なのだ。微生物が河川浄化のメカニズムでよい働きをする、というのは科学的にみて事実だろう。
そもそもこれはどうみても発表資料といえるものでもない。実験もペットボトルでのお粗末なものだった。福島民友の報道部長とのやり取りは、この連載で後日、詳細に報告する。
さて。「ニセ科学」は危険で恐ろしい、と菊池氏は言うが、こういう福島民友のデマ情報が一方的に拡散されることのほうが、危険で恐ろしい。
◇「汚濁源」の記事を乱用
福島民友の記事をEM批判の根拠に何度も乱用しているのは、朝日新聞のウェブ論座などに寄稿したフリーのライター、片瀬久美子氏だ。最近は、菊池氏のお株を奪ってEM批判の急先鋒の座に君臨しはじめている。
また毎日新聞の元科学部長で水と緑の地球環境本部長の斗ケ沢秀俊氏もその一人だ。
斗ケ沢氏は、国会内に設立された超党派の議員組織「有用微生物利活用推進議員連盟」会長の野田毅代議士あてにEM批判のメールを送った。「科学的に効果が検証されていない」と言い、「企業の商品であるEMの宣伝を国会議員がするのはよくない」という内容だ。その根拠として使ったのがこの福島民友の記事だ。
しかし、ネットから拝借するのは間違いの元だ。それも他紙の記事を確認もしないで流用するその姿勢が情けない。常識で考えても議員連盟が商品の宣伝をするわけがない。そういう事実はどこにもないのだ。
さらに酷いことに斗ケ沢氏はEMの活動を記事にしないことを編集局長に提言した、とこれまたツイッターで流した。毎日新聞がそういう方針だとは思わないが、ツイッターをみたフォロワーに不信と誤解を与えてしまうことになる。
新聞社は報道の自由を尊重する。取材をして事実を報道するのが新聞社の使命だ。記事を書かないというのは自殺行為である。毎日新聞の伝統と矜持が揺らぐではないか。彼は、続けて佐賀県内の市長にも同様のメールを送った。それらのやりとりをこまめにツイートするのだから、それらはEM側への妨害のなにものでもない。
ある代議士が国会の環境委員会で質問に立った。その時にも福島民友の記事が使われた。代議士は次の選挙で落選したが、追及の場面はYouTubeで広まった。福島民友がどのように悪用されたか、引用が長くなったが、菊池氏もその一人なのだ。
◇みんなで拡散、連続攻撃の毒矢
「EMは汚濁源」とみんなで言いふらし、ツイッターで拡散する。1万人を超えるフォロワーを抱えるインフルエンサーが、繰り返しリツイートするのだからその影響はたちまち数百万ものポテンシャルリーチを生むわけだ。ネットは、熱を帯びてエスカレートし、そのまま連続的に追撃の手をゆるめることはしない。
危険で恐ろしいのは、「ニセ科学」というオレンジの服を身にまとわせ目隠しのまま凄まじい数のツイッターという毒矢を浴びせかけることではないか。
(次回に続く)
関連記事:
EMによる河川浄化のしくみ:
http://www.emro.co.jp/em/science/water_disposal/
EMに関する学会発表・論文:
http://www.emro.co.jp/treatise/
日本橋川浄化活動:
http://www.chiyoda-suika.or.jp/cont2.html
世界に広がるEM技術:
http://emro.co.jp/service/overseas/index.html