◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2009/03/18 http://dndi.jp/

早春の花

 ・DND登録者1万人突破、プレゼント2題
 ☆世界遺産日光ツアーと「忘れえぬロシア」
 ・ジェトロの松下さんら3名にlucky賞 
 ・HVCの業界レポート「期待される新薬」
 ・連載は、黒川清氏、塩沢文朗氏の「おいしい話」。

DNDメディア局の出口です。南風にのって、うきうきと春の訪れ。各地の予 報に晴れマークが並んで初夏の汗ばむ陽気です。これで桜前線も一気に北上し てきそうです。が、浮かれてはいられません。猛威の花粉、それに黄砂、涙目 に鼻水ぐしゃり、息苦しい。外出にマスクは必需品です。


そして白い空は、薄汚れた灰色に霞んでいます。空気は乾燥し、強風も吹き 荒れます。火の元、とくに注意が必要です。この週末三連休は、逆にぐっと冷 え込んで天気は下り坂に向かうそうです。冬は確実に遠のいているのに、油断 禁物の変わりやすい気候です。どうぞ、体調にご留意ください。そんな訳で、 本日は、ちょっとひと息ついて閑話休題。


早春の花、クロッカスが黒い土から細い葉を伸ばし、その先に紫や白の花を つけ始めました。先週の休日に日光に住む父の庭から、さくら草の鉢と一緒に 持ち帰り自宅周辺に植え替えたら、このところの陽気で翌朝には一輪、可憐な 花を咲かせました。アヤメ科の球根植物とはいえ、その白い球根は小粒で、う っかり雑草と間違えて引き抜いてしまうから、気をつけないといけない、と父。 粗忽者の倅の、にわか庭いじりの不器用な指先を心底案じているらしい。


それをクロッカスと思いこんでいたら、どうもそれはサフランじゃないか、 と近所の人から疑義が寄せられ、ふ〜む、さて、どっち。考えあぐねていたと ころ、何気に開いた新幹線の車内誌「ひととき」、その随分前の巻頭にある、 ひろさちやさんの「車窓歳時記」を読むと、クロッカスの別名をハナサフラン といって、サフランと同じです、と記しているじゃありませんか。


春咲の鑑賞用をクロッカス、秋咲の薬用種をサフランと呼んで区別している そうです。サフランの雄しべの柱頭は、香料、調味料、薬用に使われ、一オン ス(約28グラム)のサフラン粉を集めるには、4000以上の花が必要で、15世紀 のイギリスでは同じ重さの黄金と等価で取引されていた、と書かれていました。 そして、作家、高橋治著の『くさぐさの花』の一文を引用し、「そうです。春 のクロッカスが処女で、秋のサフランが熟女だというのは、説得力があります ね」と、ひろさんは、高橋さんの豊富な想像力に感心し、納得のコメントして いるのです。そんな力をこちらは持ちあわせてはいません。ただ、ふ〜む、と 感心するばかりです。


その育て方となると、元肥には有機を与え、月に1〜2回、液体肥料を追肥 します。そして、夏は、葉が黄色くなったら球根を掘りあげて乾燥させ、秋の 植え付け時期まで冷暗所で保存する、という記述がガーデニングの本にでてい ました。いやあ、そんなに手間がかかるものですか、じわっと冷汗が出てきそ う、そこまでは無理かもしれませんねぇ。


しかし、土いじり、これがたまらなく楽しい。ここ1年、花を育てることに 生きがいを感じ始めているのです。先日は、鉢植えの桃の木を980円で買って きました。枝垂れ源平桃という名前で、品のある白と淡いピンクの桃の花が何 とも香しいのです。源平、その花の色が紅白の源平の旗の色を象徴している、 という謂われは、違和感があります。優美な桃源の幸せの風景じゃないか、と 思うのです。


不思議ですね。その道のベテランと長らく一緒に暮らし、園芸の実際をそば でみながら、それまで興味も関心も持たなかったのに、今頃になって一緒の作 業がなんとも至福の時間、お店に行くのも楽しみなのです。ゴルフに興じるよ り、いいかもしれないと思うようになっています。これは年齢のなせるわざ、 というのには少し抵抗がありますが…。


軍手に長靴姿で、ショベルで土を掘り返して腐葉土をふわっと表面を覆うよ うに撒いていると、白と茶のまだらの痩せカエルが、ひょっこり土の中から飛 びだしレンガの仕切りを越えて、のたのたと這いずりまわる姿が滑稽でした。 不機嫌だったかもしれませんね。ごめん、ごめん、こんなところにいるとは気 付かなかったから、冬眠中だったのですね。


◇                           ◇


さて、DNDユーザー登録1万人突破を祝ってのプレゼントのご案内です。


【日光世界遺産の旅賞】
 ご提供は、日光東照宮晃陽苑で、東照宮な ど世界遺産めぐりをセットにした1泊2日の日光ツアー1組2名様を無料でご招待 します。ツアーは4月の祝祭日前を除く平日(日曜宿泊含む)限定となること をご了承ください。朝日新聞別冊(17日付、be evening)で、「日本一の門を くぐる」アンケートでの堂々の1位が、日光東照宮陽明門でした。2位が浅草寺 雷門、3位が首里城守礼門―でした。どうぞ、早春の日光をお楽しみください。


【忘れえぬロシア賞】
 ご提供は毎日新聞社で、国立トレチャコフ美術館展「忘れえぬロシア」(開 催期間4月4日−6月7日)の鑑賞チケット10組20名様に無料でプレゼントします。 東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムの開館20周年を記念したビッグな企 画です。ロシア絵画の真髄、おおらかな庶民の笑いの風景、精緻なタッチの自 然描写、リアルな肖像画等、その傑作に魂を奪われてしまうことでしょう。な かでも気品あふれるクラムスコイの「忘れえぬ女」は、あっと息をのむこの展 覧会の象徴となるでしょう。モスクワの赤の広場近くにある、トレチャコフ美 術館は、何度か足を運んだ思い出の美術館です。素顔のロシアを堪能してくだ さい。それにしても19世紀後半の革命前夜、移動派と呼ばれた画家たちの詩情 豊かな感性と迫力のリアリズムは、いったいどこから醸成されたのでしょうか。


http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/index.html


【応募方法】メールで、名前、住所、郵便番号、希望を書いてお申し込みください。締め切りは、3月31日まで。info@dndi.jp


なお、記念のDNDユーザーの1万人突破。9999、10000、10001のluckyな登録 の方は、熊本県商工労働部のM氏、日本貿易振興機構産業技術部の松下麻衣さ ん、そして大和SMBCのUさんの3名と決まりました。皆様には、lucky賞として 国宝陽明門の図書カードをプレゼントします。おめでとうございました。この ところ、なぜかキャリア女性の登録者が激増しています。


松下さんからは、以下のようなコメントを戴いております。


「米英ベンチャー・中小企業の海外進出支援を担当しているジェトロの松下と 申します。1万人の登録達成、おめでとうございます。大学発ベンチャーへの 関心の高さと勢いを感じます。最近の景気不況のなかでも、今が市場参入のチ ャンスと確信し、海外市場に積極的に目を向けるベンチャー企業も少なくなく、我々もより一層サポートに力を注ぎたいと考えています。今こそ機動的なベンチャー企業が活躍出来る機会です。企業も支援者も頑張って参りましょう!」


うれしいメッセージです。こちら側も元気づけられます。今後とも皆様の活 発なご意見、ご要望をお待ちしています。どうぞ、よろしくお願いいたします。


【業界レポート】北海道ベンチャーキャピタルの松田一敬さんから届いた最新 のバイオベンチャーをめぐるレポートの第2弾が「期待される新薬(1)フェ ブキソスタット」。


〜米国FDAは、45年ぶりに痛風の新薬を承認しました。これは帝人ファーマ (現)が開発したもので、武田薬品が米国で承認にこぎつけました。この薬は20 08年4月、フランスのイプセンが欧州で承認を取得済み。米国ではこれに遅れ ること1年で承認。ところで、開発した本家の日本では再度フェーズIIIを帝人 ファーマが行っている状況で、承認の見通しは、さらに2年後になりそう〜と いう事実関係に触れて、「フェグキソスタットはいい薬との評判であるにもか かわらず、日本での承認が一番遅いことは問題。アステラス製薬が米国バイオ ベンチャーへの買収を価格競争から断念したことからも分かるように、各社は ネタ探しに必死になっています。すぐれた新薬候補の承認に日本で時間がかか っているようでは、製薬企業にとってもバイオベンチャーにとっても死活問題 です。今回の承認の遅れが厚生労働省の承認手続きにあるのか、申請者である 製薬企業にあるのかは分かりませんが、早急な改善は必須です」と論じていま す。わが国のバイオをめぐる象徴的な問題ですね。どうぞ、ご一読ください。


【連載】塩沢文朗さんの『原点回帰の旅』49回は、「身近にある美味しさの秘 密」です。そのひとつ、東京築地市場の場内での新鮮な魚のお買い物、うらや ましい話です。そして「おいしい水」。黒曜石の入った水ポット、それでおい しい水ができる、という話の真偽をご自身が実験に臨むのです。まあ、気楽の 読んでいい内容です。そこで、塩沢さんは、探究心旺盛で、「この水の構造の 問題は、科学者の間で100年以上に渡って論争が続けられているテーマなのだ そうです」と、その最新の研究にのめり込むのです。が、さて、その結末は…。


【学術の風】黒川清先生のコラムは、前回に引き続いて、グラフィックな構成 の「タヒチ−2」。紺碧の空、マリーンブルーの海に白い砂浜、いやあ、おだ やかな南国の美しい光景です。タヒチ、そそりますね。我がオフィスのスタッ フも「行ってみたいなあ」と感嘆の声が上がっていました。


コラムで先生は、「誰もが一度は行ってみたいと思う、太平洋の遥か彼方の 素敵なリゾートというイメージでしょう。特にTahiti諸島のBora-Bora島など、 新婚旅行の旅先としても人気がありますね。90年もの歴史のある太平洋科学会 議という由緒正しい学術会議でここに来られて幸せです」と説明し、「これか らもなかなか来る機会がないでしょうから、少しは珊瑚の海に入るとか、カ ヌーを漕いでみるだとか、自然を楽しまない手はないですね。そこで、ちょっ と時間を作って、タヒチ島を車で一周り…」と、まさに忙中閑あり、でした。


黒川先生といえば、このところの執筆活動には目を見張るものがあります。 朝日新聞のペーパーインペーパーのGlobeで、「世界と日本を考える」シリー ズ最新号では「なぜ東大からノーベル賞が出にくいか〜四行教授のぬるま湯の 罪」と題した、鋭い論説が掲載されました。四行教授とは、東京大学卒、東大 助手、東大助教授、東大教授−の四行しかない、という純粋培養の道を歩んだ 人のこと。日本の未来を憂う、黒川先生の心情が伝わってきます。


もう一点、ウェブサイトのJbpressで、Farewell to "Japan Missing"という タイトルの英文のコラムが以下からご覧になれます。これも刺激的です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/517


記憶を記録に!DNDメディア塾
http://dndi.jp/media/index.html

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