◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2009/02/18 http://dndi.jp/

IPOのジレンマ

 ・VEC版「ベンチャー白書」の新味
 ・岐路に立つバイオベンチャーのEXIT
 ・石黒憲彦氏の「マクドナルド化する社会」
 ・HVC松田一敬氏らの業界レポート発信へ
 ・お茶の水大の増田教授らの「知の市場」開講
 ・「中川氏の辞任とメディアに思う」

DNDメディア局の出口です。ベンチャーという名の特急で、死の谷の長いト ンネルを走り抜けると、そこはカリフォルニアのやわらなか風、まばゆい光が 燦々とふりそそぐ「ベンチャーの聖地iPO」、志高い仲間がいて莫大な資金で 夢の自己実現を適えるところ、と聞かされていました。が、そこで目にしたも のは、まるで様子が違っていました。暗いトンネルの中は、いくらスピードを 上げてもその出口の明りが見えてくるものではありませんでした。一度レール に乗ると、もう後戻りはできません。トンネルの入り口では、旗を振る大勢の 人が見送ってくれていました。が、思えば、彼らの表情は暗く沈んで冴えませ んでした。途中から知らない人も乗り込んで指図します。それでも、無理を承 知でやっとの思いで抜けてみると、そこは雪国というより、猛吹雪の波打ち際 でした。その海は、怪しい海賊がうごめいているそうです。何台もの列車が立 ち往生し、急襲されて脱線しているのも目に入ってきました。崖からの落石も 危ないらしい。しかし、気がつけば、そこにはすでに線路が消えているではあ りませんか。ここはどこなのでしょう、列車はほんとうに死の谷を越えてきた のでしょうか…。


う〜む。現在のIPOを取り巻く環境、その率直な印象を綴ると、こんな風に なってしまいました。これを「IPOのジレンマ」と呼ぶことにします。さて、 以下が本題です。


ベンチャーの"夢の金字塔"となっているIPO(新規株式公開)の成功モデル が、いまやそのインセンティブが薄れてIPO離れが加速し、そしてベンチャー への投資を手掛けるVC(ベンチャーキャピタル)でさえ、「IPOは曲がり角」 と見切って新たな戦略を模索し始めていることが、(財)ベンチャーエンター プライズセンター(VEC、松村博史理事長)が実施した緊急の動向調査などで 明らかになりました。  


この調査は、「2008年ベンチャービジネスの回顧と展望」と題し、昨年12月 に緊急に実施した大学発バイオベンチャー企業動向調査やベンチャーキャピタ ル投資動向調査などを柱に、JVR(NPO Japan Venture Research)などの各種 調査データなどをベースに幅広く議論を重ねて公表しました。VECによると、 いわばわが国初の「ベンチャー白書」で、昨年秋以降、急激に悪化する経済環 境における最新のベンチャー事情を反映している、という。


内容は、第1章から3章、それにデータ編の構成です。第1章の「回顧と展 望」では、ビジネス環境を概観し、そのベンチャービジネス全般の深刻な状況 をデータで浮き彫りにしています。例えば、2008年のIPOは49社で16年ぶりに 低迷し、公開企業の1社平均の調達額が36%減少し、VCの新規投資額、投資者 数のいずれも50%ダウン、さらに上場銘柄の初値が公募価格を割り込む企業が 6割近くに及び、このため、いったんは証券取引所から上場承認を得ながら上 場を見送った企業が3社あった、と、その深刻な実態に迫っています。


そこで報告書ではさらに突っ込んで、「もはやベンチャー企業にとって公開 のメリットより、公開費用や上場維持コストがかさんでしまう不都合な状況を 生んでしまっている」と実情を述べ、わが国の産業競争力を維持し経済の活性 化を牽引するベンチャー企業への資金供給が先細っていることを憂慮し、「ベ ンチャービジネスの成功モデルの見直しが必要」と、指摘しています。


大学発ベンチャーに関しては、2001年に出された大学発ベンチャー1000社計 画に触れて、創出された企業数は1773社(2007年度末調査)で順調に推移して いるものの、廃業に追い込まれる企業数が近年倍増傾向にある一方、新規の設 立にブレーキがかかり、このペースでいけば「廃業数が新規設立数を上回る」 事態が起こりうる、との厳しい見方をしています。さらに大学発ベンチャー企 業の上場23社のうちバイオ関連が16社を数え、添付の資料でその業績内容を示 しながら、「その経営状況は極めて深刻で上場後も資金調達で苦戦している」 という窮状を明らかにしています。この具体的処方について、IPOのタイミン グの変更・調整、あるいは「IPO以外に内外の大企業との連携を視野に入れた 対応も選択肢に入る」と、大学発ベンチャーの大企業とのアライアンスの重要 性に触れていました。


 余談ですが、バイオ先進の米国は、さらに深刻で2008年のバイオ企業の上場 は1件にとどまり、資金調達が前年比54%減少し、すでにバイオ企業5社が破産 申請に追い込まれている、という厳しい動向が伝えられています。


今年に入っての生命分野の投資銀行「バリル・アンド・カンパニー」が1月5 日に発表した年次リポートによると、米国のバイオテクノロジー関連の上場企 業350社のうち、約100社が2009年中に消滅する可能性がある、というショッキ ングなデータも伝えていました。その理由の多くは株価の下落で、そのため資 金不足、コスト削減による開発の中止や延期、さらに研究スタッフなど人材の 削減などの必要に迫られているのです。まあ、そうはいっても、オバマ大統領 の就任から1ケ月で70兆円を超える景気対策を決めたのですから、そのスピー ド感は、なによりうらやましい。


また、金融危機、景気後退という荒波は、企業の資金調達を支える市場の機 能をむしばんでいる(1月25日付朝日新聞1面)との記事によると、国内の上場 企業数が08年、30年ぶりに減少に転じ、08年末の上場企業数は1年間で73社減 って3869社となっていることを伝えていました。株式相場の低迷で新規上場が 落ち込んだうえ、倒産の急増が追い打ちをかけた、とその要因を分析していま した。倒産した上場企業は33社で、不動産、建設業がそのうち25社と大半を占 めていました。今年に入っても上場企業の倒産が相次いで、1月6件、2月2件 (2月16日現在)と、その数を増しています。


こういう現実を踏まえ、この12月に上旬にVECが緊急に実施した「バイオベ ンチャー企業の動向調査」(以下・バイオ企業調査、110社中、回答は26社) では、大学発バイオベンチャーのそのIPOの対応に微妙な変化が見てとれます。 IPOを凍結する、と判断しているバイオベンチャーが増えているのです。この 問いで、「IPOに向けて準備中」が8社(30.8%)、これに対して「IPOを現時 点で凍結」も8社(30.8%)と並びました。また「他社への売却」が4社(15.4 %)を数えていました。


これまで大学発ベンチャーの出口戦略をみると、バイオベンチャーにおいて はIPOを準備しているベンチャーは半数以上占める傾向にありました。それか ら推測すると、そのIPO準備の割合が著しく低下していることが数字に表れて います。


第1章第3節の「新たな対応の動き」の項では、IPO市場の低迷によって、世 界的なオープンイノベーションの流れでグローバルなアライアンス戦略を考え、 一般事業会社(コーポレート)もベンチャーとの連携やベンチャー投資に乗り 出している動きを指摘し、「生き残りをための懸命な取組み」と分析していま した。


この辺の動きをこの調査で見ると、今後の取り組みとしてアライアンス(業 務提携)を準備しているベンチャーは8割を超えました。内訳は、業務提携を 国内企業に向けて準備しているのが10社(38.5%)、同じく海外企業に向けて 準備しているのが13社(50%)と多く、海外志向が国内を上回っていました。


また、現在、海外企業と業務提携を実施しているのが3社、国内企業が16社 となっており、国内企業との提携を維持しながら、新たに海外企業とのアライ アンスにシフトするベンチャーの傾向がでています。


現在、海外企業のどこの国と組んでいるか−では、米国、スウェーデン、中 国、韓国を挙げ、これから準備している海外企業は、米国が6社、欧州が3社、 英国、インド、韓国、タイ、台湾がそれぞれ1社と多様化し、海外企業とのア ライアンスを準備していると回答しながら、海外の国の名前を挙げなかったの が4社ありました。アライアンス(業務提携)の目的を聞くと、最も多かった のが「技術・開発」の18社(69.2%)、次に「販売」の12社(46.2%)、そし て「資金調達」の9社(34.6%)で、「調査・研究」が3社(11.5%)と続きま した。


バイオベンチャーは、VCからの追加投資が受けられず、資金不足で事業停止 に追い込まれるケースが相次ぐ一方、複数のベンチャーが大手製薬企業とのラ イセンス契約に成功している事例も取り上げています。そのいくつかを抜粋し て紹介します。


【北海道大学発ベンチャーのバイオベンチャー「イーベック」とドイツのメガ ファーマ「ベイリンガー・インゲルハイム」とのアライアンス契約は、イーベ ックが創製した完全ヒト抗体の独占的な使用権を5500万ユーロで供給するとい う契約条件で、そのアライアンス戦略のなかでも08年の特筆すべき成功事例と 評価された。イーベックの創業は03年1月】


【日経バイオ年鑑によると、この他、エムズサイエンスが抗うつ薬をエーザイ に導出するオプション契約を結び、抗体ベンチャーのリブテックも協和発酵キ リンとの開発販売権を供与している】


【大学発ベンチャーの「カルナバイオサイエンス社」は、03年4月に神戸の ポートアイランドで業務を開始し、バイオベンチャー支援や研究成果の事業化 を促進する神戸医療産業都市構想の中核的施設「神戸バイオメディカル創造セ ンター」を拠点に、韓国、スイス、ウクライナ、米国、デンマーク、オランダ などの企業との提携や販売代理店の契約を積極的に進め、いち早く地方発のグ ローバル展開に先鞭をつけた。08年3月上場】。


【神奈川県にある聖マリアンナ医科大学発の「ナノエッグ」は、大学の「知」 の活用から生まれた新規DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)技術など先 端的な"Skin Science"のテクノロジーによって、皮膚の自己治癒力を高める 商品化に成功したバイオベンチャーで、06年4月に女性研究者らが創業。  初年度から安定した黒字経営なのは、その技術力に加え、いち早くエステ大 手のTBCグループとエステ分野の独占契約、その他江崎グリコや複数の製薬 メーカーなどあわせて約10社と共同研究体制を確立し、化粧品から飲料・食品、 それに製薬分野での技術開発や業務提携が奏功した。第1期は売上7000万円、0 8年の売上は10 億円規模を見込み、当然ながら09年には株式上場を視野に海外 とのアライアンスも視野に入っている】


また、この報告書の柱となる第3章の「日本のVC投資を取り巻く環境と課 題」によると、おおよその推測通り2008年3月末までの1年間の年間投資額は20 00億円台を下回る1933億円で、前年同月比で約33%減と大幅な減少という低調 ぶり。それ以降も、新規投資の減少が著しく響いているようです。また、種類 株式での投資が一般的な欧米に比べるとまだ少ないものの、前年調査の7.8% が約20%に急伸しており、「わが国でも着実に進んでいる」という分析もあり ました。


いくつか具体的な項目を拾ってみると、VCの投資低迷の要因として@IPO市 場の低迷A投資案件の減少B信用収縮の動きC減損会計基準の厳格化D投資収 益の悪化によるファンドレイズの影響などを指摘し、それぞれその要因を解説 しています。


VC投資動向にも変化が見られ、未公開株式評価基準の厳格化による減損会計 を回避する必要からアーリーステージへの投資からレイターステージの企業へ 投資対象がシフトし、VC各社のビジネスモデルが多角化している中でPE(プラ イベートエクイティ)化が進み、地方のVCは事業承継案件や再生案件を手掛け る動きがみられる。さらに、国内から海外指向の流れ、またVC各社でIPOマー ケットに左右されないEXITの手法を模索中だという。


またVC業界の取り組み状況として、@減損会計厳格化への対応A海外資金活 用税制の要望B東証プロ向け新市場への対応Cイノベーション創造機構(正式 名称:株式会社産業革新機構)への対応DVC投資動向データベース構築に向け た対応E年金基金からの資金導入―などに言及しています。


それらの詳細は、データ編とご一緒にVECのサイト並びにDNDサイトのトップ 「DNDiNN」の記事から発表資料にアクセスできます。以上。


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■連載は、経済産業省の石黒憲彦さん執筆の人気の『志本主義のススメ』は1 28回「マクドナルド化する社会」です。銀座にマクドナルド1号店がオープ ンしたのは1971年、石黒さんが中学2年で、当時、アメリカ文化の新鮮な息吹 を感じ取った、との邂逅から掘り起こし、リッツア氏著の同名の本の意図する ところを説明しています。そのポイントは「システムの持つ合理性と普遍性」 と断じ、あらゆる業種にそのマクドナルド化が広がる事例を紹介しながら、そ の影響が日本の産業に与えるに及んで、「この最近の流れを見てこのままでい いのか」と自問しているのです。そこで、ものづくりやサービスといったとこ ろのワンランクアップの「お値打ち感」をもたらすのもの背景や要因を導きだ しています。これは企業の社会的価値やそのあり方を示唆している、と読めば、 経営指南のコラムといるかもしれません。


■【HVC(北海道ベンチャーキャピタル)業界レポート発信】
 HVCグループの松田一敬代表らがまとめた業界レポートを定期的にお伝えす ることになりました。松田さんからは、「HVCは2000年の大学発ベンチ ャー第1号以来9年間にわたって、バイオベンチャーに関ってきた実績と社内 外の研究などで培った業界動向の先読み、将来が期待される製品群、求められ る開発の方向性や直近の統計データなどをまとめ、それを公表し、多くの大学 発ベンチャーや支援の方々のお役に立てばとの思いでHVC業界レポートをス タートします」とのメッセージをいただきました。どうぞ、ご期待下さい。


さて、注目の第1回は、「ファイザー社のワイス社買収を考える」で、最近 相次ぐ大手製薬企業のM&Aの動向を捉えています。松田さんによると、2008年、 アメリカではVCbackのIPOがなんとゼロ。時代はM&A、事業部門の売却といった 方向です。特許切れを控えた製薬大手がネタ探しに必死になっている現在、バ イオベンチャーにとっては大きなビジネスチャンスなので参考にしていただき たい、とそのレポートの趣旨を説明しています。どうぞ、ご意見やご感想もお 待ちしています。


■アンジェスMGの創業者、森下竜一さんのブログから。
 アンジェスが開発に協力しているバイカルが、新しいタイプの抗ガン剤アロ ベクチン7の治験に関する発表を伝えています。これが朗報なのは、アンジェ スが抗ガン剤のアロベクチンの権利を持っており、上市されれば日本、アジア に加え、米国、欧州ではその売上に対してのロイヤリティが派生するからです、 と森下さんは説明しています。さて、その期待される金額は?

DNDのベンチャー企業のニュースリリースを扱う、DNDiNNのコーナーをつぶ さに拝見すると、アンジェスMGのこのところの動きは、凄いものがあります。 どうぞ、そちらものぞいてください。 


■【知の市場←化学・生物総合管理の再教育講座】
 お茶の水女子大学教授でライフワールド・ウオッチセンターの増田優さんが 上記表題を社会活動の一環として展開してきた5年間の成果を総括し、3月2 日(月)午後、東京・学術総合センター一ツ橋記念講堂で、シンポジウムを開 催し基調報告を行います。詳細は、DND産学連携情報にアップしました。


その中で新年度の「知の市場」の開講が全国15拠点で72科目が予定され ています。当日は、感謝状の授与の後、連携拠点の東京工業大学社会人教育院、 早稲田大学規範科学総合研究所、製品評価技術基盤機構/主婦連合会、NEDO、 名古屋市立大学学びなおし支援センター、福山大学宮地茂記念館、明治大学リ バティアカデミー、農業生物資源研究所、物質・材料研究機構、産業医科大学、 労働科学研究所、産総研、食品薬品安全センター/主婦連合会、それにお茶の 水女子大学ライフワールドからそれぞれの取組の報告があります。


増田さんは、新型ビジネスモデルの「知の市場」http://www.chinoichiba.org/  を覗いて、「知恵の掘出物を見つけてください。そして2009年度の 受講者を募集していますので、ご友人、ご関係の方々への紹介大歓迎です。」 と話し、参加を呼びかけております。


◇       ◇           ◇


■【中川昭一財務・金融担当相の辞任とメディア攻撃に思う】
 いやあ、あの酩酊ぶりは、悲しいほど醜態をさらしてしまいました。憐憫の 情を禁じ得ません。それは、ご本人が反省している通りですから、観念してい るのですから、もうこの辺で許してあげられないものでしょうか。ひょっとし て、腰痛の薬、風邪の薬が多少のワインと長時間の時差で、意識がもうろうと なることだってまったく否定はできないのですから…。


金融危機への対応や経済再生に向けた取組の重圧は、衆参のネジレ、支持率 低下、党内の乱れと重なって、相当タフなものだったことでしょう。全力で突 っ切れば、その弱いところに不具合が生じます。彼にとってそれは酒だったの かもしれません。人間、それぞれ弱点はあるわけです。溺れる犬は石もて打 てーとは魯迅の言、しかし、それにしてもやりすぎじゃないか。何か甚大な過 失を及ぼしたのでしょうか、その集中砲火は、打ち首、市中引き回しの罪人扱 いのようで、悲しいほどです。


テレビは繰り返し、エンドレスであの会見録画を流し、鬼の首をとったみた いには騒ぎ立てています。新聞の談話にしても、憤慨した、嘆いた、失望をあ らわにした-と誇張した表現ばかりが目につきます。


酒を飲んで醜態をさらした-こんな分かりやすい不祥事はありません。わか り過ぎるくらい単純でした。経済回復の処方や、混迷の政局のなぞ解きなどの 難しいところは後回しにして、そのやさしいところを攻め立てる、というのは 受験競争で慣らされた、お粗末な教育のなれの果てでしょう。若い記者が、目 を点にして、政局の影響を伝えていました。そんなことわかりきっていること です。こんなの見せられては、やりきれませんね。


あの場面で同行の取り巻きが、なぜ彼を制止できなかったのか、記者会見で 記者たちはその言動の不確かさを指摘しなかったのは、なぜか。会見の前に、 どの時点か定かじゃありませんが、彼を囲んで記者たちはワインを飲んでいた、 というのが事実なら、その支払いはどうしたかはともかく、テレビや新聞記者 の慣れ合い関係とて問題です。気分よく、ワインを飲みかわす安易なムードで、 ほろ酔い気分のまま、気を許して記者会見に臨んだ、としたら、同行の記者ら にも責任がある、と思う。だからといって、中川氏の失態は、それは彼の責任 であることは、言うまでもありません。


玄関先で、中川氏の家人が、頑張れ!って声高く叫んで激励していました。 中川氏の胸中を最も知悉する、糟糠の妻が、どんな思いで声をからしていたの でしょう。大臣という職と責任、政治家の舞台裏、私たちは、その気が遠くな るくらい超多忙な日常に思いを巡らすべきかもしれません。僕は、党派を超え て、せめて一人ぐらい彼の擁護に回ってもバチはあたらない、と思っています。


                   DNDメディア局編集長 出口俊一


以上


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