◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2008/11/19 http://dndi.jp/

1億総メルマガ新時代

 〜Yahoo!検索5/180000000の衝撃度〜
 〜28日に東大で東アジアのイノベ政策を議論〜

DNDメディア局の出口です。「メールマガジン」をYahoo!で検索すると、 約180000000の結果が表示されます。凄い数字でしょう。ゼロがいくつも並ん で、下から1、10、100…ってお宝鑑定団のように声を出してゼロを目で追わな いと頭に入らないほどでした。が、検索で上位に表示されて初めてその存在が 認知されビジネスが成立する、というのがウェブ時代の定説。さて、その1億8 千万件の中の、上位にランクされるメガヒットには、どのようなサイトがある のか、ちょっとご興味ありませんか。なんと、そこに驚きの新事実が〜!


1位:麻生内閣メールマガジン 
2位:melma(サイバーエージェント社)
3位:まぐまぐ!メールマガジン3万誌
4位:shinobi.jpかわら版
5位:メールマガジン
6位:マイコミジャーナル(毎日コミュニケーション)
7位:パッ!とメール(KDDIグループ)
8位:Zineker Mail
9位:わかるとできるメールマガジン
10位:Macky!メールマガジン立ち読みスタンド(@nifty運営)


 上記の表は、本日のYahoo!で検索したページ1枚目のランキングです。 といってもトップは、麻生さんで、2位、3位のmelmaとまぐまぐ!といえば、 コンテンツの質や量ともにわが国最強のメールマガジンのポータルサイトで、 ウェブ関係に携わるエンジニアで知らない人はいない。4位のshinobi.jp、6位 のマイコミも若い世代を中心に人気がある。Macky!とて10位といっても侮れ るものではありません、niftyの運営だけにメジャーなサイトのひとつに数え られています。


そこで、なんの飾りもないごく普通のタイトルで、5位に入る「メールマガ ジン」って、なんだと思いますか?ここだけの内緒の話ですよ。内緒ったって、 メルマガで書いちゃ内緒もなにもないしょさあ。ねぇ。まあ、記者の間で、こ こだけの話とは、その日のうちにワーッと広まるってことの裏返しで、足腰は 軽いが、口も軽い。それはそれとして、実は、DNDメールマガジンが5位だった のです。


その事実を知るや、周辺は、「ウッソッ!」と目を丸くする人、「広告が入 るよ」と算盤をはじく人、「やっぱり、内容がいいからねぇ」と妙に納得して いる人、「長いからかなぁ」と余計な事を言う人、「えぇっ〜何かの間違いで はないの」といぶかる人、そして最も悪いのが、「何か裏でやりました?」と いう奴もいて、三者三様の反応で捉え方はまちまちでした。


何をやったか、というその彼の意味するところは、SEO(Search Engine Opt imization)と呼ぶ、検索エンジン最適化のことで、いわばサイトをキーワー ド検索結果で上位に表示させるためのテクニックのことです。テクニックとい うと語弊があるかなあ、制作技術といえばやや硬い、ふ〜む、逆戻りして最適 化となってしまうのでしょうか。


勿論、それに付随するいくつかの最適化は意識しております。しかし、1000 0人近い登録ユーザーにとってどうなのか、という要素を外さない、そして大 切なユーザーをビジネスのターゲットにしない、という姿勢ですね。


アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏がその著『Inside Steve's Brain』 で指摘した「being customer-centric」、顧客主義というところに行きつくの かもしれません。意図的に検索で上位に表示させる工夫は、それはそれで必要 なことで、否定するものではありません。


それでは、検索エンジンはどうやってランク付けしているのか。Yahoo!やGo ogleといった検索サイトが、アルゴリズムといわれるある種のルールに基づい て検索結果の表示にランクをつける、といわれています。その辺を朝日新聞夕 刊で連載の「ネットはいま」の第1部「さがす」によると、こうです。


「検索サイトのプログラムは、新しいページがないかとさがしながら、常に ネット空間の中を動き回っている。見つけたページは、コピーをとって保存。 そして後から調べやすいように、インデックス(索引)を作っておく。利用者 が検索語を入力すると、検索サイトはまず、この索引から関係のありそうな ページの一覧を引き出してくる。そして、重要な順番を並べ替えて結果を表示 する」。


そして、Googleの場合は、「ページに集まるリンクを他のページからの『投 票』と見て、重要度を加味する。重要度の高いページからリンクされれば、そ のページの重要度も上がる。『ページランク』という同社の基本技術だ」と解 説を加えていました。


この辺を、また『ヒット率が上がるホームページの作り方』などでは、ロボ ットがリンクをたどってウェブ上を巡回し情報を収集、そのデータをデータ ベースに収めるのだそうだ。そのため、キーワードにあった情報がちゃんとあ るか、継続的に運営されているか、情報は確かか、リンク先の質はどうかーな どが評価の基準になる、と指摘していました。


ロボットが自動的に処理しているのか、といえば、Yahoo!の検索は、全部が 自動化されているわけじゃないようです。04年までGoogleの技術を使っていた が、その重要性に気付いて独自開発の技術に切り替えた、というのだが、その ポイントは、「便利さと信頼性の向上」というYahoo!の検索事業部の岡本真さ んの言葉を「ネットはいま」の連載は伝えていました。


Yahoo!の検索結果の表示には、例えば「死にたい」と検索語を入力すると、 トップに表示されるのは「ためらわずに、助けを求めることが、何よりも大切 です」という文言と「いきる」のロゴの自殺予防のメッセージです。いやあ、 極めてヒューマニズムに溢れた「人の手」が関与していることがわかる。これ は素晴らしいことです。それが、「信頼」を掲げるYahooの「社会的取り組 み」の一環で、「人為的な介入を排除した正確で客観的な検索技術」をうたう Googleと際立った違いなのでしょうか。


そこで、なぜ、DNDメールマガジンが、melmaやまぐまぐ!と肩を並べるくら いのレベルにあるのか。そこを考えてみました。思えば、2002年10月から週1 回(水)の配信で、丸6年。先週は数えて300回の節目を迎えたところでした。


まず、コンテンツ。「大学発ベンチャー起業支援サイト」として一番早く大 学発ベンチャーをウェブで捉えた実績がある。「大学発ベンチャー」をYahoo! で検索すると、DND(デジタルニューディール)サイト480万件中1位、Google でも46万7000件中1位という結果で、大学発ベンチャー起業支援の部門ではそ れなりに認知されている、と自負しておりました。その背景には、常連の経済 産業省の石黒憲彦さんや前内閣特別顧問の黒川清氏のコラムなどイノベーショ ンやMOTに関する連載や特集もよく読まれていること、それが多くの識者らの 間で話題になっている、という点も挙げられるでしょう。


それにパワフルでコンスタントなメールマガジンは、「夢・志・仲間」を ベースに、役に立つ、徳する、そして何より面白いーの3つをモットに書き続 けてきたからでしょう。そして、人を褒める、讃える、喜ばすというサービス 精神が根底にあるからかもしれません。


そこで、そこでちょっと計算してみました。300回のメルマガを文字数で換 算すると、1,228,323文字となりました。原稿用紙400字詰めだと、ざっと3070 枚になり計算です。メルマガ1回当たりの文字数は03年が約1600字(配信回数 は49回)、04年が倍になって3300字(同49回)、07年が5700字(49回)と増え、 08年は今時点で5800字というから、それにしても少々長い、という指摘は、私 自身、強く肝に銘じなければなりません(笑い)。メールマガジンで取り上げ た方々は、「人名検索」で一覧になっていますが、ざっとこれまで1500人を超 えています。


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DNDメルマガの登録者が19日現在9873人で、もう少しで念願の10000人に到達 ですね。多くは大学教授、ベンチャー創業者、研究者、公的機関の幹部、ベン チャーキャピタル、銀行、証券、弁護士、起業家、中小企業の経営者、大手企 業の幹部、各省庁の幹部、都道府県の商工労働担当、マスコミ、国会議員、駐 日大使館員、海外在住の方々…そのレベルとキャリアの高さは、もう群を抜い ています。DNDの強みは、なんといってもこの辺にあるのでしょうね。


ご意見がありましたら、ぜひ、客観的なご批評をお待ちしております。


さて、余談ですが、ご紹介した朝日の連載は、いくつか興味深いデータが紹 介されています。Yahoo!とGoogleのシェアは、世界市場でGoogleが世界の検索 の59.6%、491億8800万件を占め、2位の百度(中国、10.3%)を大きく引き 離している、とか、米国ではGoogleが58.2%、米Yahoo!が14.5%と低迷し、 買収提案が破談や宙に浮くなどして苦悩している、とか。が、日本では、首位 がYahooで51・2%、そのGoogleの39%の追撃を交わしているが、この日本市場 でのシェア争いは、「いま本格化しようとしている」(ネットはいま)らしい。


そして、Googleは今年7月、収集しているウェブページのアドレスが、1兆個 を超えたと発表した。日々、数10億の新しいページが増えている、という。恐 ろしい数字です。東京大学生産技術研究所の喜連川優教授は、1999年から現在 までに公開された日本語のウェブページの大半を収集、規模は、「約100億 ページ」に及ぶ。これもミラクルですね。


それに日本語のブログは世界一だそうだ。07年4月の米ブログ検索会社テク ノラテが調査結果を公表した。総務省がそれに伴って実態に把握に乗り出し、 今年1月のまとめでは、ブログ数が1690万件、月1回以上書き込みがあるのが約 300万のうち、約12%が「迷惑ブログ」だったという。


そこで、本題のメールマガジンはどうか、発行している媒体と配信先の数を 調べようと思い立ったのですが、30000誌で1000万人以上が利用している、老 舗の「まぐまぐ」のウィークリーやマンスリーを個別に集計するだけでも容易 じゃない。その実態がつかめきれませんでした。どなたか、お分かりになれば、 ご教示ください。


最近は、産学連携関係の公的セクターでもメールマガジンを配信するところ が急激に増えています。今度は、担当者の皆さんと一堂に会して、メールマガ ジン・フォーラムをやりませんか。ご関心があれば、お声かけください。本日 は以上です。


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◇連載は、もう122回を数える経済産業省の石黒憲彦さんの「志本主義のスス メ」は、「北の大地の熱い取り組み」。石黒さんと前後して、僕も先週、札幌 の北海道経済産業局にお邪魔していましたから、石黒さんがご講演で北海道に 希望の息吹を与えていたところを聞き及んでいましたので、興味深く読みまし た。
「北海道は旨いぞ、熱いぞ!」のキャッチは、いいかも…。


◇連載は、張輝さんの「中国のイノベーション」の21回。過日、開催の第15回 農業博覧会のご報告で、期間中157万にの来場者を記録したというから大盛況 だったようです。張さんは、そこでこんな風に書いております。〜同博覧会組 織委員会との共催により、日中テクノビジネスフォーラム(JCTBF)が企 画・主催し、Digital New Deal(DND)研究所にご後援して頂いた「環境に やさしく、安全な日本のバイオ農業、農業イノベーションの一角」と題した日 本展示パネル(写真参照)の前には、予想を超えた数の人々が押し寄せていた 〜という。今度は必ず、僕が出向きますので、ご興味がある方はご一緒しませ んか。


◇一押しイベントのお知らせ◇
この28日は、東京大学・安田講堂を会場に、「東アジアイノベーション政策カ ンファレンス〜ナショナルイノベーションシステム連携と協創〜」と題した、 東京大学・イノベーション政策研究センター主催のシンポジウムが開催されま す。参加費は無料です。どうぞ、ふるってご参加ください。そして、いま私た ちが直面している、環境や医療、健康、安心・安全、それに金融問題関連の経 済成長などにも議論が及ぶものと期待しております。東アジアと銘打っている ところが今日的で、韓国、中国、そして日本の戦略的イノベーションの従来型 の改革と、それに新しいモデル構築をテーマにのせています。とくに韓国科学 技術院の名誉教授のLEE、Chong−Moon氏は、かつてシリコンバレーでベンチ ャーを成功させた立志伝中の人で、基調講演される氏のテーマが、Asians in Silicon Valley:How Innovate Are They。そのご自身のご体験のエッセンスを ご披露くださる印象ですね。


詳細は、DNDサイトのトップページ左にバナーを張っています。どうぞ、参 加のご登録はそこから入ってください。なお、オープニングの式典には、東大 総長の小宮山宏氏、特許庁長官の鈴木隆史氏、そして東大イノベーションン政 策研究センターの創設者でセンター長の松島克守教授らが、ご講演に顔を揃え ます。


その松島教授は、2002年にDNDがスタート当時からの支援者のおひとりで、 いつも多大な激励をいただいております。松島先生からDNDの皆様にこの


カンファレンスに向けて以下のようなメッセージをいただきましたので、ご 紹介します。


DND会員各位


DNDプロジェクトの企画段階でお手伝いしましたが、出口さんという名プロ デューサーを得て、DNDが発展していることに感激しております。


小職、11月28日に東アジアの日中韓のイノベーション政策研究の組織が 安田講堂で研究成果交換と今後の連携協力を話し合う機会を企画しております。 ぜひご参加ください。前日には研究室見学ツアーも企画しております。


松島克守
東京大学 総合研究機構 
イノベーション政策研究センター
Prof. K. Matsushima
The University of Tokyo
Institute of Engineering Innovation
Innovation Policy Research Center
http://metatechnica.t.u-tokyo.ac.jp


以上



記憶を記録に!DNDメディア塾
http://dndi.jp/media/index.html

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DND(デジタルニューディール事務局)メルマガ担当 dndmail@dndi.jp