◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2007/10/24 http://dndi.jp/

最新NEWSの断面

 〜理化学研究所、日本工学アカデミーなど記念シンポ目白押し〜

DND事務局の出口です。メディアからの情報が氾濫しています。混迷か、錯綜 か、または激動の象徴なのでしょうか、変転する世相に振り回されていませんか 〜情報の価値、その先にある視界がやや不良です。


売れ残り商品の再出荷で300年の老舗の銘菓「赤福」が苦境に立たされていま す。回収した餡子に砂糖を加えて煮て再び使う、なんてどこでもやっている−か らいいという訳じゃないけれど、悪いのは現場のせいにして責任逃れの社長でし た。その口調や目の動き〜釈明会見をテレビで見ていて、とても気ぜわしい人の ような印象でした。


でも、きっとこの人らにも必ずその時が来るんですね。来年の桜の季節には新 生「赤福」が店頭に並ぶでしょう。あれほどの騒ぎだった「不二家」だって普通 に営業しています。北海道の銘菓「白い恋人」は、賞味期限改ざん問題で「古い 恋人」なんて揶揄されても来月から生産を再開するというのですから…。


やっぱり、お菓子は甘いのかもしれません。厳しい裁定が下ったのはお肉の方 でした。食肉加工卸のミートホープ社長は今朝、工場長経験者らと虚偽表示容疑 や詐欺で逮捕されました。会社は倒産し、一家は離散の憂き目という。


秋田の比内地鶏の燻製は、実は偽物という背信の社長は行方知れずで、その代 理で釈明する課長らは歯切れが悪い。しかし、気の毒ですね、報道陣からフラッ シュをたかれ、名前を出されて…。さて、今後、どのような処分になるのでしょ う―。


それもこれも時が解決してくれる、忘却という時が…。朝青龍問題や大相撲の リンチ死、チャンピオンをゴキブリ呼ばりした亀田一家の醜い反則劇、あのパロ マだってこっそり起訴しておしまいでした…メディアのターゲットは猫の目のよ うに日々、月々変わるものです。う〜む、早ければ10日間、長くても75日ぐらい で終息するもののようです。


以下の問題は別格で、少し長引きそうですね。


前防衛事務次官のゴルフ接待など軍需専門業者との癒着、便宜供与の疑惑が指 摘され、ついに昨日あたりから「東京地検」の名前が紙面にでてきました。国会 の証人喚問が俎上にのり、そして捜査の行方…どう進展するのか、紙面にでてい る数々の疑惑以外に、捜査の核心はどこにあるのか、関心はそこのところで、こ れからが本番を迎えることになるハズです。


19日からここ数日、新聞各紙の特ダネの討ち合いは火花を散らしていますが、 まだまだ序ノ口です。それにしても、天下の次官という立場の人が一民間の怪し げな業者にたかるというのは、なんだか情けないですね。やっぱり、どんなに地 位があがっても卑しい性根は変わらないということでしょうか。


あれほどゴルフ狂というのに、なんだかしまりのない風態です。ゴルフ後の マージャンや焼き肉がメタボの原因になっているのかもしれません。ゴルフ好き の僕でさえ、この5年間に2回しかラウンドしていないというのに、「140回以 上」とは、どういう日常生活を送っていたのでしょう。新聞社にはそういう幹部 は少なくありませんから、容易に想像がつきます。


この人、案外、正直な側面もあるようで石破防衛相には事実を認め、素直にし ゃべっている風です。この辺がどこかの民間の社長と違うところなのかもしれま せん。


そして大きな社会問題として急浮上しているのが血液製剤「フィブリノゲン」 による薬害肝炎問題ですね。驚きです。昨日の記事は、厚労省が製薬会社から報 告を受けていたC型肝炎の発症例リスト418人分のうち、実際に名前などを掌握 していたのが、同省の場合が2人の実名と116人のイニシャル、製薬会社が197人 の実名と170人のイニシャルだったという衝撃の事実を伝えていました。誰がこ の投薬を受けて発症していたか、命にかかわる情報を患者に告知せず、逆に裁判 ではその投薬の事実を証明しなさいーって難題を押し付けていたというからとん でもない。そして、その名前などの記入された秘密のファイル8冊が庁舎内の倉 庫から見つかったというが、それは誰の目にも隠していたのではないか、と疑わ れてもしょうがない。


前防衛事務次官の汚れた業者との疑惑、それに薬害肝炎発症例リストの隠ぺい 問題は、国防という我が国の安全を担うトップの資質を疑う極めて重要な問題で あり、薬害肝炎リストの問題は人の生命を守るべき立場の厚労省が、逆に薬害で 苦しむ患者の訴えを退けて確かな情報を隠蔽するという行為も、薬害エイズ事件 で厳しい批判を受けた「行政の不作為」でしょうし、怠慢を通り越して悪意すら 感じます。ただ、前の防衛相の小池さんの前次官を解任した英断と先見の明は、 まさに「女の本懐」、ここにきて燦然たる輝きを放って見えますね。


いやあ、政権が落ち着いてきて霞が関批判が少し鎮静化してきたかと思った矢 先、防衛省、厚労省が、戦火に大量の油を注いだ格好で、爆発してもおかしくな い。こんな時は、まだまだ不祥事が連鎖するから要注意です。どこまで落ちるか、 底なしだってあるものです。他の省庁に飛び火ということも考えられない訳では ない。しかし、なにやらその背景になにかしらの意図があるのではないか、と勘 繰ってしまうほどです。まあ、政治の舞台はいま何が起こっても不思議ではない 状況ですから、場合によっては大きな局面に進展する可能性も否定できませんね。 この動向には当面、目がはなせないでしょう。


いやあ、さてさて、日本の四季の美しさのひとつは、冷気の山々を彩る紅葉、 その錦秋の鮮やかさに象徴されるのかもしれません。この頃の冷え込みを「紅葉 冷え」、晴天を「紅葉晴れ」、日に輝く「照(てり)紅葉」、あるいは、「山粧 (やまよそお)ふ」というのも関連の季語にあります。


秋深し、ひんやりした風を胸いっぱいに吸い込んで、どこかに行きたいところ です。だが、目を海の向こうに転じれば、米国は南カリフォルニアで大規模な山 火事がここ数日猛威をふるって、危険な状態が続いているという。テレビの映像 は、山という山が恐ろしいほどの火の海と化した危険な事態を映し出していまし た。強風が吹き荒れて勢を増し、飛び火して東京のエリアの6割近い1000平方キ ロを焼いていまだ鎮火の見通しが立っていない、という。非常事態宣言発令中で す。避難命令はどんどん増えて50万世帯を超え、1300に家屋が焼失、けが人も 多くでているようです。


ロサンゼルス近郊の高級住宅地マリブに住む、メル・ギブソンさんらハリウッ ド俳優らがテレビのコメントに応え、避難する様子が映し出されていました。こ の山火事、どこまで広がるのか、本当に恐ろしい。


もともと乾燥地帯であり、今が最も乾く時期なのですが、例年の5分の1しか雨 が降らず水不足という事態で、21日にはラスベガス方向の砂漠地帯から吹き下ろ す季節風の「サンタアナ」が依然秒速30mの強さで吹き荒れ、熱風は日中の気 温を35度まで押し上げているという。


山火事の地理的な状況がよく分からないのですが、西海岸の南部、サンディエ ゴなどで活躍する日本の起業家やそれらを支えるメンターな人たちはどうしてい るでしょうか。無事を祈らざるを得ません。はからずもノーベル平和賞受賞のア ル・ゴア氏が警告を発した「地球温暖化現象」を実証した格好になってしまいま した。


 さて、さて、本日からビッグなシンポジウムやイベントが目白押しです。個 人的にお誘いを受けていた記念のシンポは、ひとつが(独)理化学研究所脳科学総 合研究センターの創立10周年記念シンポジウムです。


http://www.noukagaku10.jp/program/10th.html


脳科学研究に何が求められるのか、脳科学の世界的潮流はどう動いているのか、 そして人類と社会の幸福にいかに貢献していくか−という根本命題について日米 欧の学者、研究者を招いて議論する、という。日本学術会議の金澤一郎会長らが 参加しています。


もうひとつは実は昨日から開幕し、26日までのロングランで開催している日本 工学アカデミー(会長・中原恒雄氏)が、国際工学アカデミー連合(会長・首都大 学東京学長の西澤潤一氏)の東京大会との共催で、テーマは待ったなしの「地球 環境の保全問題」です。まあ、国内内外から凄い顔ぶれが、大勢参加しています。 昨日の「地球全体の環境問題」に続いて、本日は「限界拡大のための技術的可能 性」をテーマに米国MITの名誉学長で、米国工学アカデミーの次期会長のCharles M ,Vestさん、東大大学院教授の山地憲治さんが座長を務めています。大変な内 容です。そのプログラムをのぞくだけでもいま何が問題になっているか、の概要 が分かります。明日は、クロージングセッションで中原会長、西澤会長他、オー ストラリア工学アカデミー前会長、北京大学教授、チェコ工学アカデミー会長、 メキシコ工学アカデミー、そして次期の国際工学アカデミー連合の次期会長でオ ランダ応用科学研究所情報通信技術部門最高責任者のGerard Van Oortmerssenさ んらが参加し、これまでの議論を踏まえて、コメントを中心に各地域の立場から 総括する予定です。明日、行こうかな〜。西澤先生や中原会長は、DND発足当時 からご支援いただいています。


国際工学アカデミー連合(10月23日−26日)第17回大会
http://www.congre.co.jp/caets2007tokyo/top_J.html


その他、こんなイベントが予定されています。どうぞ、ご参考に。


※10月27日:東北大学主催「学術と産学連携」
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/somu/gakuzyutusympo.pdf


※10月31日―11月2日:中小企業総合展2007
第3回中小企業産学連携推進フォーラム
http://www.chusho-sangakukan.net/071031/index.html


※11月1日:第5回大学発バイオベンチャー協会総会


※11月1日:第3回CIC大学連合フォーラム「環境問題と大学の役割」
http://cic-hp.zam.go.jp/tokyo/detail.php?pub_id=69


※11月8日、9日:インテレクチャルカフェ
http://www.intellectual-cafe.jp/event.html


※11月17日、18日:日本ベンチャー学会総会
http://www.venture-ac.ne.jp/seminar/detail/20070731122135.html


※11月19日:京都大学経済研究所主催、先端政策公開シンポ「関西地域の企業における技術革新」
http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/caps/workshop/sympo2007_4.html


上記のシンポはDNDの産学連携情報にも掲載しています。

記憶を記録に!DNDメディア塾
http://dndi.jp/media/index.html

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