◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2005/12/21 http://dndi.jp/

DND発10大ニュース等発表

DND事務局の出口です。眩しく無数のイルミネーションがまたたく都心は、に わかに哀愁を帯びてきました。なんとも平穏ながら、哀しげな年の瀬です。
v さて、今年〆のメルマガはDND独自集計による、いくつかのランキングを紹介 します。DND ベスト・スピーカーの誉れはどなたに輝いたのか、そして05年DND 10大ニュースにどんなトピックスが飛び出すか、あるいは創刊3年のメルマガに 最も登場回数が多いDNDグランプリは−今回はその集計発表です。


 なお、恒例の【メルマガ読者の声】は、量が多く大変だからズルして止めよう と思っていましたが、あっちこっちから「いつ配信ですか?」、「期待していま す〜よ」などと催促に似た問い合わせがあって心変わりして、DNDサイトのメル マガのバックナンバーに年内にアップすることにしました。


 【DNDベスト・スピーカー・オブ・ザ・イヤー】
 DND産学連携情報に掲載の各種イベント情報は、その数ざっと年間500本に 及びました。年々、その数が急増しています。産学官連携がいかに全国に活発化 しているか、を裏付けているようです。


 算出方法は、上記の産学連携情報のうち、メルマガで配信した300本の情報に 登場したスピーカーの名前を一覧にして、さらにメルマガのコラムを参考に、そ の登場回数を集計して選考しました。ただ、どこかのセミナーで講演されていて もDNDで配信されていないとカウントされません。


 集計作業でエントリーされた方々は、いわば産学連携の舞台を彩るフロントラ ンナーですので後半に名前を列記いたしました。


 なお、DND産学連携情報は、主に大学事務局、各種団体、講演・セミナー主 催事務局などから自主的に投稿形式で掲載しています。随時、受け付けておりま す。さて、今年最も活躍したスピーカーは〜お二人。


第1位:登場回数9回、堀場雅夫氏。艶やかな白髪を後ろで束ねる、おしゃれで 洗練された風貌で、いつもメッセージ性の強い講演をされていました。その立場 は、変幻自在。(株)堀場製作所会長、日本新事業支援機関協議会代表幹事、京 都科学機器協会会長‥いくつもの顔を持ち、パワーポイントなんかあっても使わ ない、その話術は、京都風のユーモアに溢れ、新鮮で魅力的で、訴えかけるよう でした。元祖、本家、大学発ベンチャーの起業家です。


第1位:登場回数9回、清水啓助氏(慶応義塾大学知的資産センター所長)。毎 月開催の慶応イノベーションネットワークでの精力的な講演が、ポイントを上げ ていました。落ち着いた語り口は、説得力があります。よく、肩書きが知的資産 を、知的財産と間違われます。日本ベンチャー学会でのパネラーでも登壇されて いました。DNDの産学連携情報に毎回、欠かさず掲載依頼を丁寧に続けてきた事 務局の女性担当者のアシストが光りました。


 堀場さん、清水さん、晴れの、05年DNDベスト・スピーカー・オブ・ザ・イ ヤー、おめでとうございます。お祝い、賞品?う〜む、年明けに相談したいと思 います。惜しくも次点には登場回数6回の松島克守氏(東京大学総合研究機構俯 瞰工学部門教授)と宮田満氏(日経BPバイオセンター長)のお二人が続いてい ました。


 DND産学連携情報などから候補に上がったのは、以下の方々でした。
吉川弘之氏(産業技術総合研究所理事長)、小宮山宏氏(東京大学総長)、石倉 洋子さん(一橋大学大学院教授)、黒川清氏(日本学術会議議長)、荒井寿光氏 (内閣官房知的財産戦略推進事務局長)、清成忠男氏(前法政大学学長)、山城 宗久氏(近畿経済産業局地域経済部長)、原丈人氏(デフタ・パートナーズ会 長)、白井克彦氏(早稲田大学総長)、石川正俊氏(東京大学副学長、産学連携 本部長)、村岡洋一氏(早稲田大学副総長)、渡部俊也氏(東京大学先端技術研 究センター教授)、中西宏典氏(経済産業省大学連携推進課長)、丸島儀一氏 (早稲田大学知的財産プログラム総括主幹)、尾身幸次氏(衆議院議員、元科学 技術政策担当大臣)、森下竜一氏(大阪大学大学院教授、アンジェスMG創業 者)、伊藤学司氏(文部科学省技術移転室長)、田口康氏(文部科学省地域科学 振興室長)、森康晃氏(早稲田大学大学院教授)、根本光宏氏(文部科学省産業 連携課長)、原山優子さん(東北大学教授)、安藤晴彦氏(資源エネルギー庁燃 料電池推進室長)、梅原潤一氏(IPトレーディング・ジャパン代表)、古川勇 二氏(東京農工大学大学院教授)、板生清氏(東京理科大学MOT研究科長教 授)、梶谷誠氏(コラボ産学官理事長)、阿部博之氏(総合科学技術会議議員)、 相澤益男氏(東京工業大学学長)、山田英氏(アンジェスMG代表取締役社長)、 松重和美氏(京都大学副学長)、柳田博明氏(東京大学名誉教授)、林農氏(鳥 取大学教授)、澤昭裕氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)、妹尾堅一 郎氏(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)、黒川卓氏(日経ナノテク ノロジー編集長)、岡本尚道氏(静岡大学イノベーション共同研究センター長)、 藤末健三氏(参議院議員、元東大助教授)、加藤元彦氏(経済産業省産業クラス ター計画推進室長)、山野井昭雄氏(日本経済団体連合会産学官連携推進部長)、 大江建氏(早稲田大学アジア太平洋研究科教授)、大西勇治氏(早稲田大学客員 教授)、江刺正喜氏(東北大学工学部教授)、秋山昌之氏(長野テクノ財団知的 クラスター本部事業総括)、井口泰孝氏(東北大学大学院工学研究科長)、梶本 修身氏(総合医科学研究所役員)、前田昇氏(大阪市立大学大学院教授)、佐竹 弘氏(徳島大学教授、産学連携学会副会長)、上野保氏(東成エレクトロビーム 社長)、清水健司氏(岩手大学地域連携推進センター長)、小島寛明氏(東京農 工大学教授)、金井一頼氏(大阪大学教授)、柳孝一氏(早稲田大学教授)、関 田仁志氏(サイバーレーザー代表取締役社長)、松田一敬氏(北海道ベンチャー キャピタル代表取締役社長)、松原健夫氏(立命館大学大学院教授)、伊藤利朗 氏(三菱電機顧問)、鳴戸道郎氏(日本経済団体連合会新産業・新事業委員会企 画部会長)、安房毅氏(タカハタ電子代表取締役)、西澤昭夫氏(東北大学教 授)、野長瀬裕二氏(埼玉大学地域共同センター助教授)、永津雅章氏(静岡大 学教授)、吉川暹氏(京都大学エネルギー理工学研究所教授)、児玉充晴氏(東 京理科大学MOT客員教授)、山崎正宏氏(日本ゼオン代表取締役社長)、黒川 敦彦氏(サインポスト代表取締役CEO)、瀬戸篤氏(小樽商科大学大学院教 授)、中西晴史氏(日本経済新聞社編集委員)、清水當尚氏(NPO法人近畿バ イオインダストリー振興会議理事長)、本部和彦氏(東北経済産業局長)、小野 友道氏(熊本大学副学長)、滝本徹氏(内閣府参事官)、中山仁氏(カシオ計算 機商品企画部長)、長谷川克也氏(早稲田大学MOT研究所教授)、辻内伸好氏 (同志社大学工学部教授)、麻生渡氏(福岡県知事、全国知事会長)、鶴田三郎 氏(東京海洋大学教授)、田中一宣氏(産業技術総合研究所理事)、田中道七氏 (立命館大学総長顧問)、馬場章夫氏(大阪大学先端科学イノベーションセン ター副センター長)、本間孝治氏(メムス・コア代表取締役社長)らの皆様でし た。


   【DND05年大学発ベンチャー10大ニュース】
第1位《大学発ベンチャー1112社達成(IPO12社)》(4月、メルマガVOL126)。 大学発ベンチャー3年で1000社構想の平成16年度末の経済産業省大学連携推進課 調査発表の速報。大学発ベンチャー設立の多い大学は、1位が東京大学、2位早 稲田大学、3位大阪大学の順でした。


第2位《DND登録ユーザー8000人突破》(8月、VOL139)。
メルマガ配信から2年10ケ月、記念の8000人目は、産業クラスター計画の重鎮で 東京MOT6大学連合の設立に尽力された東京農工大学大学院教授の古川勇二さ ん。6大学から9大学に拡大。


第3位《秋葉原に都心4番目の産学連携拠点誕生》(5月、VOL128)。
秋葉原ダイビルに産学連携拠点クロスフィールドが開設。プロデューサーは、東 京大学先端科学技術研究センター特認教授の妹尾堅一郎さん。これで田町駅前の CIC東京(36大学・関係機関)、江戸川区船堀のコラボ産学官(17大学・機関 等)、東京駅前の丸ビルの7F東京21cクラブの階上に開設した「丸の内アカ デミック・スイーツセンター」と並んで、4つ目。


第4位《大学発バイオベンチャー協会78社に拡大》(10月、VOL148)。
設立から1年の躍進。大学医学部の教官らが立ち上げた大学発バイオベンチャー で、正会員の数。顔役は、以下の通り。昨年11月に東証マザーズへの株式上場を 果たした(株)LTTバイオファーマ代表取締役会長、東京慈恵会医科大学DDS 研究所所長・教授を務める、同会長の水島裕さん。再生医療分野のベンチャー草 分けのJ−TECを創設し、同社の技術顧問に入る一方、オステオジェネシス (株)取締役などいくつものバイオベンチャーに参画、東京大学医科学研究所教 授兼ホームグラウンドの名古屋大学大学院医学研究科教授で、同副会長の上田実 さん。アンジェスMG(株)の創業者で取締役、大阪大学大学院医学系研究科臨 床遺伝子治療学教授で、やはり同副会長の森下竜一さん。事務局の要は、幹事代 表の東京CRO(株)代表の西山利巳さん。ベンチャーキャピタルの賛助会員も多 数。


第5位《DND大学発ベンチャー企業情報DB登録が542社と拡充》。
どこの大学がどの地域でどんな大学発ベンチャーを設立しているか‐の要望に応 えて、わが国唯一の大学発ベンチャー企業情報となるDBを拡充。ただ、今後は、 個々会社の技術、特許、事業内容の詳細をどう盛り込むかが課題です。


第6位《第4回日本バイオベンチャー大賞にJ−TECが栄冠》(10月、VOL149)。
その輝かしいグランプリに、培養皮膚や軟骨など再生医療製品の事業化に初めて 道を拓いた再生医療のパイオニア「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」 (愛知県蒲郡市、小澤洋介社長)が受賞。過去、グランプリはいずれも大学発バ イオベンチャーが獲得し、第1回のアンジェスMG、第2回の総合医科学研究所と 続いていました(第3回は該当なし)。J−TECは、日本バイオベンチャー協 会の副会長で、名古屋大学大学院教授の上田実さんが技術顧問として開発のサ ポートをしています。


第7位《つくばベンチャー大賞制定》(10月、VOL149)。
第1回の大賞は、(株)植物ゲノムセンター(美濃部侑三社長)、(株)つくば ウエルネスリサーチ(久野譜也社長)の2社が同時受賞。つくば・ベストIT賞 に(株)ベストシステムズ(西克也社長)。NPO法人「つむぎつくば」の設立 発起人で内閣府参事官(前茨城県商工労働部長)の滝本徹さん、筑波大学OBの筑 波出版会代表の花山亘氏らが中心となって、筑波エリアの活性化のために制定し ました。


第8位《清成忠男賞の制定》(10月、メルマガVOL149)。
早稲田大学大学院教授で同会長の松田修一さんが、日本ベンチャー学会第8回総 会で、前会長の前法政大学学長、「ベンチャービジネス」の生みの親である清成 忠男さんの功績を称えこの賞の制定を提案、満場一致で決まりました。会員数17 00人規模。第1回の表彰は、仙台市で来年秋、開催予定の第9回総会で行われる予 定。


第9位《産学連携実務者会議(UNITT)発足》(8月、VOL141)。
大学の現場から問題提起する産学連携ネットワーキングで、大学知財管理・技術 移転協議会の会員が中心となった実務研修。技術移転のノウハウの共有、スキル の向上、人的交流などを目的としています。「日本版AUTM型研修」からの名 称を変えて初会議を開催。


第10位《産学連携学会第3回徳島大会開催》(5月、VOL129)。
新たに北海道大学教授の荒磯恒久さんが会長に就任。任意の学会からNPO法人 への新体制に移行。来年の第4回は、群馬・高崎で群馬大会を開催。

【DNDグランプリ】
 毎週水曜日配信のメルマガが創刊から3年、156回を数え、これまでの累計で87 8人が登場しました。グランプリは、メルマガに登場回数の多い人をランキング しました。メルマガの「人名索引」を参照してください。DND創設からのいわば、 DNDの強力な支援者が主に顔を揃えました。


第1位:17回、石黒憲彦氏(経済産業省大臣官房総務課長)、DNDで4月から毎週 コンスタントに「志本主義のススメ」を連載。大学発ベンチャー1000社構想の政 策責任者のひとりで、ベンチャービジネス振興に精通する論客です。


第2位:13回、森下竜一氏(大阪大学大学院教授、アンジェスMG創業者)、DN Dで4月から「大学発ベンチャー成功の方程式」を連載。大阪大学発ベンチャーの 起業ネットワーク「青い銀杏の会」の理事長、若手起業家の育成に尽力していま す。青い銀杏は、大阪大学の校章を由来としています。


第3位:11回、荒井寿光氏(内閣官房知的財産戦略推進事務局長、元特許庁長 官)。わが国の知的財産戦略の伝道師。ここ数年大きな成果を生む。産学連携学 会総会や大学発バイオベンチャー協会総会でご一緒していますが、多くの人への 激励を忘れません。


第3位:11回、滝本徹氏(内閣府参事官、沖縄担当)。大阪で、つくば、沖縄、 それに大阪のバイオクラスター関連のセミナー開催など地域活性化に尽力、内閣 府主導のサイト「沖縄ビジネスネットワーク」(OBN)で、「人・街・風」を 連載中。溢れんばかりの地域起こしの情熱がモチーフです。


第5位:10回、原山優子さん(東北大学教授)、DNDで好評の「産学連携講座」 を連載。産学連携学の第一人者で、欧米各国の比較研究に精通。経済産業研究所 でご一緒以来、産学連携全般のご指導を戴いています。


第5位:10回、中西宏典氏(経済産業省大学連携推進課長)、大学発ベンチャー 1000社構想の仕上げと今後IPOの拡充など量から質への転換にむけた施策を展 開。各種調査に基づいた一連の大学評価導入の手法は出色。


第7位:9回、小宮山宏氏(東京大学総長)、産学官連携推進会議、グローバル イノベーションサミット、イノベーション・ジャパン、産学官連携サミットなど この1年精力的に動き、「先頭に立つ勇気」を自ら実践されていました。


第7位:9回、松島克守氏(東京大学総合研究機構俯瞰工学部門教授)。今年第2 回目の大学「知」のEXPO「イノベーション・ジャパン」の立案者で、地域ク ラスターの新たなデザインなど地域活性策への提言を続けています。今、人気の 看板教授。


第9位:8回、西澤潤一氏(首都大学東京学長)。東北大学学長、岩手県立大学 学長を歴任し、今年春、開校の首都大学東京へ。先端技術産業調査会会長、未踏 の光・テラヘルツ研究の第一人者。ご存知、秋になればノーベル賞のささやきが 絶えないわが国を代表する科学者ながら、「日本人論」などに関する主張をマス コミで展開しています。


第9位:8回、宮澤敏夫氏(EM総合ネット社長)。琉球大学教授の比嘉照夫氏 が開発した有用微生物(EM)の技術を使った環境浄化、農業振興、商品開発を 手がける会社で、宮澤さんは、全国の環境関連の起業家を応援しています。


第9位:8回、五十嵐伸吾氏(九州大学助教授)。大手銀行からの転籍で、全国 的な知的ネットワーク「WINWIN」の主宰者。ご専門は、実務経験がある、 ベンチャー起業育成、起業環境(生態系)づくりで、いま一押しの若手の論客。 学生にも人気が高い。


※なお、以上のランキングは、DND事務局長の出口俊一の責任で集計し、公表し ているもので、経済産業省、(財)VECとは一切関わりはございません。 




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