DND事務局の出口です。しかし、それにしても、いやいや、つくづく‥感心するのは、インターネットって、ミラクルで、凄い。いまさら何を?って、お叱りをうけそうですが、ネットワークが勢いを増して幾重にも拡大し、宇宙大の膨張を日々続ける現状は、すでに誰も止められないし、もはや後戻りはできない。
人と人が結びついて、輪ができればコミュニケーションのツール(道具)としてその威力を発揮します。DNDとてその延長線上にあり、すでに7100人を越えるネットワークを形成し、その中から、小惑星のような電子会議室がポンポン誕生しています。累計347室。
電子会議室っていえば、難しく聞こえますが、平たく言えば、テーマを持った寄り合いです。パソコンにインターネット接続ができていれば、というより、もはやインターネットに接続していない端末は少ないでしょうし、携帯電話からだって可能な、メール(私信の送付、受信)機能と掲示板(書き込み)機能が用意されたプラットフォームなんですが、使い方次第では、こんな便利でお金のかからない「コミュニケーション&ネットワーク」の「広場」は、見当たりません。あなたも是非、参加してみませんか?あるいは、自らがプラットフォームの世話人、いわばマスターになって交流の輪を広げてみませんか?
ネット時代に、どうしても必要なツールだから、それなら、使わない手はない。DNDの提唱者で、経済産業省の打ち出した「N−レポート」と呼ぶ「新産業創造戦略」のとりまとめを置き土産に、大臣官房の総務課長の要職に就いた石黒憲彦さんの言葉を借りれば、日本の各分野に優秀な技術者が多数存在し、潜在力にあふれていることも事実で、その異分野の専門家が出会い、業種を越えた知識の共有から新たなイノベーションの創発を意図した環境整備が重要ですーと、その趣旨を語っていました。理念と方向性が確かなら、目指す目標に近づいてきます。簡単にいうと、その潜在的なシーズと市場ニーズをマッチングさせる、いわばいい意味での出会い系サイトがDNDであり、実践的な場が、電子会議室ということになります。
ちょっとご紹介しますと、7月に入って3日、山崎宏之さんが「MOTネットフォーラム」を立ち上げました。非公開で参加は要指名の条件が付記されていますからクローズトな会議室ですが、NPO法人日本技術イノベーション振興協会(IPA−JAPAN)の関係者の皆さんのネットコミュニティです。何度かメール交換をさせてもらいましたが、まだ面識はありません。期待していますね、山崎さん、是非お会いしたいと思っています‐っていう感じです。
その3日後には、奥村正隆さんが「映像による教育教材の方向性」をスタートさせました。非公開ですが、参加は自由。奥村さんからは、映像による影響力を正しく理解し、大人から子供までが楽しめて学べるものを提供していきたい‐と。奥村さんは、埼玉県東村山市在住で、市制施行50周年の委員として「今後の若者に夢を託す」という観点からの映像手法を駆使したイベントを考えているようです。
もう一件。民間の人たちが連携し、茨城県つくばの地域活性化につなげようと設立されたNPO「つむぎつくば」の電子会議室は、電子会議室開設ではDNDの表彰状を贈りたいくらいの滝本徹さんが仕掛け人で、すでに100人近い参加者を数え、日々、増殖中。総会の案内から事業計画の回覧、その他諸々、この会議室をフルに活用しています。
その滝本さん。茨城県商工労働部長で地域の活性に尽力されて、この4月から古巣の経済産業省大臣官房に戻り、続いて7月には、内閣府沖縄振興局参事官にご栄転。いやはや、磁力の強い滝本さんの周辺に即刻、沖縄転居を決めたベンチャー経営者らも出てきて、沖縄ムードが俄かに広がっています。沖縄振興をテーマにした会議室開設も時間の問題かもしれません。
DNDそのもののプラットフォームマスターのような存在の小生のところには、日々たくさんのメールが飛び込んできます。NPO「とこは生涯学習センター」の理事長で、静岡市栃沢で自然体験施設「たぬき村」を運営する池田庭子さんからは、メルマガ配信の都度、痛み入るようなメールを投げかけてくださいます。面識がないのに、旧知の関係になってしまうから不思議です。厳しい指摘の元電通マンの塩澤宏宣さんとは、オフィスが近い関係から何度かお会いし、新しい産学連携の動きが始まろうとしています。その塩澤さん、「製品を商品にするのがマーケティング」とビシッと言い切るから、その詳細なマーケティング論をレポートにしていただきました。ご本人の了解が必要ですが、何らかの機会にご紹介したい。
以前、「がんばれ張さん」のメルマガで紹介し、昨年秋に起業した張輝さんが、「日中テクノビジネスフォーラム」をネットセミナーというユニークな手法で、明日29日公開する予定です。ビジネスモデル学会の会長で、DNDスタートからアドバイスいただいている東京大学教授の松島克守さんが開会の挨拶をし、特別インタビューは石黒憲彦さん、持論の「志本主義こそが日本産業再生のキーワード」をテーマにざっくり、「志」を持った人々が集まり事を成す‐これが志本主義、人的ネットワークからすべてが始まる、と断じています。
個人的な情報を瞬時に伝え、蓄積し、それらをいつでも簡単に引き出すツールの活用は、ネットワークの維持、向上の要諦です。点と点が繋がって、それを順繰りに重ねていけば、気がつくと始めと終わりが結ばれている‐ウェッブ上のネットワークは、あくまでバーチャルなのですが、それが実際は、リアルで密な関係をそれもダイナミックに演出していくから、侮れません。