DND事務局の出口です。東京から名古屋、そして大阪、その行き来は、新幹線。それも行きの片道だけは、いくらかの自腹を切ってグリーン車に乗ることにしています。瞑想という名の居眠りばかりか、思考、思索の空間としては、極めて快適な「走る書斎」となるからです。
楽しみは、お持ち帰り自由の雑誌「WEDGE」(ウェッジ)。JR車内機関誌とおもいきや、最近は結構、「そこまで書く?」と思わせるシビアな論調も目立ちます。そうそう、WEDGEは東海道新幹線の先頭車両のイメージであり、そして、英語で「くさび」、「V字型」、あるいは「発端」を意味する―と巻末に小さく1行の説明書きがありました。
今回は、文字通り、その1月号が「発端」です。ページをめくって2枚目の巻頭言は、アサヒビール社長の池田弘一さん。右手を前に柔和な表情のポーズ写真。見出しは2本つけられていました。「新鮮な感動とショック」、「失敗をチャンスに変えろ」。人生七転び八起き。会社人生38年で本社経験は僅か5年という不遇、あるいは逆境からの抜擢人事は、それこそ新鮮な感動を与えてくれました。が、その記事のなかに、アサヒビールの戦略として描き出されていたのが、01年のニッカウヰスキーとの営業統合を皮切りに、02年の協和発酵、旭化成の酒類事業の買収など、矢継ぎ早に池田さんが指揮をとる「総合化戦略」、そのフレーズは、それ以上に新鮮でした。
大学の新たな風−それは、いったいそれらの一連の流れや動きを、どうひとくくりに説明したら分かりやすいのだろうか?と、この数日ずっと、呻吟し続けていたからでした。具体的には、以下のような記事を、連続して見たからです。いずれも日経新聞からです。
さて、どうでしょうか。タッグを組むとか、結集するとか、結束する―というようなくくり方もあります。これらの動向は、課題やテーマ別に新たな連帯を志向する「総合化戦略」と表現してみてはどうでしょうか。えっ、違います?別な捉え方があるのでしょうか。いずれにしても、大学に新しい連帯の風が吹きはじめたようです。そして、本日の新聞では、大学発等ベンチャー企業の設立が、昨年8月までに「654社」(公的研究機関発を含める)と、筑波大学、横浜国立大、神戸大が文部省との合同の調査で明らかになりました。目標1000社は着実に推移しているようです。
さぁーて。本日から九州へ。キヤノン社長の御手洗冨士夫さんの特別講演、広瀬勝貞大分県知事、山中巌大分大学長らを招いた九州地域産学官連携シンポジウム、昨年秋に茨城県つくば市での開催に続く、「全国産学官連携コーディネータ会議」がそれぞれ別府市で開催されます。現在時刻8時40分。では、行ってきま〜す。