DND事務局の出口です。その周辺は、皇居に向かって縦横にイチョウの街路が続き、無数の黄葉が降ってきます。キリリとした夜間の冷え込みは、街のイルミネーションを一層、引き立たせてもくれています。喧騒と静寂。都心は、東京駅界隈、知らぬ間に産学連携の点と点が、線でつながり、面として広がり、次の立体へ。密かに動き始めているようです。
刺激的なニューヨークの街と比べては、ニューヨーカーから反発されかねませんが、なんというか、広大な歴史・伝統の皇居、日本の建築史に名を残す東京駅外観、そして天を衝く高層ビル群‥このエリアは、よく見るとバランスがいい。そして、エキサイティングであり、思わず握り拳に力が入ります。
婉曲な言い回しになりましたが、気が付いたら、いつのまにか、いま、ホットゾーンになりつつあるんですね。ある雑誌は、「丸の内大学ウォーズ!オフィス街に吹き荒れる、ガクモンの嵐」と言い当てて、東京駅周辺のサテライトキャンパス、大学連携オフィスのラッシュを取り上げています。
「オフィス街に大学の前線基地」の見出しは、8日付けの産経新聞でした。情報収集や社会人教育、就職活動支援、それに企業とのコラボレーションを狙った産学連携の拠点づくりーと目的は、多々ありますが、「満足度の高い大学への転換にしのぎを削る動き」と指摘しています。
囲みの記事データに文部科学省調査の「都心に進出した主な大学」。順番に、列記しますと、北海道大学、東北大学、京都大学、九州大学、東京大学、一橋大学、埼玉大学、筑波大学、慶応大学、早稲田大学、甲南大学、同志社大学、立命館大学、京都造形大学、関西S大学、関西学院大学などなど。
東京駅を核に、表裏の丸の内、八重洲。近くの大手町、日本橋に集積しているようです。昔とった杵柄で、小生の起業のための定款の認証(無事クリアしました)を戴いた足で、丸の内の昨年9月落成の丸の内ビルディングへ取材に。行き来する買い物客らを体でかわしながら、待ち合わせの7Fの「東京21cクラブ」。もうここは、UFJベンチャー基金の五十嵐伸吾さんが主宰する「WINWIN」のワークショップのホームグラウンドですから、すでに馴染み?といっても3回程度参加し、いつか、DNDもここでやりたいなあ〜と思っていた憧れのクラブです。確か、新年早々の16日に「地域とコミュニティー」をテーマに、それも北海道との2元中継でのトライアルが予定されてましたね。
取材には、三菱地所(株)のビル事業本部の太田哲朗さん、若くてスマートな対応ぶりは洗練されています。そこへ、もうこのクラブの顔役の田中克徳さん。「日本創生」を理念に、新規事業創出、ベンチャー育成に積極的なビジネスパーソンが集まるインキューベーションクラブですーと田中さん。その狙い通り、その上階の9Fに「丸の内アカデミック・スイーツセンター」を開設し、東京大学大学院の経済学研究科の教官らが、先導役を果たして、ハーバード・ビジネススクール日本リサーチセンターが、欧州からストックホルム商科大学日本研究所が、相次いで入居。10Fに一橋大学が丸の内産学連携センターをオープンさせています。今年6月には東北大学が産学連携の拠点となる「東京分室」を開いています。
加速しそうですね。再開発が進められている秋葉原駅周辺、そこも2年後くらいには、産学連携の拠点づくりを意図しています。これらの拠点と拠点が新たな立体的な構図を築きあげていく予感がします。
快適なオフィス。触れ合う同業者、そして飛び交う情報。チャンスがいっぱい詰まっている気がしました。エレベータを降りると、イルミネーションのツリー。ブルーの地にシルバーのツリーをあしらったタペストリー風の垂れ幕に「Bright Christmas2003」。そして、続けて「まばゆいほどの、この街から」の文字。ナイスなコピーです。
明日は「この街」の東京国際フォーラムでDNDセミナーです。キャパを越える270人余りの参加申込が、直前まで続いています。事務局はいま、まばゆいほどの、てんやわんやです。お待ちしています。