◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/ 9/24 http://dndi.jp

クールな人

DNDの出口です。めっきり秋ですね。それと、早や、年度の折り返し点にきました。体調を整えて、後半戦にいざ、出陣。政治も経済も重石が取れて、グラリ、何かが動き始めた感じがします。先にご案内の通り、DNDのサイト上では、新たな企画連載がスタートしました。


そのひとつ。東北大学教授でRIETI(経済産業研究所)のファカルティフェローの原山優子さんの「産学連携講座〜現場からのレポート」。いま、産学連携を実践的にかつグローバルに捉えるーとすれば、原山さんは一押しの論客です。この夏も欧米を走り回っていましたから、リアルで最新の情報が期待されます。


原山さんはこの連載で何を目指すのか?昨今、産学連携が何かに役に立つのではないかと、いろいろ試みが行われていますーと前置きして、「日本はまさにLearning Processの真っ只中ということです。細々でありますが、産学連携のもつポテンシャルとそれが内包する諸問題点を現場から洗い出す作業を行っていくことにより、Learning Processを少なからず加速させることができるのではないか、と考えます」と連載の1回目に記述しています。各地の現場レポートもあれば、産学連携のキーパーソンが登場しますし、原山さんの主観的、個人的意見を前面に出した座談会の議事の概要も用意されますから、メニューは、まさに産学連携テンコ盛りです。一緒に学習しましょうか、ご意見もお待ちしています。


もうひとつ。名古屋大学大学院教授で大学発バイオベンチャー協会副会長の上田実さんの「バイオベンチャー起業〜成功の秘訣」。どう紹介しようが、再生医療分野の第一人者で、自らバイオベンチャーの役員、大手メディカル会社のコンサルなど実際の現場をいくつも抱えていらっしゃいます。第1回の連載は「再生医療は培養皮膚からはじまった」です。冒頭に、「21世紀型のテーラーメイド医療の代表であり、新世紀の最有力バイオ産業の核となるのが再生医療、その再生医療の始まりからこの連続コラムがはじまります」と触れられています。


ダンディーで明快。先日20日、名古屋で開催したDNDセミナーでは基調講演をしていただきました。皮膚、歯科、骨などその再生医療の最前線の生々しい動画を駆使しながら、熱の入ったお話をしてくださいました。会場の若い一般参加者から、歯の抜けて困っている父に知らせてあげたい―との感想も。教えている学生らを自宅に招いての「ランチミーティング」は、学生の間では評判らしく、医学生が医者にならなくてもベンチャーを立ち上げてもいいと、刺激的で個別の指導を行っています。ご期待ください。


上田さんの基調講演では、随所に大学や官庁へ向けた舌鋒鋭い批判。例えば、産学連への大学の姿勢。「医療が産業になじまない、なんて本気で思っている学者が多い学内の雰囲気は100年かかっても変わらない。このままでは、日本は、日本人は損をしてばかりです」。いやあ、戦うドクターです。


「しっかり、モノを言おうよ。あたりまえのことを、あたりまえに言い切っていかなくちゃ、何にも変わらない」。日本の医療を如何に良くするか―をテーマに、先の12日、小生も世話人の一人として名を連ねている未来構想戦略フォーラム(大脇準一郎代表)主催のセミナーで、さっそうと登場し、そういいきったのは、東海大学総合医学研究所の所長で、日本学術会議議長に就任したばかりの黒川清さん。一時間、近代日本の歴史から今日の歪んだ現状を解説して、日本の、日本人の生き方に迫っておりました。ローリスク、ハイターンの職業からは、確かな時代を築く人物は出てこない、出るわけがない。時折り、言葉のトーンが上がって「ばかやろう!」。


遠めに50代、近めにみても50代。クール。長身でスタイリスト。黒川人気の所以かもしれません。誕生日が9・11。交流会での懇談で、DNDセミナーにお誘いすると、「医療の話はしないぞ」と、柔和な笑みを周辺にふりまいていました。


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