◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/ 6/11 http://dndi.jp

産学官連携推進会議と加茂茄子

DND事務局の出口です。梅雨入りとはいえ、なんてさわやかなのでしょう。京都市の国立京都国際会館の庭園。産学官連携で成果をあげた功労表彰受賞者の面々が、談笑の輪を広げ、眩しすぎる表情で気さくに記念撮影に応じていました。遠望のきく、宝ヶ池周辺の里は、ヒュルルルルとトンビが舞い、多くの野鳥のさえずりが伸びやかでした。聞くと、カモ、サギ、カワセミ、それにウグイスなどが棲息する野鳥の宝庫らしく、産学連携推進を担うトップランナーの集まりの場としては、格好の舞台でした。経済産業省の高市早苗副大臣のオレンジ色のスーツは周辺の緑によく映えていました。一枚のスナップに数多くの「連携」が凝縮されたに違いない。


第2回産学官連携推進会議。その詳細は、10日付けの日本工業新聞に譲るとして、「導入から実践」(奥田日本経団連会長)、「助走からテイクオフ」(井村京都大学元学長)の挨拶での引用を待つまでもなく、「国民的な運動として大きな潮流」(小泉首相)となった産学官連携は、いまや具体的な成功事例から学ぶことの重要性が指摘され、その流れを汲みとって制定した産学官連携の表彰は、最終日のフィナーレにふさわしい演出効果がありました。


壇上には、内閣総理大臣賞のグランプリを受賞した、大口径・高密度プラズマ処理装置開発の大見忠弘・東北大学名誉教授と東京エレクトロンを始め12件の代表者。DNDご推奨でサイトの成功事例で掲載したアンジェスMGやダイマジック、白鳥ナノテクノロジーなどの大学発ベンチャーも含まれていました。同会議事務局の林和弘参事官に問うと、全国から自薦他薦で700件を越える応募から30件を厳選し、さらに12件に絞り込んだそうだ。なんとかDNDでこれらの事例を紹介したいですいね?との打診に「是非、是非、お願いします」(林氏)との快諾をえましたから、そのうち、連載がはじまります。


さて、最終日8日の特別講演で、宇宙飛行2度のチャレンジャーの毛利衛氏は、宇宙から地球を見た経験から「生命も地球もすべて繋がっている−という認識、自分と社会、自分と地球、そして未来、それをどう繋げていくか、そう認識させる教育、人材育成が必要です。社会にプラスをもたらす挑戦というエネルギーには、繋げる−という深い根本的な意味があるーと思いました」と実感を吐露していました。話し振りから誠実なお人柄が伺えました。


「繋ぐ」。この言葉から、ふと、デビル(悪魔)の語源が、デバイド(裂く、離す)からきているという―かつて恩師の言葉を思い出していました。対極にエンジェル。例えば、世の中の方向が、「繋ぐ」、「連携」に向かえばいい。人と人を結びつける連続的な行為が重要なのかもしれません。


京都から帰宅すると、懐かしい京都の友人から、万願寺とうがらし、それに加茂茄子が届けられていました。いま、旬で人気の高い京野菜。調べると、やわらかくて甘い京都伝統の加茂茄子は、発祥が、宝ヶ池周辺とありました。その食感は絶品です。


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