アベノミクスはうたかたの夢か
◆このメールマガジンは、松島克守が、東京大学教授、そして(社)俯瞰工学研究所
の代表としてこれまでに名刺交換やメール交換をさせて頂いた方々に送らせて頂いて
おります。またこのようなMLはメールボックスのご迷惑と感じられる方もあるかと思
います。ご遠慮なく不要のお申し出を下さるようお願いします。また、内容等につい
てもご遠慮なくご意見を頂ければ幸いです。過去の俯瞰メールは俯瞰工学研究所のHP
の「俯瞰メールのアーカイブ」にあります。http://www.fukan.jp/
また、ご友人、ご家族に転送して頂くことは大歓迎です。このマガジンは長いので添
付のpdfファイルを保存しておいてiPad等でゆっくりお読み頂くこともできます。
皆様
◆時候ご挨拶◆
田は緑の絨毯を敷き詰めたようできれいですね。水田は完全に水平ですので起伏ある
欧米の牧草地の風景と違う日本独特の風景です。みずほの国、日本ですね。今年は梅
雨がはっきりしませんが特に水不足の話は出てきません。四季があり緑と水に恵まれ
た日本の国土を汚すことなく大切にしていくことが私たちの使命です。
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・アベノミクスはうたかたの夢か
・中国と米国は首脳会談で何を話したのか
・世界の構造変化を認識しないといけない
・深刻さを増す日韓関係
・ロシアのウラジオストクに行ってきました
・ウラジオストクのマツダ
・俯瞰サロン盛況です
・頭のよくなるクッキング16
・デジタル書斎の構築22
・書評「中国に立ち向かう日本、つき従う韓国」鈴置嵩史 2013
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◆アベノミクスはうたかたの夢か◆
もう少し夢を見させてください、という望みも無残に5月を過ぎると株価も円安も3月
の水準に戻りました。アベノミクスはうたかたの夢だったのでしょうか。この間10兆
円くらいの投機マネーが流入して高値で売り抜け膨大な差益を確保して出ていったの
でしょう。まだ機会を狙っている人もいますが、いずれにせよプロの仕事の世界です
ね。これが資本主義ですから。
もともと異次元的な金融緩和で市場が期待し過ぎたかもしれませんが、続く第3の矢
が
あまりにも期待はずれだったのでしょう。規制緩和で構造改革と言う日本国の再生の
道筋が極めて曖昧です。運悪く7月に参議院選挙がありますから、抵抗勢力の多い規
制
緩和をはっきりと打ち出す事は出来ません。憲法改正は依然主張していますが、国民
の大部分はほとんど関心ありません。規制の中でも重要な課題は法人税率引き下げで
すが、これは代わりの財源と財政規律についてはっきりしたポジションを取る必要が
ありますからこれは秋以降に持ち越しです。混合医療も医師会関係者の反対で先送り
になりました。農業の民営化すなわち株式会社による農地の取得と統合、これは全農
の反対をあたかも農業従事者の反対のようにすり替えてこれも秋以降に持ち越しで
しょう。耕作放棄地、後継者難そして食糧危機という中でまだバラマキの個別補償を
続けるのでしょうか。耕作放棄地に太陽光パネルを設置する事も現在は原則禁止で
す。
いちばん抵抗力がなくかつ政策として経済効果は薄い薬のネット販売だけが具体的な
規制緩和になりました。
政治ですから事情は理解できますが、市場関係者はとりあえず利益を確定して秋以降
の安倍政権の決断と実行を見ることにしたのでしょう。
農協は農業に必要か
医師会は何故混合医療を嫌がるか
薬ネット販売解禁
◆中国と米国は首脳会談で何を話したのか◆
米中首脳会談で何を話したのか興味以上の関心があります。無論北朝鮮の非核化につ
いては最優先で話したと思います。拉致問題は話題にしていないでしょう。G2を認め
させたい中国とそれを認めない米国の立ち位置は変えられませんが。太平洋への関心
が話されたようです。東太平洋は米国、西太平洋は中国で管理しようという日本人か
ら見ると驚愕するようなことを平気で主張したでしょう。海上覇権は習近平の中国の
栄光を取り戻すという最重要課題の柱ですから。尖閣はその太平洋への出口ですから
中国は決してあきらめませんね。オバマ大統領は尖閣が日米安保の範囲である事を繰
り返したと思います。
この時期日米は米国海軍の根拠地であるサンディエゴ沖では島嶼奪還訓練をおこない
大型護衛艦の“ひゅうが”にオスプレイを着艦させ、エレベーターで内部に収納し
て、
また甲板から発艦させて見せました。防衛型ですが空母の機能があることをデモンス
トレーションしたわけです。実弾での訓練もやっています。もしもの時は自衛隊だけ
で任務を遂行するしかありません。米国人の血は尖閣では流せませんでしょう。しか
しこのくらい見せないと中国の暴走は抑止できないでしょう。
もう一つ議題はサイバーテロです。実はサイバーテロという国家間の戦闘の実態が表
面化しました。米中首脳会談でサイバー攻撃を持ち出した米国に対し、中国も被害者
だと切返し、直ちに中国は手持ちのカードを切りました。香港に保護状態に置いた元
CIAのエージェントに米国による膨大な中国機関へのサイバー攻撃の実態を暴露させ
ました。本人は中国政府と接触ないと言っていますがタイミングとしてはこんな印象
ですね。彼はあくまでオバマ大統領の変節が許せないので真実を明らかにしたと言っ
ています。
これには米国もやられましたね。意外と米国のCIAも甘いです。ともあれ米中はサイ
バー空間で宣戦布告なき戦争状態であることが露呈しました。
米中会談の内容
米中会談の内容2
オスプレイが海自艦船に初めて発着艦
オバマ米政権による大規模な情報収集活動を暴露
オバマ米政権による大規模な情報収集活動を暴露2
オバマ米政権による大規模な情報収集活動を暴露3
中国の反応
中国の反応2
CIAエージェントは語る
米中サイバーウォーズ
◆世界の構造変化を認識しないといけない◆
世界という構造が変化してしまったのです。国家という概念が変わったという事でも
あります。戦争の形態が変わりました。そもそも国境というものは甚だ人為的で、ア
ラブの世界では、スンニ派とシーア派そしてクルド族という集団の争いで国家間の戦
争ではありません。古くはユダヤの集団、そして東南アジアの華僑集団は国境とか国
家とか関係なしに活動しています。アングロサクソンも米国、英国、カナダ、豪州、
ニュージーランドは国際紛争では一体として動きます。たまたま日本は国境が海で国
家と民族がほぼ一体という事ですが他の国は殆ど違います。
米国のブッシュ大統領は9.11の後テロとの戦争を宣言しました。そしてイラク
へ、
アフガンへと兵を進めました。宣戦布告なしです。戦争の対象が国家でなくテロとい
う抽象概念ですから。結果古典的な国家間の戦争を前提とした戦争に関する国際法は
対応できません。捕虜もキューバのグアンタナモ基地で国際法の範囲外の処理です。
今日もオバマ政権のアキレス腱の一つです。人権外交のクリントン政権以来の米国外
交は迷走状態になります。アラブの春、そしてシリア内戦と米国の腰は据わりませ
ん。
北朝鮮に対し脱北者の取り扱い、拉致者の帰還などの人権交渉も力が入れられないで
しょう。上記のサイバー戦争もこの世界という国際構造の変化から来ています。日本
もその世界に今いることをしっかりと認識しなくてはいけません。霞が関は長年CIA
の盗聴にあっていることは認識していますが。
古典的な戦争はあくまで国外が戦場ですが、テロとの戦争という抽象概念の敵は国外
と国内を区別できません。従って国内の国民にも戦闘行為が及びます。
今、米国のIT業界は政府の安全保障組織から顧客情報の提供を強要され応じてきたよ
うですが、流石にこれ以上は自身のCSRという倫理から素直に応ずるリスクが大き過
ぎて問題提起をし始めました。電話の通信記録の提供も問題として提起され事件の様
相です。関連してサイバーテロについては通信の守秘という古典的な規範も揺れま
す。
この件では意外と米国民は容認です、やはり9.11のショックは深いのでしょう
か。
当局のNSAはこの情報提供で多くのテロを未然に防いだと主張しています。
無論国際的に懸念が発せられています。
また英政府の情報機関「政府通信本部(GCHQ)」が、ブラウン前政権下で2009年
4月に開催された主要20か国・地域(G20)首脳会議や同年9月のG20財務相
・中央銀行総裁会議で、参加国閣僚らの電話や電子メールを傍受していたと報じられ
ました。新たな戦争の時代は同盟国も攻撃の対象になります。
日本は??
大規模な米国民の通話情報収集
FBIなどがネット企業と協力して個人データを収集
FBIなどがネット企業と協力して個人データを収集2
米大手IT企業、NSAの秘密主義に反発
米大手IT企業、NSAの秘密主義に反発2
56%が「容認できる」米世論調査
「テロ50件以上防いだ」 当局トップ
国際的懸念
英政府G20首脳会議の電話や電子メールを傍受
英政府G20首脳会議の電話や電子メールを傍受2
◆深刻さを増す日韓関係◆
日韓関係が深刻さを増しています。まず韓国のメディアが異常です。韓国の主要全国
紙の中央日報が原爆投下は神の懲罰、という論説記事を掲載したことにおどろきまし
た。常軌を逸しています。ネットの書き込みではありません。朝日や毎日がこのよう
な記事を掲載する事に相当しますから。李明博大統領がメディアを引き連れ竹島に上
陸した映像を流し、天皇謝罪を口にした時は驚きましたが、まあ支持率が低くなり自
身のスキャンダルも報道される政治家だからしょうがないなと諦めましたが、国民世
論を有るべき方向に引っ張る責任ある大新聞が冷静さを失い反日感情を煽り立てるの
は、すでに韓国の知識人の層までが冷静に日韓関係を処理する事を放棄して大衆並み
の感情に任せて動く状態になったといえます。となると日韓関係は当分改善ないで
しょう。
対馬仏像盗難事件とそれに対する対応も異常ですが、ネットの世界では日本のアニメ
に関してさらに感情的な書き込みがされています。
朴大統領も米韓首脳会談という場違いな場で日本批判を持ち出し、さらに中国訪問で
日本を相手にせずというデモンストレーションをしています。中国への配慮が滲み出
ています。米国からのTPP参加の要請も中国とのFTAのほうを優先しています。
韓国には日本と異なり国民に嫌米感情があるようです。その一方でロサンゼルスを中
心に巨大な韓国人コミュニティーがあり、それを利用した議会対策のロビー活動も盛
んですが。
もし朴大統領がウォン高、経済停滞で不安定になる国内情勢を反日でかわそうとする
ならば其れは間違いです。米国も日韓で何とかしてよという事を言っていますが、現
在の韓国国内の状況では、たとえ朴大統領がなにかしようとしてもメディアがこんな
に感情的な状態では何もできません。もともと保守層を総動員して辛勝した政権です
から。こんな感情論では日韓関係は改善のアクションは双方とも取れません。何れに
せよこれまで日韓交流親善に務めてきた方々には辛い時間が続きます。日中が決着し
ないと日韓は解決しないという事です。
対馬・盗難仏像
対馬・盗難仏像2
対馬・盗難仏像3
原爆は神の懲罰
原爆は神の懲罰2
原爆は神の懲罰3
原爆コラム掲載は遺憾
アニメ「進撃の巨人」の韓国の反応
アニメ「進撃の巨人」の韓国の反応2
アニメ「進撃の巨人」の韓国の反応3
朴大統領の訪中
◆ロシアのウラジオストクに行ってきました◆
ビジネスモデル学会の視察ツアーでウラジオストクに行ってきました。成田から僅か
2時間、近くて遠い国です。かつて人口が80万人ほどでしたが現在は60万人ほどの都
市です。ヨーロッパの街です。但し中国領だという中国の返還要求という話題もあり
ます。
2012年9月にこのウラジオストクのルースキー島でのAPECの開催で大規模なインフラ
開発が進み、天然ガスのパイプラインも最近完成して、進行中のLNGの液化プラント
が完成すれば、日本への輸出基地になるでしょう。何かときな臭いホルムズ海峡を通
過する現在の天然ガスの供給ラインのヘッジになります。ロシアは石油と天然ガス、
石炭の輸出が国家予算の半分ほどを占める国ですので、日本への輸出に積極的です。
近くのナホトカまで石油のパイプラインも完成しています。
街を走る90%は日本車の中古です。殆どがSUVです。5%が日本車の新車で残りが日本
車以外という事で、街中日本車で渋滞です。街に殆ど信号が無い事が渋滞の一因です
が、殆どの道が一方通行で、渋滞の中を回り道しますので小さな街ですが移動が厄介
です。
地形は起伏があり坂が多いのでロシアのサンフランシスコと言われているそうです。
霧も多くて展望台からも景色があまり楽しめませんでした。観光スポットは殆どあり
ませんね。
物価は高いですね。ものによっては日本と同じ位かそれ以上です。3.11で一時日本か
らの輸入が止まり其の間韓国と中国の製品が増え、安くてそこそこですので生活用品
はそのまま定着してしまったとのことです。食料は殆どが中国からとのことですが、
スーパーマーケットには食品は豊富です。
給与は7-12万円くらいというので、車の価格や物価を考えるとどうして暮して行ける
のか理解に苦しみますが、どうも裏事情がある様です。
海軍基地はありますが、ほとんど製造業は無く、水産業と農業ですので産業振興が最
重要課題で、日本企業の進出が期待されています。
現在は鳥取県の境港との間に定期のフェリーが就航していてこれが日本との輸出入の
ルートです。境港から韓国を経由してウラジオストクにきますので韓国との輸出入の
ルートにもなっているようです。
鳥取県はフェリーの着く桟橋の海の駅に事務所を開設して物産の輸出と観光客の誘致
をしています。
往復のフライトでも半数以上はロシア人ですので日露の通商は思っているより進んで
いると感じました。これから益々日露の交流の基地になることは間違いありません。
土地があるので農業で進出して欲しいということでした。米、大豆、ソバなどです。
ビジネスモデル学会
ウラジオストク
ウラジオストクは中国領か
ウラジオストクと鳥取県
◆ウラジオストクのマツダ◆
ご好意でウラジオストクのマツダの工場を訪問しました。殆どの自動車会社とは仕事
でお付き合いしましたが、マツダは仕事以上に思い入れがあります。色々な方々と胸
襟を開いておつきあいできたと思います、俯瞰のメルマガ29でも防府工場見学の報告
をしました。
ウラジオストクのマツダの工場は旧国営企業の跡地と思われる場所でカザフスタン発
祥のsollersというロシア企業との合弁です。隣には三井物産と同じsollersとの合弁
企業がトヨタのランドクルーザのノックダウンをしていました。工場の中に桟橋があ
り広島からのコンテナ船が横づけ出来ます。その桟橋が保税倉庫です。そのあと梱包
を解きフォークリストで組み立てラインに投入します。船からラインまで多分100
メートルも移動しません。
サプライチェーンの観点からはここウラジオストクが不凍港である意味があります
ね。
工場の建屋は潜水艦の建造・修理のためか天井がとても高い建物でした。敷地の隣は
まだ潜水艦の修理ドックがあります。それを除いて周辺の土地は既に手配済みとの事
ですが大きくはありません。年産10万台が限度かもしれません。
工場内にはシベリア鉄道の支線が引き込まれて完成車は直接積み込まれ、モスクワ方
面に出荷される様になっていますが、驚くことに特別優遇措置で運賃はほぼ無料との
ことです。自動車産業振興へのプーチン大統領の強い意欲が感じられます。この工場
の開設式典には要望しないのにきてくれ、枝野通産大臣が直立不動で出迎えたそうで
す。
今はノックダウンですが、30ヶ月後にボディー溶接、塗装ラインを導入して更にそ
の30ヶ月後には現地調達率10%、という条件ですから相当大変そうです。とにかく
サプライヤーの集積なし、自動車製造の人材集積ゼロですから、原野の中に自動車工
場を建設すると同じです。関係者のご苦労は察して余りありますが、とても明るく前
向きな挑戦者です。幾多の苦難を乗り越えて今日を拓いて来たマツダの人財の力を感
じました。一度はフォードという外資の下に入り米国人の社長を迎えましたが、広島
マツダに赴任したフォードの幹部は多くが日本の経営を学び、その後帰国して本社で
抜擢されフォード再建を担いました。設計、生産も多くの事をマツダから学んだよう
です。20年以上前ですがフォードの幹部が米国でプレゼンテーションした資料の1枚
を見たことがありますが、“品質は公差に入っているだけではだめだ、分散を小さく
しなければならない、マツダに学べ”というスライドでした。
資金量ではトヨタ、日産などの大手に及ばない分、社員は知力でこれを補う気風があ
ります。最近のスカイドライブはその好例でしょう。圧縮比を異次元に高めることで
ガソリン車でありながらハイブリッド並の燃費性能を実現しました。
この後復活すると思いますが、残念ながら今はロシアの新車販売は落ち込んでいま
す。
ウラジオストクのマツダ
ウラジオストクのマツダ2
開設セレモニーにプーチン出席
ロシア新車販売失速
◆俯瞰サロン盛況です◆
俯瞰工学研究所ではこれまで技術経営学講義というプログラムを実施して来ました
が、
今年から俯瞰サロンというプログラムを始めました。このブログラムは技術開発やベ
ンチャー創立、ビジネスの連携という過去の大きなシーンの内幕、今だから話せると
いうような貴重な裏話をその当事者からお聞きするプログラムです。プログラムの詳
細は俯瞰工学研究所のサイトの左のインデックスにある俯瞰サロンをご覧ください。
とりあえず5月22日からスタートし、最初のお話は日本のインターネット時代を拓い
たIIJ創立の時の舞台裏を当時のスタッフから赤裸々に聞きました。当局とのバトル
が凄い迫力でした。
今回は18日、ソニーとAppleの連携交渉の実話でした “ソニーとアップルのニヤミ
ス”
という題です。参加は14人でした。お話は、今回3.5インチのフロッピーの開発と初
代
MACへの売り込みそして世界標準への道でした。すごく感動的なお話で胸にジーン
と来るものがありました。
基本的には会員が対象ですがご参加をご希望の方はサイトからご連絡ください。
◆頭のよくなるクッキング16◆
通勤??(今は勤務先ありませんが)は自宅から恵比寿までを約15分程度歩くように
しています。途中にすごく魅力的な居酒屋や料理やレストランがありますのでその誘
惑に帰宅の途は寄り道になることがあります。今回は一つの道をご案内しましょう。
恵比寿駅の西口を出て恵比寿様の像の前を通り交番の所の横断歩道を渡りそのまま
真っ直ぐに入る道です。入り口の右の角はソフトバンクのお店です。その先地下に降
りたところに日本料理の「かどた」があります。焼き魚のおいしい手ごろな日本食レ
ストランです。オススメは5,000円のコースです。いつも満員で予約なしで行くと入
れないことがよくあります。その先の角をまがったすぐの地下に「Bistro
CarneSio」
があります。これはイタリアかスペイン風の肉の居酒屋という感じの店です。最近は
肉を控えているのであまり行きませんがオススメです。その店の道を渡った左側に
「魚一商店」と言う魚料理の居酒屋があります。刺身を中心に新鮮な魚が安くて美味
しい店です。水槽もあり活きたイカが泳いでいます。マグロの中オチはそのまま出て
きて自分でスプーンで、掬いとって食べます。美味しいですね。その先にステーキハ
ウスの府川があります。入ったことありませんが雑誌に紹介されていてヒレステーキ
が美味しそうです。そこから少し歩くと角にビヤホールがあります。立ち飲みで、い
つも人で溢れています。ビールもワインもとても安いです。さらに少し歩いた道を
渡った右側にはGuaposと言うスペインのBARがあります。いろんなワインが安く飲
めます。酒のつまみそれはスペインのBARと同じです。その1軒先に有名な「俺の
フレンチ」があります。ブックオフの創業者が始めたレストランチェーンで大人気で
す。 5時前から行列ができ、 9時になっても行列があります。 11時が閉店ですがそ
の頃には食べるものは残っていません。テレビでも紹介されていましたが立ち食いの
フレンチ料理です。その先の角には「フィッシュハウス」と言うオイスターバーがあ
ります。いろいろなカキが用意されていますが、今は夏ガキですね。それから先も店
はありますがこの通りはここで終わりです。ご案内した店の間はカラオケ、バー、飲
食店が殆どです。
時間と興味がお有りの方、一度散策されてはいかがでしょうか。
◆デジタル書斎の構築22◆
前回ドラゴンスピーチという音声認識ソフトがかなり使い物になるというご報告をし
ましたが、これを使って会議の議事録が作れないかなという事に挑戦してみました。
見事失敗でした。今回の“頭がよくなるクッキング”と“書評”はヘッドセットマイ
クによる直接入力、ドラゴンスピーチの口述入力です。簡単な修正で仕上がりまし
た。
問題なく実用的で入力スピード即ち原稿は10倍速く完成です。
そこでiPhoneに外付けマイクを付けて幾つか実験してみました。購入したマイクは、
Amazonで1980円の【iPhone5/iPad/iPad mini対応】スタンドクリップ付高性能ビジネ
スマイクです。
まず文章を読み上げてその音声ファイル(WAV)を認識させてみました。下記がその
結果です。読み上げた文章はこのメールの時候の挨拶です。
“タワー緑の絨毯を敷き詰めたようで綺麗ですね水田は完全な水平ですので欧米の牧
草地の風景とは違う日本独特の風景ですみずほの国日本ですね今年は梅雨が発揮して
いませんが特に水不足がなされてきません識があり緑と湖まで日本の国土を汚すこと
なく大切してことが私たちの使命です”
かなり誤りがありますが修正すれば文章を復元できます。
次は胸にピンマイクを付けてスライドでのプレゼンテーションを録音してそのファイ
ルを認識させました。スライドは地域クラスターの説明です。結果は下記です。
“親クラスタの地域経営戦略が気にクラスタの特定の地域における企業大学公的から
のネットワークで構成されもらって反日的な近接のみよる工業団地や下げ渋った俯瞰
新事業展開が4匹産官学連携室家が買える人があるがを更新することが強い経済効率
が違う違ってる好ましい好循環でされて地域の課せられるその鍵はイノベーション志
向する地域文化の醸成後行きます“
これはかなり酷いですね。ただ私の滑舌の問題もあると思いますが、これから原稿起
こしは骨ですね。
次は広い部屋でのプレゼンテーションを録音して音声認識させた結果です。プレゼン
テーションはフロッピーディスクの開発の物語でした。その一部の結果です。
“オーバーナイト系のその方にされているジキルと前にないかもしれないというです
ね。店主が勝をするのはあまり好きじゃない んちゃってするデジタルなので得られ
る花粉ですね書き込み電流はあのピアス厳しく言ってみるのもあるんですけれども得
られるがGoogleがすごくわかってきてねー結局組なのでさっき見ましたけれどもスザ
ンヌを発売までに3ミクロンまでにできたそれも大変でο 20世界されているので世界
最高の魅力?輸出先は新入社員が強さも説得するとすぐに大変なそれもあの花理由で
すねという皆様お元気ないそのその会社がものすごい自信のあるそれは違うものにプ
ライスにその別のものです。”
全く使えませんね。音声が反響している事、人工知能が勝手に変な推論を行ってしま
うのでこんな不思議な文章になってしまうのでしょうか。
何れのファイルも音声としては人間には全く問題なく聞こえます。頑張って研究を続
けまた報告いたします。
◆書評◆
今月のご紹介は「中国に立ち向かう日本、つき従う韓国」鈴置嵩史 2013 です。
本書は近くて遠い国、知っているようで知らない国、韓国に関する俯瞰的理解を深め
る本です。著者は日本経済新聞社の編集委員で広く国際関係の取材をし、またハーバ
ード大学の研究機関での研究実績もある専門家で、少し辛口かもしれませんが傾聴す
るに値する見識だと思います。
すでに上記の「深刻化する日韓関係」で述べたように韓国の近年における国際的な立
ち位置の変化を理解する最初のキーワードが「離米従中」です。メディアも「中国を
甲として、韓国を乙とする関係」という意見を紙面に登場させているということで
す。
また靖国神社に放火した中国人を日韓両国間の条約にもとづいて引き渡しを求めた日
本政府の要請を無視し中国に送り返した、ということも韓国政府が中国の圧力に屈し
たということです。前回紹介した日韓軍事情報保護協定のドタキャンも中国の強い指
示に屈したといわれています。
即ち次のキーワードが「恐中卑日」です。日韓問題の本質は実は「反日」ではなく
「恐中」であると言うことが著者の見解だと思います。そのため韓国は米国と中国と
の間をうまく泳ぐというのが国家戦略であり、日本は無視ですから本質的な日韓関係
の改善は極めて困難です。
内容は、第1章 中国ににじり寄る韓国の本音、第2章 日本を見下す韓国の誤算、第3
章 米国と離れる韓国の勝算そして第4章 妖怪大陸を見つめる日本の眼、です。いず
れの章も後半にテーマにふさわしい知識人との対談が収録されているので、一方的に
著者の主張を聞くだけでなく関連意見を認識することができます。この部分も大変興
味深い内容です。第4章2つ目の対談は韓国でのビジネス経験がある経営者の方との対
談で、生々しい過去のいきさつが述べられています。
エピローグとして著者は、結局は中国といかに付き合うかが本質的な日韓関係である
と述べています。なぜ韓国が中国の顔色を覗うようになったのかは、実は二度も米国
から見捨てられた歴史があるからということです。一度は1950年のアチソン国務長官
の演説で、米国が責任を持つ防衛ラインはフィリピン、沖縄、アリューシャン列島で
あると述べ、これが北朝鮮が韓国に侵入するきっかけとなったとのことです。二度目
は1971年の米中の和解でこの時朴大統領は「米国に見捨てられる」と言う深い危機感
を持って、核開発と長距離ミサイルの開発を試みたが米国の強い反対で挫折して、か
つ朴大統領は暗殺されるに至ったという歴史もあります。
いずれにせよジャーナリストとしての客観的な情報の上にはっきりとした主張がされ
ている本で、冒頭に述べたように日韓関係や日中関係を俯瞰的に深く理解するために
役に立つと思います。ご一読をお勧めします。
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◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更
下記まで webmaster@fukan.jp
……………………………………………………………………………………………………
◆俯瞰 MAIL 0030号(2013年6月22日)
発行元: 一般社団法人 俯瞰工学研究所
発行責任者:松島克守
URL: http://fukan.jp
======================================
※本記事は松島克守氏の許諾を得て、再録したものです。
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