ミャンマーに行ってきました


◆このメールマガジンは、松島克守が、東京大学教授、そして(社)俯瞰工学研究所の代表としてこれまでに名刺交換やメール交換をさせて頂いた方々に送らせて頂いております。またこのようなMLはメールボックスのご迷惑と感じられる方もあるかと思います。ご遠慮なく不要のお申し出を下さるようお願いします。また、内容等についてもご遠慮なくご意見を頂ければ幸いです。過去の俯瞰メールは俯瞰工学研究所のHPの「俯瞰メールのアーカイブ」にあります。http://www.fukan.jp/また、ご友人、ご家族に転送して頂くことは大歓迎です。



皆様

◆季節のご挨拶◆
都心を離れ田園地域にいくと、田に水が入り田植が終わった田んぼと、穂が伸びた麦畑の景色が広がり、元気を感じる風景ですね。山は濃くなった若葉色で力強さをくれます。

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・ミャンマーに行ってきました
・ミャンマーの民主化は後戻りしない
・エネルギーが有ってエネルギーが足りない
・原発再開の決心がつきました
・上海に行ってきました
・中国の経営者と話してみました
・中国新幹線に乗りました
・久しぶりに金沢に行ってきました
・100日間の生活習慣の改善で効果出ました
・頭のよくなるクッキング4
・デジタル書斎の構築10
・書評 : 「脳をつくる読書」
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◆ミャンマーに行ってきました◆

ビジネスモデル学会の海外視察団でミャンマーのヤンゴンに行ってきました。印象を幾つか。


まず、ヤンゴンの街は他のアジアの街と違い、綺麗で静かでした。ヤンゴン市内は、自転車、オートバイ、三輪禁止のため自動車が大半です。このため街がすっきりした感じです。車は殆ど全て中古車ですが程度がいい綺麗な車が大部分です。バスは日本のバス会社の名前が残っているモノも有ります。乗用車はカローラが多いですね。耐久性と品質で人気だそうです。それでも日本円で数百万円です。ランドクルーザーは何と4000万円!加えて道路にほとんどゴミがありません。清潔です。あくまで市内中心部ですが清潔です。更に、電柱が有りません!街の景観は東京以上ですか。


大型のショッピングセンターが十数件あります。かなり大型で、中のテナントはアジア標準です。


街の人々の服装もバンコックやシンガポールや上海と同じです。少し人の数がすくない感じです。サラリーは月80ドルくらいと聞きましたが、貧しい感じはまったくありませんでした。不思議ですね。


街の人々の表情が優しいですね。セカセカ、ガツガツした人や、物欲しそうな人はいません。会った方々もそうです。仏教が生活レベルで浸透しているためでしょう。日本人と違い本当の仏教徒です。この雰囲気が、中国やインドの街の表情とのコントラストを生んでいます。これから、ミャンマーに来る日本人旅行者が増えると思いますが、ハマる人も増えると思います。バリ島の様に観光地化していないので、ゆったりと大きな癒しの国を感じるでしょう。


◆ミャンマーの民主化は後戻りしない◆

スー・チーさんの家をみました。と言っても前をバスで通過しただけですが。市内にある大きな美しい湖のほとりにある御殿ですね。ビーチ付きです。軟禁というと暗いイメージで狭い家に押し込まれているようですが、物理的には毎日がリゾート暮らしです。外出、旅行、面会が制限されているので精神的には狭い所に押し込まれていたと思います。其の間民主化のリーダーであるという精神を持ち続けた強靭な精神力は、やはり鉄の女です。


ミャンマーに行き、色々な人と会い、市内をみて、また現地でビジネスをしている邦人と話した結果、ミャンマーの民主化の流れは本物だと認識しました。もう後には戻せないでしょう。この実感が今回の視察の最大の収穫です。


◆エネルギーが有ってエネルギーが足りない◆

最大の課題は停電です。一日数時間は日常的だそうです。ホテルでもしばしば。自動で自家発電に切り替わらないので、二三分停電状態です。産業は大打撃で電気を必要とする産業は今しばらく無理ですね。


実はミャンマーはエネルギー資源に恵まれています。山岳部には豊富な水力発電が有って、現在中国に輸出しています。問題は、発電所は中国が建設してその見返りに90%を中国に送電しています。このモデルで計画されていた新しい発電所の計画は最近になって新政権により中止になり、中国は非常に怒っているようです。


近海には豊富な天然ガスが有り既に採掘も行われていますが、長期契約で輸出され国内にまわりません。非民主的な為政者がエネルギーや資源開発の利権を海外に渡し、見返りを略取する手法は、開国の時の共通現象です。そして所謂財閥がつくられます。近くはロシア、中国、そして日本の明治維新も同じモデルだったのでしょう。という事で本格的な製造業は無理で、今は自家発電で何とかなるミシンと蛍光灯のアパレル縫製工場が盛んです。既に中国から低賃金を狙って移設してきた日系の工場にも見学に行きました。一つの日系企業は賃金をめぐってストライキでした。低賃金を追求する際のリスクです。


◆原発再開の決心がつきました◆

以前このメルマガで、原発再開の決心の日がくると書きましたがその時が来ました。時間がかかりましたが仕方ないでしょう。例年は一日も早く鬱陶しい梅雨が開けて欲しいと思いますが、今年は少し梅雨が長いといいですね。原発の運転が安定するまで。この後は短期、中期と分けて議論を重ねて国民的合意を形成して行く必要がありますが、初めから「原発有りき」と「原発廃止」の立会いで始まるのが見えますので心配です。


見えない原発再開のリスクより、計画停電による関西、大阪市の混乱のリスクの方が遥かに大きい事を認識できていない知事さんたちには困ります。私見ですが、関東は比較的社会的な合意に基づいた社会の対応が出来ていた事と、都心中央部の計画停電が無かった?事もあり何とか計画停電を無事に乗り切ることができましたが、大阪市中央部を含む計画停電による社会混乱、産業インパクトは昨年の東電の計画停電よりずっと高いことを、市長や知事が理解できない、周辺のスタッフが説明できていない、やはり劇場型の市長や知事は裸の王様なのでしょう。菅総理の末期も酷いことが事故調査で明らかになって来ましたが。政治家を評価する時は周辺の人材を十分にみないといけません。古い例では、秀吉と家康の違いもここにあります。朝鮮出兵?


この程度の水準の政治屋に国政はまかせられません!維新の会にはそうそうたる方々が応援団としてついていますが、流石にどなたかが、注意したのでしょう。此れで維新の会という集団の政治的能力が露呈して、一時の熱病的な勢いが収まることに成るでしょうか。


◆上海に行ってきました◆

久しぶりに上海に行きました。相変わらず巨大な空港で歩く距離が馬鹿になりません。空港から市内に車で移動ですが、太陽が朧月夜の月のように、直視できます。すごいスモッグです。気候もあるでしょうがすごい空気汚染です。車中の友人はまったく驚いていません。青空が出る日も有りますと言っていましたから、これが日常なのでしょう。上海はスモッグに沈んでいました。


両脇の林立する普通のマンションの価格を聞くと東京より同じか高い感じです。人件費は上がっていると言っても、まだかなり日本の給与水準と差があります。マンションの価格はこの数年で三倍になったそうです。ちょっといいマンションは一億円。買うのは頭金いれて銀行ローンだそうです。バブルの真最中です。しかし安易にブレーキを踏めません。中国の金利、金融政策はまさに綱渡りです。これまでは物凄く旨くやってきました。今後も宜しくお願いします、ですね。日本にとってギリシャどころではありませんから。


ただ、ギリシャ危機はユーロ危機につながり、欧州経済は中国の輸出と直結しています。世界が固唾をのんで注視したギリシャの総選挙は緊縮派が辛勝しましたが、まだギリシャ、スペイン、そしてイタリアから目が離せません。際どいですね!全てはメルケルの腕にかかっています。此れも鉄の女!


◆中国の経営者と話してみると◆

中国の経営者と話して見ました。一人は中小企業の経営者で、色々な事業に手をだしています。日本製の高価な工作機械を十数台購入して、ディーゼルエンジンの部品加工の外注をしています。やや景気が落ち目と言いながら目先の仕事はあり、粗利は40%くらいあるそうです。まず3年位先の中国経済はどうでしょうかと質問すると、今年来年は厳しいが安定成長は続くと考えているという事です。日本の企業を買う気があるかという問いには、知らない国の事業には興味がないとのこと。更に不動産投資はどうですかと聞くと、もう各地に5件も不動産を持っているが、貸してもいないし、ほとんど行っていない、時々友人がカギを借りにくるくらいだから、不動産投資にも興味ないとのこと、堅実ですね。更に、習近平に代わったらどう中国は変わるのか、という問いには大きな変革はない、安定成長の政策に変化はないと思うが、習近平の政策を確認するまでは設備投資は控えるという返事でした。


もう一人は中国最大の建機メーカーの幹部です。広大な新工場を建設していて、内部の設備は最新式のFAです。溶接ロボットはドイツ製です。


こちらは作れば売れる状態が続いていますし、南米への輸出も始めています。まだまだ公共工事は続くという事ですし、来年はコマツを抜くという成長ぶりです。


上と同じ質問をしました。中国経済は、今年来年は厳しいが基本的には安定成長を続けるとみていました。習近平に変わったたらと聞くと、大きな変革はないだろうという点も上と同じです。


この街はこの会社の城下町です。関連企業も集積しています。この集積を見てキャタピラーも工場を展開しています。道路の整備が凄いです。幹線道路はほとんど片側4車線です。


◆中国新幹線に乗りました◆

上の建機メーカーを訪問する為に上海から新幹線に乗りました。片道約2時間半です。まず、上海空港に始点があります。空港の一ターミナルという感じです。入口のX線検査等も全く同じです。本数ですが1時間に平均して1本くらい北京行きが運行されている感じです。無論「ひかり」と「こだま」の様な特急の種類があります。驚いたのは殆ど切符が売り切れです。しかも一時入手難でダフ屋が横行したため現在は身分証明書か旅券を提示しないと買えません。社内は一等、二等がありこれも日本と同じです。ただ、一等車も満員です。中国経済は完全に離陸しています!別に小さな特等のキャビンも有りました。乗り心地はいいです。殆ど横揺れはありません。途中に少しトンネルがありましたが、基本的に真っ直ぐで勾配も少ないようですので走行は安定しているのでしょう。目的地に着くとその駅も空港ターミナルと同じ雰囲気です。将来を考えてでしょうか広いホームが6本くらいありました。


帰国して新幹線で大阪に行きましたが横揺れが大きく通路歩行は左右の座席に手を掛ける有様です。かなり路盤が老化しているのでしょうか。


◆久しぶりに金沢に行ってきました◆

多分三十年ぶりくらいに金沢に行きました。落ち着いた美しい街ですね。三十年ほど前は金沢工業大学にIBMの汎用機をインストールする仕事で行きました。大学のコンピュータ利用では、当時この大学は日本で最先端だったはずです。新築の図書館の蔵書管理システムの導入です。当時既に大学に情報システム部が有ったと思います!その後、インターネットの前身のシステムBitネットも導入したような記憶があります。この大学と理科大学がIBMの大学での利用のモデルでした。これは私の本務ではなく、タスクとしてお手伝いでしたが、大学からIBMに移籍してまもなくであり、意味ある仕事でしたので注力しました。その時その仕事をご一緒した方がいらっしゃって昔話で盛り上がりました。いい仕事をご一緒した縁は最高の縁ですね。これに続き、北大、東大、慶応大学、豊橋科学技術大学、神戸大学、九州工業大学にCADルームを寄付するプロジェクトをやりました。今の人は信じられないでしょうが、当時は国立大学は国産以外のコンピュータは行政指導で導入禁止でしたが、現場の先生方のCAD教育の導入に関する熱意に助けられてやり遂げることができました。


金沢工業大学ですが、本当に素晴らしい大学に発展していました。関連する情報は耳にはいっていましたし、何人かの友人、知人が教員をしていますので分かっていたつもりですが現場は印象が違います。あの図書館も健在でなつかしかったですね。中にLPレコードのポップスのライブラリーがあり、さらに懐かしいEP(ドーナッツ版)のジュークボックスまで有ります。いいね!


希少書籍の特別展示室をご好意で見せて頂きました。感動です。三十年かけて蒐集された、電気工学に関する、グーテンベルグ本の初版がずらっと並んでいます。あのファラディーやマックスウェルが書いた教科書です。中性紙ではなく羊皮紙ですので劣化がなく紙面が鮮やかです。年に一度学生にこれで技術史の講義が有るよし、これもすばらしいですね。


今回何をしに?頼まれて大学院の学生に、キャリアを考える、という趣旨の講義でした。エンジニア、研究者、ビジネスマン、コンサルタント経営者、教員と、私自身はキャリアのデザインはしませんでしたが、色々な経験をして来ましたので何かお役になるかなと思いまして引き受けました。


◆100日間の生活習慣の改善で効果出ました◆

前回3月から食習慣を改善して効果が出始めているとお伝えしましたがその続きです。


3月中旬からの食事では、まず止めたものは、鳥を含む肉類、乳製品、白米、パン、麺です。もともと菓子ケーキは殆ど食べません。白米は玄米に交換といってもいいです。紅茶も桑の葉の茶に代えました。新たに加えたものは野菜料理の量でしょうか。昼ごはんは止めて、1日2食にしました。ですからカロリーも2-3割減でしょうか。あとはそれまでと同じで、朝食は人参、セロリ、レモンの野菜ジュース、野菜料理、納豆、ブルーベリー、グレープフルーツ、ミカン、少量のナッツ、桑の葉の茶です。パンは食べません。サプリメントも基本的にこれまで通り。夜は魚料理、刺身が多くなりました、焼き魚も。あとはお浸し、野菜炒めなど野菜料理を2種類と玄米一杯、これにはゴマか、ジャコを沢山掛けます。おなかも空かないし肉を食べたいという気持ちも起こりません。


酒はビール、日本酒、白ワインを止めて、赤ワインだけですが毎日0.5-0.8本くらいです。


約100日の結果です。2月の血液検査の結果と6月の結果を比べると、総コレステロールは232→156、中性脂肪は172→71、尿酸値は6.9→5.6、γ―GTPは63→33、空腹時血糖値は151→119、これと関連するHbAlは6.4→5.3です。我ながらあまりの効果に驚きました。次の血液検査は8月です。楽しみですね。因みに体重73→70、BMI 23.5→22.6、体脂肪率 23.8→21.5、タニタ年齢 57歳→54歳です。


加えたものに、あの不老遺伝子を活性化すると言われているラベストロールが有りますがまさか?


◆頭のよくなるクッキング4◆

料理の話がなく食の話が続きますが、先般の油脂の話を解り易く整理しておきまししょう。


摂取してはいけない油:マーガリン、ショートニング(安いケーキやクッキー)、酸化した油(外食等の古い油の揚げ物)これらトランス脂肪酸は動脈硬化を引き起こし心臓や血管に有害です。


極力接種を避ける油:動物性脂肪、乳脂肪、ヤシ油、ココナッツ油、これらは飽和脂肪酸でコレステロールを増やし動脈硬化を引き起こします。


摂取最小限にする油:大豆油、コーン油、綿実油、ごま油、菜種油、紅花油、ひまわり油は多不飽和脂肪酸で、酸化しやすい上、悪玉コレステロールを減らしますが善玉コレステロールも減らしてしまいます。また精製の過程で化学品を使用するので少量有害なトランス脂肪酸を含みます。注意、菜種油とキャノーラ油は別物でキャノーラ油は品種改良されて有害なエルカ酸を無くしたものでこれは摂取してもよいと言われています。青森産の菜種油は品種改良されたものです。紅花油も品種改良されてオレイン酸を多く含むものは摂取していいです。ピーナッツ油は避けます、これは発がん物質のアフラトキシンを含んでいる可能性がありますので。


摂取してよい油:エクストラバージンオリーブ油、化学品で抽出したオリーブ油は避けます。


積極的に摂取をする油:必須脂肪酸はオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸ですがオメガ3脂肪酸は限られた植物油にしか含まれません。現代人は不足してこれが色々問題を起こしていると言われています。この不足するオメガ3脂肪酸を含む油は、エゴマ油、シソ油、亜麻仁油です。ただし酸化に敏感なため決して加熱しないで、生で摂取すると同時に冷暗所に保存する事。食物ではクルミ、そしてサケ、イワシ、サバ、ニシンという冷たい海の魚はオメガ3脂肪酸を造るEPAやDHAを豊富に含みます。


という事で私のキッチンの油は現在、加熱料理用に品種改良されオレイン酸を強化した紅花油と、加熱料理、サラダ等生食に使うエキストラ・バージンオリーブ油、そして生食専用のエゴマ油になりました。香りづけの胡麻油も有ります。


◆デジタル書斎の構築10◆

アナログ書斎の話が続いてしまいましたが、書斎の大掃除をしました。書棚に並びきれない不要な書籍を思い切って処分しました。と言っても捨てるのも気が引けますし、古本屋に持って行くのも大変ですので、東京大学の図書館に寄付する事にしました。なんとOBは引き取ってくれること発見!しかも宅急便の業者が引き取りに来てくれます。多分多くの教授の方々は沢山の稀覯本をお持ちでしょうが、私はそんな書籍は有りません。あくまでもう読まない本です。必要な書籍は大学が引き取り、それ以外は売却処分してその収益は寄付です。しばらくすると5500円になったという通知がありました。お陰で書棚がスッキリして、「積ん読本」がなくなりました。


面白い記事の有る雑誌を取ってありましたが、カート1台分捨てました。捨てる前に今や得意の自炊技術でお目当ての記事をpdf化して、クラウドのBOXというサービスに収納しました。このアプリケーションはDropboxに似ていますが、グループでの情報共有やプロジェクト活動を支援する機能が充実しています。新たなファイルをアップするとフォルダーの共有者に通知が行きます。又フォルダーの共有者がダウンロードするとその旨通知がきます。無料版ではDropboxより同期の速度が遅いです。


Dropboxもフォルダーの共有ができますが、共有先のDropboxの中に共有フォルダーが生成されますのでその分Dropboxの容量が圧迫されますし、むろん連絡や通知は行きません。このBOXは共創のツールとしてゼミなどでの利用が出来ますね。


BOXのクラウドに収納した雑誌の記事その他は俯瞰工学研究所図書室と名づけて、俯瞰工学研究所の会員の方々と共有しています。


中のサブフォルダーとして、世界の旅、日本の旅、生活・社会、人、脳、食・健康、料理、日本、アメリカ、中国、国際関係、3.11フクシマ、論文、ビジネス、テクノロジー・IT、環境・エネルギー、老化、が出来ましたが、これが、私が興味を持っているトピックスでしょうか?


旅先ですので、この原稿は以前紹介しましたPlaintextというアプリケーションでiPadの上で書いていますが、書いたはじから自動でクラウドに同期しますので、帰宅してファイル転送の処理をしないでパソコンのPlaintextを開いて、ワードに張り付けて、続きを書くことができます。出張中にこれで原稿を書くスタイルが定着しつつあります。


◆書評◆

今月のご紹介は、「脳をつくる読書」 酒井邦嘉(実業の日本社 2011)です。


題名に惹かれて書店で手を出しました。奥付を見ると、著者は1964年生まれ、私が大学に入学した年です。ということは比較的若い研究者で新しい知識が得られそうでしたので読むことにしました。著者は言語脳科学の専門家で、東京大学で物理学、脳科学、言語学を教えています。文庫本の様な短い文字数ですのですぐ読めます。


この本のエッセンスは、脳のもっとも重要な機能は想像力であり、読書はその想像力を鍛えるという事でしょうか。読書をすればするだけ脳の想像力が強化され、行間を読む力も付き、これが「脳をつくる読書」の所以です。


この本の困るのは、上記の文脈と関係なく電子書籍に対する紙の本の優位性を議論し、擁護を訴えている事です。一部電子書籍に関する勘違いもあるように思えます。電子教科書にも懐疑的です。最後は共存を説いていますがこれは当たり前です。


中身を紹介するのは止め、中にある脳のテストを紹介しましょう。次の文章は何について述べているのでしょう。駒場500人の講義で正解は2-3人だったという事です。


「その手順は実はとても簡単です。まず異なるグループに分けます。もちろん、必要とされる量によっては、ひと山で十分でしょう。設備がないためにどこか他の場所へ行かねばならないならば、それが次のステップですが、そうでなければこれで準備万端です。やりすぎないことが大切です。一度には多すぎるより少なすぎるほうがよいのです。さしあたりは、これは重要なように思えないかもしれませんが、面倒なことが起こりやすいです。一つ間違うと高くつくことにもなり得ます。最初は全体の手順が複雑なように思えることでしょう。しかし、すぐにそれは生活の一部となることでしょう。近い将来この作業の必要性に終わりがくることは予見しがたいのですが、決して誰にもわからないのです。その手順が終了した後は、それらを再び異なるグループに分けます。そしてそれらはそれぞれの適切な場所に置かれます。結局、それらはもう一度使われるでしょうし、この全体のサイクルはまた繰り返されねばならなくなるでしょう。しかし、それは生活の一部なのです。」


答え?(社)俯瞰工学研究所のHPの俯瞰メール補完資料に置きます。



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◆俯瞰 MAIL 0018号(2012年6月20日)
発行元: 一般社団法人 俯瞰工学研究所
発行責任者:松島克守
URL: http://fukan.jp
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※本記事は松島克守氏の許諾を得て、再録したものです。


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