第9回 ヨガ


 折角インドのような異国に来たのであるから、インドの文化に触れてみたいと思い、とりあえず、ヨガを始めてみようと思いました。大家さんが日ごろヨガの教室に通っているということを聞いたので、大家さんにヨガの先生を紹介してもらおうと思い相談ました。大家さんは大勢でヨガを習う教室に通っているが、ビギナーは特に最初、手取り足取り教えてもらえるようマンツーマンのクラスに通った方がいい、また、英語の話せるヨガの先生を見つけないと、何のためにこのような動きをしているかなど説明が理解できないので、英語の話せるヨガの先生を見つけた方がいいとのアドバイスをもらいました。そこで、日本人でマンツーマンでヨガの先生に教えてもらっている人がいるか、いろいろな日本人に聞いて回ったところ、私の家の近くでヨガを教えてもらっている人がいたので、その人にヨガの先生を紹介してもらいました。その先生は、Rajeev Shuklaという先生です。値段は、自宅に来てもらいヨガを教えてもらうのに1回1時間500ルピー(=約800円)であり、日本で同じようなことをした場合に取られるであろう価格から考えると相当安いと思います。


 ヨガと言えば、柔軟体操をしていることぐらいしか思い浮かばなかったのですが、実際には、3種類の運動からなることがわかりました。一種類目はmovement、二種類目はposing、3種類目はstretchingです。Movementというのは、いっぱい有酸素運動をしながら、ただその運動の中に体をひねったり延ばしたりする運動が入っているというものです。posingは、ある動きをするのですがその最後の形がストレッチのような静の形で終わる動きのものです。Stretchingは、文字通りストレッチをすることを指し、少し上級になってくると先生の力を借りて一人ではできないようなストレッチをすることになります。ただ、3つの種類のヨガに共通して言えるのは、どの種類のヨガもどこかで体の部位を伸ばす動きが入っているということです。


 私自身日ごろから自分の体が硬いことは身をもって承知していたため、丁度いいと思い始めることとしました。実際、体験してみると、結構な運動量を求められます。1時間もしていると、吹き出るように汗が出てきます。また、私のように40歳になるまでこれまで柔軟体操などほとんどしていなかった者としては、いまさら柔軟体操をしても体が柔らかくならないだろうと想像していたのですが、週2回のヨガを1か月もしていると、目に見えて体が柔らかくなってくることがわかりました。


 Rajeev先生は、私とほぼ同じ年齢の先生であり、英語が達者なので、ヨガのみならず、インドの文化や生活についいてもいろいろと教えてくれます。例えば、ヨガのレッスンが終わるとチャイを飲もうと言って、道端のチャイの店に連れて行ってくれます。私はまだ、インドに来て日が浅いので、まだ道端の店は遠慮していたのですが、ついていくことにしました。Rajeev先生は、家の近くのチャイの店に行くと、このチャイの店は、非常にきれいで、ミルクも一番いいミルクを使っていると教えてくれます。ただ、私が見てもどこがきれいなのか、どうやって使っているミルクの質が高いとわかるのか、さっぱり見当がつきません。Rajeev先生にどのようにしてそのようなことがわかるのかと聞いてみたところ、ゴミ箱に捨てられている袋を指し、この袋が一番いいミルクのものであるからだなどチェックすべき勘所を教えてくれました。私から見ると、道端のチャイの店はどこも同じように見えていたので、インド人がそのようにいろいろと店をチェックしてチャイを飲んでいるというのは、新鮮な驚きでした。ただ、日本でも外国人にはわからない小さなこともそこに長らく住んでいる日本人は気を付けて生活しているということは十分ありますので、よく考えてみると当たり前のことかもしれません。



 Defence Colonyの家の近くにある道端のチャイの店です。Rajeev先生は、しきりにこの店はきれいだ、チャイの甘さもちょうどよく、ミルクの量もちょうどよいとのことです。この店は、朝6:30頃から夕方19:00頃までやっています。



 チャイの店の横の壁きかけてあるゴミ袋です。V字型の赤い色のものが入っているのが、ミルクが入っている袋です。これらをみて、この店のミルクは本物を使っているとかいないとかを見分けているようです。



 Rajeev先生とのツーショットです。ヨガのレッスンの後、チャイの店の前で一緒にとったものです。



記事一覧へ