第6回 自宅近くの散策
今回は、私の家の近くを散策した時の街の状況をご紹介したいと思います。私の借りている家はDefence Colonyというところにあり、どうも退役軍人の人たちが昔住み着いたところということでそのような名前がついているようです。街の中心部から南の方に車で30分くらい行ったところにあり、近くに商店街のようなマーケットが3つほどあります。
まず、朝7時頃に家の外に出て歩いてみると、結構人が外を歩いているのを見ます。日本でどの程度の人が歩いているか意識して考えてことなどこれまでありませんでしたが、明らかにデリーで歩いている人の数が多いのに気づきます。私の借りている部屋は建物の2階にあるのですが、7時過ぎに新聞配達が私の部屋のベランダに新聞を放り投げて届けてくれます。最初はなんてずぼらなと思いましたが、考え方を変えると、受け取る方にとってもいちいち1階まで取りに行く必要もなく便利です。
私の家の近くの住宅街(Defence Colony)の風景です。Defence Colonyは、デリーでは比較的広い面積の家が並んでいます。写真に写っている1件の家は、標準的には4階建てであり、1フロア毎に、1〜2世帯(場合によっては3世帯)が住んでいるという感じです。
8時頃になると通学途中の子供たちがいっぱい歩いてきます。家の近くに小学校がいくつもあるのですが、本当にたくさんの子供が集まってきます。親が手を引いて連れて行く風景もいっぱい見られます。また、野菜を台車に乗せた八百屋が大きな声を出して野菜を売りに来ます。人がいっぱいいて、なんだか活気があるような感じがします。
家の近く(Defence Colony)の路上にこのような台車に野菜をいっぱい積んだ八百屋がいっぱい来ます。
このほか、日本との違いですぐに気づくのが、動物の多さです。なぜかネコは見かけないのですが、リス、犬、鳥(カラス、鳩?、)などがいっぱいいます。特に犬は、野良犬だと思うのですが、日本と比べると本当に多いです。またこれらの犬は、本当にぐーたらです。道をのろのろと歩いていることもあるのですが、多くの場合歩道で、場合によっては車道で無防備に寝ています。おそらくインドでは、宗教上の理由から生き物を殺さないようにしているために、これらの野良犬たちは行動様式がぐーたらになっているのではないかと勝手に思いました。それくらい本当に皆ぐーたらに寝そべっています。家のすぐそばでは見たことはありませんが、少し離れたところ(それでもデリーの中心部です)に行くと、数は少ないですがブタや牛やヤギや馬や孔雀を見かけます。皆、のっそりのっそり歩いたり立ち止まったりしています。
Defence Colonyの南にある片道3車線の大通りの交差点で牛がのろのろと歩いていました。
職場のあるLe Meridienホテルの近くの路上にて。どうも牛から牛乳を搾っているようでした。
Defence Colonyにある建築現場(その1)足場を作っているのですが日本では見たことのない足場でびっくりさせられます。
Defence Colony内の建築現場(その2)。写真ではわかりにくいのですが、木の後ろに覆いを作りその中に家族が住んでいます。洗濯した衣服は近くに干しています。
Defence Colonyの近くの住宅の中を歩いて回ってみると、いくつも家が建て替え工事中であるのが見えます。建築の様子を見てみると、耐震構造の要求レベルが大きく異なるためか、日本の建築現場では見たことのないような作り方をしています。ただ、もう一つ大きな違いに気づきます。それは、その家を建築している大工の家族がその建築現場に住み込んでいるということです。すべての建築現場でそのようになっているわけではないのですが、多くの建築現場でそれを見かけます。すなわち、建築現場に選択した服が干されていますし、赤ちゃんや子供が建築現場で遊んでいるのです。たまにテレビをつけていて一家団欒で見ている光景も見かけます。おそらく、建築が終わるまでその建築現場に住み、終わると次の建築現場に移り住んでいくということなのでしょうか。とにかく、生きていくための生命力がすごいなというのがひしひしと伝わってきます。と同時に、このインドという国の中での貧富の差のものすごさを感じさせられます。
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