第11回 湯煙の向こうに世界が見える


 いきなり、クエスチョンです。日本の温泉で最も湯量が多いのは、どこでしょうか?
 答えは、九州大分 別府温泉です。源泉数、湧水量とも豊富で、別府八湯とも言われております。街中、いたる所から湯煙ですね。


 別府温泉といえば、個人的には中学校の修学旅行で行った、地獄巡りが印象に残っています。血の池地獄、坊主地獄など、名を聞いただけで、想像力をかき立てられる地獄群は星座と同じくネーミング大賞ものです。時代を感じますね。


 かつては、新婚旅行や会社の慰安旅行で賑わっていた別府も、かなり以前から、団体旅行の減少や、秘湯志向などで、湯布院や黒川温泉などに人気が移って参りました。


 反面、韓国や中国など、国際的な需要が増えているようです。韓国からですと、日本からグアムへ行くより近い海外旅行ですので。


 別府のように、日本人が考えているより、海外から脚光を浴びている地域は、この国の中にはたくさんございます。北海道ニセコなどは、オーストラリア人の別荘だらけです。


 ということで、今回は、ユニークな国際教育を行っている大学のご紹介です。


 別府でグローバル教育といえば、APUとピンと来られる方は多いと思います。 そうです、APU=立命館大学アジア太平洋大学です。


 APUは、2004年4月に、大分県、別府市、学校法人立命館の三者の公私協力によって、開学しました。現在、90か国から、約3千人の留学生と、ほぼ同数の日本人学生、合計6千人が、別府の地で国際色豊かに学ばれております。学生さん達の出身国が90か国といえば、凄い数ですよね。地域を見ると、アジアに加え、欧米、アフリカ、南アメリカ、大洋州まで、ほとんど全てのエリアから来られております。


 HPによると、開学以降、文部科学省の「グッドプラクティス」、「戦略的大学提携支援事業」、「MOT人材育成プログラム」「観光経営人材育成プログラム」、文部科学省と経済産業省の「アジア人財資金構想」、内閣府の「アジア青年の家」等各種プログラムにも選定され、社会的な評価も高まっています。 就職希望者の就職率も高く、昨年度は400社近くの企業が本学キャンパスで採用活動を実施されたとのこと。


 キャンパスは、小高い丘の上で、眼下に別府湾と街を見渡せる素晴らしい環境です。



 また、学長のカシム先生も傑出された方で、このようなユニークな大学を、より魅力的なものとされておられます。


 特徴としては、授業は原則 日本語と英語で両方受けられるそうです。しかし、外国人学生は日本語で、日本人学生は英語で受けることが多いそうです。日本語と英語をそれぞれ勉強する良い機会ですので。


 教官の採用もワールドワイドです。インターネットによる国際会議システムで面接がなされ、約150名の教員も、多国籍となっております。


 よく、我が国の企業は必然的にグローバル展開を迫られているが、教育は国際的ではないとのご批判をいただいております。しかしながら、APUのような教育機関を通じ、外国の学生さん達が日本で学んでいただき、より多くの人たちが日本で就職をされることも期待しております。人口減少局面の日本で、これからの国際競争力を支えるのは、如何に外国から優秀な人材を引き着けられるかが重要なポイントです。また、日本人学生も外国人と机を並べて過ごすことにより、当たり前のように国際感覚や海外とのネットワークを築けることが出来るのです。


 現在、アメリカでは4万2千人の中国人が博士課程に通っており、それが大きな国力となっております。日本でも、APUのような先駆的な取組が益々、成功することを心から願っております。


http://www.apu.ac.jp/home/index.php?sel_lang=japanese← APUのHP

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A5%E5%BA%9C%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A← 別府地獄巡りの紹介です。なぜかワニもいる。




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