第4回 EMによるトリインフルエンザパンデミック対策



 EMの活用技術を進めているうちに常識では判断できない様々な現象に出会わすことになりました。当初は偶然の一致と思っていたことも毎重なるにつれ、再現性が確認されるようになり、EMの飛躍的な活用に結びついています。


 前回はEMを医療に活用しているタイ国の状況について説明しましたが、EMが導入された発展途上国にもこの情報は広がっており、各々の国で健康維持のノウハウとして活用されています。


 EMを活用するにあたって全く信じられなかった事例が無数にありますがその中でも特に動植物いずれのウィルス性の病気の予防に抜群の効果があり、施用量を増やすと治療も可能になるという現実です。


 事の始めはEMの普及に当たって、その安全性を農家に納得してもらうため、EMの普及研修会で100ccくらいのEMをその都度、私が飲んで見せたことです。ひどい場合は10日以上連続して飲んだ例もあります。


その結果、いつの間にか体の不具合が消え、かなり厳しいハードスケジュールにも耐えられるようになり、年中行事のようにこじれる長い風邪とは全く無縁となってしまったのです。今ではEMを何らかの形で日常的に飲用している人々にとっては、常識的な話となっています。EM活性液(通常のEMを100〜1000倍に増やし活性化したもので誰でも簡単に作れる)を500倍に薄めて加湿器に入れて活用した学校や老人福祉施設で風をひく人がいなくなり、インフルエンザに対しても顕著な予防効果が認められています。


 EMが畜産や水産分野に応用されるにつれ、色々な場面で驚異的な成果が上がっています。コイヘルペスをはじめ魚類のウィルスはもとより、世界的に問題となっているエビのホワイトスポットウィルスやエローヘッドウィルスです。エクアドルグワヤキル地区は世界No1のエビ養殖地ですが、ホワイトスポットウィルスのため壊滅状態になり、4万人近い人々が失業してしまいました。今から7年前のことです。


 中南米のEM普及拠点大学であるコスタリカのアース大学の卒業生がこの惨状にチャレンジし、無投薬でEMのみでこの問題を解決し、大半の人々が職場復帰できたことは養殖業界では有名な話です。


 動物については蹄疫というやっかいなウィルスがあり法定伝染病となっています。この病気にかかると直に死ぬわけではありませんが、口や蹄のまわりに炎症をおこし徐々にやせ細って最後は死んでしまいます。かつて台湾で数百万頭の豚がこの病気で処分されたり、イギリスでも数百万頭の牛が処分されたのもこの10〜15年以内に起ったことです。


 タイのカセサート大学で研究用に隔離された口蹄疫にかかった豚と牛にEMを飲水や飼料に混ぜ投与した結果、口蹄疫の特有な症状が消え正常に戻ったのです。ウィルス専門家はこのことを全く信じていませんが農家の間では口蹄疫対策に広く活用されています。


 トリインフルエンザに対しても類似の経験が多数あります。7〜8年前からH5N1型の強毒なインフルエンザがアジアの国々で広がっています。日本でもヨーロッパでも発生しており、聖域はないといわれています。この強毒性のウィルスはトリからヒトにうつる性質があり、中国やアジアの国々で年々犠牲者が多くなっています。


 この状況から、トリからヒトへと進化していると判断されていますが、現時点では死んだトリに触れなければ被害に遭うことはないと言われています。問題は、そのウィルスが更に進化し、ヒトからヒトへと伝染するヒト型になった場合です。これまでの経験ではトリインフルエンザがヒト型になるのは時間の問題といわれ先進各国は、既に警戒態勢に入っており大掛かりな対策訓練が行われています。国や県地方自治体や企業に対しても各々の役割を明確にされた種々の対策が検討されています。また予防の為のワクチンや治療薬の準備も進められていますが、いずれも決定打はありません。


 タイやベトナム、インドネシア、韓国、北朝鮮でトリインフルエンザ発生した時にEMを活用していたトリは全く被害に遭わなかったという事実が多数あります。タイ国でも専門家はこの事実を無視または全面的に否定しましたが、多くの事実を突きつけられた結果、「政府としては公式に認めた訳ではないが対策の決定打がない現状から判断し農家が予防的に活用することはいいことである」という見解に落着いています。


 EMで管理された養鶏場では隣接する養鶏場に強毒性のトリインフルエンザが発生しても全く感染せず、またすでに感染した鳥やアヒルがぼつぼつと死に始めた時点でEM活性液を100倍にして投与し続けた結果、回復し感染が広がらなかったという事実もあります。本シリーズは「比嘉照夫氏の緊急提言」となっていますが、トリインフルエンザのパンデミック対策に決定的な解決策がない現実において従来の方法以外にも決定的な切り札があるということを多くの人々に知ってもらいたいと考えあえて提言することにしました。


 したがって、トリインフルエンザパンデミック対策にはこれまでの方法に加えEMを活用すれば更に万全を期すことが可能であると確信しています。市販のEM1号やEMWを活用することも一つの方法ですが前回に述べたタイ国のようにEM1号やEMWを黒糖や果物のジュースやハーブ等を入れ発酵液を作り自家製の健康飲料にする方が最も効果的といえます。飲む量については特に制限はありませんが30〜100ccが目安となっています。それでも不安な場合は清涼飲料として市販されているEMXゴールド等のEM資材も強い抗ウィルス作用があることを理解し活用するときもEM資材が顕著な免疫力増強に役立つことも覚えておればトリインフルエンザパンデミック対策に万全を期すことができるものと確信しています。



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