第221回 事例から見るEMの波動


前回は、EMによる放射能消滅の件をAIに判定してもらった結果を紹介しました。今回は、その結果の前に知られていた多くの不思議現象について、普段の観察から知り得ることを紹介します。要は、その事実をそのまま受け入れるか、常識に照らし合せてあり得ないとして無視してしまう差によるものです。


EMの機能性(トンネル効果の存在)
EMの効果は、これまで度々お話ししてきたように、「抗酸化作用」、「非イオン化作用」、「波動作用」によるものです。EMの効果を理解するうえで、「抗酸化作用」と「非イオン化作用」では説明し得ない現象が起きています。それがEMの本質的な機能である波動作用です。

「EMの波動作用」は、EMの本質的な機能であるにも関わらず、“EMは科学的ではない”という批判のもとになっています。しかし、EMの効果を検証していくと、測定が非常に困難なある種の波動と呼ぶべき存在が明確になってきました。

まずは水質浄化の実験です。三角フラスコに汚水を入れ、EMを加えたEM処理区と加えない無処理区を接近した状態で実験したのです。当初は、EM処理区が勝っていましたが、時間の経過とともに無処理区もきれいになってしまったのです。また、化学物質の分解実験でも同じことが起きてしまいました。当初はEMが無処理区にも入ったという実験上のミスと考え、その対策を徹底しましたが、結果は変わりませんでした。一方、実験室外においてあった残りのサンプルは、当初の状態と同じで分解されないままだったのです。


波動の存在の確認
EMには、三角フラスコ等のガラス容器はもとより、プラスチック、金属容器を突き抜ける不思議な力があり、その不思議な力を「波動」として理解し、次のような実験をしました。アルミ箔でEM処理区と無処理区の間を遮断したのです。確かにある一定の遮断効果はありましたが、EMの効果は伝わっていました。そのため、とうとう無処理区を別の離れた実験室においてみると、EMの影響が現れないという結果を得ることが出来たのです。

それどころではありません。EMを長年取り扱っていた実験室は、部屋全体がEM化しているために、すべての実験にその影響が現れるようになったのです。トリクロロエチレンやダイオキシンの入った水、その他様々な農薬の混在した水をこの実験室におくと、時間とともに消えてしまったのです。海水も塩分の反応が下がり、水みたいになってしまいました。

このような現象はやはり「波動」でしか説明がつきませんでした。これから、そのような事例を紹介します。皆さんには、これまでの理論や過去の経験に囚われず、実際に起きた現象面から物事を考えるという発想を持っていただければと思います。


農地における波動の伝播
EM無処理区にもEMの効果が現れるこの不思議な現象は、農作物のポット試験や圃場試験でも現れてきました。前半はかなり差が認められたのに対し、後半は無処理区が追いついてくるのです。したがって、統計処理すると差が無いことになります。

沖縄県をはじめ、全国各地でEMの試験が行われましたが、すべて統計的には差はないということになり、何年も続けても、無処理区が隣接している場合は、同じ結果になります。無処理区は少なくとも5ⅿ以上離す必要がありますが、そのように配慮した実験は過去に一例もありません。

農家の場合は、EMを使う前と使った後の収量や品質に明確な差が現れます。EMの使った量や使い続ける時間が積算されると、水田や畑全体が均一に、何を作っても良く出来るようになり、これまでの常識を超える様々な限界突破現象が現れてきます。

試験研究機関のデータと農家の現実に、これほどギャップのある例は見たことがありません。私は農家の現実を優先し、いかなる批判も無視し、EMの普及に徹することにしたのです。

現場では不思議なことが次々と現われてきました。栃木県鹿沼市の高冷地の水田で、午前中は隣接する竹林によって半陰の状態となり、その部分は登熟が上手くいかず、青米となっている自然農法の水田にEMを使ったのです。すると、冷たい田植え直前の水田は、早朝に霧が立ち込め、水温は2~3℃も高くなっていました。秋には日向も日蔭も関係なく、見事に均一に登熟し、素晴らしい米が穫れたのです。

北海道では、乳牛のスラリー(ふん尿が液状に溜まっている箇所)にEMを投入し、臭気が無くなった時点でこれを牧草地に散布すると、素晴らしい牧草ができたのです。さらに不思議なことに、この牧草地と1.5ⅿ幅位の素掘りの排水溝で区切られた隣りの牧草地では、排水溝に接した2ⅿ位の部分がまっすぐ線を引いたように青々と繁っていたのです。

その時は、EMが降雨条件や風向きによって勝手に飛散したものと思っていましたが、その拡がりが直線的であり、生物が増殖して拡散するときのランダム性は全くなかったのです。有機物が多く、水分が十分にある場合は、効果が顕著でしたので、EMの増殖条件の差によるものと考えていましたが、栄養的条件が整っていれば、有機物や無機物の条件を超え、限界突破現象が現われてきました。


化学反応では説明できない蘇生現象
EMによる飼育・畜舎の清掃を徹底すると、いつの間にか天井を含め、畜舎全体の錆が消え、割りばしで字が書けるくらいにボロボロになったセメントの床が、徐々に硬化し、当初の最も硬かった状態に戻ってしまいました。機材の故障も激減し、30%以上の節電効果も現われたのです。

EM処理をしたスラリーを撒いた牧場は、雪が積もりにくく、雪解けも早く、EMサイロ(家畜のエサ置き場)の外側には雪が昇華し、積もらないという現象が現われきました。この現象はEMが直接触れない部分で起こっており、EMの抗酸化作用、非イオン化作用で十分説明することは困難です。このようなプロセスから、EMが機材のメンテナンスや機能性の向上を目的として土木建築分野に活用されるようになったのです。


セラミックス化しても現われるEMの波動現象
EMのなかの光合成細菌の耐熱性が明らかになるにつれ、セラミックスへの応用が始まりました。EMセラミックスは、1200℃で焼成されており、一般的に考えると、微生物が生きた菌体の状態で存在し続けることは到底考えられません。しかし、EMセラミックスを使用すると、EMが増殖する条件のないボイラーの水質浄化や錆防止等、種々の省エネ効果はもとより、時間差はあっても、EMの基本的性質が現われるようになります。

EM活性液をペットボトルに入れ、EMスーパーセラ発酵C(EMセラミックスの粉末)を小さじ一杯位入れ、密封したものをトマト畑のまわりに2~3ⅿ間隔で吊り下げてみました。効果はてきめん。病害虫による被害が激減したのです。

また、ウイルスに罹ったパパイヤに同様にペットボトルをくくり付けると、ウイルスはほぼ完全にマスクされます。果樹園のあちらこちらに吊り下げると、病害虫はもとより、自然災害の環境負荷もかなり軽減されるようになりました。

信じられないことですが、このような波動を意識し、環境全体の波動が高まるようなEMの使い方、すなわち、「効くまで使い続ける」という覚悟を決め実行すると、目を見張るような結果となります。いずれも計算外のエネルギーが多量に転換されたか、エネルギーロスが極端に少なくなった結果と言える現象です。

波動の影響をうける「場」の存在を利用する
EM1®は、約30年以上も前から家畜に与えて良い飼料(A飼料)として国の認可を受け、畜産分野に広く使われています。すなわち、家畜に飲ませても、飼料に混ぜて食べさせてもいいということです。EMは畜産業界の抱える環境問題のすべてを完全に解決するばかりでなく、口蹄疫や鳥インフルエンザ等、すべての病気の対策に極めて効果的であることは改めて述べるまでもありません。

畜産農家がEMを使い、悪臭が外部に拡がらなくなると、かつて悪臭が感じられた距離にEMの波動が拡がり、その範囲内には口蹄疫や鳥インフルエンザのウイルスをはじめ、有害な微生物の蔓延をくい止める「場」が形成されます。

2010年に、宮崎県では口蹄疫が深刻な問題となりました。えびの市の場合、口蹄疫の発生地点から3Km以内に150軒の畜産農家があり、畜舎と畜舎の距離は大半が1Km内外、離れている所でも1.5Kmという状況でした。口蹄疫の感染至近距離である3Kmを考えると、この過密状態での感染拡大防止は、常識的には極めて困難ということになります。

しかし、私はえびの市でEM活用をしている松窪さん(えびのEM研究会会長)に、事態が深刻になる前にEMによる感染防止策を示し、「拡大を防ぐことが可能だから安心してください」とお伝えしました。

えびの市の場合、すでにEMを使っている農家が20軒程あり、その後、かなりの農家がEMを使い始めました。ここでも、「EMを使用している農家のみならず、EMを使っている農家に囲まれたEM不使用の農家も感染しない」という、EMの波動効果が現われたのです。その結果は、えびの市は感染が拡大しなかったので別途対応となり、一足先に清浄化宣言がなされました。

EM加工プラスチック容器を使った放射線量の減少実験
現在の物理学の常識では絶対にあり得ない現象ですが、この結論は信頼できる研究機関が慎重に行った実験結果です。

実験には、EM加工されたプラスチック容器とEM加工されていないプラスチック容器とEM加工されていないプラスチック容器を使用しました。EM加工されたプラスチック容器は、EMの性質を賦与されたもので、生きた菌体としてプラスチック内に生存しているわけではありません。基本的にはEMセラミックスと類似の性質を持っています。

EM加工容器では、飲料水の場合は6時間後、牛乳の場合は12時間後に放射性セシウムが検出限界以下になりました。ノーマル樹脂の容器では、このような効果は認められませんでした。現在、この効果は半永久的と考えられています。

この実験の結果は、EMがEM加工プラスチックの樹脂から溶け出して放射性セシウムに干渉したわけではなく、容器に接触していただけで放射性セシウムが消えてしまったということです。この原理は今後の検討課題ですが、触媒的な波動の存在を前提にしない限り説明が困難であり、EMが放射能汚染の浄化に効果を発揮しているものとして理解できます。

EMの波動は放射性物質とも干渉する
マスコミはあまり報道しなくなりましたが、今も毎時1千万㏃/Kg(以下㏃と表記)もの放射性物質が放出されています。この状況は原子炉をコンクリートで完全に封をするまで続くものと考えるべきです。

すでに発表済みですが、福島県飯館村での放射能汚染対策実験で、当初対照区として設定した処理区より2ⅿ離れた地点の放射能が処理区よりも下がっているという現実に直面しました。物理的に絶対にあり得ない現象です。念のため、50ⅿ離れた地点を調べると、一般的な減少傾向で、2万㏃あった放射線量が1万5千㏃でした。それに対し、EM区の隣りは5千㏃以下となっていたのです。このことがきっかけとなり、数軒のEM農家の圃場とその周辺の放射線量を調べた結果、EMを使用している畑の放射線量はかなり低く、同時にその畑のまわりのEMを使っていない場所も低くなっていることが確認されました。

EMで放射能汚染対策をした農地やグランド・広場などでも同じような現象が確認されるにつれ、EMの波動効果は動かし難いものとなってきました。しかし、その波動の影響が及ぶ範囲の限界が明確ではありませんでした。

千葉県野田市のスポーツ公園でのEMによる放射能汚染対策実験は、その目安を示す結果となっています。A~D区の放射線量の変化を見る限り、EMに効果があるとはいえません。EMを散布しなかったB区がEM活性液を散布したC区よりも下がっているからです。しかし、5%以上も減少するとはあり得ない話で、EMの波動による影響と考えることも可能です。

この実験を行うに当たって、EM散布の隣接区は放射線量も下がる旨を伝えていましたので、念のために、対照区とは別にC区からの延長線65ⅿの地点と165ⅿの地点と195ⅿの地点で測定を行ったのです。その結果は、65ⅿ地点は減少率は0%、165ⅿ地点は4.3%の増加、195ⅿ地点も3.92%放射線量が増えているのです。

この測定結果は、EM活性液の散布場所から遠くなればなるほど減少率が低くなっています。野田スポーツ公園は、現在でも福島原発の影響を受けており、減少率がゼロであった地点は、本来、汚染が増加するはずが、EMの波動の影響を受けていたために増えなかったという解釈も成り立ちます。この結果から考えると、実用的なレベルでみれば、EMを散布すると25~30ⅿ内の隣接地の放射線量が下がり、EMの波動の影響は65ⅿぐらいまで広がっていると判断されます。

今回の試験結果を一般の化学物質と同じように見てしまうと、EMの散布効果はないという判定になります。しかしながら、波動のようなものの影響がないと仮定しても無散布区の結果を説明しようとすれば、何もしないで数ヶ月で14~18%も自然に減少するということになり、除染の必要はないという結論になってしまいます。


EMの波動は自然のメカニズム
EMを開発して40余年。あらゆる分野にEMを徹底活用していると、「地震が起きてもコップが棚から落ちなかった」、「台風が来ても畑の被害が少なかった」、「鳥害が減った」、「これまでの不具合が正常化した」、「EMを撒いてない所でも放射性物質が減少した」等々、不思議な現象が数多く起きました。これらの現象はすべて、抗酸化・非イオン化の原理では説明がつかず、EMの不思議な機能に対する大統一理論が必要となりました。

この結論がトンネル効果を持つ「波動」なのです。この波動はすべての異常をノーマル化し、量子エネルギーの循環を支えています。そのメカニズムが徐々に分かってきました。それを詳しく説明することは、誌面の都合上、また別の機会に譲りますが、ひとつ言えることは、EMの波動は自然の摂理のなかにあるということです。EMを使うことによって、「自然の摂理に逆らうことなく、人が安全で快適な方向へと、ある程度自然をコントロールすることができる」ということを皆さんに実感していただきたいと思っています。






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